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最終章 誕生
121話 18年経っても
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「来ないの」
「来ないな」
どうもユーヤです、俺たちが戦争を始めて18年が経った、だがまだ戦争は終わっていない、何故ならこちらの数が足りないからだ、広がった戦場をカバーできないと分かっているので同盟国と少しずつ進軍している状況だ。
だがこちらの国はかなり繁栄している、人口は増え色々な作物を広めた、相手も半分くらいにまで減っているのでそろそろ本格的に攻めると示す為に今回戦場に出た、だが相手が準備をしてこないんだ、いやしてはいる、だがゆったりというかノロノロしてるんだ。
「もう!イライラするわね、早く攻めてきなさいよ」
叫んでいるのはマリアだ、もう大人になってマリアンナさんと見分けがつかないほどになっている、だが性格は今の通りでおてんばだ。
「マリア様、もうそろそろ来ますから落ち着いてください」
セーティアがマリアを宥めてくれている、セーティアも立派に俺の代わりをしてくれているんだ、もう護衛騎士と言っても過言ではないと思うんだが「私はそんな器ではない」と断ってきている。
「主君、来たでござるよ」
タケシが俺の後ろに現れて報告してくれた、タケシももう立派な忍者だ、ファラと気の扱いを競い合ってはいるがもうかなりの熟練者だ。
「ああ、じゃあ行くかファラ」
「うんなのー」
ファラを肩に乗せ俺たちは魔導巨神に乗り戦場に飛び出した、敵戦力は俺たちの相手にならないんだその後処理が大変なくらいだな、休戦ではなく終戦にしたいのに相手がなかなか降伏してくれない、まったく嫌になるよ。
だから俺は一人で違う事を始めている、ブラッドコアに変わる新しいエネルギーコア、ブラックコアの公表だ、マリアンナたちには既に言っているが国にはまだだ、それを今度始めるつもりだ、何が材料なのか生産の仕方はどうなるのかなど準備はしてある、これは神になった時に生きるんだ、もうブラッドコアを作らせないためにな。
「それで、これはいったいどういった状態なのかなセーティア君」
戦闘を滞りなく勝利を勝ち取って今は俺のログハウスに来ている、そしてそのログハウスも改良されこの中はかなり広くなっている、まぁそれは俺のせいでもあるんだけどな。
戦闘が続けば続くほどこっちも戦力を増やす必要が出来たんだ、だから今はエネたちやジーラたちまで一緒に戦っている、そのせいでログハウスの中は4階建てになっていて20部屋とかになってしまったんだ。
「ユーヤ様、分かっているでしょ褒めて貰う順番を決める為ですよ」
セーティアが言っている決め方は俺の作った魔法盤だ、兵士のコマが30個に魔法兵が20個それと弓兵が10個、このコマたちに魔力に乗せて指示を出して戦う遊び道具だ。
「順番って、そんなのいつもの通りで良いだろう、みんなしっかりと戦ったんだからさ」
「それはそうですが、向こうの人たちにそれを言えますか?ユーヤ様」
そう言われ俺はみんなが一生懸命魔法盤で戦っている方を見た、勝つと両手を掲げ叫び負けると床に手を付いて悔しがっている、それを見て思った。
「無理です、すみません」
それしか言えなかった、何せこの状況は俺が交配したメンバーを平等に愛するって覚悟をしたせいでもあるんだ、ここにいないがマリアンナもいるしハルたちもそれに入っている、それが原因なんだ。
「皆を平等にするのは良いですが体がもちませんよユーヤ様」
「ああ、そこは問題ない、セーティアだって気を扱えるようになって分かってるだろ?」
俺の知り合いには全員気の扱いを教えた、まぁそれでもファラとタケシ以外それほど上達していない、なかなか難しいらしいんだ。
「そうですけど・・・大変でしょ?」
「まぁな・・・そ、そんな事よりも次の補充兵の件はどうなってるんだ?」
話をそらすためにそう言った、戦争が続いているが人の数は増えている、子供たちが大人になり兵士として志願してくれるんだ、本来なら戦争が始まると減るものなんだがそこは良かったよ。
「30人来ているそうですよ、名簿がこれです」
