142 / 173
第二部 すべてを奪われた少女は隣国にて返り咲く
サーラの決意 4
しおりを挟む
『不老不死の秘薬』については、アルフレッドでも詳細を仕入れることができないらしかった。
というのも、管轄である法務省の長官が、第一王子派閥の貴族に代わっていたからだ。
公開されている情報は確認できるが、捜査資料までは手に入らない。もっと言えば、誰がそれを手にして、使用したのかという情報も伏せられていた。つまり、金丹を入手して使用した令嬢たちから確認しようにも、難しいと言うことである。
(わかっているのは、アルフレッド様の元婚約者セシャン伯爵夫人が、義姉からもらったということだけね)
アルフレッドのことだ、セシャン伯爵夫人へは連絡を入れているだろう。
事件から三日が経った四月九日。
王子を移動させるにしてはずいぶん早く、ウォレスの離宮行きが決まった。
しかもその離宮は、セザールが所有している貴族街の東の端に建っているものだった。
王都にある他の離宮は現在王族が使っているため、地方に移される可能性があったので、セザールが離宮を提供してくれたのは正直助かったとウォレスが言っていた。
なんでも、セザールが直接王に掛け合ってくれたらしい。
王妃の方は城に残るが、監視がつくそうだ。
ジュディットについては、まだどうなるか決定していない。今のところ監視付きで城の部屋に閉じ込められているが、いつまでその状態が続くだろうか。
ウォレスの移動に伴い、サーラも離宮へ移ることになる。
ジャンヌは子供がいるので、ウォレスと一緒に移動するのはベレニスの方らしい。
あとはアルフレッドとマルセル。オーディロンは城に残る。
ブノアも第二王子の侍従長のため移動すると言っていた。
そのため、サヴァール伯爵家は、ジャンヌとオーディロン、それから現在仮住まいをさせてもらっているアドルフとグレースが協力して管理するそうだ。
そしてシャルだが、彼の方は、本人は離宮に移ることを希望したが、所属が近衛隊のため移動はできなかった。
シャルは不本意そうだったが、アルフレッドは城の情報を仕入れるためにシャルが残るのは逆に助かると言っていた。意外と兵士たちから得られる情報は貴重らしい。
先に荷物が運ばれて、サーラはウォレスとベレニス、それからマルセルと離宮へ向かった。
アルフレッドとブノアは遅れて移動するそうだ。
(思ったより、監視が少ないのね)
もっと厳重に監視されるのかと思っていたが、離宮には数名の兵士が置かれているだけだった。
離宮は大きく、広い庭付きの三階建てだった。
これは二代前の王の側妃が使っていた離宮で、セザールの母が第三妃になったときに王から賜り、その後セザールに譲られたものだという。
今は管理人を置いていただけで、使っていなかったそうだ。
掃除は行き届いているので、まずはサーラは離宮の中を確認することにした。
管理人とメイドはセザールがそのまま貸してくれたが、管理目的で置いているだけだったので人数がいるわけではない。そして、こういう言い方をしては失礼だが、どこまで信頼できるかはまだわからなかった。
ウォレスの置かれている状況を思えば、できるだけ彼の周りは身内で固めておくべきだ。サーラ自身でできることは、極力自分でした方がいい。
ウォレスが使う部屋は二階の中央の部屋で、必然的に侍女であるサーラはその隣を使うことになる。
城のように、侍女の部屋が主の部屋と内扉でつながっているわけではない。
ベレニスとブノアは、二階の東の部屋を二人で一緒に使うと言っていた。
アルフレッドは二階の西の部屋で、マルセルはサーラとは逆側のウォレスの隣の部屋だ。サーラがウォレスの部屋の東隣り、マルセルが西隣である。
離宮の確認が終わると、サーラはベレニスと手分けをして、城から運ばれて来た荷物を片付けることにした。
(ここからだと、下町が近いわね)
下町に行くには貴族街との間にある門を通らなければならないが、城にいた時を考えるとぐっと近くなった下町の気配に懐かしさを覚える。
一年と少し前、下町のパン屋でウォレスと出会った。
あの時の自分は、今こうして彼の側で何かの陰謀に巻き込まれていることなんて想像もつかなかっただろう。
そう――、これは陰謀なのだ。
ラコルデール公爵家にかけられた嫌疑の真偽がどうであれ、陰謀には間違いない。
第一王子と第二王子の、王位継承争い。
サーラは、もっと警戒しておくべきだったのだ。
レナエルやフィリベール・シャミナードの動向も気になっていたし、彼らを探ることで過去のプランタット公爵家にかけられた罪が冤罪だと証明したかった。
けれどもサーラはウォレスの侍女なのだから、自分のことよりも王位継承争いの方に目を向けるべきだったのだ。
「マリア、荷物の片づけは終わりましたから、あとは自分の部屋の片づけをしてください」
「わかりました」
ベレニスに言われて、サーラは東隣の部屋へ向かう。
部屋の中は広いが、ずっと使われていなかった部屋なので殺風景だ。ただ、綺麗に掃除がされているし、カーテンもベッドシーツも新しくされている。
