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三章
新任教師
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担任が代わったからと言って、大きく何かが変わるという事はなかった。ただ、教室の空気は重かった…。
「昨日、下のクラスと揉めた奴は、反省文書いて提出するように」
昨日、Eクラス以下の生徒と揉めて、権力を使ってもみ消そうとした事が、先生の耳に入ったようだった。
「何故私が!?」
「あ゛?」
「ヒッ!」
抗議の声を上げながら腰を上げるが、凄みのある声と眼で睨まれ、すぐさまその勢いを消える。そんな様子を、全く意に介さずに意地の悪い顔を浮かべる。
「私が、優しく言っているうちに、書く事を進める。そうでなければ…」
「お、お前何て、どうとでも…」
「その言葉を言う者が、今までいなかったと思うのか?私は、今もこうして此処にいるが、そいつ等はどうなったと思う?同じにめに会いたいか?」
「か、書けば良いんだろ!」
腰を下ろしながら強気に叫ぶが、若干震えているようにも見える。リータス先生は、自分の要件が終わったからなのか、何事もなかったかのように教室を去って行った。
先生が去ってからも、誰も話す事はなく、教室の中は静まり返っていた。
リータス先生が怒っている時の雰囲気は、まるで闇社会の人間みたいで怖い。でも、そうなると、上司である父様は、裏社会のボスみたいで、嫌だな…。
とりあえず、問題さえ起こさなければ平和なので、僕の含めて、みんな大人しくしていた。
そんな日々が続いたある日、空席になっていた数学の教師が発表された。
「フェリコ先生で良かった!」
講堂で、新しい教師が発表がされた日の昼下がりに、廊下を歩くフェリコ先生を見つけて、僕は声を掛けていた。
「本当に、私で良かったんでしょうか…?」
「もちろん!!」
不安そうな顔を浮かべながら言う先生に、僕は胸を張るように言った。
「この先生は、リュカの知り合いなのか?」
バルドが不思議そうな顔をしながら、僕に聞いてきた。
「うん!僕の家庭教師をやって貰ってたの!兄様にも、教えてたんだよ!!」
「本当ですか!?それなら、優秀な方なんですね!?」
「いえ、私は優秀などではありません。優秀なのは、オルフェ様です。なにせ、私の手を早々に離れて、教えられる事などほとんどありませんでしたからね」
苦笑した顔で言った後、フェリコ先生は僕達に聞いて来た。
「皆さんは、リュカ様のお友達の方ですか?」
「おぅ!俺の名前はバルドだ!数学が苦手だから、当てられても、答えられる自信がない!」
「そんな事、自信満々に言わないで下さいよ…。私は、コンラッドです。よろしくお願いします」
「ネアだ」
バルドへと呆れるような目を向けている横で、ネアも名を告げる。みんなの自己紹介が終わると、フェリコ先生は軽く会釈をすると笑みを浮かべる。
「こちらこそよろしくお願いします。フェリコ・ウォーカーです。時々、リュカ様から、皆様のお話しを伺ったりしていました。それを聞いて、良いご友人が出来たようで良かったと、思っていた所です。これからも、リュカ様の事をよろしくお願いします」
「や、止めてよ!そんな事より、学院の教師をする事に決まったのなら、もっと速くに教えてよ!」
身内みたいに思っている人から、そんな事を言われると、どんな顔をしたら良いか分からないほど、恥ずかしい。
僕が拗ねたように、話題を変えると、申し訳なさそうな顔をして言った。
「すみません。アルノルド様から、お話しを頂いた時が一昨日だったもので、知らせる暇がありませんでした…。まあ、最初は聞いた時は、断ろうとも思ったのですが…」
「父様から、何か言われたの?」
僕の言葉に、何処か困ったような顔を浮かべながら、フェリコ先生は言った。
「断っても良いとは言われましたよ…。でも…」
何かいい辛そうな顔をしながら、フェリコ先生は言葉を濁す。
「なんか問題あるのか?」
バルドが、僕達の気持ちを代弁するように言った。
