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第二部 すべてを奪われた少女は隣国にて返り咲く
祝賀パーティー 1
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『リジー。お元気ですか? わたしは元気です。
お店は年末で忙しい時期かな?
あれから、そっちに怪しい人とか来てないかな?
何かあったらすぐに知らせてね。
……』
ウォレスの部屋の隣。
侍女の控室で、リジーに手紙を書いていたサーラは、ふとそこで手を止めて、はあと息を吐き出した。
リジーには、変な男がサーラのことを嗅ぎまわっていて、店にも押し入られたから、ウォレスの手配でしばらく安全なところに避難するとだけ伝えてある。
それほど頻繁ではないが、ウォレスは相変わらず下町に様子を見に行っているので、その時にリジーの手紙を届けてもらっていた。
王位継承を勝ち取るため、ウォレスは下町からの情報収集を継続していて、噂好きなリジーは彼にとってとても有効な情報源である。
さらに言えば、ウォレスはセレニテと偽名を名乗って下町に出没しているフィリベール・シャミナードについても探っていた。下町の情報は貴族街にはほとんど入ってこないので、実際に足を運んで探らなければわからない。
城の中でも、ウォレスと第一王子セザールの部屋は離れたところにあって、その妃であるレナエルも、レナエルの隣の部屋を与えられているフィリベールももちろん同様である。
ゆえに、ウォレスの侍女として働き出して一週間が経ったが、部屋からあまり出ないというレナエルやフィリベールはおろか、セザールすら見かけていない。
あからさまにレナエルやフィリベールの近辺を探るのは危険なので、チャンスが巡ってくるのを虎視眈々と待ち構えているのだが、それがいつ巡ってくるのかは定かではなかった。
(ウォレス様はあくまで避難目的でわたしを側においているわけだし……、勝手にフィリベールたちを探ろうとしたら怒るもんね)
このチャンスに、過去の両親の冤罪を晴らしたいと思っているのはサーラだけである。
それをウォレスには伝えてすらいない。
言えば危険と言われるのはわかっていたからだ。
「はあ。自分の近況が書けないと、手紙の話題にも困るわね」
ウォレスが次に下町に行くのは十二月二十七日だと聞いている。だからそれまでにリジーの手紙の返信を書きたいのだが、なかなか便箋が埋まらない。
サーラは何気なくカレンダーを見て、それから「あ!」と声を上げた。
(二十七日って言ったら、お兄ちゃんの誕生日じゃない!)
慣れない生活――というより、サーラに興味を持ったアルフレッドが頻繁に出没しては、「パパと呼べ」と意味不明な強要をしてくるせいで落ち着かず、すっかり頭の中から抜け落ちていたが、十二月二十七日はシャルの十八歳の誕生日である。
「大変!」
「何が大変なんだ?」
「え……って、きゃあ!」
侍女の控室であるが、サーラは一人部屋をもらっていた。
もともとはベレニスが使っていた部屋なのだが、彼女は城に泊まりこまずに自宅に帰ることが多いのでサーラに譲ってくれたのだ。
だから部屋の中にはサーラしかいないはずなのに、突然第三者の声――それも、今はここにいないはずの知った声が聞こえてくれば驚きもする。
「ウォ――オクタヴィアン殿下! その扉は使わないって約束しましたよね!」
「約束なんてしていない。君が一方的に宣言しただけだ」
内扉から堂々と入って来た侵入者は、悪びれずにこりと笑った。
侍女の控室なので、主人の部屋と続いているのだが、心臓に悪いのでこちらの扉はあけないでほしいとお願いしていたのだ。
確かにウォレスから「是」という答えはなかったが、これまで開けられなかったから、了承してくれたものだと思っていた。
「……というか殿下、今は仕事の時間では?」
内扉の奥にはマルセルの姿も確認できた。
ウォレスの暴挙を止められなかったからなのか、申し訳なさそうな顔をしている。
アルフレッドに逆らえないことと言い、城に来てからというもの、サーラの中のマルセルの評価は下り坂だ。
これまでウォレスに振り回されるマルセルに同情していたが、城で生活するようになって、その原因はマルセルの方にもあると気づいた。ウォレスに対してもアルフレッドに対しても、毅然とした態度を取らないからいいように使われるのである。
(とはいえ、ウォレス様はともかくアルフレッド様はちょっとねえ……)
サーラもアルフレッドの扱いには困っている。
合理性と変人を融合させると、言動予測を立てるのが困難になるようだ。
「仕事って、昼休憩だぞ」
「……本当ですね」
時計を確認したサーラは、すっかり昼になっていることに気が付いてがっくりと肩を落とした。
ウォレスが執務室に行っている間に手紙を書いてしまいたかったのに、まだ便箋が半分しか埋まっていない。
「それで、何が大変なんだ?」
「たいしたことじゃありません」
「大変、という言葉はたいしたことに使う言葉じゃないのか?」
「……明後日、お兄ちゃんの誕生日なんです。バタバタしていてプレゼントを用意していなかったから、どうしようかと」
「ふぅん」
答えたのに、ウォレスは面白くなさそうな顔になって、ずんずんとライティングデスクに近づいてきた。
「ああ、リジーへの手紙か。シャル宛ではないんだな」
「家族のプレゼントにわざわざバースデーカードなんてつけませんよ」
「そうだな。私にもなかった」
「……欲しかったんですか?」
「私はつけたのに、君からはなかったのは不公平だ」
(あれ、バースデーカードのつもりだったの?)
