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第10話 心を結ぶ茶の香り
〇
姉たちの影が森に消えてから数日、私は胸の奥に小さな波紋を抱えながら過ごしていた。小屋の前で草を干すたび、あの鋭い視線や冷たい言葉が思い出される。けれど同時に、アルディスの灰色の瞳と「共に歩む」と告げてくれた声も、はっきりと残っていた。あの瞬間、私は確かに守られていた。孤独ではないと感じられた。
その日も朝から畑に出ていた。雨上がりの草は青々とし、指先に触れるたびに清らかな香りを立ちのぼらせる。私は摘み取ったレモンバームを籠に入れながら、ふとため息をついた。心に溜まった影を、どうしても完全には振り払えない。
「顔が曇っているな」
声に振り返ると、森の小道からアルディスが歩み寄ってきていた。白いシャツに薄青の外套を羽織り、手には小さな布袋を提げている。
「すみません……ご心配を」
「謝ることはない。人の言葉は重く残るものだ。だからこそ、今日はこれを持ってきた」
差し出された布袋を受け取ると、中には見慣れぬ乾いた草が入っていた。葉は細長く、やわらかな金色を帯びている。
「これは?」
「私の屋敷の庭で育てたものだ。長い間、私を癒してくれた。……君にも味わってほしい」
彼の声音はどこか真剣で、私は胸を高鳴らせながら小屋に戻った。
炉に火を入れ、彼と並んで草を煮出す。湯気が立ちのぼり、甘くやさしい香りが部屋に広がる。その香りは、不安や恐れをやわらかく包み込み、胸の奥の影を少しずつ溶かしていくようだった。私はカップを受け取り、そっと口に含む。
「……あたたかい……」
「そうだろう。これは心を結ぶ茶と呼ばれている。飲んだ者同士の絆を強める、と言い伝えられている」
灰色の瞳が私を見つめ、穏やかに微笑んだ。頬が熱くなり、胸がいっぱいになる。
「アルディス……ありがとうございます。私……もっと強くなりたい。草を育てるだけじゃなく、自分の心も」
「ならば私が隣にいる。君が揺れるときは、必ず支える」
その言葉に、涙があふれそうになった。
窓の外で陽光が差し込み、干した薬草の束を照らしている。心を結ぶ茶の香りが小屋を満たし、ふたりの間に見えない糸を結んでいた。
△
その香りに包まれていると、胸の奥に残っていたざわめきが次第に消えていくのを感じた。私の手にあるカップからは湯気が立ちのぼり、光に透けた液体は黄金色に揺れている。ひと口ごとに心がほどけ、あの日の傷ついた記憶さえ遠のいていく。視線を上げると、アルディスが同じように茶を口に含み、穏やかな目をしていた。
「リオナ。君は強いよ。たとえ影に囚われても、また立ち上がろうとする。その姿に、私は何度も救われている」
「私が……救っている、なんて」
「そうだ。草が人を癒やすように、君の存在そのものが私を癒やす」
その真摯な声に、胸が震えた。これまで自分を卑下するばかりで、誰かに必要とされるとは思わなかった。けれど彼の言葉は、私の心に確かな灯をともしてくれる。
私は勇気を出して問いかけた。
「……アルディスは、なぜ私をここまで気にかけてくださるのですか?」
彼は少し驚いたように眉を上げ、そして真剣な瞳で答えた。
「初めて会ったときから、君の草に触れる手が忘れられなかった。大切にする心が、言葉よりも雄弁に語っていた。私はその心に惹かれたんだ」
胸が熱くなり、指先が震えた。返す言葉が見つからず、私はただカップを握りしめた。
外では風が葉を揺らし、森のざわめきが心地よく響いている。私は深く息を吸い込み、言葉を絞り出した。
「……私も、アルディスと一緒にいると安心します。草を摘んでいるときよりも、心が静かで……」
「それなら、願いは同じだ」
彼は微笑み、私の手にそっと触れた。大きな掌の温かさが伝わり、胸の鼓動が速まった。
「この茶は、飲む者同士の絆を結ぶと言われている。ならば、これから先も……」