サーラは着替えをクローゼットに押し込むと、そのほかの細々としたものを鞄から取り出していく。
その中にはアルフレッドから受け取った貴族名鑑や人事表なども置いてあった。
貴族名鑑は姿絵と名前のほかに、家同士のつながりや婚姻関係も記されている。
まだほとんど目を通せていないが、できるだけ早急に読んで覚えたほうがよさそうだ。
ラコルデール公爵家にかけられた嫌疑を考えると、第一王子派閥が動いているのは明確だからだ。敵の顔と名前、それから縁戚関係は頭に叩き込んでおかなければならない。
一年前までは、貴族とは関わり合いになりたくないと思っていたのに、今では貴族の陰謀にどっぷり漬かっている自分が少し滑稽だった。
でも、巻き込まれたとは思わない。
サーラは自分でウォレスの側にいることを選んだのだから。
貴族名鑑や人事表をライティングデスクに並べる。
(思いついたことをまとめるための紙とペンがほしいわね。頼んだら用意してくれるかしら?)
ウォレスは別に幽閉されたわけではない。ひとまず移動させられただけだ。だからある程度の自由は利く。必要なものくらい、望めば手に入れることは可能だろう。
サーラは人事表に視線を落として考える。
年明けからの、強引ともとれる人事異動。
人事部の長官に第一王子派閥の人間がついたからと言って、ここまで強引に動くだろうか。
(もっと前から、計画されていたと考えるのが正解ね)
これだけの人事異動だ、人事部の長官の一存だけでは動くまい。
国王の承認は、まだいい。両王子に王位争いをさせている国王だ。このあたりは、二人の王子たちの王位争いの一環ととらえて、ある程度黙認されている可能性が高かった。
人事がごっそり入れ替わると、政に影響が出るだろうが、元々いた人間が政治から外されたわけではない。閑職とはいえ、椅子は残されている。政が滞ると判断された場合は、国王が口出しして閑職の人間を戻せばいいだけの話だ。
混乱はあるだろうが、国が動かなくなるほどの問題ではなかろう。少なくとも国王はそう判断したから好きにさせていると見る。
だが――
(セザール殿下が黙認していたのはやっぱり気になるわ)
これまで動かなかった第一王子。
好機と見て動き出したか、はたまた別に思惑があるのか。
サーラには、セザールは別の思惑で動いているように思えてならなかった。
それはただの勘だけれど、セザールがウォレスを陥れるために動いたとは、どうにも思えないのだ。二人の関係性をよく知りもしないのに、おかしいだろうか。
(とにかく、今わたしが持っている情報は少ない。この人事異動から思惑を読み取ることからはじめるべきね)
何もかもわからないならば、わかることを増やしていくしかないのだ。
(やって見せるわ。……わたしはもう、何もできない小さな子供じゃない)
指をくわえて、状況が悪化するのを見ているだけなんて、そんなのはまっぴらだ。
もう、二度と――
というのも、管轄である法務省の長官が、第一王子派閥の貴族に代わっていたからだ。
公開されている情報は確認できるが、捜査資料までは手に入らない。もっと言えば、誰がそれを手にして、使用したのかという情報も伏せられていた。つまり、金丹を入手して使用した令嬢たちから確認しようにも、難しいと言うことである。
(わかっているのは、アルフレッド様の元婚約者セシャン伯爵夫人が、義姉からもらったということだけね)
アルフレッドのことだ、セシャン伯爵夫人へは連絡を入れているだろう。
事件から三日が経った四月九日。
王子を移動させるにしてはずいぶん早く、ウォレスの離宮行きが決まった。
しかもその離宮は、セザールが所有している貴族街の東の端に建っているものだった。
王都にある他の離宮は現在王族が使っているため、地方に移される可能性があったので、セザールが離宮を提供してくれたのは正直助かったとウォレスが言っていた。
なんでも、セザールが直接王に掛け合ってくれたらしい。
王妃の方は城に残るが、監視がつくそうだ。
ジュディットについては、まだどうなるか決定していない。今のところ監視付きで城の部屋に閉じ込められているが、いつまでその状態が続くだろうか。
ウォレスの移動に伴い、サーラも離宮へ移ることになる。
ジャンヌは子供がいるので、ウォレスと一緒に移動するのはベレニスの方らしい。
あとはアルフレッドとマルセル。オーディロンは城に残る。
ブノアも第二王子の侍従長のため移動すると言っていた。
そのため、サヴァール伯爵家は、ジャンヌとオーディロン、それから現在仮住まいをさせてもらっているアドルフとグレースが協力して管理するそうだ。
そしてシャルだが、彼の方は、本人は離宮に移ることを希望したが、所属が近衛隊のため移動はできなかった。
シャルは不本意そうだったが、アルフレッドは城の情報を仕入れるためにシャルが残るのは逆に助かると言っていた。意外と兵士たちから得られる情報は貴重らしい。
先に荷物が運ばれて、サーラはウォレスとベレニス、それからマルセルと離宮へ向かった。
アルフレッドとブノアは遅れて移動するそうだ。
(思ったより、監視が少ないのね)
