パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第43話 窮地

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 森は燃えていた。木々は黒煙を上げ、炎の壁が夜空を赤く染めている。王都軍の第二波、第三波は止まることなく押し寄せ、森に築いた罠は次々と突破されていった。

「カイルさん! もう抑えきれません!」斥候の悲鳴。
「落石も全部使い果たした!」ガンツが汗にまみれて叫ぶ。

 俺は剣を握り直し、歯を食いしばった。
「まだだ! ここを抜かれたら谷が丸裸になる!」



 敵の重装兵が炎を背に突撃してくる。盾を並べ、押し寄せるその圧力は壁のようだった。

「グレン!」
「任せろォ!」

 大剣がうなり、兵をまとめて吹き飛ばす。だがすぐに別の列が押し寄せ、彼の体は傷だらけになっていく。

「ははっ……まだまだやれるぜ!」
 血まみれになりながらも、グレンは笑っていた。



 空から雷光が降り注ぎ、フィオが炎で相殺する。
「止まれぇぇ!」

 だが同時に氷矢が飛び、彼女の足をかすめた。
「きゃっ!」
 倒れかけた彼女をリナが抱きとめる。
「大丈夫!? フィオ!」
「うん……まだ燃やせる!」



 聖騎士団が進軍を開始した。聖光を纏った突撃は、追放者たちの槍をいとも容易く弾き飛ばす。

「反逆者を討て!」

 その声に村人たちの顔が恐怖に染まる。

「だめだ……勝てるわけがない……!」
「もう逃げよう!」

 崩れかけた士気を、ロディとマリアが必死に歌で支える。
「恐れるな! 俺たちは一つだ!」
「ここが私たちの居場所!」

 だが兵の波は止まらなかった。



「セリウス! 薬はまだあるか!」
「残りわずかです! 煙幕は……もう数本しか!」

「リナ! 炊き出しは!」
「もう底をつきかけてる! でも、みんな……まだ食べたいって……!」

 エレナは震える手で包帯を巻きながら、必死に声を張った。
「生きて! お願いだから!」

 負傷者が増え続け、後方の避難所まで悲鳴が届き始めていた。



 森の奥で、王都軍の将軍が勝ち誇った声を上げる。
「見たか! 追放者ごとき、数で押せば潰れる!」

 聖光が再び森を照らし、追放者たちは押し込まれる。

「カイルさん!」リナの声。
「もう限界です!」

 俺は血に濡れた剣を握りしめ、深く息を吸った。

「……まだだ。段取りは終わっちゃいない」



 旗が炎に揺れ、仲間たちが必死に立ち上がる。

「俺たちは追放者だ!」
「でもここは俺たちの国だ!」
「最後まで守る!」

 その声が夜空に響いた。

 ――だが現実は残酷だった。
 数の差は歴然。罠も薬も食料も尽きかけ、追放者連合はついに窮地に追い込まれていた。
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