30人か、なかなか多いな、これでまた進軍の為に作戦が取れる、もう終戦は近いだろうがまだまだ戦争は終わらないだろうからな。
「うんうん順調で何よりだ、これならまた新たな分隊を作れる、良し帰ったら早速会う事にするよセーティア」
「よろしくお願いいたします、ではあちらの対応もよろしくお願いしますねユーヤ様」
そう言われ俺は順番の決まったみんなの対応をすることになった、それだけで夜遅くになってしまったよ。
「ユーヤお疲れ様なの」
「ああファラ、お疲れ」
ほんとに疲れる、みんなの為とは言え戦闘が終わると毎回なんだ、ホント疲れる、そして帰ると子供たちの対応もあるんだ、まぁそれは俺としては楽しみでもあるがな。
「お帰り主」
「父さまお帰りなさい」
飛空艇で俺たちはファラトイアに帰ってきた、そしてハルたちが迎えてくれたんだ、みんなは空気を読んで先に屋敷に入って行った。
「ただいまハル、それにハトイもお迎えありがとな」
ハトイとは俺とハルとの子供だ、あの時の交配で生まれた子供ではなく3人目だ、これでも少ない方なんだぞ、普通は3年に1人とかが普通らしい。
「うん、もう僕も7歳だもんそれ位できるよ父さま」
そう言って来たハトイを俺は抱き上げて抱きしめた、男の子にしては少し軽い気もするがまだまだ大きくなるからな楽しみだよ。
「そうか、じゃあこの後は父さんと遊ぶか?」
「ほんと!?やったー」
ハトイが喜んでくれたいつも戦いで忙しいからな、ここに帰ってこれるのは戦闘から帰ってきた時の数日だけだ、戦線が2つでなければもう少し緩和されると思うんだが、魔族も人族もだからな仕方ない、ほんと忙しくなってしまったよ。
「じゃあ何して遊ぶかな」
「えっとねー対決ごっこしようよ父さま」
そう言われ俺は分からなかった、対決ってなにするんだ?そう思いながらハトイを降ろし聞いてみたんだ。
「じゃあそれをするか、それで対決って何をするんだい?」
そう言ったら俺からハトイが離れ5メートルくらいの場所でこちらをニコニコして振り向いたよ、そしてどうしてか収納魔法から木で出来た片手剣を2本出し両手に持ってハトイが構えたんだ。
「ハトイ、それで何をするのかな?」
「じゃあ行くよ父さま」
俺の質問に答える前にすごい速さで切りかかってきた、俺は反射的に躱したぞ。
「すごいよ父さま!今の動き見えなかった、じゃあどんどん行くよ」
「うおっ!ちょっと待ちなさいハトイ」
俺の声に答えてくれない、どうやら楽しくて聞こえてないんだ、それに8歳とは思えないほどの鋭い攻撃をしてきている、これは身体強化を使ってるな。
「ハイそこまでだハトイ」
30分くらいしてハルの声にハトイが尻尾を立てて反応し攻撃を止めた、どうして俺の時は聞かないのにハルの時はそんな直ぐに反応できるんだよってくらい姿勢を良くして止まった。
「父さまありがとうございました、とても楽しかったです」
「ああ、それなら良かったよハトイ、また遊ぼうな」
ハトイの頭を撫で俺から離れるのを見て可愛く育ったなぁとか思ってしまった、そしてハルに聞いておきたいことがある。
「なぁハル、どうしてハトイはあれほどの実力を付けているのかな」
「それは上の子たちが世話をしているからだ、ハーヤとハルトに聞いてないのか?」
ハーヤと言うのは一番上の女の子で魔王軍側で一緒に魔導巨神で戦っている、たまに帰って来るようだが俺は聞いていない。
そしてハルトは二人目の子で男の子だ、今はマリアンナのとこで護衛騎士をしている、もちろんマリアンナの護衛ではない、俺とマリアンナの子供に付いているんだ、その子も同い年で学園の5年生だ。
「聞いてない、良く遊ぶとは言っていたがあんなことをして遊んでいるとは思わなかったよ」
まさか戦闘訓練をして遊んでいるとはな、何処の戦闘民族だよとツッコミを入れたいな。
「まぁ良いじゃねぇか楽しそうだしよ」
「まぁ本人が良いなら良いんだけどさ、それでここは変わりはなかったかな?」
この街は空から見たがあまり変わりがないように見えた、一番変わったのは俺の作った村だな、あそこは今街と言ってもいいほどに大きくなった、ブラッドコアの製造から解放した人たちだけでそこまでになってしまったんだ、カルマの所にいた人たちが万単位でいたのを救出したせいだな、収穫が早く出来る作物がなかったら大変な事になってただろうな。
