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放蕩王弟帰城する!
それは嫉妬なのですか? 3
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「沙良ちゃん、おはよう! いい朝だね!」
翌朝のことである。
シヴァと仲良く朝食をとっていた沙良のもとに、突然セリウスがやってきた。
「おい、ノックくらいしないか」
シヴァが不機嫌オーラを醸し出して苦情を言ったが、セリウスはどこ吹く風だ。
「沙良ちゃんが食堂に来ないから呼びに来たんだけど、部屋で食べてたんだねぇ」
兄を完全に視界から追い出して、セリウスはにこにこと沙良に話しかける。
「食堂?」
この城に、食堂なんてものがあったのか。いつも部屋で食事していたから、沙良は全然知らなかった。
セリウスは沙良の隣に腰を下ろすと、沙良が食べている朝食の中身を覗き込んだ。
今日はクロワッサンとスクランブルエッグ、ウインナーにサラダとスープである。クロワッサンはバスケットにこんもりと盛られていて、どう考えても食べきれる量ではなかった。
「おいしそうだねぇ、いいなあ、俺もここで食べようかな」
「帰れ」
シヴァがにべもなく言ったが、セリウスは完全に無視を決め込んだ。
セリウスがパチンと指を鳴らすと、テーブルの上にヨーグルトとカットされたフルーツがあらわれる。
(あ、イチゴ……)
沙良はカットフルーツの中にイチゴを発見して、思わず「いいなぁ」と凝視してしまった。
沙良の視線に気がついたセリウスが、クロワッサンを指さして言う。
「沙良ちゃんフルーツ食べたい? クロワッサンくれるなら、わけてあげるよ」
願ってもない申し出だった。なぜなら、こんなに大量のクロワッサンが食べきれるはずがないからだ。
沙良は二つ返事でセリウスにクロワッサンを分け与えると、かわりにもらったイチゴに舌鼓を打った。
その沙良の目の前で、シヴァの機嫌が一段と悪くなる。
(シヴァ様も、フルーツ食べたいのかな?)
シヴァの朝食も、沙良と同じメニューだった。フルーツはない。
沙良はシヴァの機嫌が悪くなったのはフルーツがないからだと勝手に解釈し、セリウスに分けてもらったフルーツをシヴァに差し出した。
「シヴァ様も、フルーツ食べますか?」
シヴァは一瞬変な顔をしたが、沙良に「はい」とフォークに刺されたイチゴを差し出されて、無言で口を開けた。
これは口に入れろということだな、と沙良はシヴァの口の中までイチゴを運ぶ。
ぱくっと食べられると、まるでひな鳥に餌をやっているような気分になった。なんだか楽しい。はまりそうだ。
「シヴァ様、もう一ついりますか?」
沙良は心なしか瞳をキラキラさせてシヴァに訊ねた。
「ん」
シヴァがうなずくと、今度はカットされたバナナをフォークに刺して彼の口に運ぶ。
その様子を隣で見ていたセリウスは、新種生物を発見したかのように驚いた。
――食べている。あの兄が。警戒心の塊のような兄が。人の手からフルーツを食べている。
「ありえない……」
セリウスはぼそっとつぶやいた。
セリウスは自分の手元のフルーツを見た。パイナップルをフォークに刺して、無言で兄の口元までもって行ってみる。
「何の真似だ」
途端、セリウスは恐ろしく不機嫌そうなシヴァに睨みつけられた。
「シヴァ様は、パイナップルは嫌いですか?」
セリウスの隣で、沙良が頓珍漢なことを言っている。
ぶはっ、とセリウスは吹き出した。
「あ、あはははははは! あり得ない! あり得ないよ! ああ、おっかし……!」
突然笑いはじめたセリウスに、沙良はびっくりした。
「気にするな」
ため息を吐いたシヴァにそう言われ、沙良はちらちらと笑い続けるセリウスを見ながら食事を続ける。
笑いの発作が収まったセリウスは、沙良に横からぎゅっと抱きついた。
「きゃっ」
突然抱き締められて、沙良が小さく悲鳴をあげる。
「ああ、どうしよう! 本当に欲しくなってきちゃった!」
「いい加減にしろ!」
セリウスの眉間めがけて、シヴァの放ったフォークがすごい勢いで飛んできた。
セリウスはそれが眉間に突き刺さる前に余裕綽々で受け止めると、シヴァに向けて挑発的に笑った。
「ごめんね、兄上。俺、今回はちょっと本気で行かせてもらうかも」
そう言って、セリウスは沙良の額にちゅっと口づける。
「―――っ」
沙良は額を抑えて顔を真っ赤に染めた。
「かぁわいぃ」
そんな沙良を、セリウスはにこにこしながら見つめている。