「何も問題はなかったですよ。ないからこそ、怖いんですけどね…」
「「「?」」」
問題がない事の何が怖いのか、僕には良く分からない?僕達が首を傾げていると、ネアだけは、何故か可愛そうな者を見る目で見ていた。
秋になって来ると、日も段々と短くなって来た。
「過ごしやすくはなって来たけど、遊ぶ時間もなくなって来てつまんないよな」
机に、身を伏せるようにしているバルドからは、意欲が感じられない。
「バルドの場合、そんな事など関係なく遊ぶでしょう」
「そうだけどよ…。この時期は、親父達が帰って来なくなるから、屋敷には母さんと上の兄貴しかいないんだよ」
コンラットの言葉に、少し不貞腐れたような顔をしながら、言葉を返す。
「何で、帰って来ないの?」
理由が分からなくて、バルドに聞くと、視線だけをこちらに向けながら、答えたくれた。
「リュカは知らないのか?春先とか冬の前くらいになると、食料を溜め込むために、魔物が凶暴化したりするんだよ。だから、訓練も兼ねて、魔物の討伐任務でしばらく遠征に行くんだ」
「そうなんだ。でも、それだと寂しいね…」
僕の父様は、家を開ける事がない。なので、もし、父様や兄様が屋敷に帰って来なかったらと想像すると、それだけで寂しい。
「まあ、その分、終わった後は、長期休暇で家にいたりする事もあるけどな。それに、昔からだからな。慣れて来るとそうでもないぞ」
バルドは、そう言ってても、やっぱり元気がないように見える。
「何か、面白い事ないかな」
小さくそう呟くと、バルドはしばらく考え混んだ後、何か思い付いたように言った。
「そうだ!俺の所に泊まりに来いよ!それなら、遅くまで遊べるだろ!?」
「え!いいの!?」
初めて、お泊まりに誘われた僕は、興奮を隠せずに聞いた。
「おぅ!コンラッドも、たまに泊まって行ったりするからな」
「泊まるというより、帰えして貰えなかったというのが、正しいような…」
コンラッドが、小さく何か言っていたけれど、今の僕には、対して気にはならなかった。
「帰ったら、すぐに父様に行っていいか聞いてみる!」
その日は、はやる気持ちを落ち着けながら、屋敷へと急いで帰った。
「昨日、下のクラスと揉めた奴は、反省文書いて提出するように」
昨日、Eクラス以下の生徒と揉めて、権力を使ってもみ消そうとした事が、先生の耳に入ったようだった。
「何故私が!?」
「あ゛?」
「ヒッ!」
抗議の声を上げながら腰を上げるが、凄みのある声と眼で睨まれ、すぐさまその勢いを消える。そんな様子を、全く意に介さずに意地の悪い顔を浮かべる。
「私が、優しく言っているうちに、書く事を進める。そうでなければ…」
「お、お前何て、どうとでも…」
「その言葉を言う者が、今までいなかったと思うのか?私は、今もこうして此処にいるが、そいつ等はどうなったと思う?同じにめに会いたいか?」
「か、書けば良いんだろ!」
腰を下ろしながら強気に叫ぶが、若干震えているようにも見える。リータス先生は、自分の要件が終わったからなのか、何事もなかったかのように教室を去って行った。
先生が去ってからも、誰も話す事はなく、教室の中は静まり返っていた。
リータス先生が怒っている時の雰囲気は、まるで闇社会の人間みたいで怖い。でも、そうなると、上司である父様は、裏社会のボスみたいで、嫌だな…。
とりあえず、問題さえ起こさなければ平和なので、僕の含めて、みんな大人しくしていた。
そんな日々が続いたある日、空席になっていた数学の教師が発表された。
「フェリコ先生で良かった!」
講堂で、新しい教師が発表がされた日の昼下がりに、廊下を歩くフェリコ先生を見つけて、僕は声を掛けていた。
「本当に、私で良かったんでしょうか…?」
「もちろん!!」
不安そうな顔を浮かべながら言う先生に、僕は胸を張るように言った。
「この先生は、リュカの知り合いなのか?」
バルドが不思議そうな顔をしながら、僕に聞いてきた。
「うん!僕の家庭教師をやって貰ってたの!兄様にも、教えてたんだよ!!」
「本当ですか!?それなら、優秀な方なんですね!?」
