異世界に飛ばされた人見知りの僕は、影が薄かったから趣味に走る事にしました!

まったりー

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1章 占い異世界生活

7話 噂の占い師

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「サリニム、今日は何処まで行くんだ?」


その日、リーダーのサリニムは、8階まで行く事を依頼書の写しが表示された、自分のギルドカードを見せて伝えて来た。
PT仲間のサニーとインは賛成したけど、オレは反対したよ。


「なんだキオ、8階じゃ不満か?」
「当然だろサリニム、オレたちがここに来てもう半年だぞ、10階のボスに挑んでもおかしくない」
「まぁ気持ちは分かるが、ギルドカードの通り、アタシたちは8階のボアとレッドスネイクを討伐しないといけないんだぞ、下に降りても意味がない」


いつもそう言ってサリニムは意見を変えない、だからオレは今回秘策を準備していて、みんなに提案した。
それは、最近話題になっている占い師の事で、ダンジョンの助言が的確なんだそうだ。


「何よそれ、眉唾でしょ」
「そう思うから行ってみるんだろサニー」
「ああなるほどね、要はゲン担ぎみたいなもんなのね」


そうだと答えて、オレはサリニムの答えを待ったが、どうやらサリニムも気になっていたようで、みんなで行くことになったんだ。
その占い師は、ダンジョンの入り口前に並ぶ屋台の端っこに存在してて、かなりの行列を成していた。


「端っこなのに、凄い人気ね」
「だろっ!なんでも、端っこなのは他の屋台の邪魔にならない為らしいぞ」
「そうなの?そう言えば、列が人気のない通りに伸びてるわね」


オレたちも早速並ぼうと、列の一番後ろに向かったんだが、隣の通りの更に先まで伸びていたんだ。
それを見て、サリニムは嫌がってしまうが、並んでる冒険者の1人が占ってもらった方が良いと、親切にも声を掛けて来たぞ。


「あんた、どうしてそう思うんだ」
「簡単な話しさ姉ちゃん、この行列は直ぐに進むからだよ」
「「「「う、嘘だ!?」」」」


オレたちは声を揃えたが、声を掛けて来た冒険者の前後にいた他の冒険者も、こちらを見てそう言って来たんだ。
なんでも、占い師は並んでいる者の事を知ってて、あらかじめ占ってくれてるらしく、店に入ると紙を1人1枚貰うだけで終わるから早いらしいぞ。


「そ、そんなバカな!?オレたち今日初めて並ぶんだぞ」
「まぁそう思うよな、俺たちだって最初はそう思っていたさ、だけどなぁ」
「ああ、ほんとに紙を貰うだけで終わるぜ、後はその紙に書いてある内容を読んで、その通りに1日過ごせば、もうウハウハよ」


そんなに違うのかと思ったんだが、店が開いたのか列が動き出したんだ。
その速度は、歩く程度だったが明らかに早くて、直ぐに済んでいるのが分かったよ。


「サリニム、これなら良いんじゃないか?」
「まぁ占ってもらう為でもあるし、これなら良いな」
「楽しみだねぇ~」
「ん、楽しみ」


話してる間に、何処まで続いていたんだと思っていた、あの長い列の最後尾が目の前にきたから、オレたちは迷わずに並んだんだが、10分と掛からずに店に入れた。
店の中は薄暗かったが、フードを被った占い師が立っていて紙を1人ずつ渡してくれた。


「これで終わりなのか、料金は?」


オレがそう聞いたら、占い師は手をヒラヒラさせて来て、大きめの石板をオレに見せて来た。
その石板には、もう貰っているから要らないと書かれてて、何だよそれと思い余計分からなかったよ。


「訳がわかんねぇよ」
「良いじゃないキオ、タダで助かるわ」
「そう言う事じゃねぇんだよサニー・・・まぁ最初だしな」


そう思ったオレたちは、店を出たわけなんだが、結局占い師の声も顔も見れなかった。
変な奴だと思いながらも、貰った紙の内容を読んで、オレはドキッとして店に視線を戻したぞ。


