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三章
兄様と召喚獣
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学院から帰って来た僕は、兄様がいる執務室の前に来ていた。
「兄様。今、時間大丈夫?」
「どうした?また、何かあったのか?」
部屋の扉をノックして、兄様に声を掛けた。すると、兄様は、仕事をしていた手を止めて、何処か顔を固くしながら、僕に聞いてきた。
「え、えっと…。何かあったわけじゃないんだけど、言い忘れてた事があって…」
「言い忘れた事?」
「仕事で忙しいのに、急に呼び出して、ごめんなさい…」
急に呼び出した事を謝罪すれば、兄様は、少し表情を緩めながら、僕を安心させるように言った。
「呼べと行っていたのは私だ。それに、探しに行くために、部屋を出る所だったから、何も問題はない」
「探しに?」
屋敷で仕事をしていた兄様は、僕が早退した事を、知らなかったはずだ。なのに、どうして探しに行こうと思ったんだろう?
「学院には、父上の部下が何人かいるからな。その者が、父上に報告し、私の所には、父上から確認が来た。だから、リュカが屋敷に帰って来ていない事を、すぐに父上に報告した」
「そんなすぐに、連絡が取れるものなの?」
街の中を移動するのだけでも、時間が掛かりそうだ。それに、警備が厳しいだろう城にいる父様と、簡単にやり取り出来るものなのかと、不思議に思って聞いてみた。
「カルロ。父上の召喚獣が、すぐに届けてくれる。リュカが、学園にいる間は、常に学院に常駐しているはずだ」
「父様は、困らないの?」
簡単に連絡が出来るなら、仕事とかにも使いそうなのに、僕のために何だか申し訳ない。
「用がある時は、召喚すればいいだけだから、困ることはない。肝試しの時は、先生の召喚獣を借りて待機させてたそうだ」
「あの時も、誰かいたの?」
「1人待機させていたと聞いている。危ない事をしない事をするようなら、すぐに連絡するよう指示を出していたそうだ」
だから、父様が一番速くに、迎えに来たのか…。それにしても、父様は、少し過保護過ぎるような気が…。ん?じゃあ、あの時に、リータス先生が現れたのは、父様の指示で、僕達の事を見ていたって事?それなら、あの場所にいた事にも納得が出来る。僕が1人納得していると、兄様が何処か羨ましそうに言った。
「こういう時、私も、もう少し役に立つ召喚獣の方が良かったと思う」
「どうして?龍なんて格好いいし、十分に役に立つと思うよ?」
前に、助けてくれた時の事を思い出しながら、僕は言った。だけど、そんな僕とは反対に、兄様は、うんざりするように言った。
「大きすぎて、街中では使えない。かと言って、戦闘時に使おうにも、被害が拡大するので使えない。戦争になれば使えるのかもしれないが、敵味方が入り乱れている場所では、自軍にも不利益が生じるから使えない。だから、1対多数が相手で無ければ使えない。城で指示を出す文官が、最前線で孤軍奮闘するなど、冗談にもならない」
兄様は、何処か苛々するように言った。でも、何だか、此処まで否定されていると、可哀想になってくる。
「でも、空から見る景色は綺麗だったよ!それに、鱗とかも綺麗だったし!」
「それぐらいは…。鱗なら、素材として役にたつか?」
「止めてあげて!!」
「冗談だ」
いや、今の兄様は、半分くらい本気だった…。
「もう!小さい頃とかから面倒みていたんでしょ!」
兄様の態度に、じれったくなった僕は、少し声を荒らげながら言った。なのに、兄様は、特に表情も変える事なく言った。
「小さい頃?屋敷内で遊び回っては、あちこちで物を壊していたな。被害額を全て合わせれば、屋敷くらい買えるんじゃないか?」
「屋敷!?」
首を傾げながら言う兄様の言葉を聞いて、驚いて大きな声が出る。
「ある日、あまりにも度が過ぎたから、王都の外の森に追い出したがな」
疲れたように話す兄様を見ていると、召喚獣も、良し悪し何だなと思った。
戦闘特化だと、戦わない人には、あまり意味がないし、戦う人間には、戦える召喚獣の方が良いんだろうな。でも、兄様なら騎士としてもやっていけるんじゃないのかな?
「兄様は、騎士になろうと思わなかったの?」
「遠征だ何だと、王都から離れる機会が多いのは御免だ。それに、リュカは知らないだろうが、騎士団は規律と規則が厳しいうえに、見習いは雑務や掃除がほとんどだ」
「兄様なら、問題なくこなせるんじゃないの?」
掃除なんかも、器用そうだから、卒なくこなせそうだけど?
「出来る事と、したい事は違う。私は、他者に合わせて行動するのも、他人の世話をするのは御免だ」
確かに、兄様は、他の人と足並みを揃えて行動するのは、苦手そうに見える。
嫌そうな顔をしている兄様を見ながら、騎士になった兄様を想像してみる。
白い手袋に、黒と金を基調した軍服を着こなして、剣を振るう様は格好いいと思う。あの時の兄様も、女性なら、恋に落ちても仕方がないと思うほどに、何時にも増して格好良かった。
それにしても、衛兵を連れて、父様が駆け付けてくれたおかげで、事態も大事にならずに済んで良かった。
あれ?父様も、城で仕事してたんだよね?その仕事は、どうしたんだろう?
