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番外編 翠のご両親に挨拶に行く日の話
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しおりを挟む「不甲斐ない翠に怒るのは分かるけど、貴方はちょっと反省してなさい」
「ゆりちゃん……」
ずーんと沈んだままのお義父さんを置いて、スタスタと先を歩くお義母さん。その後に続いてよちよちと廊下を歩いていた玲が、後ろを振り返ってそのまま引き返していく。
「……じーじ?」
「っ、玲くん! 驚かせて悪かった。男としてもアルファとしても情けないバカ息子を叱らねばという思いが先行してしまい……」
「出会って早々、孫を泣かせる男の方が情けないと思うけど」
ぐと言葉に詰まるお義父さんの頭に手を伸ばした玲が、小さな手でよしよしと撫でる。
「かなしいとき、まま、いつもこうしてくれるの」
「玲……」
僕からの愛をちゃんと真正面から受け止めてくれているんだと分かって、胸の奥がじーんと熱くなる。
「ゆりちゃん、この子は天使なのかもしれない」
「翠の血を引いて、こんなに愛らしい子が生まれるなんてありえないわ。陽さんのおかげね」
「ちょっと」
かわいいかわいいと愛でられながら、お義父さんに抱え上げられた玲は、いつもより高い抱っこに興奮気味。その様子を見ていた翠は少しむっと唇を尖らせていたけれど、ご両親のためを思ったのか、特に横槍を入れることなく黙って後ろをついて行く。我慢できて偉いねと、翠の小指をつんつんと引っ張ればそのまま手を取られて繋がれてしまう。
「翠、」
「いいもん、俺には陽がいるし」
「じゃなくて、手」
「手繋ぐぐらいいいでしょ」
「ご両親の前だよ」
「いつもイチャイチャしてるんだから、俺だって見せつけたい」
反抗すればするほどどんどん力が強くなっていく。こうなったら、翠が納得するまで離してくれないだろうと僕は早々に諦めた。
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