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思惑外れ
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15分ほどして現れたのは荒木課長ではなく、新田さんだった。
「あ、え、新田さん、どうして?」
「荒木さんが教えてくれたよ。駅にいるってことをね。」
「健介、おかえり。」そう言ってぎゅーっと抱きしめてくれた。
まさかの展開だった。俺の思惑は完全に外れてしまって、
驚かせるどころかこっちが驚かされてしまったのだ。
課長にしてやられたという気持ちだったが、実はそれも違ってたのである。
「実は健介が帰ってくることは荒木さんから聞いて知ってたんだよ。
普段の会話で言わなかったから、驚かせようとしてるなと思って。」
「だから逆に健介を驚かせてやろうかと思って、密かに計画してたんだ。」
「健介と一緒に暮らすために俺、引越ししたんだよ。2人で暮らせる少し広いマンションにね。」
俺はそれを聞いて、ビックリしてしまった。
まさかそんなことを考えてくれてるなんて…嬉しくて涙が止まらなかった。
「電話に出れなかったことは誤算だったけど、健介を驚かせることと
感動させることは俺の計画通りになったって訳だ、ははは。」
と嬉しそうに笑う新田さん。あのときの誇らしげな顔がとても印象的だった。
早速、新しい新居へと向かうことに。
到着して使い勝手の分からない俺がオロオロしながらマンションの中に入っていく。
ニヤリと笑いながら導いてくれる新田さん。
部屋の扉を閉めた後、2人はそこで抱き合い、キスをした。東京に新田さんが来たときのように。
「おかえり、健介。戻ってきてくれる決断を聞いた時は涙が出るほど嬉しかったよ。
これから一緒に暮らせるね。本当にありがとう。」
「新田さん、俺も驚かせるぐらいのつもりで来たのに、こんなに準備してくれてて
本当にビックリしてる。これからどうか宜しくおねがいします。」
そのままベッドに向かいたい気分ではあったが、中からすごくいい匂いが。
「お楽しみは夜に取っておいて、まずは腹ごしらえしようか。
美味しいかどうかは分からないけど、喜ぶかと思って作ってみたよ。」
「えー、本当?めっちゃいい匂いしてるなーと入った時から思ってたんだよね。」
「メインのパスタ作るからちょっと待っててね。その間にシャワーでも浴びてきたら?」
そう言って新田さんはパスタ作りにキッチンへ入っていった。
「おー、じゃ、ちょっと軽く流してくるね。」
俺は荷物を置いて、新田さんが指差す方向のバスルームへと向かった。
とても綺麗なマンションで2人で暮らすには十分すぎるほどの部屋で、
まだ様子が分からず落ち着かなかった。
サッとシャワーを浴びたが、ちゃんとタオルも何もかもが2つ準備されていて
新田さんの優しさや気遣いが嬉しかった。
俺はパンツを取りにといつものクセで素っ裸のまま出て行ってしまったが、
「健介、やっぱりエロい身体だなぁ。」
と新田さんが冷たいビールを渡してくれた。
グイッと飲むとめちゃくちゃ美味しかった。
「あぁー、ウマイ!最高!」
そう言うと新田さんは
「俺はこっちの美味い棒をいただこうっと。」
と言って笑いながら俺のチンポをパクリと。
「あぁー、ウマイ!最高!」
とオウム返しされた。
「もうー、新田さん、そんな事したら止まらなくなっちゃいますよー。」
と冗談を言いながらご飯を準備する。
新田さんの料理は男料理ながらかなりの出来栄えで、
パスタも唐揚げもサラダもどれも美味しかった。
「ごちそうさま!めっちゃ美味しかったよ。料理も上手なんですね。」
「お粗末さま。伊達に1人暮らし長く無いんで、そこそこは作れるよ。」
「俺はからっきしダメなんで、嬉しいですよ。その代わり洗い物は俺やりますから。」
「ははは、じゃ、それはお願いするかな。」