「仕事なんか、その場で終わりにしたよ」
仕事から帰って来た父様に聞いてみたら、爽やかな笑顔でそう言われた。
「父様ー!!」
原因を作ったのは僕だけど、迷惑を掛けた人達に、ちゃんとお詫びするように父様に注意した。
「兄様。今、時間大丈夫?」
「どうした?また、何かあったのか?」
部屋の扉をノックして、兄様に声を掛けた。すると、兄様は、仕事をしていた手を止めて、何処か顔を固くしながら、僕に聞いてきた。
「え、えっと…。何かあったわけじゃないんだけど、言い忘れてた事があって…」
「言い忘れた事?」
「仕事で忙しいのに、急に呼び出して、ごめんなさい…」
急に呼び出した事を謝罪すれば、兄様は、少し表情を緩めながら、僕を安心させるように言った。
「呼べと行っていたのは私だ。それに、探しに行くために、部屋を出る所だったから、何も問題はない」
「探しに?」
屋敷で仕事をしていた兄様は、僕が早退した事を、知らなかったはずだ。なのに、どうして探しに行こうと思ったんだろう?
「学院には、父上の部下が何人かいるからな。その者が、父上に報告し、私の所には、父上から確認が来た。だから、リュカが屋敷に帰って来ていない事を、すぐに父上に報告した」
「そんなすぐに、連絡が取れるものなの?」
街の中を移動するのだけでも、時間が掛かりそうだ。それに、警備が厳しいだろう城にいる父様と、簡単にやり取り出来るものなのかと、不思議に思って聞いてみた。
「カルロ。父上の召喚獣が、すぐに届けてくれる。リュカが、学園にいる間は、常に学院に常駐しているはずだ」
「父様は、困らないの?」
簡単に連絡が出来るなら、仕事とかにも使いそうなのに、僕のために何だか申し訳ない。
「用がある時は、召喚すればいいだけだから、困ることはない。肝試しの時は、先生の召喚獣を借りて待機させてたそうだ」
「あの時も、誰かいたの?」
「1人待機させていたと聞いている。危ない事をしない事をするようなら、すぐに連絡するよう指示を出していたそうだ」
だから、父様が一番速くに、迎えに来たのか…。それにしても、父様は、少し過保護過ぎるような気が…。ん?じゃあ、あの時に、リータス先生が現れたのは、父様の指示で、僕達の事を見ていたって事?それなら、あの場所にいた事にも納得が出来る。僕が1人納得していると、兄様が何処か羨ましそうに言った。
「こういう時、私も、もう少し役に立つ召喚獣の方が良かったと思う」
「どうして?龍なんて格好いいし、十分に役に立つと思うよ?」
前に、助けてくれた時の事を思い出しながら、僕は言った。だけど、そんな僕とは反対に、兄様は、うんざりするように言った。
「大きすぎて、街中では使えない。かと言って、戦闘時に使おうにも、被害が拡大するので使えない。戦争になれば使えるのかもしれないが、敵味方が入り乱れている場所では、自軍にも不利益が生じるから使えない。だから、1対多数が相手で無ければ使えない。城で指示を出す文官が、最前線で孤軍奮闘するなど、冗談にもならない」
兄様は、何処か苛々するように言った。でも、何だか、此処まで否定されていると、可哀想になってくる。
「でも、空から見る景色は綺麗だったよ!それに、鱗とかも綺麗だったし!」
「それぐらいは…。鱗なら、素材として役にたつか?」
「止めてあげて!!」
「冗談だ」
いや、今の兄様は、半分くらい本気だった…。
「もう!小さい頃とかから面倒みていたんでしょ!」
兄様の態度に、じれったくなった僕は、少し声を荒らげながら言った。なのに、兄様は、特に表情も変える事なく言った。
「小さい頃?屋敷内で遊び回っては、あちこちで物を壊していたな。被害額を全て合わせれば、屋敷くらい買えるんじゃないか?」
「屋敷!?」
首を傾げながら言う兄様の言葉を聞いて、驚いて大きな声が出る。
「ある日、あまりにも度が過ぎたから、王都の外の森に追い出したがな」
疲れたように話す兄様を見ていると、召喚獣も、良し悪し何だなと思った。
戦闘特化だと、戦わない人には、あまり意味がないし、戦う人間には、戦える召喚獣の方が良いんだろうな。でも、兄様なら騎士としてもやっていけるんじゃないのかな?
「兄様は、騎士になろうと思わなかったの?」
「遠征だ何だと、王都から離れる機会が多いのは御免だ。それに、リュカは知らないだろうが、騎士団は規律と規則が厳しいうえに、見習いは雑務や掃除がほとんどだ」
「兄様なら、問題なくこなせるんじゃないの?」
掃除なんかも、器用そうだから、卒なくこなせそうだけど?
「出来る事と、したい事は違う。私は、他者に合わせて行動するのも、他人の世話をするのは御免だ」
確かに、兄様は、他の人と足並みを揃えて行動するのは、苦手そうに見える。
嫌そうな顔をしている兄様を見ながら、騎士になった兄様を想像してみる。
白い手袋に、黒と金を基調した軍服を着こなして、剣を振るう様は格好いいと思う。あの時の兄様も、女性なら、恋に落ちても仕方がないと思うほどに、何時にも増して格好良かった。
それにしても、衛兵を連れて、父様が駆け付けてくれたおかげで、事態も大事にならずに済んで良かった。
あれ?父様も、城で仕事してたんだよね?その仕事は、どうしたんだろう?
「仕事なんか、その場で終わりにしたよ」
仕事から帰って来た父様に聞いてみたら、爽やかな笑顔でそう言われた。
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原因を作ったのは僕だけど、迷惑を掛けた人達に、ちゃんとお詫びするように父様に注意した。
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