失礼な補正下着につけられていたカードには確か「気にしていたようなので」と書かれていた。プレゼントの内容とあわせて、どう考えても祝われている気にならなかったので、サーラの中ではバースデーカードとして処理されていなかったのだ。
(というか……捨てたのよね、あれ)
サーラがカードを捨てたと知ると、ウォレスが拗ねて面倒なことになりそうな気がする。黙っておくのが賢明だ。
「つ、次はつけます……」
「次じゃなくて今書いてくれてもいいが?」
「殿下の誕生日は九月七日でしょう? 今日は十二月二十五日です」
「覚えていたのか」
ウォレスが、ぱっと嬉しそうに笑う。
よくわからないが、ウォレスの機嫌が浮上したのでよしとしよう。
「それで、誕生日プレゼントはどうするんだ?」
「二日しかないので……、ハンカチかシャツに刺繍を入れるか、マフラーでもいいですね。二日あれば編みあがると思います」
「…………へー」
機嫌がよくなったはずのウォレスが、また不機嫌そうになる。
不満そうに口を尖らせた彼に、サーラは首をひねった。
「どうしたんですか?」
「私は刺繡入りのハンカチだった」
「そうですね」
「シャルには、私と同等かそれ以上のものを贈る、と」
(この人、何を競いたいのかしら?)
ウォレスはポケットから見覚えのあるハンカチを取り出す。
「私にはこれ一つだ。シャルには今まで何を贈った?」
「私は殿下の誕生日を一度しか経験していませんけど、お兄ちゃんはもう毎年経験していますから、そりゃあ数は違いますよ」
「不公平だ」
「意味がわかりませんが」
ウォレスがむすっと口をへの字に曲げる。
これはもしかしなくとも、シャルにプレゼントするなら自分にも同じものをよこせと言いたいのだろうか。
(誕生日じゃないのに!)
しかしここで拒否すると、ウォレスが非常に面倒くさいことになりそうだ。
ちらりと彼の背後を見ると、離れたところに立っているマルセルが、ぶんぶんと首を横に振っていた。ウォレスの希望をかなえてやれ、ということらしい。
(マルセルさんがそうやって甘やかすから、こんな我儘を言うようになるんだと思うけど……)
だが仕方がない。アルフレッドの養女になったからには、マルセルはサーラの叔父である。ウォレスに八つ当たりされて叔父が可哀想なことにならないようにするのも、姪の務めだ。たぶん。
「わかりました。シャルにマフラーを編みますから、殿下のも編みます。ただ、毛糸がないので用意を……」
「それならベレニスに言っておこう」
百面相殿下はまた機嫌を直すと、サーラに手を差し出した。
「マリア、昼食だ。付き合ってくれ」
普通、侍女と王子は同じ席で食事を摂らないものだと思うのだが、ウォレスはここには事情を知った人間しかいないのをいいことに好き勝手している。
やれやれとサーラが肩を落としたとき、ベレニスがウォレスの部屋に入って来た。
手には昼食を乗せたワゴンがあって、サーラは慌てて立ち上がる。
食事の準備はベレニスが担当しているが、新参者のサーラがウォレスの隣でのんびりするのは図々しすぎる。
サーラがベレニスに駆け寄り食事の準備を手伝いはじめると、サーラに取ってもらえなかった手を宙に浮かべたまま、ウォレスはまた拗ねた顔になった。
お店は年末で忙しい時期かな?