もっと厳重に監視されるのかと思っていたが、離宮には数名の兵士が置かれているだけだった。
離宮は大きく、広い庭付きの三階建てだった。
これは二代前の王の側妃が使っていた離宮で、セザールの母が第三妃になったときに王から賜り、その後セザールに譲られたものだという。
今は管理人を置いていただけで、使っていなかったそうだ。
掃除は行き届いているので、まずはサーラは離宮の中を確認することにした。
管理人とメイドはセザールがそのまま貸してくれたが、管理目的で置いているだけだったので人数がいるわけではない。そして、こういう言い方をしては失礼だが、どこまで信頼できるかはまだわからなかった。
ウォレスの置かれている状況を思えば、できるだけ彼の周りは身内で固めておくべきだ。サーラ自身でできることは、極力自分でした方がいい。
ウォレスが使う部屋は二階の中央の部屋で、必然的に侍女であるサーラはその隣を使うことになる。
城のように、侍女の部屋が主の部屋と内扉でつながっているわけではない。
ベレニスとブノアは、二階の東の部屋を二人で一緒に使うと言っていた。
アルフレッドは二階の西の部屋で、マルセルはサーラとは逆側のウォレスの隣の部屋だ。サーラがウォレスの部屋の東隣り、マルセルが西隣である。
離宮の確認が終わると、サーラはベレニスと手分けをして、城から運ばれて来た荷物を片付けることにした。
(ここからだと、下町が近いわね)
下町に行くには貴族街との間にある門を通らなければならないが、城にいた時を考えるとぐっと近くなった下町の気配に懐かしさを覚える。
一年と少し前、下町のパン屋でウォレスと出会った。
あの時の自分は、今こうして彼の側で何かの陰謀に巻き込まれていることなんて想像もつかなかっただろう。
そう――、これは陰謀なのだ。
ラコルデール公爵家にかけられた嫌疑の真偽がどうであれ、陰謀には間違いない。
第一王子と第二王子の、王位継承争い。
サーラは、もっと警戒しておくべきだったのだ。
レナエルやフィリベール・シャミナードの動向も気になっていたし、彼らを探ることで過去のプランタット公爵家にかけられた罪が冤罪だと証明したかった。
けれどもサーラはウォレスの侍女なのだから、自分のことよりも王位継承争いの方に目を向けるべきだったのだ。
「マリア、荷物の片づけは終わりましたから、あとは自分の部屋の片づけをしてください」
「わかりました」
ベレニスに言われて、サーラは東隣の部屋へ向かう。
部屋の中は広いが、ずっと使われていなかった部屋なので殺風景だ。ただ、綺麗に掃除がされているし、カーテンもベッドシーツも新しくされている。
サーラは着替えをクローゼットに押し込むと、そのほかの細々としたものを鞄から取り出していく。
その中にはアルフレッドから受け取った貴族名鑑や人事表なども置いてあった。
貴族名鑑は姿絵と名前のほかに、家同士のつながりや婚姻関係も記されている。
まだほとんど目を通せていないが、できるだけ早急に読んで覚えたほうがよさそうだ。
ラコルデール公爵家にかけられた嫌疑を考えると、第一王子派閥が動いているのは明確だからだ。敵の顔と名前、それから縁戚関係は頭に叩き込んでおかなければならない。
一年前までは、貴族とは関わり合いになりたくないと思っていたのに、今では貴族の陰謀にどっぷり漬かっている自分が少し滑稽だった。
でも、巻き込まれたとは思わない。
サーラは自分でウォレスの側にいることを選んだのだから。
貴族名鑑や人事表をライティングデスクに並べる。
(思いついたことをまとめるための紙とペンがほしいわね。頼んだら用意してくれるかしら?)
ウォレスは別に幽閉されたわけではない。ひとまず移動させられただけだ。だからある程度の自由は利く。必要なものくらい、望めば手に入れることは可能だろう。
サーラは人事表に視線を落として考える。
年明けからの、強引ともとれる人事異動。
人事部の長官に第一王子派閥の人間がついたからと言って、ここまで強引に動くだろうか。
(もっと前から、計画されていたと考えるのが正解ね)
これだけの人事異動だ、人事部の長官の一存だけでは動くまい。
国王の承認は、まだいい。両王子に王位争いをさせている国王だ。このあたりは、二人の王子たちの王位争いの一環ととらえて、ある程度黙認されている可能性が高かった。
人事がごっそり入れ替わると、政に影響が出るだろうが、元々いた人間が政治から外されたわけではない。閑職とはいえ、椅子は残されている。政が滞ると判断された場合は、国王が口出しして閑職の人間を戻せばいいだけの話だ。
混乱はあるだろうが、国が動かなくなるほどの問題ではなかろう。少なくとも国王はそう判断したから好きにさせていると見る。
だが――
(セザール殿下が黙認していたのはやっぱり気になるわ)
これまで動かなかった第一王子。
好機と見て動き出したか、はたまた別に思惑があるのか。
サーラには、セザールは別の思惑で動いているように思えてならなかった。
それはただの勘だけれど、セザールがウォレスを陥れるために動いたとは、どうにも思えないのだ。二人の関係性をよく知りもしないのに、おかしいだろうか。
(とにかく、今わたしが持っている情報は少ない。この人事異動から思惑を読み取ることからはじめるべきね)
何もかもわからないならば、わかることを増やしていくしかないのだ。
(やって見せるわ。……わたしはもう、何もできない小さな子供じゃない)
指をくわえて、状況が悪化するのを見ているだけなんて、そんなのはまっぴらだ。
もう、二度と――
71
あなたにおすすめの小説
偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~
咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】
あらすじ
「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」
聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。
彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。
しかし、エリーナはめげなかった。
実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ!
北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。
すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。
「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」
とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。
以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。
最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!
エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」
華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。
縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。
そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。
よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!!
「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。
ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、
「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」
と何やら焦っていて。
……まあ細かいことはいいでしょう。
なにせ、その腕、その太もも、その背中。
最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!!
女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。
誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート!
※他サイトに投稿したものを、改稿しています。
【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜
ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。
しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。
生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。
それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。
幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。
そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。
これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。
これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。
☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる