1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる

まったりー

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2章 始動

38話 案内

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「わ、私たちなんかでいいの?」


最初に口を開いたのはテオだ、この子は俺に対して警戒心が薄い、ハルの言うように悪い人族に騙されないか心配になるが、俺としてはとてもうれしいことだ。


「もちろんだよテオ、僕を人族と言って信用してくれない人達ばかりで全然雇える人がいないんだ、でもみんなは僕を信じてくれてる、だからぜひ働いてほしいんだ」


エニルアには雇う大人を頼んだが仕事の説明をする際、絶対に雇い主の事を話さないといけないからな、恐らく断られているだろう、なにせ給金も決めてないんだからな、まぁそこはエニルアが標準額を言ってるだろう、割り増しでも全然問題はない、問題としては他の事が考えられるからな。


「でも、わたしたち子供なんだよ」


テオが黙ったら今度はイオか、そんなに心配なのか?でも同じことだな。


「そんなの関係ないさイオ、さっき言った仕事はちゃんと出来るだろ?それに僕はみんなみたいに信じてくれる人たちを作る為にここに来たんだ、その第一歩さ」


そうだ、ここには信用を取り戻し信頼してくれる人を作る為に来たんだ、それなのに俺は少し嫌なことがあったからってギルドであの獣人の女性にひどい対応をした、これではダメなんだ、みんなに言って改めて実感したよ。


「ユーヤはほんと変わってるな、それは大変なことだぜ」


ハルに言われたかなり厳しめの顔でだ、そうだよなほんとに大変な事だよな。


「僕もここに来る前はもう少し簡単だと思っていたよ、でも辞める気はない」


幸先は悪くなっているが何とかしたい、あまり下手に出すぎるのも良くないから良く考え行動しないとダメだな、そしてどうやら俺の誘いを断られることはなさそうだ、目で分かる。


「じゃあみんなもう一度聞くよ、僕の屋敷で働かないかな」


「ユーヤの事は昨日話してんだ、これで怪しんで断る奴はここにはいねぇって、なぁみんな」


ハルの言葉を聞いて皆が頷いている、嬉しいが小声で変わっているとか、お人よしとか世間知らずとか聞こえる、ハルどういう説明をしたんだよってツッコミを入れたくなるな、そしてどうやら全員来るようだ。


「ありがとうみんな」


「ユーヤお礼なんて言うなって、俺たちは雇われるだけなんだぜ」


ハルはそう言っているが、冒険者ギルドではクエストを受けようとして否定されたんだよ、それも入って直ぐに人族と分かったからってだけでな、そう言えばここでは人族の冒険者を見ていない。

きっと扱いが悪すぎるから誰も来ないのだろう、逆に考えればそう言った場所から始めるのもいいかもしれない、かなりきついがな。


「じゃあ行こうかみんな、着いたらお祝いだ」


みんなで屋敷に向かったんだが途中の服屋で衣服などを追加で買った、みんなに女性物の服を買って貰う為だ、さすがに子供とみられている俺が女性物の服を大量に買うのは抵抗があったんだ、それに男の子が何人いるか確認したかったこともある。


そしてその時驚きの事実を知った。


「ハルも女の子だったのか!?」


「な!?なんだとユーヤ!」


毛を逆立てて怒られた、尻尾がかなり太くなってとても可愛かった、腹を殴られたけどな。



「はぁ~すげぇ屋敷だなユーヤ」


そして屋敷に着いてみんなが驚いている、俺も同意見だ、でも俺は違うとこに驚いているよ、子供たちの中に男の子がいなかったんだ、唯一ハルがそうだと思っていたのに違った、恐らく男性は捨てられることはないのかもな。


「ああ、僕も初めて来たときは驚いたよ、まずみんなが住む予定の家に行こう」


屋敷の正面は広い庭になっていて裏手に5件の家がある、家は30坪の二階建てでかなりの広さだ、かなりいい家だと思う。


「なぁユーヤ、ほんとにここに住んでいいのか?」


「ああそうだよ、仕事はさっき言った通り庭の手入れと屋敷の掃除、それと後で作る予定の畑の手入れだよ」


みんなが家の中を見て回っている、俺も入った時は驚いたよ、ここに俺が住んでもいいじゃんって思ったからな。

ちなみに屋敷本体はこの5件を足してもお釣りがくるくらいだ、外国の豪邸みたいでほんと広すぎると思う。


「ハルお風呂もあるよ」


「ほんとかテオ!?」


奥を見に行っていたテオたちが帰ってきてハルに知らせている、お風呂は貴族には必須だ、使用人が汚れていたら大変な事になるからね、まあ俺は貴族ではないしハルたちも家族って感じの雰囲気を作る予定だが、日本人として風呂には入りたい。


「屋敷で働いてもらうからね、清潔にしてもらう為に用意してあるんだ、ちゃんと毎日入るんだよ」


「あ、ああわかったよ・・・それでユーヤ、ご主人さまって呼んだ方が良いのか?」


それを聞いて迷った、どうしたものかなそんなガラじゃないぞ、でも世間から見ればハルたちは使用人で俺は主って事になる、線引きはしないといけないんだろうな、まぁ誰も見てない時は普通にしたいとこだ。


「で、出来れば様は無しで頼むよ」


「はは分かったよ、じゃあ主だな」


ハルはいい笑顔をして返事をしたよ、雇うって事はそう言った事も考えないといけなかったんだな、今後慣れるべきなのか。


「じゃあ屋敷の案内をしたら食事にしよう」


みんなで屋敷に向かい説明しながら案内をした、ハルが下級貴族くらいだと言っていた、この広さで下級なのか!?と思ったぞ。

ハルにそう言ったら中級貴族はそこから屋敷を広くするか、装飾を豪華にするかに別れるらしい。


「ではみんなグラスは持ったね、カンパーイ」


案内が終わったのでささやかなパーティーをする事にした、もちろん料理は俺が作った、みんなにも手伝ってもらったが俺の作り方を見て驚いていたな。


「「「「「か、カンパーイ?」」」」」


みんながハテナマークを浮かべながらグラスを掲げている、乾杯の習慣はないそうなんだ、俺の真似をしてやっただけだな、そしてしばらく食事をしているとハルが俺の所に来た。


「ユーヤ、ありがとな」


「何だよハル、改まってさ」


「だってよ、孤児の俺たちをこんなすげぇ屋敷で働かせてくれるんだぜ、感謝しても足りないさ」


他の子は食事に夢中だ、ファラもな。


「仕事をしてもらうだけだよ、これから頑張ってな」


「ああ望むところだ、それより仕事の内容はホントにあれだけなのか?」


ハルが聞いてきたが他に何かあるか?料理とかかな?俺の食事は自分で作るしみんなの食事は俺がいない時は、向こうの家に用意してある食材でするように言ってある、俺は外に行くことが多いからな。


「分かんねぇのか?夜の奉仕のことだよ」


「・・・は?」


それを聞いて俺は固まってしまった、それはここの常識なのか?アラトイの本には載ってないぞ。


「じょ、冗談だよなハル」


「なんだよユーヤ、貴族なら当然だぜ、まぁ成人してからだけどな」


成人したらそれが貴族の普通なのか!?ほんとかよ。


「いや・・・僕は貴族ではないから必要ないよ」


「俺は来年成人なんだ、必要になったらいつでも言ってくれよな主」


肩を叩いて言われた、だから貴族ではないから手を出す予定はない、頼むから自分から迫ってこないでくれよ。

そんなことを思いながら食事を楽しみ、みんなには休んでもらった、明日から掃除をしてもらわないといけないからな。
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