落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ

文字の大きさ
294 / 329
五章

番外編 終わらない夜(アルノルド視点)

しおりを挟む
エレナから昼間言われた言葉は、普段であれば魅力的な言葉であったのだが、このような無様な姿を晒すだけで終わるのであれば立つ瀬がない。

これまでも叱責される事は何度かあり、傍で使えている者達にもその件で意見を求める事はあったため、それ事態は珍しいものとして扱われないだろう。だが、床に正座し、反論する事なく淡々と叱責されている今の私の姿を配下の者達が見れば、二度見ではなく三度見されたあげく、蜂の巣でもつついた騒ぎになる事だろう。アイツ等に至っては、その騒ぎを面白がるか、自業自得とでもいうような冷めた視線しか向けて来る未来しか予想できない。

「それで?何時から知っていたの?オルフェからは、随分と先に貴方が手を打っているようだったと聞いたのだけれど?」

「いや…色々と対応はしていたのは事実だが、この件に関しては私にとっても急な事だったのだ…」

「本当でしょうね?」

「……嘘ではない」

審議でも問うように疑わしげな目で見て来るが、予期せぬ事で対応に追われていたのは嘘ではない。何故なら、今回の事を知っていたというよりも、予想していたと言った方が正しい。密輸の件が発覚した事で、目障りな帝国が大人しくなった分、あちらが何かしてくる事は分かっていたため、そこに最初から罠を張っていただけの事だ。だが、その件に他の要素が絡んでくるとは思っていなかった。

あの青年を含め、あの契約を持ちかけていた者達は総じて監視対象であり、その者達は事あるごとに報告を受けていた。そのため、あの男よりも速く、子供達が接触している事は把握していたし、リュカ達と共にいたアレが不用意な発言をしたのも知っていた。しかし、それだけであれば問題はない。だが、偶然手に入れただけの幸運だけでは良しとせず、さらなる欲望をつのらせ、自身の身の丈以上の欲で簡単に道を踏み外す者達がいる。そのため、あの条件での契約であるならば、破滅するか身の程をわきまえて堅実に生きるかの二択が多いが、愚かな者は既にオルフェの学院時代に両親共に処理が終わっており、もはやこの国にいるのは数名だけだ。

自ら破滅の道を進んでいた肉親とは違い、アレは真面目な様相を見せていたため、あと数年、様子を見た後に監視対象から除外するかと検討もしていたのだが、まさか今になってそれが裏切られるとは思っていなかった。既に証拠となる物は回収してはいたため、発言力がない者がいくら言い触らした所でそれを信じる者など皆無ではあろうとは予測は出来ても、何で足をすくわれるか分からない。

ただでさえ細心の注意を払って対応しなければならなかった案件に、余計な仕事を作ったアレの言動をその日のうちに咎めようとも思ったが、その件を何処で知ったのかと聞かれれば、答えようがなかったために罰する事も出来ずに放置するしかなかった。

「ふ~ん…。でも、こういった事は前々から隠さずに話すという約束もしていたわよね?それに、貴方が約束の一つも守らないから、あの子達も無茶をしたのよ?そのうえ、出かける時でさえも私に一言も声を掛けないで、いったい誰に似たのかしら~?」

私が今回の件を振り返っていれば、貴族らしい愛想笑いを浮かべ、的確にこちらの痛い所を突きながら遠回しに私の事を皮肉る言葉を投げつけてくる。しかし、この辺で風向きを変えなければ、本当に日が登る頃までこの話が続きかねない。

睡眠時間がなくなること自体は大した事ではないが、私達が休まなければ休む事が出来ないドミニクからの小言が待っているのは確実で、私への対応が格段に下がる事は目に見えている。だからこそ、それらを出来るだけ阻止したいのもあるが、なによりも私の不手際でエレナの時間を無駄にするわけにはいかない。

「今回の件に関しては、近日中に控えている催しと同時に進める必要があったため、私としても後手に回らざるを得なかったのだ」

「アルが忙しかったのは、私だって理解はしているわ…」

屋敷内でそういった姿をあまり見せた事はないが、この件に関してはエレナも新年祭の準備と平行して進めていただけに、私の立場を顧みて一定の理解を示してくれた。本来であれば、この件は下の者に適度に任せ、私は今後も適度に手を抜いていこうと思っていた煩わしい催しだったのだが、意外な所で私の役にたった。

「私の仕事柄、エレナに対して話せない事も多く、そのせいで今回も不安な思いをさせてしまった事には改めて謝罪する。すまなかった」

アイツ等であるならば、機密情報や国の内情を理解しているため、多少の情報さえ回していれば事足りる。だが、それらに関わっていないエレナに対しては、どこまで話して良いものかと、毎度の事のように迷ってしまい、どうにも口が重くなる。そのうえ、隠し事があまり得意ではないエレナに、秘密を抱えながらも普段通りに過ごさせるような生活をさせたくはない。その思いを込めて私が座ったまま深々と頭を下げれば、その姿に多少はこちらの心境が伝わったのか、エレナの声が少しだけ和らぐ。

「それは…私だって分かってはいますけど…」

「今後も言えない事はあると思うが、嘘だけは口にしないと約束する」

「アル…、まぁ…それを約束してくれるなら…」

エレナの怒りが収まってきた事を感じた私は、今ならば子供達の事も許してくれるのではないかと、擁護する言葉を口にした。

「それに、子供達の行動にも悪気はなかったのだろうし、そう目くじらを立てても可愛そうだよ」

「アル?それは、私が言うべき言葉であって、貴方が言える言葉ではないわよ?全く、すぐに自分の事を棚に上げて!」

「す、すまない」

冷やかな笑みと共に叱責され、慌てて謝罪の言葉を持って答えるが、それでもエレナの小言が再び再開してしまった。しかし、何故、私がこんな目に遭わなければならないのか…。私は上から聞こえるエレナの声に耳を傾けながら、こうなってしまった原因に思いを馳せる。