「変わり何てないじ、子供たちが静かになってきたくらいだな」
小さい子たちが少なくなってきているんだ、そろそろまた子供が欲しいとせがまれそうで俺としては嬉しい事だな、子供たちを見るととても安心するんだ、戦闘も俺だけ出れば問題ないからな。
「そうか、じゃあ俺はマリアンナ様のとこに顔を出して新兵を見て来るよ」
ハルの顔を見るとこのままベッドに行こうとか言われそうなので俺はその場を逃げた、仕事を終わらせてからだぞハル。
「ユーヤよく来てくれた」
マリアンナの屋敷に着くと門でディラとラティスが待っていた、と言うよりも兵士たちの訓練をしていたっぽいな。
「どうもディラ、ラティスそれで兵士たちはどうかな」
そう聞いたんだがどうも変な顔をしている、何かあったのかな。
「ユーヤ、音速の兄弟を知っているか?」
「音速の兄弟?」
たしかSランク冒険者だったかな?兄弟でモンスターを倒していてそれがすごい強いとか。
「もしかして、今回の兵士志願に?」
そう聞いたら二人が頷いていた、それはとても頼もしいのだが気を探ってもそれほど強い気を感じない、どういうことだろうか。
「じゃあ会うかな」
「楽しみなのー」
ファラと楽しみにして歩いていると兵士たちが並んでいた、そしてみんなの前に来て気を探ったがやはり分からない、少し高い子はいるが少しだけだ、だがその子たちを見て驚いた、気が体の中で溜められているんだ、あれは気を自由に扱えないと出来ない事だ。
「(そう言う事か)えー俺はみんなの上官になるユーヤだ、こっちの肩に乗っているのは妖精のファラ今後ともよろしく」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」」
新兵から大きな声で返事を聞けた、みんな期待の眼差しで俺を見てるよ、これを見るとみんな元気に育ってくれているって嬉しくなるな、だがやはり俺の子供たちと違って女の子が多い、俺やタケシの子供たちは半々なんだ、やはり世界の決まりみたいな感じで女性が生まれやすいんだろうな。
「今日の訓練は終わりってことだから宿舎に戻ってゆっくり休みなさい、休むのも兵士の務めだ夜更かしせず体を休めるように、解散!」
新兵たちが俺とディラとラティスに敬礼して走って宿舎に向かったよ、だが予想通りに約2名動かない者がいる、しかしこの二人どこかで見た気がするな。
「あの、あなたがユーヤさんですか?」
2人が動かなかったのでどうしてかと思っていると向こうから話しかけてきた。
「何かな?えっと」
「あ!?僕はエイっていいます、こっちはサイです」
その名前を聞いて俺は驚いた、ケイと俺の子供だ、まさかここで会うことになるとはな。
「あんたがケイ母さんが言っていた人だよな?」
「あ、ああそうだねサイ、ケイは元気かな?」
そう聞いたんだがどうもサイは怒っているようだな。
「母さんは元気ですよ、サイ!そんな態度をしちゃダメじゃないか」
「だけどよ、この人の気は低すぎだ、俺たちの様にしてるってんなら分かるけど」
どうやら俺が気を抑えていて弱いと思ったのか、そしてケイが強いとか話していたから期待したんだろう。
「む~ユーヤは強いの、侮辱は許さないの」
「「!?」」
そう言ってファラが気を少し上げた、二人が驚いているよ。
「ファラそれ位にしてあげなさい」
「ぬ~ユーヤがそう言うなら分かったの」
ファラが気を抑え始めて二人も分かったようだ、これで実力が分かる辺り自分たちで頑張っていたのが分かる、さすが俺の子供だ。
「じゃ、じゃああなたも」
「そうだよエイ、でも驚いたよ君たちが来るなんてさ」
かなり前からケイの所から旅に出たと聞いていたけど、まさか冒険者として有名になって俺の所に来るとはな。
「俺たちにとってここはまだ通過点なんだぜ、おじさんに会う為の最終試験なんだ」
「どういう事かなサイ?エイ説明してくれるか」
サイがむくれてそう宣言したので俺はエイ聞いてみた、俺がサガラとして会っていた時にも聞いてないぞ。
「僕たちには戦い方を教えてくれた先生がいるんですが、その人に認めて貰う為に自分たちで目標を決めたんです、ここに入団したのもその最終段階なんです」