あれから、そっちに怪しい人とか来てないかな?
何かあったらすぐに知らせてね。
……』
ウォレスの部屋の隣。
侍女の控室で、リジーに手紙を書いていたサーラは、ふとそこで手を止めて、はあと息を吐き出した。
リジーには、変な男がサーラのことを嗅ぎまわっていて、店にも押し入られたから、ウォレスの手配でしばらく安全なところに避難するとだけ伝えてある。
それほど頻繁ではないが、ウォレスは相変わらず下町に様子を見に行っているので、その時にリジーの手紙を届けてもらっていた。
王位継承を勝ち取るため、ウォレスは下町からの情報収集を継続していて、噂好きなリジーは彼にとってとても有効な情報源である。
さらに言えば、ウォレスはセレニテと偽名を名乗って下町に出没しているフィリベール・シャミナードについても探っていた。下町の情報は貴族街にはほとんど入ってこないので、実際に足を運んで探らなければわからない。
城の中でも、ウォレスと第一王子セザールの部屋は離れたところにあって、その妃であるレナエルも、レナエルの隣の部屋を与えられているフィリベールももちろん同様である。
ゆえに、ウォレスの侍女として働き出して一週間が経ったが、部屋からあまり出ないというレナエルやフィリベールはおろか、セザールすら見かけていない。
あからさまにレナエルやフィリベールの近辺を探るのは危険なので、チャンスが巡ってくるのを虎視眈々と待ち構えているのだが、それがいつ巡ってくるのかは定かではなかった。
(ウォレス様はあくまで避難目的でわたしを側においているわけだし……、勝手にフィリベールたちを探ろうとしたら怒るもんね)
このチャンスに、過去の両親の冤罪を晴らしたいと思っているのはサーラだけである。
それをウォレスには伝えてすらいない。
言えば危険と言われるのはわかっていたからだ。
「はあ。自分の近況が書けないと、手紙の話題にも困るわね」
ウォレスが次に下町に行くのは十二月二十七日だと聞いている。だからそれまでにリジーの手紙の返信を書きたいのだが、なかなか便箋が埋まらない。
サーラは何気なくカレンダーを見て、それから「あ!」と声を上げた。
(二十七日って言ったら、お兄ちゃんの誕生日じゃない!)
慣れない生活――というより、サーラに興味を持ったアルフレッドが頻繁に出没しては、「パパと呼べ」と意味不明な強要をしてくるせいで落ち着かず、すっかり頭の中から抜け落ちていたが、十二月二十七日はシャルの十八歳の誕生日である。
「大変!」
「何が大変なんだ?」
「え……って、きゃあ!」
侍女の控室であるが、サーラは一人部屋をもらっていた。
もともとはベレニスが使っていた部屋なのだが、彼女は城に泊まりこまずに自宅に帰ることが多いのでサーラに譲ってくれたのだ。
だから部屋の中にはサーラしかいないはずなのに、突然第三者の声――それも、今はここにいないはずの知った声が聞こえてくれば驚きもする。
「ウォ――オクタヴィアン殿下! その扉は使わないって約束しましたよね!」
「約束なんてしていない。君が一方的に宣言しただけだ」
内扉から堂々と入って来た侵入者は、悪びれずにこりと笑った。
侍女の控室なので、主人の部屋と続いているのだが、心臓に悪いのでこちらの扉はあけないでほしいとお願いしていたのだ。
確かにウォレスから「是」という答えはなかったが、これまで開けられなかったから、了承してくれたものだと思っていた。
「……というか殿下、今は仕事の時間では?」
内扉の奥にはマルセルの姿も確認できた。
ウォレスの暴挙を止められなかったからなのか、申し訳なさそうな顔をしている。
アルフレッドに逆らえないことと言い、城に来てからというもの、サーラの中のマルセルの評価は下り坂だ。
これまでウォレスに振り回されるマルセルに同情していたが、城で生活するようになって、その原因はマルセルの方にもあると気づいた。ウォレスに対してもアルフレッドに対しても、毅然とした態度を取らないからいいように使われるのである。
(とはいえ、ウォレス様はともかくアルフレッド様はちょっとねえ……)
サーラもアルフレッドの扱いには困っている。
合理性と変人を融合させると、言動予測を立てるのが困難になるようだ。
「仕事って、昼休憩だぞ」
「……本当ですね」
時計を確認したサーラは、すっかり昼になっていることに気が付いてがっくりと肩を落とした。
ウォレスが執務室に行っている間に手紙を書いてしまいたかったのに、まだ便箋が半分しか埋まっていない。
「それで、何が大変なんだ?」
「たいしたことじゃありません」
「大変、という言葉はたいしたことに使う言葉じゃないのか?」
「……明後日、お兄ちゃんの誕生日なんです。バタバタしていてプレゼントを用意していなかったから、どうしようかと」
「ふぅん」
答えたのに、ウォレスは面白くなさそうな顔になって、ずんずんとライティングデスクに近づいてきた。
「ああ、リジーへの手紙か。シャル宛ではないんだな」
「家族のプレゼントにわざわざバースデーカードなんてつけませんよ」
「そうだな。私にもなかった」
「……欲しかったんですか?」
「私はつけたのに、君からはなかったのは不公平だ」
(あれ、バースデーカードのつもりだったの?)