シヴァの周りの温度が急降下で氷点下まで下がったが、沙良は全く気がつかなかった。
シヴァは拳を震わせて怒鳴った。
「セリウス!!」
翌朝のことである。
シヴァと仲良く朝食をとっていた沙良のもとに、突然セリウスがやってきた。
「おい、ノックくらいしないか」
シヴァが不機嫌オーラを醸し出して苦情を言ったが、セリウスはどこ吹く風だ。
「沙良ちゃんが食堂に来ないから呼びに来たんだけど、部屋で食べてたんだねぇ」
兄を完全に視界から追い出して、セリウスはにこにこと沙良に話しかける。
「食堂?」
この城に、食堂なんてものがあったのか。いつも部屋で食事していたから、沙良は全然知らなかった。
セリウスは沙良の隣に腰を下ろすと、沙良が食べている朝食の中身を覗き込んだ。
今日はクロワッサンとスクランブルエッグ、ウインナーにサラダとスープである。クロワッサンはバスケットにこんもりと盛られていて、どう考えても食べきれる量ではなかった。
「おいしそうだねぇ、いいなあ、俺もここで食べようかな」
「帰れ」
シヴァがにべもなく言ったが、セリウスは完全に無視を決め込んだ。
セリウスがパチンと指を鳴らすと、テーブルの上にヨーグルトとカットされたフルーツがあらわれる。
(あ、イチゴ……)
沙良はカットフルーツの中にイチゴを発見して、思わず「いいなぁ」と凝視してしまった。
沙良の視線に気がついたセリウスが、クロワッサンを指さして言う。
「沙良ちゃんフルーツ食べたい? クロワッサンくれるなら、わけてあげるよ」
願ってもない申し出だった。なぜなら、こんなに大量のクロワッサンが食べきれるはずがないからだ。
沙良は二つ返事でセリウスにクロワッサンを分け与えると、かわりにもらったイチゴに舌鼓を打った。
その沙良の目の前で、シヴァの機嫌が一段と悪くなる。
(シヴァ様も、フルーツ食べたいのかな?)
シヴァの朝食も、沙良と同じメニューだった。フルーツはない。
沙良はシヴァの機嫌が悪くなったのはフルーツがないからだと勝手に解釈し、セリウスに分けてもらったフルーツをシヴァに差し出した。
「シヴァ様も、フルーツ食べますか?」
シヴァは一瞬変な顔をしたが、沙良に「はい」とフォークに刺されたイチゴを差し出されて、無言で口を開けた。
これは口に入れろということだな、と沙良はシヴァの口の中までイチゴを運ぶ。
ぱくっと食べられると、まるでひな鳥に餌をやっているような気分になった。なんだか楽しい。はまりそうだ。
「シヴァ様、もう一ついりますか?」
沙良は心なしか瞳をキラキラさせてシヴァに訊ねた。
「ん」
シヴァがうなずくと、今度はカットされたバナナをフォークに刺して彼の口に運ぶ。
その様子を隣で見ていたセリウスは、新種生物を発見したかのように驚いた。
――食べている。あの兄が。警戒心の塊のような兄が。人の手からフルーツを食べている。
「ありえない……」
セリウスはぼそっとつぶやいた。
セリウスは自分の手元のフルーツを見た。パイナップルをフォークに刺して、無言で兄の口元までもって行ってみる。
「何の真似だ」
途端、セリウスは恐ろしく不機嫌そうなシヴァに睨みつけられた。
「シヴァ様は、パイナップルは嫌いですか?」
セリウスの隣で、沙良が頓珍漢なことを言っている。
ぶはっ、とセリウスは吹き出した。
「あ、あはははははは! あり得ない! あり得ないよ! ああ、おっかし……!」
突然笑いはじめたセリウスに、沙良はびっくりした。
「気にするな」
ため息を吐いたシヴァにそう言われ、沙良はちらちらと笑い続けるセリウスを見ながら食事を続ける。
笑いの発作が収まったセリウスは、沙良に横からぎゅっと抱きついた。
「きゃっ」
突然抱き締められて、沙良が小さく悲鳴をあげる。
「ああ、どうしよう! 本当に欲しくなってきちゃった!」
「いい加減にしろ!」
セリウスの眉間めがけて、シヴァの放ったフォークがすごい勢いで飛んできた。
セリウスはそれが眉間に突き刺さる前に余裕綽々で受け止めると、シヴァに向けて挑発的に笑った。
「ごめんね、兄上。俺、今回はちょっと本気で行かせてもらうかも」
そう言って、セリウスは沙良の額にちゅっと口づける。
「―――っ」
沙良は額を抑えて顔を真っ赤に染めた。
「かぁわいぃ」
そんな沙良を、セリウスはにこにこしながら見つめている。
シヴァの周りの温度が急降下で氷点下まで下がったが、沙良は全く気がつかなかった。
シヴァは拳を震わせて怒鳴った。
「セリウス!!」
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