なるほど、冒険者として有名になったから次は戦場でって事か、そんな事を考えていたんだな。
「すみません、そんな感じで入団希望をしてしまって」
「ん?それは問題ないよエイ、でも戦いは危険だからね十分注意するんだよ」
気を扱えると言っても大人数での戦闘はそれほど経験がないだろう、モンスターにはそう言ったのもいるが人相手だとそれ以外も考えないとダメだ。
「何だかおじさんみたいなこと言うんだなあんた」
「サイ、君たちの知っていることはまだ少ないんだ、世界は広いんだよ、こんなふうにね」
そう言って俺は髪の色を変えサガラの時の気の色にした、2人がすごい顔しているよ。
「ふっふっふさっきのお返しだよ、どうかな驚いた?」
顔で分かるんだが聞いてみた、これで俺がサガラだと分かっただろう。
「そんな、サガラおじさんだったのかよ」
「じゃ、じゃあ僕たちの父親って」
「そうだね、ケイには精を与えるだけが普通とか言われたんだけど、俺の気が済まなかったんだ、だから二人を鍛えた、でもその後で君たちはがんばっていたんだね、とても嬉しいよ」
二人の頭を撫でて褒めた、2人はあの時から強かった、だがそれ以上に頑張らないとここまでにはならなかったはずだ、大変だったのは言うまでもないよな。
「こ、これからよろしくお願いします、と、父さん」
エイが少し恥かしそうに父さんと呼んできたな、なかなか可愛いじゃないか。
「お、俺はまだ認めねぇからな」
そしてサイはツンデレのようだ、嬉しそうにしているのにツンツンしている。
「じゃあこれから頑張るんだぞ、そうすれば俺も嬉しいしケイも喜ぶだろう」
こうしてサイとエイが部隊に参加した、とても頼もしいが注意はしておかないとな。
「来ないな」
どうもユーヤです、俺たちが戦争を始めて18年が経った、だがまだ戦争は終わっていない、何故ならこちらの数が足りないからだ、広がった戦場をカバーできないと分かっているので同盟国と少しずつ進軍している状況だ。
だがこちらの国はかなり繁栄している、人口は増え色々な作物を広めた、相手も半分くらいにまで減っているのでそろそろ本格的に攻めると示す為に今回戦場に出た、だが相手が準備をしてこないんだ、いやしてはいる、だがゆったりというかノロノロしてるんだ。
「もう!イライラするわね、早く攻めてきなさいよ」
叫んでいるのはマリアだ、もう大人になってマリアンナさんと見分けがつかないほどになっている、だが性格は今の通りでおてんばだ。
「マリア様、もうそろそろ来ますから落ち着いてください」
セーティアがマリアを宥めてくれている、セーティアも立派に俺の代わりをしてくれているんだ、もう護衛騎士と言っても過言ではないと思うんだが「私はそんな器ではない」と断ってきている。
「主君、来たでござるよ」
タケシが俺の後ろに現れて報告してくれた、タケシももう立派な忍者だ、ファラと気の扱いを競い合ってはいるがもうかなりの熟練者だ。
「ああ、じゃあ行くかファラ」
「うんなのー」
ファラを肩に乗せ俺たちは魔導巨神に乗り戦場に飛び出した、敵戦力は俺たちの相手にならないんだその後処理が大変なくらいだな、休戦ではなく終戦にしたいのに相手がなかなか降伏してくれない、まったく嫌になるよ。
だから俺は一人で違う事を始めている、ブラッドコアに変わる新しいエネルギーコア、ブラックコアの公表だ、マリアンナたちには既に言っているが国にはまだだ、それを今度始めるつもりだ、何が材料なのか生産の仕方はどうなるのかなど準備はしてある、これは神になった時に生きるんだ、もうブラッドコアを作らせないためにな。
「それで、これはいったいどういった状態なのかなセーティア君」
戦闘を滞りなく勝利を勝ち取って今は俺のログハウスに来ている、そしてそのログハウスも改良されこの中はかなり広くなっている、まぁそれは俺のせいでもあるんだけどな。
戦闘が続けば続くほどこっちも戦力を増やす必要が出来たんだ、だから今はエネたちやジーラたちまで一緒に戦っている、そのせいでログハウスの中は4階建てになっていて20部屋とかになってしまったんだ。
「ユーヤ様、分かっているでしょ褒めて貰う順番を決める為ですよ」
セーティアが言っている決め方は俺の作った魔法盤だ、兵士のコマが30個に魔法兵が20個それと弓兵が10個、このコマたちに魔力に乗せて指示を出して戦う遊び道具だ。
