落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ

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二章

馬車の中で

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街に向かう馬車に揺られている間、前から聞いてみようと思っていた事を聞いてみた。

「バルドは、お父さんに怒られるの怖くないの?」

「ん?そこまで怖くないぞ。親父は、静かに起こるから、怒鳴られる事もないしな。親父より、母さんに叱られる方が嫌だ…」

「でも、殴られて事あるんでしょ…?」

僕は、1度もそんな事された事がないから、バルトのお父さんには、怖そうな印象しかない。

「ああ、でも、その時だけだぞ。他家の目があるから、他者から見ても分かりやすい処罰したって、後で兄貴から聞いた。その時は、びっくりしたけど、後で思い返したら、そこまで痛くもなかったからな」

「ても、あの時、涙目だったような気が?」

「泣いてないから!!」

コンラットの言葉に、全力で否定しているバルドを見ると、ほとんど認めているのと同じような気がする。

「と、とにかく、親父は、規則や規律を破れば、罰が重くなるけど、そうでなければ、寛容な時もあるから怖くないぞ!」

だから、規則を破って森に行った時は、罰が重かったんだね…。

「それより、母さんに叱られる方が辛い…。嘘付いてもすぐにバレるし、その事で説教がさらに伸びるし…。その点、親父は、庭の草むしりやら、掃除などの罰則で終わるから、親父に叱られた方が、まだましだ」

「え…。バルド、掃除出来るの…?」

「気になるのはそこかよ!?それに、俺だって掃除くらい出来るぞ!!」

勝手な思い込みで、掃除をしている最中に、物を壊す所しか想像する事が出来ない。

「掃除や、身の回りの事は、私よりも出来るかもしれませんね」

「自分の事は、自分でしろって感じだからな。飯は、まだ作れないけど、覚えておけば、遠征の時に役立つって言われたから、習うつもりだ」

バルドが、家庭的な面を持っていた事に、衝撃を受ける。

「私だって、着替えくらいは、自分で出来ますよ」

「前は、使用人に手伝って貰ってたもんな」

「今は、それくらい出来ます!」

今でも、着替えを手伝って貰っている僕は、2人の会話の中に入って行けない。

「それに、自分の部屋くらいは、掃除だって出来るようになったんですよ!」

「ネアは、掃除出来る?」

片付けくらいならするけれど、掃除なんかした事もない。救いを求めるように、ネアに聞いてみたけれど、期待した答えではなかった。

「自分の部屋くらいはする」

もしかして、この中で一番、僕が子供だったりする?当初は、自立しようとしていたのに、兄様との誤解がなくなってからは、決意などすっかり忘れて甘えきっていた。みんなの話も聞いて、もう少し、自立しようかなと思った。

途中、乗り合いは馬車に、誰かが乗って来るような事もなく、会場近くに無事付いた僕達は、昨日と同じ場所に座った。休みじゃないからか、昨日よりも客席にいる人は少なかった。

「呼んだら、兄貴、俺達に気付くかな?」

客席もまばらだから、会場を見渡すだけでも、来ている事に気付かれそうだ。

「学院をサボって来ているんですから、気付かれたら駄目でしょう」

「兄貴は、怒らないだろうけど、親父達にもすぐにバレるか…」

凄く残念そうな顔をした後、何かを決意したような顔をすると言った。

「なるべく、声出さないでおく!」

「見られないようにも、気を付けて下さい」

僕達は、お兄さんが試合の時は、少し身を隠しながら応援をする事にした。興奮したバルドが、途中で身を乗り出しながら大声を出した時は、2人がかりで慌ててしゃがませた。お兄さんは、会場を見渡していたようだけど、僕達に気付いている様子もなく、コンラットと胸を撫で下ろした。

昼休憩も終わって、会場に戻って来た僕は、時計で時間を確認する。時計を見ると、ちょうど午後の授業が始まっている時間だった。嫌いな授業だからか、逆に何か気になる。

その後も、どうしても、そわそわと時計の方を見てしまう。

「僕、トイレ行ってくるね」

時計が見えない所に行って来ようと思って、みんなに声を掛けてから、僕はその場を離れた。

「リュカ君」

みんなの所に戻る途中、誰かに呼ばれて振り返ると、そこには見知った人が立っていた。

「リオ先生!」

僕は、先生の元へと駆け寄ると、気になっていた事を聞いてみた。

「昨日は、どうして来なかったんですか?それに、今日はお休みしたって聞きましたけど?」

質問してから、学院をサボって来ている事を思い出した僕は、慌てて何か考える。

「あ、えっと…。僕が、此処にいるのはですね…」

「もしかしたらと思って、此処に来ましたが、本当にいるとは思いませんでした」

「先生?」

どうやって言い訳をしようかと考えている僕を、全く気にした様子もなく、先生は良く分からない事を言っていた。

「私は、運がいい」

先生は、謎めいた笑顔を浮かべていた。
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