学園ものに転生した悪役の男について

ひいきにみゐる

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二.学園ものらしい学園生活

悪役の男に就いて

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あ、ちなみにおれはこのイケメンに面識はないはずである。

だって養子に入ってここ数年、人と話していないし。

つまりこいつはその前に俺のことを見た…

あ、こいつこいつと言っているがよく見たらこの人先輩じゃん。

しかも高等部3年のネクタイ。

しかも日本で言う大学1年生くらい。

後付けだがこの国、中等部から大学部までが義務教育である。初等部は幼稚園みたいな。

俺と7歳差か?すごい年上じゃん。何でここにいるんだ。

なんて思いながら。

「はい。」

と軽くお辞儀する。

するとふむと顎に手を当てて俺を見た。

「その様子だと、私のことは覚えていないようだね。」

申し訳ない。

なんならなしてこの方私わかるわからない。

「では改めて挨拶しようか。」

彼はそう言って優雅にあいさつした。顔を下げないからして…俺より身分は高いようだ。

「私の名前はリュザミエール・カーリス・ロサフィル。」

第二王子じゃんけ。



……ん?

第二王子じゃんけ。

待て待て待て待て。

第二王子じゃんけ。


第二王子ザビエール・カーリス・なんちゃらみたいな名前のやつ―――こいつは俺の読んだ漫画の原作小説(もう説明しなくてもわかってほしい)で、このローソを切る元凶である。

こいつ怖い。

俺が呼んだ漫画の中で、主人公が自殺した数年後に拷問にかけられる張本人なのだが、その最中よ??めっちゃぶっとい、とげとげした鞭でぶたれても、でっかい鉄の塊を体に押し付けられても、ずー―――っとニコニコ。怖いこの人。

腹黒とかそういうレベルじゃない。

原作作者さんこれどういう伏線なんですか。最後までわかんなかったんすけど。

まぁまぁまぁまぁまぁ。

とりあえず。

ワタシアナタコワイ。




「…はぁ。」

俺はぺこりんこしてさっさと立ち去った。

すると案の定肩をつかまれる。

「少し話さないかい?」

嫌です。
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