そんなやりとりをしながら、これから徐々に新田さんとの生活を実感していくのだろうなと思った。
「あ、え、新田さん、どうして?」
「荒木さんが教えてくれたよ。駅にいるってことをね。」
「健介、おかえり。」そう言ってぎゅーっと抱きしめてくれた。
まさかの展開だった。俺の思惑は完全に外れてしまって、
驚かせるどころかこっちが驚かされてしまったのだ。
課長にしてやられたという気持ちだったが、実はそれも違ってたのである。
「実は健介が帰ってくることは荒木さんから聞いて知ってたんだよ。
普段の会話で言わなかったから、驚かせようとしてるなと思って。」
「だから逆に健介を驚かせてやろうかと思って、密かに計画してたんだ。」
「健介と一緒に暮らすために俺、引越ししたんだよ。2人で暮らせる少し広いマンションにね。」
俺はそれを聞いて、ビックリしてしまった。
まさかそんなことを考えてくれてるなんて…嬉しくて涙が止まらなかった。
「電話に出れなかったことは誤算だったけど、健介を驚かせることと
感動させることは俺の計画通りになったって訳だ、ははは。」
と嬉しそうに笑う新田さん。あのときの誇らしげな顔がとても印象的だった。
早速、新しい新居へと向かうことに。
到着して使い勝手の分からない俺がオロオロしながらマンションの中に入っていく。
ニヤリと笑いながら導いてくれる新田さん。
部屋の扉を閉めた後、2人はそこで抱き合い、キスをした。東京に新田さんが来たときのように。
「おかえり、健介。戻ってきてくれる決断を聞いた時は涙が出るほど嬉しかったよ。
これから一緒に暮らせるね。本当にありがとう。」
「新田さん、俺も驚かせるぐらいのつもりで来たのに、こんなに準備してくれてて
本当にビックリしてる。これからどうか宜しくおねがいします。」
そのままベッドに向かいたい気分ではあったが、中からすごくいい匂いが。
「お楽しみは夜に取っておいて、まずは腹ごしらえしようか。
美味しいかどうかは分からないけど、喜ぶかと思って作ってみたよ。」
「えー、本当?めっちゃいい匂いしてるなーと入った時から思ってたんだよね。」
「メインのパスタ作るからちょっと待っててね。その間にシャワーでも浴びてきたら?」
そう言って新田さんはパスタ作りにキッチンへ入っていった。
「おー、じゃ、ちょっと軽く流してくるね。」
俺は荷物を置いて、新田さんが指差す方向のバスルームへと向かった。
とても綺麗なマンションで2人で暮らすには十分すぎるほどの部屋で、
まだ様子が分からず落ち着かなかった。
サッとシャワーを浴びたが、ちゃんとタオルも何もかもが2つ準備されていて
新田さんの優しさや気遣いが嬉しかった。
俺はパンツを取りにといつものクセで素っ裸のまま出て行ってしまったが、
「健介、やっぱりエロい身体だなぁ。」
と新田さんが冷たいビールを渡してくれた。
グイッと飲むとめちゃくちゃ美味しかった。
「あぁー、ウマイ!最高!」
そう言うと新田さんは
「俺はこっちの美味い棒をいただこうっと。」
と言って笑いながら俺のチンポをパクリと。
「あぁー、ウマイ!最高!」
とオウム返しされた。
「もうー、新田さん、そんな事したら止まらなくなっちゃいますよー。」
と冗談を言いながらご飯を準備する。
新田さんの料理は男料理ながらかなりの出来栄えで、
パスタも唐揚げもサラダもどれも美味しかった。
「ごちそうさま!めっちゃ美味しかったよ。料理も上手なんですね。」
「お粗末さま。伊達に1人暮らし長く無いんで、そこそこは作れるよ。」
「俺はからっきしダメなんで、嬉しいですよ。その代わり洗い物は俺やりますから。」
「ははは、じゃ、それはお願いするかな。」
そんなやりとりをしながら、これから徐々に新田さんとの生活を実感していくのだろうなと思った。
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