失礼な補正下着につけられていたカードには確か「気にしていたようなので」と書かれていた。プレゼントの内容とあわせて、どう考えても祝われている気にならなかったので、サーラの中ではバースデーカードとして処理されていなかったのだ。
(というか……捨てたのよね、あれ)
サーラがカードを捨てたと知ると、ウォレスが拗ねて面倒なことになりそうな気がする。黙っておくのが賢明だ。
「つ、次はつけます……」
「次じゃなくて今書いてくれてもいいが?」
「殿下の誕生日は九月七日でしょう? 今日は十二月二十五日です」
「覚えていたのか」
ウォレスが、ぱっと嬉しそうに笑う。
よくわからないが、ウォレスの機嫌が浮上したのでよしとしよう。
「それで、誕生日プレゼントはどうするんだ?」
「二日しかないので……、ハンカチかシャツに刺繍を入れるか、マフラーでもいいですね。二日あれば編みあがると思います」
「…………へー」
機嫌がよくなったはずのウォレスが、また不機嫌そうになる。
不満そうに口を尖らせた彼に、サーラは首をひねった。
「どうしたんですか?」
「私は刺繡入りのハンカチだった」
「そうですね」
「シャルには、私と同等かそれ以上のものを贈る、と」
(この人、何を競いたいのかしら?)
ウォレスはポケットから見覚えのあるハンカチを取り出す。
「私にはこれ一つだ。シャルには今まで何を贈った?」
「私は殿下の誕生日を一度しか経験していませんけど、お兄ちゃんはもう毎年経験していますから、そりゃあ数は違いますよ」
「不公平だ」
「意味がわかりませんが」
ウォレスがむすっと口をへの字に曲げる。
これはもしかしなくとも、シャルにプレゼントするなら自分にも同じものをよこせと言いたいのだろうか。
(誕生日じゃないのに!)
しかしここで拒否すると、ウォレスが非常に面倒くさいことになりそうだ。
ちらりと彼の背後を見ると、離れたところに立っているマルセルが、ぶんぶんと首を横に振っていた。ウォレスの希望をかなえてやれ、ということらしい。
(マルセルさんがそうやって甘やかすから、こんな我儘を言うようになるんだと思うけど……)
だが仕方がない。アルフレッドの養女になったからには、マルセルはサーラの叔父である。ウォレスに八つ当たりされて叔父が可哀想なことにならないようにするのも、姪の務めだ。たぶん。
「わかりました。シャルにマフラーを編みますから、殿下のも編みます。ただ、毛糸がないので用意を……」
「それならベレニスに言っておこう」
百面相殿下はまた機嫌を直すと、サーラに手を差し出した。
「マリア、昼食だ。付き合ってくれ」
普通、侍女と王子は同じ席で食事を摂らないものだと思うのだが、ウォレスはここには事情を知った人間しかいないのをいいことに好き勝手している。
やれやれとサーラが肩を落としたとき、ベレニスがウォレスの部屋に入って来た。
手には昼食を乗せたワゴンがあって、サーラは慌てて立ち上がる。
食事の準備はベレニスが担当しているが、新参者のサーラがウォレスの隣でのんびりするのは図々しすぎる。
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