「いえ、私は優秀などではありません。優秀なのは、オルフェ様です。なにせ、私の手を早々に離れて、教えられる事などほとんどありませんでしたからね」
苦笑した顔で言った後、フェリコ先生は僕達に聞いて来た。
「皆さんは、リュカ様のお友達の方ですか?」
「おぅ!俺の名前はバルドだ!数学が苦手だから、当てられても、答えられる自信がない!」
「そんな事、自信満々に言わないで下さいよ…。私は、コンラッドです。よろしくお願いします」
「ネアだ」
バルドへと呆れるような目を向けている横で、ネアも名を告げる。みんなの自己紹介が終わると、フェリコ先生は軽く会釈をすると笑みを浮かべる。
「こちらこそよろしくお願いします。フェリコ・ウォーカーです。時々、リュカ様から、皆様のお話しを伺ったりしていました。それを聞いて、良いご友人が出来たようで良かったと、思っていた所です。これからも、リュカ様の事をよろしくお願いします」
「や、止めてよ!そんな事より、学院の教師をする事に決まったのなら、もっと速くに教えてよ!」
身内みたいに思っている人から、そんな事を言われると、どんな顔をしたら良いか分からないほど、恥ずかしい。
僕が拗ねたように、話題を変えると、申し訳なさそうな顔をして言った。
「すみません。アルノルド様から、お話しを頂いた時が一昨日だったもので、知らせる暇がありませんでした…。まあ、最初は聞いた時は、断ろうとも思ったのですが…」
「父様から、何か言われたの?」
僕の言葉に、何処か困ったような顔を浮かべながら、フェリコ先生は言った。
「断っても良いとは言われましたよ…。でも…」
何かいい辛そうな顔をしながら、フェリコ先生は言葉を濁す。
「なんか問題あるのか?」
バルドが、僕達の気持ちを代弁するように言った。
「何も問題はなかったですよ。ないからこそ、怖いんですけどね…」
「「「?」」」
問題がない事の何が怖いのか、僕には良く分からない?僕達が首を傾げていると、ネアだけは、何故か可愛そうな者を見る目で見ていた。
秋になって来ると、日も段々と短くなって来た。
「過ごしやすくはなって来たけど、遊ぶ時間もなくなって来てつまんないよな」
机に、身を伏せるようにしているバルドからは、意欲が感じられない。
「バルドの場合、そんな事など関係なく遊ぶでしょう」
「そうだけどよ…。この時期は、親父達が帰って来なくなるから、屋敷には母さんと上の兄貴しかいないんだよ」
コンラットの言葉に、少し不貞腐れたような顔をしながら、言葉を返す。
「何で、帰って来ないの?」
理由が分からなくて、バルドに聞くと、視線だけをこちらに向けながら、答えたくれた。
「リュカは知らないのか?春先とか冬の前くらいになると、食料を溜め込むために、魔物が凶暴化したりするんだよ。だから、訓練も兼ねて、魔物の討伐任務でしばらく遠征に行くんだ」
「そうなんだ。でも、それだと寂しいね…」
僕の父様は、家を開ける事がない。なので、もし、父様や兄様が屋敷に帰って来なかったらと想像すると、それだけで寂しい。
「まあ、その分、終わった後は、長期休暇で家にいたりする事もあるけどな。それに、昔からだからな。慣れて来るとそうでもないぞ」
バルドは、そう言ってても、やっぱり元気がないように見える。
「何か、面白い事ないかな」
小さくそう呟くと、バルドはしばらく考え混んだ後、何か思い付いたように言った。
「そうだ!俺の所に泊まりに来いよ!それなら、遅くまで遊べるだろ!?」
「え!いいの!?」
初めて、お泊まりに誘われた僕は、興奮を隠せずに聞いた。
「おぅ!コンラッドも、たまに泊まって行ったりするからな」
「泊まるというより、帰えして貰えなかったというのが、正しいような…」
コンラッドが、小さく何か言っていたけれど、今の僕には、対して気にはならなかった。
「帰ったら、すぐに父様に行っていいか聞いてみる!」
その日は、はやる気持ちを落ち着けながら、屋敷へと急いで帰った。
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