もし、アイツがしっかりと子供の様子を注視していれば、あの青年と接触する事もなく、私がこのような目に遭うような事もなかったと思うと、子の動向くらいは把握しておけと言いたい。だが、私的な事で兵を使うのを良しとせず、正面から尋ねる事しかしないような男では、それも難しいだろう。仮に動くとするならば、以前に少し手を貸したような明らかに後ろ暗い者達が相手の時だろうと、半ば諦めに似た感情のままにため息を飲み込む。

今回もそれに似たような連中がこの件を降って湧いたような好機と捉えたようだが、私にしてみればそれは悪手としか言いようがない。例え綿密に計画を立てたとしても、その間に突発的な行動をしてしまえばそこから綻びが出やすく、相手に付け入る隙しか与えない。だからこそ、私としては簡単に決着が付いてしまいそうになり困ってしまった。

あちらとしても、下の者がそこまで馬鹿な行動をするとも思っていなかったようで、その事態を把握できていないようだった。しかし、相手方にそれを知らせようにも、知らせに行かせた者があまりに深入りし過ぎて、こちらの思惑に気付かれては面倒な事になる。もし、最後にそれらを全て一掃してしまうのならば、誤魔化しが効くため問題にはならないが、あの子の知り合いが関与しているならば、適度な所で手を打つ必要がある。

そのため、過ぎた好奇心を出さず、疑問を挟まずにこちらの任務をこなす者を急ぎ向かわせたが、アレは身の程を理解しているため本当に使い勝手が良い。今回も、不自然だと疑われても仕方がないような指示も忠実にこなしていた。それは簡単な事のようで、なかなかそれが出来ない者が多いため重宝しているが、最近は働かせ過ぎていると自覚している。アレの方からも、自宅に帰れていないと嘆願が届いていた。しかし、その家は私が管理を任せているだけの家であり、あの者の家というわけではないのだが、家を引き払い私物を持ち込んで住んでいるだけに、本人としては自身の家という認識なのだろう。だが、あそこは重要な場所でもあるため譲るわけにはいかない。

しかし、今回もアレがこちらの意思通りに動いていた事もあり、至難の技であったレクス達の目を欺くのは出来た功績を加味して、例の青年たちを連れて王都に戻った際には休暇と共に屋敷の一つくらいなら与えてやっても良いとは思っている。裏切らせないためにも、使える者には適度な報酬は必要な事であるため、既にそちらの方にも手を回しているが、こちら側の者達に手間と時間をかけ過ぎてしまったため、他の事が後手に回ってしまい、あのような粗雑な者達に遅れを取り、結局は皆に不安と迷惑をかけてしまったのは、私としても何とも不甲斐ない限りだったと反省はしている。

「アル?聞いているの?」

「あ、あぁ…聞いている…」

エレナを含め、迷惑を掛けた者達に対して懺悔していたとはいえ、別の事に意識を向けているのに気取られてしまい、先程よりも冷ややかな声が降ってくる。だが、周囲からも私の表情が読みづらいと言われ、アイツ等でさえも気付かれない時があるというのに、何故かエレナなどは目ざとくそれに気付く。女の感というのは恐ろしいものがあると、レクスが愚痴のようなものをこぼしていた事があったが、こういう時だけはそれを実感させられる。しかし、真摯な態度と謝罪。そして、共感を持って寄り添う姿勢を見せる事が大切だと言われていたというのに、ここに来てさらに対応を間違えてしまった。

「私と話すよりも、若い子と話した方が話が弾むのかしら?」

「それは…何の話だ…?」

何故だろうか、国の機密に関係しそうな話よりも、さらに不穏になったような気がする…。私の本能が警鐘を鳴らすなか、エレナは仄暗い笑みを浮かべながら、静かに私の問いの答えを口にする。

「新年祭の時、年若い子達と、とても楽しそうにしていたでしょう?」

既に終わっているあの日の出来事を持ち出してきたが、エレナは私の事を何だと思っているのだろうか…?自身の半分も生きていない者にみだりに手を出そうなど、ただの不埒者ではないか。それに、エレナがいるというのに、それ以外に好意を寄せる事などありはしないし、飢えてもいない。

「その件に関しては、エレナも合意していたはずだが…?」

「頭で理解していても、納得はしていないのよ?」

その件は事前に通達したうえで許可を取り、その後の報告も上げていたのだが、感情論で諭されてしまえば、そうなのかと納得する術しか私にはない。

「貴方の場合、逆の立場になっても分からないかもしれないわね」

「ぎゃく…」

嫌味でも言うかの如く不機嫌そうな様相で言われたため、私も自身の立場に置き換えて考えてみる。

それが嫉妬心であるかは分からないが、エレナに対して好意を示し、不用意に手を触れたならば、間違いなくその手首を切り落として殺すだろうと自身の行動を予測する。しかし、手を下してしまえば記憶の片隅に残る程度でしかなく、これだけの期間が開いているというのに、未だに引きずっている事に関しては理解できない。そんな私の空気をも察したのか、エレナの眉が徐々に吊り上がっていく。

「やっぱり貴方とはもう一度、一から話し合う必要がありそうね…」

最初よりも仄暗い笑みを浮かべ出したエレナを前に、私の夜はまだ終わりそうにない事を悟った…。

そして後日、報酬を約束していたにも関わらず、家の私物が全て処分されていたと抗議が届き、人生とは予想できない事の連続であると実感する事をまだ知らない。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~

荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
 ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。  それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。 「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」 『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。  しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。  家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。  メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。  努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。 『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』 ※別サイトにも掲載しています。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです

桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。

処理中です...