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stargazer - S
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運命の赤い糸って、どこに繋がっている?
小指に結ばれた糸はだらりと垂れたまま、本当は誰にも繋がっていないのだろうか。
運命の番。それは、目と目が合った瞬間にお互いがそうだって分かるんだって。運命的に惹かれ合って、一生に一度の恋をする。
そんな関係に憧れて、俺だけの唯一に会える日を夢見てた。だけど毎日のように願ったからといって、そう簡単に巡り会えるわけじゃない。
半ば諦めにも似たものを抱えながら過ごしていたとき、春の陽気に誘われるように俺は陽に出会った。
他のオメガのように「自分を番にしろ」という強引さや欲深さを感じさせない。ベータを自称する陽の傍は、まるで陽だまりのように心地よかった。陽のフェロモンからは「僕でよかったら一緒にいてほしい」という想いが伝わってくる。控えめなお誘いがますます好印象だった。
まぁ、ベータがフェロモンを出している時点でおかしいのだけれど。そんなこと、いちいち気にしていられない。だって、陽を「そう」したのは、他でもない俺だから。陽は知らないだろうけれど、誰にも繋がっていなかった糸を、俺が陽の小指に無理やり括りつけたんだ。
確かに、陽はベータとして生まれて、ベータとして生きてきたのだろう。バース診断に間違いがあったとは、俺だって思わない。
最初こそショックだったけれど、すぐにどうでもよくなった。陽がベータ? そんなの、俺の知ったこっちゃない。陽が運命だって、出会った瞬間に分かっちゃったから。俺には陽を番にする未来しか考えられなかった。
陽を番にすると決めてからは、なりふり構っていられなかった。毎日のように項に痕を残し、フェロモンを注ぎ込む。君は俺の番になるんだ。そんなことを考えながら、日に日に濃くなっていく痕を見つめる度に、我ながら酷い執着だと自嘲した。
だけど、止めようとは思わなかった。陽を俺のオメガにするまで、湧き上がる欲望を止められなかった。
アルファの王様なら、自身の選んだ相手を番にできる。それはオメガじゃなくてもいい。ベータだって構わない。たとえ同じアルファだったとしても、ヒエラルキーの頂点に君臨するキングには勝てないのだから。
ただし、相手のバース性を転換させるにはただひとつだけ条件があった。それは、相手も自分のことを想っているということ。自分と同じように「この人と番いたい」「一生を添い遂げたい」と思っていないと、いくらフェロモンを注ぎ込んだって意味がない。
――……翠の、運命になりたい。
だから君からそう言ってくれて、天にも昇るような心地がした。
いくらでも待つつもりでいた俺と同じ気持ちになってくれたんだって、喜びと幸せでどうにかなってしまいそうだった。これからは胸を張って、この子が恋人だって、俺の番だって、そう宣言できると思っていたのに。
どうして、何も言わずに俺の元を去ってしまったの? 今、どこで何をしているの? 俺じゃない、他の誰かを選んだっていうのか?
捨てられたなんて、認めたくなかった。今更、あの柔らかな陽だまりから離れられるはずがない。陽のいなかった頃の日常なんて、とっくの昔に忘れてしまった。
優しい春はいつしか終わりを告げていて、厳しい冬がきた。パステルカラーの彩りに溢れていた毎日がモノクロに変わる。太陽を失ってから、ここは酷く寒くて凍えてしまいそうだ。
……ねえ、陽。
俺のことを「すき」だと言ったことを、俺は忘れていないよ?
だから絶対に見つけ出して、今度こそ君を離さない。この広い世界、ありふれた日常の中で俺たちは出会ったんだ。何度だって陽を見つけてみせる。残念だけど、俺からは逃げられないよ。
小指に結ばれた糸はだらりと垂れたまま、本当は誰にも繋がっていないのだろうか。
運命の番。それは、目と目が合った瞬間にお互いがそうだって分かるんだって。運命的に惹かれ合って、一生に一度の恋をする。
そんな関係に憧れて、俺だけの唯一に会える日を夢見てた。だけど毎日のように願ったからといって、そう簡単に巡り会えるわけじゃない。
半ば諦めにも似たものを抱えながら過ごしていたとき、春の陽気に誘われるように俺は陽に出会った。
他のオメガのように「自分を番にしろ」という強引さや欲深さを感じさせない。ベータを自称する陽の傍は、まるで陽だまりのように心地よかった。陽のフェロモンからは「僕でよかったら一緒にいてほしい」という想いが伝わってくる。控えめなお誘いがますます好印象だった。
まぁ、ベータがフェロモンを出している時点でおかしいのだけれど。そんなこと、いちいち気にしていられない。だって、陽を「そう」したのは、他でもない俺だから。陽は知らないだろうけれど、誰にも繋がっていなかった糸を、俺が陽の小指に無理やり括りつけたんだ。
確かに、陽はベータとして生まれて、ベータとして生きてきたのだろう。バース診断に間違いがあったとは、俺だって思わない。
最初こそショックだったけれど、すぐにどうでもよくなった。陽がベータ? そんなの、俺の知ったこっちゃない。陽が運命だって、出会った瞬間に分かっちゃったから。俺には陽を番にする未来しか考えられなかった。
陽を番にすると決めてからは、なりふり構っていられなかった。毎日のように項に痕を残し、フェロモンを注ぎ込む。君は俺の番になるんだ。そんなことを考えながら、日に日に濃くなっていく痕を見つめる度に、我ながら酷い執着だと自嘲した。
だけど、止めようとは思わなかった。陽を俺のオメガにするまで、湧き上がる欲望を止められなかった。
アルファの王様なら、自身の選んだ相手を番にできる。それはオメガじゃなくてもいい。ベータだって構わない。たとえ同じアルファだったとしても、ヒエラルキーの頂点に君臨するキングには勝てないのだから。
ただし、相手のバース性を転換させるにはただひとつだけ条件があった。それは、相手も自分のことを想っているということ。自分と同じように「この人と番いたい」「一生を添い遂げたい」と思っていないと、いくらフェロモンを注ぎ込んだって意味がない。
――……翠の、運命になりたい。
だから君からそう言ってくれて、天にも昇るような心地がした。
いくらでも待つつもりでいた俺と同じ気持ちになってくれたんだって、喜びと幸せでどうにかなってしまいそうだった。これからは胸を張って、この子が恋人だって、俺の番だって、そう宣言できると思っていたのに。
どうして、何も言わずに俺の元を去ってしまったの? 今、どこで何をしているの? 俺じゃない、他の誰かを選んだっていうのか?
捨てられたなんて、認めたくなかった。今更、あの柔らかな陽だまりから離れられるはずがない。陽のいなかった頃の日常なんて、とっくの昔に忘れてしまった。
優しい春はいつしか終わりを告げていて、厳しい冬がきた。パステルカラーの彩りに溢れていた毎日がモノクロに変わる。太陽を失ってから、ここは酷く寒くて凍えてしまいそうだ。
……ねえ、陽。
俺のことを「すき」だと言ったことを、俺は忘れていないよ?
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