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しおりを挟む「レト殿下、珍しいな。あなたがこんなところにいるなんて……」
「! ………誰かと思えば叔母上の……僕に何か用ですか?」
「いや、用という用はないのだが、あなたがこんな昼間から王宮の中を歩いているのは珍しいと思ってな」
「……。……別に昼間から王宮を歩いていてもいいでしょう。用事がないなら失礼します。」
「あっ、待っ……やれやれ相変わらず愛想のない子だな」
我に背を向けてスタスタと歩いて行くレト王子に思わずそんな言葉が出るが、国のエルフ達の王子に対する扱いを考えれば王子がああいう捻くれた態度を我に取ってしまうのも致し方ないことだろう。だが……
(しかし、本当に珍しいな。レト王子がこんなエルフがたくさんいる昼間に王宮の中を歩いているなんて。鷲舎の方から歩いてきたからどこか遠出していたのか?)
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