「10階に行くなら、装備の整備をしてからっだと!?」


オレの短剣が少し傷んでいるのを見越した助言で、どうして知ってるんだとゾッとした。
そしてサリニムも店を見ていたから、恐らくオレと同じ感じの事が書かれていたんだろう。


「ね、ねぇサリニム、なんて書かれてた?」
「サニーと似たような感じだと思うが、アタシのは8階で隠し部屋を見つけると書かれてた」
「アタイと全然違うじゃん、アタイはリボンで髪を結んでポニテにしろってさ」
「何それ?」


良く分からない内容だったが、サニーは素直にリボンを解いてポニテにしてた。
インも何かが書かれていたのか、持っていた杖に布を巻いていたよ。


「キオはなんて書かれてたんだ?」
「サリニム、実はオレの装備な、そろそろガタが来ててな、今日探索が終わったら直しに行って良いか?」
「そうか、それなら良いぞ」


どうしてか、サリニムはニコニコしてて、もしかしてボスに挑まなかった理由はそれだったのかと思ってしまった。
しかし、それが聞ける訳もなく、オレたちはダンジョンに入って行った。


「こっちにモンスターがいるわ、迂回しましょ」
「了解だサニー」


今日は随分と敏感に敵の位置を察知してるサニーの後に付いて行き、その速度は8階まで何度も降りた中で最速だった。
そして、目的のモンスターを狩りまくり、かなりの成果を得られたんだ。


「ちょっと休憩しようぜサリニム」
「そうだなキオ、そこの部屋なら安全だろう」


サリニムが入った部屋には、確かにモンスターはいなかったが、休憩を始めて少しして、部屋の中に風を感じたんだ。
サリニムが何処からだろうと探り始め、部屋の壁に隙間を発見し、指で押すと壁の一角がくるりと回転した。


「こ、これは!?」
「どうしたのサリニム?」
「なになに~」


サニーとインがサリニムの後ろから覗き込んだが、ふたりは驚き止まってる感じで、オレも気になって覗く事にした。
しかし、みんなが驚いていた理由はオレにも感染し、動けなくなったんだ。


「こ、これって!?」
「み、みみみんな落ち着け」
「サリニムこそ落ち着けよ」
「キオに言われたくない・・・しかし、ほんとにこれは現実なのか?」


回転した壁の先に現れたのは金貨の山で、震える手でサリニムが数えたら、10枚のタワーが10個並んだんだ。
100枚の金貨を回収し、オレは驚いてる中で疑問が生まれ、サリニムに聞いたんだ。


「なぁサリニム、お前は隠し部屋を見つけるって書いてあったんだよな?」
「ああ、キオもそこに気付いたか・・・この隠し壁は、どう見ても部屋じゃない」
「だよな、小さいから棚と呼んだ方があってる」


サリニムと意見が合った事で、サニーとインも気付いたんだ。
占いで言われたのはここじゃなく、もっと先にある部屋で、それはここよりもすごいのかもしれないと、ワクワク半分に緊張が半分だった。


「でもさぁ、占い当たるんだね」
「確かに」
「まだ分かんねぇだろふたりとも」
「キオ、もう分かってるだろう、今回の金貨だって、気にしていなかったら見つからなかった」


サリニムは、そう言う事も含まれているとか言って来て、オレだってそれを感じていた。
オレの装備の件もそうで、10階に行くのをごり押しするつもりだったが、こんな事が続くならやめた方が良いの分かる。


「サニーとインも動きが良いし、分かったよ」
「じゃあ行くぞ」


サリニムの掛け声で、オレたちはダンジョンを進んだ。
そして、占いの隠し部屋を見つけて、宝石の入った宝箱を手に入れ、ウハウハでダンジョンを後にしたんだ。
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