ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

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友とのセカンドステップ

28歩目 襲撃

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「ついに来たねハエッチ」

「ウイッスマスター!ヨロシクッス!」


アマンダさんの悩みを聞いて2週間が経ちました、ついにハエッチが帰ってきて、敵が来ると知らせてくれたんです、襲撃してくると分かった僕は、各方角を守っているモンスターのみんなに念話を送ります、みんなやっと出番が来てテンションが高かったです。


「敵は東の平原からだね・・・夜で良かったよ、子供たちが寝てなかったら大変だった、こっちは既に準備万端なんだからね」


子供たちが起きていたら、きっと戦いたいって騒いだでしょう、既にレベルは60を超え、狩りも自分たちだけで出来るようになり周りもコンプ済みです、アマンダさんが訓練に参加するようになるくらい余裕です。


「これが終われば街に行けるかな・・・さて行きますか」


ダリルはまだ無事かな?って思いながら僕は、平原に隠れて待機しているコボルとウルフファングの近くに向かいました、他のみんなも集合させますよ。


「ニシシ!何者だいあんた」

「おお!?魔女さんかな?」


平原に差し掛かると、そこから先を埋め尽くすほどの大軍が待っていました、一番前にいる大将は昔話で出てきそうな魔法使いのおばあさんです、でも顔からして悪い方ですね。


「あんな奴らと一緒にするんじゃないよ!・・・あたいは14将軍の1人、ダークマジシャン族のダライヤルだよ!・・・もしやお前が密偵オークが言っていたやつかい?」


悪い魔女が大きな箒を肩に乗せ、手をポンと叩いて思い出した仕草をして言ってきました、僕はその問いに肯定して剣を構えたんだ、相手は嫌な笑みを浮かべてるよ。


「ニシシシシ!こいつは生きが良いお嬢ちゃんだねぇ~これだけの数のモンスターを前に武器を構えるのかい、これは良い実験材料になりそうだよ、お前たち!あまり傷を付けるんじゃないよ」

「ああ~悪いけどおばあさん、僕は男なんですよねぇ・・・それに村を襲おうとしてる奴らを放っておけないんだ、二度とここに来ないなら逃がしても良いけど、そうでないなら命を貰うよ」


剣の宝石ボタンを押し雷電モードにしました、刀身の鋭い方が青く光りなかなか綺麗です、これは触れた物を焼き切るほどの性能でビームソード並みなんですよ、悪い魔女はそれを見て余裕みたいで「ニシシ」っと笑い、箒を僕の方に向けてきたんだ、そして光の弾が飛んできた、いきなりの攻撃で僕は剣で切り落とします。


「あたいに向かってその偉そうな口ぶりは許せないねぇ、早いけど躾をさせてもらうよ」


光の弾はそれから無数に飛んできます、僕は当然ソーラーシールドで防ぎました、相手の光弾魔法が周りを焼き、更に攻撃は続いて煙が凄く上がっています、相手はそれのせいで見えないようです。
魔法攻撃を止めたのは、おばあさんが散々情報を喋ってくれた後でした、ここの大人を病気にしたのは自分と同じ14将軍の1人だとか、そいつから逃げた者たちを捕まえて実験体にしたとか、最後は後ろのモンスターは自分が作ったキメラで最高傑作なんだと言いっています。


「マッドサイエンティストって事だね、僕も攫われたらあんな風にされるのかな・・・いやだいやだ」


寒気を感じてブルブル震えていると、煙が晴れてきました、おばあさんが僕の無事を見て驚いています。


「ほう・・・あたいのマジックレイを受けるくらいは出来るんだね、それならこいつらの実力を測る良い相手になりそうだね、お前たちやってしまいな!」


悪い魔女が今度は箒を上に高く上げ、その後振り下ろしたんだ、すると後ろのモンスターたちが雄叫びを上げて前進してきた、僕は剣を地面に刺しハンドガンを出して天に向かって撃ちました、それを見て悪い魔女は首を傾げてるよ。


「なんのマネだい?死にたいのかい」

「それを知る必要はないよ、さぁ行くよ!」


モンスターたちが悪い魔女の位置より前に出ると、僕たちの攻撃は始まりました、僕がハンドガンを天に向かって撃ったのは、スラッチたちに合図をするためです、既にマップでは各方角から攻撃は始めています、周りからモンスターたちの悲鳴の様は雄叫びが急に聞こえ出し、悪い魔女が動揺し始めました、僕はその隙に前方にいたモンスターたちを両断し、高速で移動を始めモンスターを倒していきます。


「な、なにごとだいこれは!?あいつはどこに行ったんだい!」


悪い魔女が僕を見失い辺りを見回しています、でも僕は速度を落とさずにモンスターを倒していきます、みんなも段々とこっちに来ていますね。


「モンスターは大体2つ星が主体になってて強さは3つ星くらいだね、モンスターたちの腕とかが蛇にされてる、尻尾が蛇の奴もいるね、オーガとか最初から3つ星クラスのキメラはいないや、つまらない」


高速でモンスターを倒しながら僕は観察しています、モンスターはオークなどがちょっと強くなった者たちです、数はいるけどそれほど強くはありません、これなら子供たちが戦ってもよかったかもです。


