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ジョンとアリス
しおりを挟むエドワードは、アリスの体に移ってから数か月が経ち、若い肉体に新しい生活を見出し始めていた。彼はジョンと頻繁に会話を楽しみ、彼の知識や若々しいエネルギーに魅了されていた。
ある夜、二人は夕食を共にし、その後、月明かりが照らす川辺を散歩することにした。ジョンがふと立ち止まり、エドワードに向かって真剣な目で見つめた。
「アリス、君といると、とても落ち着くんだ」とジョンが言った。
エドワードは一瞬戸惑ったが、微笑みを浮かべて答えた。「私もよ、ジョン。君といると、何か…新しい自分に出会える気がするの。」
二人の間に、心地よい沈黙が訪れた。エドワードは、以前なら考えもしなかったような、心の奥に染み入る感情を感じていた。アリスの体が生み出す感覚が、ジョンに対する思いをより深く、個人的なものにしていた。以前は感じなかった、若々しい情熱が心を満たしていくのを感じた。
その後、二人はさらに親密になり、頻繁にデートを重ねた。エドワードにとって、ジョンとの時間は新しい冒険であり、かつての自分にはなかった柔らかく純粋な愛情の感覚に気づかされた。
ある晩、ジョンはエドワード(アリス)を見つめてこう言った。「アリス、僕は…君を愛している。」彼の言葉は真剣で、まっすぐな気持ちが伝わってきた。
エドワードは、その言葉を聞いて胸が高鳴るのを感じた。アリスとしての自分が、心からジョンを愛しているのだと悟ったのだ。かつてのエドワードが抱いていた愛情とは異なる、新しい感覚だった。彼はアリスとしてジョンとともにいる時間が、自分を変えてくれるものだと感じた。
エドワードは、目に涙を浮かべながらジョンの手を取り、静かに囁いた。「私も、ジョン。あなたのことを心から愛しているわ。」
それから二人は恋人同士となり、エドワードはアリスとしてジョンとの未来を夢見るようになった。若い心と体で感じるこの新しい愛は、彼にとって驚きであり、再び生きる意味を見つけることができた喜びでもあったのだ。
エドワードはこの体での新しい人生を受け入れ、かつての自分から解放され、愛と共に未来を見つめる決意を固めたのだった。
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