彼の言葉は柔らかく途切れたが、その先を想像するだけで胸がいっぱいになった。私は小さく頷き、涙をこらえるように笑った。
森の緑が窓から差し込み、茶の香りと混じり合って小屋を満たしていく。心を結ぶ茶は、確かに私たちの間に新しい絆を編み込み始めていた。
◇
やがてカップが空になると、ふたりの間に静かな余韻が落ちた。小屋の中は茶の香りに満ち、窓の外では風が木々を揺らしている。私は指先でカップの縁を撫でながら、胸の奥で確かに芽生えたものを感じていた。――孤独ではない、という温かな確信だった。
アルディスは卓にカップを置き、ゆっくりと立ち上がった。灰色の瞳が真剣に私を見つめる。
「リオナ。君と共に過ごす時間は、私にとって何よりの安らぎだ。草の香りに満ちたこの小屋は、屋敷よりも居心地がいい」
「そんなこと……」
「本当だ。だからこそ、私は願っている。これからも君と茶を分かち合い、夢を共に育てたい」
その言葉はまるで誓いのように響き、胸を締めつけた。
私は俯きながらも、勇気を奮って口を開いた。
「……私も同じ気持ちです。ここで過ごす時間が、私の生きる力になっています。だから……これからも、隣にいてください」
声は震えていたが、確かな思いがそこにあった。アルディスの瞳が柔らかく細められ、微笑が浮かんだ。
その瞬間、風が窓から吹き込み、吊るされた草束を揺らした。葉が触れ合い、鈴のような音を立てる。まるで森がふたりの言葉を祝福しているかのようだった。
私たちは並んで窓辺に立ち、外の緑を眺めた。雨上がりに芽吹いた草は力強く、朝陽を浴びて輝いている。胸の奥で「心を結ぶ茶」の香りがまだ残り、温かさを保っていた。
この温もりを忘れない。これから訪れる日々にどんな影が差そうとも、必ず守り抜く――そう固く心に誓いながら、私は隣にいる彼の横顔をそっと見つめ続けていた。
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姉たちの影が森に消えてから数日、私は胸の奥に小さな波紋を抱えながら過ごしていた。小屋の前で草を干すたび、あの鋭い視線や冷たい言葉が思い出される。けれど同時に、アルディスの灰色の瞳と「共に歩む」と告げてくれた声も、はっきりと残っていた。あの瞬間、私は確かに守られていた。孤独ではないと感じられた。
その日も朝から畑に出ていた。雨上がりの草は青々とし、指先に触れるたびに清らかな香りを立ちのぼらせる。私は摘み取ったレモンバームを籠に入れながら、ふとため息をついた。心に溜まった影を、どうしても完全には振り払えない。
「顔が曇っているな」
声に振り返ると、森の小道からアルディスが歩み寄ってきていた。白いシャツに薄青の外套を羽織り、手には小さな布袋を提げている。
「すみません……ご心配を」
「謝ることはない。人の言葉は重く残るものだ。だからこそ、今日はこれを持ってきた」
差し出された布袋を受け取ると、中には見慣れぬ乾いた草が入っていた。葉は細長く、やわらかな金色を帯びている。
「これは?」
「私の屋敷の庭で育てたものだ。長い間、私を癒してくれた。……君にも味わってほしい」
彼の声音はどこか真剣で、私は胸を高鳴らせながら小屋に戻った。
炉に火を入れ、彼と並んで草を煮出す。湯気が立ちのぼり、甘くやさしい香りが部屋に広がる。その香りは、不安や恐れをやわらかく包み込み、胸の奥の影を少しずつ溶かしていくようだった。私はカップを受け取り、そっと口に含む。
「……あたたかい……」
「そうだろう。これは心を結ぶ茶と呼ばれている。飲んだ者同士の絆を強める、と言い伝えられている」
灰色の瞳が私を見つめ、穏やかに微笑んだ。頬が熱くなり、胸がいっぱいになる。
「アルディス……ありがとうございます。私……もっと強くなりたい。草を育てるだけじゃなく、自分の心も」
「ならば私が隣にいる。君が揺れるときは、必ず支える」
その言葉に、涙があふれそうになった。
