俺が咲良で咲良が俺で

廣瀬純七

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全国大会へ

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サッカーの県大会決勝戦が始まる日、健太の体になった咲良は緊張した面持ちでスタジアムに立っていた。空は快晴。観客席からの声援が会場全体を包み込み、白熱する試合を予感させる空気が漂っていた。

咲良の体の健太はベンチから声をかける。  
「おい、咲良!今日はお前が健太だ。しっかりな!」  
「もちろんよ。任せて!」  
健太の体の咲良は自信を持って笑顔を返した。だが、その手は微かに震えていた。

---

### 試合開始

試合開始のホイッスルが鳴り響く。相手は県内でも屈指の強豪校で、激しいプレスを仕掛けてきた。前半からお互い一歩も譲らない攻防が続く。  

咲良の体の健太はベンチから的確な指示を送り続けた。  
「もっとスペースを作れ!」「ラインを上げて!」  
健太の冷静な判断力は、フィールドで健太の体を借りてプレーする咲良にとって大きな助けになった。

---

### 決定的な瞬間

後半20分、スコアは0-0。ここで勝負を決めるために健太の体の咲良は攻めに出た。相手チームのディフェンスが立ちはだかる中、彼女の俊敏なドリブルが光る。

「行け、咲良!」  
咲良の体の健太が声を張り上げる。

咲良は相手ディフェンダーを次々にかわし、ゴール前に迫る。そして、得意のシュート体勢に入ると、右足で鋭いボールを放った。

ボールはゴールネットに突き刺さった。観客席から大歓声が上がる。1-0。  
「やった……!」咲良は拳を握りしめた。

---

### チームの絆

試合終了間際、相手が猛攻を仕掛けてきたが、チーム全員で守り切った。試合終了のホイッスルが鳴り響く。スコアは1-0。咲良たちのチームは見事、県大会優勝を果たした。

ピッチ上で抱き合いながら喜びを分かち合う選手たち。その中で咲良の体の健太が笑顔で健太の体の咲良に近づいた。  
「おめでとう、健太君!」  
「いや、今は咲良だろ?」と笑いながら返す咲良。

---

### 全国大会への道

表彰式では、優勝トロフィーを掲げるキャプテンの横で、健太の体の咲良が誇らしげに笑っていた。  
「私たち、次は全国大会だね。」  
「そうだ。ここまで来たんだ、もっと上を目指そう。」  
二人の決意は固かった。

観客席の遠くから見守っていた咲良の家族や友人も涙を浮かべながら拍手を送っていた。

全国大会の舞台は、県大会以上の激戦が待ち受けている。だが、咲良と健太はそれぞれの努力と成長を胸に、新たな挑戦に向けて走り出していくのだった。
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