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街中を歩いていた人々が、慌ただしく逃げ惑う。叫んだり、怒鳴ったりしながら、我先にと駆けて行く。
その流れに逆らって、フェノリアは歩を進めた。引き止める声が聞こえたが、無視だ。
「光の精霊よ。敵を討つ刃となりて、我が身に集え」
小声で唱えられた使役文。それが聞こえた人々は、思わず立ち止まって声の主を見る。
「……まさか、聖女様?」
「嘘だろ、何で聖女様がこんな所に」
「聖女様! どうかお助けください!」
それらの声を全て聞き流しながら、フェノリアは魔獣に近付いていった。
魔獣は大きく、身長の倍はある。黒い犬のような姿だが、瞳は5つあり赤く煌めいている。
フェノリアの周囲は金色に輝いていた。自分の体そのものを、魔を穿つ武器とするかのように。
魔獣は、近寄ってくる獲物に喰らいつこうと動いた。その時にはもう、フェノリアは姿を消している。どこにいった、と魔獣は怪訝そうな顔になった。
そして、魔獣は気付く。自分の体が真っ二つに斬り裂かれていることを。
光刃と化していたフェノリアが元に戻るのと、魔獣が消滅したのは同時だった。
様子を見ていた人々は、聖女の活躍に賞賛の声を送る。だが、その中の一人が呟いた。
「聖女様がちゃんと神殿で働いてくれていれば、こんなことにはならなかったんじゃないか」
その言葉に、人々はハッとした。
「そうだ。何でこんな所にいやがる! 神殿に帰れ!」
「帰れ! 帰れ!」
罵声を浴びせられながら、フェノリアは溜息を吐いた。
(私には、神殿しか居場所が無いのですね)
ただの精霊使いとして生きてみようなど、考えが甘かった。光の精霊を使役できると知られれば、こうして「神殿に帰れ」と喚かれる。
複雑な思いを抱きながら、フェノリアは神殿に足を向けた。
(アーシャ……私を神殿から追い出した分、きっちり痛い目を見てもらいます!)
実際に追い出したのは神官だが、原因はアーシャの虚言なのだから。
その流れに逆らって、フェノリアは歩を進めた。引き止める声が聞こえたが、無視だ。
「光の精霊よ。敵を討つ刃となりて、我が身に集え」
小声で唱えられた使役文。それが聞こえた人々は、思わず立ち止まって声の主を見る。
「……まさか、聖女様?」
「嘘だろ、何で聖女様がこんな所に」
「聖女様! どうかお助けください!」
それらの声を全て聞き流しながら、フェノリアは魔獣に近付いていった。
魔獣は大きく、身長の倍はある。黒い犬のような姿だが、瞳は5つあり赤く煌めいている。
フェノリアの周囲は金色に輝いていた。自分の体そのものを、魔を穿つ武器とするかのように。
魔獣は、近寄ってくる獲物に喰らいつこうと動いた。その時にはもう、フェノリアは姿を消している。どこにいった、と魔獣は怪訝そうな顔になった。
そして、魔獣は気付く。自分の体が真っ二つに斬り裂かれていることを。
光刃と化していたフェノリアが元に戻るのと、魔獣が消滅したのは同時だった。
様子を見ていた人々は、聖女の活躍に賞賛の声を送る。だが、その中の一人が呟いた。
「聖女様がちゃんと神殿で働いてくれていれば、こんなことにはならなかったんじゃないか」
その言葉に、人々はハッとした。
「そうだ。何でこんな所にいやがる! 神殿に帰れ!」
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(私には、神殿しか居場所が無いのですね)
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複雑な思いを抱きながら、フェノリアは神殿に足を向けた。
(アーシャ……私を神殿から追い出した分、きっちり痛い目を見てもらいます!)
実際に追い出したのは神官だが、原因はアーシャの虚言なのだから。
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