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「……アーシャ、本気ですか?」
「もちろんよ」
アーシャは平然と言って、スカートの下から短剣を取り出した。その刃はとても鋭利で、弱い力でも人を刺し貫ける。
フェノリアは溜息を吐いた。
「聖女の風上にも置けませんね」
「どう? 去る気になった?」
「いいえ」
「忠告はしたわよ」
言うや否や、アーシャは前に跳んだ。か弱い聖女とは思えぬほど速く鋭い動き。
だが、ナイフはフェノリアに届かなかった。
「結界⁉」
「もちろんです。常に防護の結界を張っておくのは、聖女の常識ではありませんか」
「そんな常識、無いわよ!」
「そうでしたか」
フェノリアの繰り出す光芒が、幾筋もアーシャを撃ち抜く。アーシャは痛みにうずくまり、身を震わせた。
「ふふ……ふふふふふ」
「何を笑っているのですか」
「わたしを本気にさせるなんて……そんなに死にたいのね?」
アーシャの声が明るく響いた。力を振るえることが嬉しくて仕方がないとでも言うように。
同時にアーシャの体から、黒い靄がじわりと滲み出る。
「……まさか、それは」
掠れた声を漏らしたフェノリアに、アーシャは嬉しそうに頷いた。
「そうよ、闇の精霊」
フェノリアは呆然とする。聖女は——光の精霊を使役する者は、その対極の存在たる闇の精霊を使役することなど出来ないはずだ。それなのに、目の前の聖女は、アーシャは、闇の精霊を使役して見せた。
いや……アーシャは、本当にアーシャなのか?そんな疑問が頭をよぎり、フェノリアは言ってみた。
「光の精霊を使ってみてください」
「いやよ。光の精霊じゃ、あなたを殺せないじゃない」
「闇の精霊を引っ込めろとは言っていません」
2人はしばらく睨み合い……先に目を逸らしたのはアーシャだった。
「もちろんよ」
アーシャは平然と言って、スカートの下から短剣を取り出した。その刃はとても鋭利で、弱い力でも人を刺し貫ける。
フェノリアは溜息を吐いた。
「聖女の風上にも置けませんね」
「どう? 去る気になった?」
「いいえ」
「忠告はしたわよ」
言うや否や、アーシャは前に跳んだ。か弱い聖女とは思えぬほど速く鋭い動き。
だが、ナイフはフェノリアに届かなかった。
「結界⁉」
「もちろんです。常に防護の結界を張っておくのは、聖女の常識ではありませんか」
「そんな常識、無いわよ!」
「そうでしたか」
フェノリアの繰り出す光芒が、幾筋もアーシャを撃ち抜く。アーシャは痛みにうずくまり、身を震わせた。
「ふふ……ふふふふふ」
「何を笑っているのですか」
「わたしを本気にさせるなんて……そんなに死にたいのね?」
アーシャの声が明るく響いた。力を振るえることが嬉しくて仕方がないとでも言うように。
同時にアーシャの体から、黒い靄がじわりと滲み出る。
「……まさか、それは」
掠れた声を漏らしたフェノリアに、アーシャは嬉しそうに頷いた。
「そうよ、闇の精霊」
フェノリアは呆然とする。聖女は——光の精霊を使役する者は、その対極の存在たる闇の精霊を使役することなど出来ないはずだ。それなのに、目の前の聖女は、アーシャは、闇の精霊を使役して見せた。
いや……アーシャは、本当にアーシャなのか?そんな疑問が頭をよぎり、フェノリアは言ってみた。
「光の精霊を使ってみてください」
「いやよ。光の精霊じゃ、あなたを殺せないじゃない」
「闇の精霊を引っ込めろとは言っていません」
2人はしばらく睨み合い……先に目を逸らしたのはアーシャだった。
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