「順番って、そんなのいつもの通りで良いだろう、みんなしっかりと戦ったんだからさ」
「それはそうですが、向こうの人たちにそれを言えますか?ユーヤ様」
そう言われ俺はみんなが一生懸命魔法盤で戦っている方を見た、勝つと両手を掲げ叫び負けると床に手を付いて悔しがっている、それを見て思った。
「無理です、すみません」
それしか言えなかった、何せこの状況は俺が交配したメンバーを平等に愛するって覚悟をしたせいでもあるんだ、ここにいないがマリアンナもいるしハルたちもそれに入っている、それが原因なんだ。
「皆を平等にするのは良いですが体がもちませんよユーヤ様」
「ああ、そこは問題ない、セーティアだって気を扱えるようになって分かってるだろ?」
俺の知り合いには全員気の扱いを教えた、まぁそれでもファラとタケシ以外それほど上達していない、なかなか難しいらしいんだ。
「そうですけど・・・大変でしょ?」
「まぁな・・・そ、そんな事よりも次の補充兵の件はどうなってるんだ?」
話をそらすためにそう言った、戦争が続いているが人の数は増えている、子供たちが大人になり兵士として志願してくれるんだ、本来なら戦争が始まると減るものなんだがそこは良かったよ。
「30人来ているそうですよ、名簿がこれです」
30人か、なかなか多いな、これでまた進軍の為に作戦が取れる、もう終戦は近いだろうがまだまだ戦争は終わらないだろうからな。
「うんうん順調で何よりだ、これならまた新たな分隊を作れる、良し帰ったら早速会う事にするよセーティア」
「よろしくお願いいたします、ではあちらの対応もよろしくお願いしますねユーヤ様」
そう言われ俺は順番の決まったみんなの対応をすることになった、それだけで夜遅くになってしまったよ。
「ユーヤお疲れ様なの」
「ああファラ、お疲れ」
ほんとに疲れる、みんなの為とは言え戦闘が終わると毎回なんだ、ホント疲れる、そして帰ると子供たちの対応もあるんだ、まぁそれは俺としては楽しみでもあるがな。
「お帰り主」
「父さまお帰りなさい」
飛空艇で俺たちはファラトイアに帰ってきた、そしてハルたちが迎えてくれたんだ、みんなは空気を読んで先に屋敷に入って行った。
「ただいまハル、それにハトイもお迎えありがとな」
ハトイとは俺とハルとの子供だ、あの時の交配で生まれた子供ではなく3人目だ、これでも少ない方なんだぞ、普通は3年に1人とかが普通らしい。
「うん、もう僕も7歳だもんそれ位できるよ父さま」
そう言って来たハトイを俺は抱き上げて抱きしめた、男の子にしては少し軽い気もするがまだまだ大きくなるからな楽しみだよ。
「そうか、じゃあこの後は父さんと遊ぶか?」
「ほんと!?やったー」
ハトイが喜んでくれたいつも戦いで忙しいからな、ここに帰ってこれるのは戦闘から帰ってきた時の数日だけだ、戦線が2つでなければもう少し緩和されると思うんだが、魔族も人族もだからな仕方ない、ほんと忙しくなってしまったよ。
「じゃあ何して遊ぶかな」
「えっとねー対決ごっこしようよ父さま」
そう言われ俺は分からなかった、対決ってなにするんだ?そう思いながらハトイを降ろし聞いてみたんだ。
「じゃあそれをするか、それで対決って何をするんだい?」
そう言ったら俺からハトイが離れ5メートルくらいの場所でこちらをニコニコして振り向いたよ、そしてどうしてか収納魔法から木で出来た片手剣を2本出し両手に持ってハトイが構えたんだ。
「ハトイ、それで何をするのかな?」
「じゃあ行くよ父さま」
俺の質問に答える前にすごい速さで切りかかってきた、俺は反射的に躱したぞ。
「すごいよ父さま!今の動き見えなかった、じゃあどんどん行くよ」
「うおっ!ちょっと待ちなさいハトイ」
俺の声に答えてくれない、どうやら楽しくて聞こえてないんだ、それに8歳とは思えないほどの鋭い攻撃をしてきている、これは身体強化を使ってるな。
「ハイそこまでだハトイ」
30分くらいしてハルの声にハトイが尻尾を立てて反応し攻撃を止めた、どうして俺の時は聞かないのにハルの時はそんな直ぐに反応できるんだよってくらい姿勢を良くして止まった。
「父さまありがとうございました、とても楽しかったです」