窓の外で陽光が差し込み、干した薬草の束を照らしている。心を結ぶ茶の香りが小屋を満たし、ふたりの間に見えない糸を結んでいた。
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その香りに包まれていると、胸の奥に残っていたざわめきが次第に消えていくのを感じた。私の手にあるカップからは湯気が立ちのぼり、光に透けた液体は黄金色に揺れている。ひと口ごとに心がほどけ、あの日の傷ついた記憶さえ遠のいていく。視線を上げると、アルディスが同じように茶を口に含み、穏やかな目をしていた。
「リオナ。君は強いよ。たとえ影に囚われても、また立ち上がろうとする。その姿に、私は何度も救われている」
「私が……救っている、なんて」
「そうだ。草が人を癒やすように、君の存在そのものが私を癒やす」
その真摯な声に、胸が震えた。これまで自分を卑下するばかりで、誰かに必要とされるとは思わなかった。けれど彼の言葉は、私の心に確かな灯をともしてくれる。
私は勇気を出して問いかけた。
「……アルディスは、なぜ私をここまで気にかけてくださるのですか?」
彼は少し驚いたように眉を上げ、そして真剣な瞳で答えた。
「初めて会ったときから、君の草に触れる手が忘れられなかった。大切にする心が、言葉よりも雄弁に語っていた。私はその心に惹かれたんだ」
胸が熱くなり、指先が震えた。返す言葉が見つからず、私はただカップを握りしめた。
外では風が葉を揺らし、森のざわめきが心地よく響いている。私は深く息を吸い込み、言葉を絞り出した。
「……私も、アルディスと一緒にいると安心します。草を摘んでいるときよりも、心が静かで……」
「それなら、願いは同じだ」
彼は微笑み、私の手にそっと触れた。大きな掌の温かさが伝わり、胸の鼓動が速まった。
「この茶は、飲む者同士の絆を結ぶと言われている。ならば、これから先も……」
彼の言葉は柔らかく途切れたが、その先を想像するだけで胸がいっぱいになった。私は小さく頷き、涙をこらえるように笑った。
森の緑が窓から差し込み、茶の香りと混じり合って小屋を満たしていく。心を結ぶ茶は、確かに私たちの間に新しい絆を編み込み始めていた。
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やがてカップが空になると、ふたりの間に静かな余韻が落ちた。小屋の中は茶の香りに満ち、窓の外では風が木々を揺らしている。私は指先でカップの縁を撫でながら、胸の奥で確かに芽生えたものを感じていた。――孤独ではない、という温かな確信だった。
アルディスは卓にカップを置き、ゆっくりと立ち上がった。灰色の瞳が真剣に私を見つめる。
「リオナ。君と共に過ごす時間は、私にとって何よりの安らぎだ。草の香りに満ちたこの小屋は、屋敷よりも居心地がいい」
「そんなこと……」
「本当だ。だからこそ、私は願っている。これからも君と茶を分かち合い、夢を共に育てたい」
その言葉はまるで誓いのように響き、胸を締めつけた。
私は俯きながらも、勇気を奮って口を開いた。
「……私も同じ気持ちです。ここで過ごす時間が、私の生きる力になっています。だから……これからも、隣にいてください」
声は震えていたが、確かな思いがそこにあった。アルディスの瞳が柔らかく細められ、微笑が浮かんだ。
その瞬間、風が窓から吹き込み、吊るされた草束を揺らした。葉が触れ合い、鈴のような音を立てる。まるで森がふたりの言葉を祝福しているかのようだった。
私たちは並んで窓辺に立ち、外の緑を眺めた。雨上がりに芽吹いた草は力強く、朝陽を浴びて輝いている。胸の奥で「心を結ぶ茶」の香りがまだ残り、温かさを保っていた。
この温もりを忘れない。これから訪れる日々にどんな影が差そうとも、必ず守り抜く――そう固く心に誓いながら、私は隣にいる彼の横顔をそっと見つめ続けていた。
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