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しおりを挟むエルフ達が遠出する時の移動手段として使われている大鷲達が飼育されている鷲舎の方から歩いて来ていた王子の姿に我はそう思う。が、しかしすぐに思い直した。
(……いや、それは有り得ぬか。確かレト王子は幼少の頃、大鷲から振り落とされて湖に落ちた苦い経験から大鷲に乗れなかった筈。……きっと我が主ソフィア姫に出不精を心配されて仕方なく地下書庫の外に出ていたのだろうな)
そう一人で納得し「む、今日は魚料理するか」と呟き、我は足早に王宮の外へと向かい歩いて行く。
その我の背後で、
「……さて、叔母上の世話役は僕が蒔いた種にどんな反応をするのかな……」
と、レト王子が感情の読み取れない表情で呟き、我の後ろ姿を見つめていることに気付かずに。
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