「ああ、それなら良かったよハトイ、また遊ぼうな」
ハトイの頭を撫で俺から離れるのを見て可愛く育ったなぁとか思ってしまった、そしてハルに聞いておきたいことがある。
「なぁハル、どうしてハトイはあれほどの実力を付けているのかな」
「それは上の子たちが世話をしているからだ、ハーヤとハルトに聞いてないのか?」
ハーヤと言うのは一番上の女の子で魔王軍側で一緒に魔導巨神で戦っている、たまに帰って来るようだが俺は聞いていない。
そしてハルトは二人目の子で男の子だ、今はマリアンナのとこで護衛騎士をしている、もちろんマリアンナの護衛ではない、俺とマリアンナの子供に付いているんだ、その子も同い年で学園の5年生だ。
「聞いてない、良く遊ぶとは言っていたがあんなことをして遊んでいるとは思わなかったよ」
まさか戦闘訓練をして遊んでいるとはな、何処の戦闘民族だよとツッコミを入れたいな。
「まぁ良いじゃねぇか楽しそうだしよ」
「まぁ本人が良いなら良いんだけどさ、それでここは変わりはなかったかな?」
この街は空から見たがあまり変わりがないように見えた、一番変わったのは俺の作った村だな、あそこは今街と言ってもいいほどに大きくなった、ブラッドコアの製造から解放した人たちだけでそこまでになってしまったんだ、カルマの所にいた人たちが万単位でいたのを救出したせいだな、収穫が早く出来る作物がなかったら大変な事になってただろうな。
「変わり何てないじ、子供たちが静かになってきたくらいだな」
小さい子たちが少なくなってきているんだ、そろそろまた子供が欲しいとせがまれそうで俺としては嬉しい事だな、子供たちを見るととても安心するんだ、戦闘も俺だけ出れば問題ないからな。
「そうか、じゃあ俺はマリアンナ様のとこに顔を出して新兵を見て来るよ」
ハルの顔を見るとこのままベッドに行こうとか言われそうなので俺はその場を逃げた、仕事を終わらせてからだぞハル。
「ユーヤよく来てくれた」
マリアンナの屋敷に着くと門でディラとラティスが待っていた、と言うよりも兵士たちの訓練をしていたっぽいな。
「どうもディラ、ラティスそれで兵士たちはどうかな」
そう聞いたんだがどうも変な顔をしている、何かあったのかな。
「ユーヤ、音速の兄弟を知っているか?」
「音速の兄弟?」
たしかSランク冒険者だったかな?兄弟でモンスターを倒していてそれがすごい強いとか。
「もしかして、今回の兵士志願に?」
そう聞いたら二人が頷いていた、それはとても頼もしいのだが気を探ってもそれほど強い気を感じない、どういうことだろうか。
「じゃあ会うかな」
「楽しみなのー」
ファラと楽しみにして歩いていると兵士たちが並んでいた、そしてみんなの前に来て気を探ったがやはり分からない、少し高い子はいるが少しだけだ、だがその子たちを見て驚いた、気が体の中で溜められているんだ、あれは気を自由に扱えないと出来ない事だ。
「(そう言う事か)えー俺はみんなの上官になるユーヤだ、こっちの肩に乗っているのは妖精のファラ今後ともよろしく」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」」
新兵から大きな声で返事を聞けた、みんな期待の眼差しで俺を見てるよ、これを見るとみんな元気に育ってくれているって嬉しくなるな、だがやはり俺の子供たちと違って女の子が多い、俺やタケシの子供たちは半々なんだ、やはり世界の決まりみたいな感じで女性が生まれやすいんだろうな。
「今日の訓練は終わりってことだから宿舎に戻ってゆっくり休みなさい、休むのも兵士の務めだ夜更かしせず体を休めるように、解散!」
新兵たちが俺とディラとラティスに敬礼して走って宿舎に向かったよ、だが予想通りに約2名動かない者がいる、しかしこの二人どこかで見た気がするな。
「あの、あなたがユーヤさんですか?」
2人が動かなかったのでどうしてかと思っていると向こうから話しかけてきた。
「何かな?えっと」
「あ!?僕はエイっていいます、こっちはサイです」
その名前を聞いて俺は驚いた、ケイと俺の子供だ、まさかここで会うことになるとはな。
「あんたがケイ母さんが言っていた人だよな?」
「あ、ああそうだねサイ、ケイは元気かな?」
