異世界に飛ばされた人見知りの僕は、影が薄かったから趣味に走る事にしました!

まったりー

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2章 幸せ異世界生活

24話 森が第一な種族

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「ここがそうですの?」


わたくしが訪れたのは、とても広くて深い遥か西の森で、そこにはある種族が暮らしてますの。
馬車で10日の場所だけど、わたくしたちは1日で到着しましたのよ。


「間違いありませんよリルト様、ここがハイエルフの住む漆黒の森です」
「何だか、とても怖い名前ねフーラ」
「森に入れば、そこには光が差し込まないという事らしいです」


それだけ木に溢れていて、その木はとても高くて太いそうですの。
そんな場所にわたくしが来たのは、もちろん領地の為ですのよ。


「この森が崩壊したら、そこに住んでいた魔獣や動物が外に溢れてしまいますの」
「それは困りますけど、ほんとに起きるんですか?」
「フーラ、あなたマサヨシの占いを信じませんの?」


占いでそれが起きるのが3年後と分かり、わたくしの領地が隣なので今のうちにと訪れたのですわ。
問題は、どうやってハイエルフに会うかと言う事でしたけど、マサヨシの占いでそれも分かっていますの。


「森の前に作物の植木鉢を置いて少し離れる・・・これだけですか?」
「そうですのよフーラ」
「声も掛けずにそのまま?」


何が問題なのか、フーラが不思議そうでしたけど、これが一番良いのだとマサヨシの占いが言っていますの。
そして、わたくしたちはそこで一泊して、次の日の朝には植木鉢の前にハイエルフがいましたわ。


「お前たちか、この植物をここに置いたのは」
「そうですの、あなたたちに会う為に置きましたの」
「そうか・・・それでワタシと会えたが、何が目的だ」


とても警戒してて、言葉を間違えれば、すぐにでも森に戻ってしまいそうな雰囲気ですの。
でも、そこはマサヨシの占いがありますから、姿を確認できてお話が出来た時点で勝ちですの。


「この森の木を救いに来ましたの」
「ど、どう言う意味だ」
「森で何が起きているのか、あなたなら分かりませんの?」


エルフの表情は確実に知ってる顔で、それでも何もしていないことが分かりましたの。
これだから森が崩壊してしまう、それが分かって、わたくしは急がなければと少し焦りましたわ。


「確かに、今森は苦しんでいる、だがお前の様な小娘に何が出来る」
「小娘でも、わたくしは王族ですの、出来る事はあなたよりもありますわ」
「ほう、それなら聞かせて見ろ」


マサヨシの言っていた通り、わたくしは森の木を切る事を伝えましたの。
エルフがそれを許すはずもなく怒り出しますが、条件のあった木だけを伐採する事を教えましたわ。


「切る事に変わりないだろうが、ワタシたちの森を穢すつもりか」
「穢してるのはあなた達ですのよ、若い木を殺していますでしょう」
「そ、それをどうして知っている!?」


エルフは木の声が聞こえますから、それを知っていながら放置なんて、人に置き換えなくても酷過ぎますの。
でも、彼の顔色を見る限り、諦めているわけではないから、ここからなのですわ。


「若い木を助けたくありませんか?」
「そなたに協力すれば、あの子たちは助かるのか?」
「王族の名にかけて誓いますわ」
「そうか・・・分かった」


予想よりも簡単に納得してもらえて、わたくしはフーラと視線を合わせてビックリですの。
それだけ若い木の声が辛そうだったのかもしれませんから、わたくしは彼に名乗りましたわ。


「リルト殿か、ワタシはメサリムだ」
「よろしくメサリム、早速ですけど選定をしますわよ」
「イヤ待ってくれ、まずは族長に挨拶を」
「それは後ですわ、どうせ反対されますのよ」


成果を見せた後ならば許可も出やすい、そんな言葉をメサリムに聞こえる様に口にして森に入って行くと、ほんとに光が差し込みませんでしたの。
上を向くと、木の葉が何重にも重なり重そうでしたの。


「姫様、枝も選定した方が良さそうですね」
「そうですわねフーラ、どんどん行きますわ、案内しっかりとしてくださいねメサリム」
「良いのだろうか、ワタシは間違ってないよな」