「最高傑作って言うならドラゴンとかを改造してほしいね・・・さて、みんなも見えて来た、そろそろおしまいかな」


倒れるモンスターを背に、僕は遠くから歩いて来るスラッチたちに手を振っています、みんなも余裕の勝利です。


「そそ、そんなバカな事があるかい!?ほんの数分で10万のモンスターを倒すなんてありえないよ!」


悪い魔女が倒れているモンスターを見て後ろに下がりながら言っています、僕たちは一か所に集まり、みんなをご苦労さんって撫でました、みんなとても嬉しそうだよ。


「ああ、あんたほんとに何者だい!もしや勇者かい!?」

「悪いけど違うよ、僕は楽しく旅をしてるだけの旅人さ、お前たちがそれを邪魔したから排除したんだ、後はお前だけだよ」


剣先を向けて告げると、悪い魔女は箒を使って空に飛びました、逃げられてはまずいのでライフルに装備を変えます、でも悪い魔女は逃げるのではなく、上空で止まり僕を見ながら笑っています。


「あたいのモンスターたちをやったくらいで良い気になるなよガキ、これでも食らいな『ムーンライトダンパー』」


悪い魔女は光魔法を雨の様に降らせてきました、僕たちの周りは焼け野原になり煙が凄いです、それを見て魔女は笑っているようですよ。


「ニシシシ!どうだい!さっきの2倍は強力だよ、これをまともに食らってはさすがにいぃー!?」


煙が晴れ、僕たちが無傷で立っているのを見て悪い魔女はかなり動揺しています、僕のソーラーシールドは充電エネルギーを使いバリアを張れる様にスキルが増えています、これが無くても僕たちなら避けれます、でもスキルを使った事が無かったので試して見たかったんだよね。


「魔法を使う前に逃げれば良かったのに、これでおしまいだよ」


僕はジュウライホウの引き金を引きました、光の柱が悪い魔女を襲い魔女は跡形もなく消えてしまったんです。


「あいつが魔王14将軍の1人だったのは驚きだね」


マップを見て僕は呟いています、名前が分かる者をタップすると細かな情報が出ます、これはこの村に来て知りました、魔女が魔王14将軍の1人なのは相手が言っていたけど、それが本当か確認したんですよ。


「まぁ14人もいるから先は長そうだよ、それに今の奴は他の場所を拠点にしてるみたいだ、ここを管轄してる将軍のおこぼれとか、さっき言ってたもんね・・・ゲームだと各王都にいるのが定番だけど、ジョリバンと時期が大体同じだから、これは他の所は相当やられてるかもしれないね」


僕はライフルをしまい、倒したモンスターを集めてくれたみんなを撫でて褒めておきました、そしてちょっと愚痴を言ってため息を付きながら収納していきます。


「クエストがクリアにならない、ここを襲ってたボスを倒したのに・・・ここを管轄してないから関係ないって事だよね・・・やっぱり街に行かないとダメっぽいや」


ちょっとガッカリしながらも、方向性が見えて来たので村に戻り、明日は街に向かい出発だねっと、僕は久しぶりの睡眠をとる事にしました、でも起きる時ある音で目を覚ましたんです。


「あいつらを倒して「これでクリアだ!」って感じが出せなくてガックリしていたのに・・・これでクリアでいいのかな?」


寝起きにメインクエストが勝手にクリアになっていたんです、どうしてなのかベッドの上でマップを確認すると、村の門にハテナの点が3つ見えました、今移動中で村長の家に向かっています。


「きっとこの人たちが来たから、復興が完全に終了したって事になったんだ、やっぱり足りないクリア条件は大人の到着待ちだったって事だね、もう少し詳細が分かるようにならないかな」


そう思い、寝ぼけていたせいで携帯時代の様に画面をタップしました、するとクエストの文字の下にクリア条件が出てきたんです、僕はそれを見てすっかり目を覚まして唖然としています。


【メインクエスト】
・ロンゾ村を復興させよう(クリア済み)
《クリア条件》
・村人の衣食住の確保
・村人の安全確保


「念じても出なかったよね、この詳細・・・もしかして、人と同じでタップしないといけない事も結構あるのかな?」


僕は見逃している情報もあるんだと、ちょっと落ち込みながら服を着替え村長の家に向かいました、そしてちょっとまずい雰囲気です。


「あれって、ローナちゃんたちが言ってたダリルじゃないの?・・・感動の再会のはずが、どうしてこうなってるのかな?」


僕の目の前では、いわゆる修羅場が展開されています、それも本人は村長であるローナちゃんと握手をしていて気付いていません。


「アマンダさん睨み過ぎ、あれじゃ相手の女性が怖がっちゃうよ」


ローナちゃんと握手をしながら、ダリルが街でなにをしていたかを話しているようです、街でも病気が広がりその手助けをしていて遅くなったそうです、そして問題の女性を紹介していますね。


「3人の情報を見たけど、もう一人の男性は街の門番なんだね・・・女性の方はエミリアさんで詳細は、ダリルの恋人って出ちゃってるよ」


エミリアさんの詳細を見て、僕はおでこを押さえています、誰がどう見ても分かるくらいダリルがエミリアさんを見ています、それを見てアマンダさんがかなり怖いです。


「はぁ~これは違う意味で大変だね、クエストはクリアしたけど見てられないよ」


アマンダさんが凄く心配で現場に近づきました、ローナちゃんが僕に気付いて紹介してくれます、ダリルはこの状況でも凄く嬉しそうに握手をしてきましたよ。


「俺たちの村を救ってくれてありがとうアユムさん?君?」

「僕は男だからねダリル、普通にアユムで良いよ・・・それで朝も早いし、朝食を取りながら話そうか」


僕は集まりだしている子供たちの為に提案しました、アマンダさんがまだエミリアさんをターゲットにしているんですよ、このままでは血の雨が降ります。
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