そう聞いたんだがどうもサイは怒っているようだな。
「母さんは元気ですよ、サイ!そんな態度をしちゃダメじゃないか」
「だけどよ、この人の気は低すぎだ、俺たちの様にしてるってんなら分かるけど」
どうやら俺が気を抑えていて弱いと思ったのか、そしてケイが強いとか話していたから期待したんだろう。
「む~ユーヤは強いの、侮辱は許さないの」
「「!?」」
そう言ってファラが気を少し上げた、二人が驚いているよ。
「ファラそれ位にしてあげなさい」
「ぬ~ユーヤがそう言うなら分かったの」
ファラが気を抑え始めて二人も分かったようだ、これで実力が分かる辺り自分たちで頑張っていたのが分かる、さすが俺の子供だ。
「じゃ、じゃああなたも」
「そうだよエイ、でも驚いたよ君たちが来るなんてさ」
かなり前からケイの所から旅に出たと聞いていたけど、まさか冒険者として有名になって俺の所に来るとはな。
「俺たちにとってここはまだ通過点なんだぜ、おじさんに会う為の最終試験なんだ」
「どういう事かなサイ?エイ説明してくれるか」
サイがむくれてそう宣言したので俺はエイ聞いてみた、俺がサガラとして会っていた時にも聞いてないぞ。
「僕たちには戦い方を教えてくれた先生がいるんですが、その人に認めて貰う為に自分たちで目標を決めたんです、ここに入団したのもその最終段階なんです」
なるほど、冒険者として有名になったから次は戦場でって事か、そんな事を考えていたんだな。
「すみません、そんな感じで入団希望をしてしまって」
「ん?それは問題ないよエイ、でも戦いは危険だからね十分注意するんだよ」
気を扱えると言っても大人数での戦闘はそれほど経験がないだろう、モンスターにはそう言ったのもいるが人相手だとそれ以外も考えないとダメだ。
「何だかおじさんみたいなこと言うんだなあんた」
「サイ、君たちの知っていることはまだ少ないんだ、世界は広いんだよ、こんなふうにね」
そう言って俺は髪の色を変えサガラの時の気の色にした、2人がすごい顔しているよ。
「ふっふっふさっきのお返しだよ、どうかな驚いた?」
顔で分かるんだが聞いてみた、これで俺がサガラだと分かっただろう。
「そんな、サガラおじさんだったのかよ」
「じゃ、じゃあ僕たちの父親って」
「そうだね、ケイには精を与えるだけが普通とか言われたんだけど、俺の気が済まなかったんだ、だから二人を鍛えた、でもその後で君たちはがんばっていたんだね、とても嬉しいよ」
二人の頭を撫でて褒めた、2人はあの時から強かった、だがそれ以上に頑張らないとここまでにはならなかったはずだ、大変だったのは言うまでもないよな。
「こ、これからよろしくお願いします、と、父さん」
エイが少し恥かしそうに父さんと呼んできたな、なかなか可愛いじゃないか。
「お、俺はまだ認めねぇからな」
そしてサイはツンデレのようだ、嬉しそうにしているのにツンツンしている。
「じゃあこれから頑張るんだぞ、そうすれば俺も嬉しいしケイも喜ぶだろう」
こうしてサイとエイが部隊に参加した、とても頼もしいが注意はしておかないとな。
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何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。
ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。
変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。
その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。
恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
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主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
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