メサリムがブツブツとうるさいですが、切り倒す目印の紐がどんどんと増えるので仕方ないと放置ですの。
でも、目印だけでは説得できませんから、メサリムの精神に負担が掛かるのはここからですのよ。


「ああ~若い子が抜かれて行く、ワタシの友たちが」
「落ち着きなさいメサリム、まだまだありますのよ」
「ああ~!?神よ許してください」


遂には祈り始めたのですが、そもそも若い木を殺していた神とか、わたくしなら許せませんわよ。
それでも、フーラはわたくしの指示で若木を根元から抜き取って行き、作戦が次の段階を迎えましたわ。


「メサリムッ!これはどういう事だ」
「来ましたわね、他のエルフたちですわ」
「ミラード様」


メサリムが様を付けたので分かりましたけど、弓を構えているエルフは格上で、メサリムがビビっていますわね。
話せそうもないので、わたくしが前に出て、淑女の礼をしながら自己紹介を致しましたの。


「そんな事は聞いていない、お前たちは神聖な木を伐採した、これは万死に値する」
「腐ってしまう木を放置してるくせに、随分な言い方ですのね」
「な、なんだと!?」
「見て分かりませんの?わたくしは腐ってしまう筈だった、ここで苦しんでいた若い子たちを救っていますのよ」


マサヨシの装備で強化したフーラに、木を根元から抜いてもらったのはそれを見せる為で、根っこは土と一緒に布で覆ったのです。
そして、殺してしまっていたのだからと、わたくしは抜いた木の所有を宣言ですわ。


「かか、勝手な事を言うな人族!!」
「あら、救ったのはわたくしですのよ、殺していたあなた達に任せるわけにはいきません」
「き、きさまっ!我らを愚弄するか」
「しますわよ、森を守ると言いつつ、苦しむ声を聞いても放置していたのでしょう?」


どんな種族でも、助けを求める声に耳を傾けなかった者なのだから、信用できるわけもなく、ミラードとか言うエルフは拳を振るわせて悔しそうでしたわ。
それでも、わたくしたちの作業をジッと見張っていて、若木を抜く時に声を上げてきますの、正直邪魔にしかなりませんでしたのよ。


「あなた、声ばかり出してないで手伝ったらどうですの?」
「わ、我に盗人の手伝いをしろと言うのかきさまっ!!」
「若木を助ける手助けも出来ませんの?良いから手伝いなさい」


ミラードは、一度メサリムに視線を向けた後、渋々ながらも手伝い始めましたの。
ある程度若木を抜き休憩に入りましたが、最後の仕上げですのよ。


「わ、我に運べというのか!?」
「そうですわよ。わたくしの事業では、道の補強をしていますの、この子たちはそこに植えたいのです」
「そこにこの子たちを植えるというのか」
「そうですわミラード、この子たちはとても強く育って道を強化し、川の氾濫を防いでくれますの」


川の氾濫は問題でしたが、マサヨシの占いでこれが一番良いと出たのですわ。
だからこそ、敵意がない事を示す為に、フーラとわたくしだけでここに来たのです。


「護衛も付けなかったのはそう言う理由だったのか」
「今頃気付きましたのメサリム」
「人族にしては無防備で、珍しいと思っていたが、なるほどそう言う事だったんだな」
「ですからミラード、ダンジョン都市まで運ぶのは頼みましたの」


収納魔法を持っていないから、荷運びの馬車を用意する事を伝えましたが、ミラードは嫌そうですわ。
若木が伸び伸びと成長できるのが嫌なのかと、そっち方面で攻撃したら、了承の言葉を貰えましたの。


「じゃあ、今後はあなたが木を抜いてくださいね」
「なっ!?」
「当然ですわ、わたくしも暇ではないのですわ」


森は自分たちが管理していると豪語しているのだからと、グサッとクギを刺しましたわ。
膝を付いて了承の言葉を口にしたミラードに、守護者として頑張れと激励を送りましたのよ。


「守護者?」
「そうですわよミラード、あなたは森の救世主ですの」


森を守る為には、見守るだけではなく、手を差し伸べなくてはならないのです。
その事を理解してもらう為、少しずつ抵抗力を無くしてもらうのが今回の作戦なのです。
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