まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ

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特別編6

第4話『球技大会-バスケットボール-』

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 サッカーの試合が終わった後は、優奈達の友達の女子が出場する卓球の応援をしに行った。結果はストレート勝ちで、優奈達はとても喜んでいた。
 卓球の試合が終わると、優奈達が出場する女子バスケットボールの初戦の試合開始時間が近くなっていた。なので、試合会場である第1体育館へ向かう。
 第1体育館に到着すると……現在、コートでは男女ともにバスケットボールの試合中だ。男女ともに行なわれているので結構盛り上がっている。
 また、コートの入口にはバスケットボールのトーナメント表が貼られている。試合結果が書き込まれており、第4試合まで結果が書かれていた。なので、現在行なわれている試合は第5試合か。ということは、うちのクラスの第6試合は次か。

「次がうちのクラスか。優奈、井上さん、佐伯さん、頑張って」
「みんな頑張れよ」
「先生も応援するよ!」

 俺、西山、渡辺先生は優奈、井上さん、佐伯さんにエールを送る。

「ありがとうございます! 頑張ります!」
「頑張ります! サッカー、女子卓球でいい流れが来ているので、女バスもこの流れに乗って勝ちに行きます!」
「私も頑張ります」

 優奈、佐伯さん、井上さんはやる気いっぱいの様子だ。女バスも初戦突破ができるように応援を頑張ろう。

「私も3年2組を応援してるよ。うちの部活の部長と副部長がいるからね」

 そう言ってこちらにやってきたのは……百瀬美咲ももせみさき先生だ。百瀬先生は優奈が部長、井上さんが副部長を務めるスイーツ研究部の顧問だ。別のクラス担任だけど、部活で関わりが深い優奈と井上さんがいるうちのクラスを応援しに来てくれるとは。

「美咲先生、ありがとうございます!」
「嬉しいです! ありがとうございます!」
「美咲先生も応援してくれるのは嬉しいです。……美咲先生のおっぱいを堪能させてください」
「いいよ~」
「ありがとうございますっ」

 井上さんは嬉しそうにお礼を言うと、百瀬先生のことを抱きしめて胸に顔を埋める。試合前にはチームメイトの胸を堪能すると言っていたけど、百瀬先生の胸も堪能すれば試合でかなり活躍するんじゃないだろうか。

「美咲さん、応援しに来てくれたんですね。ありがとうございます」
「うちのクラスの試合までまだ時間があるからね。私の仕事も一段落しているし。だから、優奈ちゃんと萌音ちゃんが出る女バスを応援しに来たの」
「そういうことだったんですね」
「うんっ」

 百瀬先生は優しい笑顔で返事をすると、自分の胸を堪能している井上さんの頭を撫でる。
 それから少しの間、井上さんは百瀬先生の胸を堪能し、

「あぁ、とても良かったです。試合頑張れそうです。ありがとうございます」

 井上さんは満足そうな笑顔で百瀬先生にお礼を言っていた。そんな井上さんの顔の肌ツヤが心なしかさっきよりも良くなっている気がした。

「夏実先生も……いいですか?」
「うん、いいよ」
「ありがとうございます」

 井上さんは渡辺先生のことを抱きしめて、先生の胸に顔を埋めた。先生2人の胸を堪能した井上さんの活躍にますます期待がかかる。
 優奈が出場する試合も近いし、俺も……やるか。

「優奈」
「何ですか?」
「サッカーのときのように……今度は俺が優奈に試合で活躍できるおまじないをかけていいかな?」
「もちろんですっ。お願いします」

 嬉しそうに言うと、優奈はそっと目を瞑った。
 俺は優奈におまじないのキスをする。どうか、優奈が試合で活躍できますように。
 数秒ほどして俺から唇を離す。すると、目の前にはキスする前と変わらない優奈の嬉しそうな笑顔があった。

「試合、頑張れそうです」
「そうか。頑張って。応援してる」

 そうエールを送って、優奈の頭を優しく撫でる。気持ちいいようで、優奈の笑顔が柔らかいものに変わり「えへへっ」と笑った。可愛いな。

「優奈ちゃんと長瀬君がキスするの初めて見たよ。こんな感じなんだね。ドキッとしたよ」

 うふふっ、と百瀬先生は俺達のすぐ近くで笑っている。
 そういえば、好き合う夫婦になってからは学校でキスしたことは何度もあるけど、百瀬先生がいる前でしたのはこれが初めてか。
 今の百瀬先生の言葉に、優奈はちょっと照れくさそうにしていた。それもまた可愛かった。
 その後、俺が優奈から、西山が井上さんと佐伯さんから荷物を預かる。
 試合に出場する優奈と井上さんと佐伯さんとグータッチをして別れ、俺は西山と渡辺先生と百瀬先生と一緒に2階のギャラリーへ向かう。
 ギャラリーに到着すると……試合中なので結構人がいるな。あとは、体育館内はエアコンが効いていて涼しいのも人が多い一因かもしれない。
 俺達は女子の試合がよく見える場所まで移動する。
 試合も残り20秒を切っており、点差も2点なので結構応援が盛り上がっている。
 試合を見てみると……おっ、スリーポイントラインからのシュートが決まった。そのことで逆転し、
 ――ピーッ!
 それからすぐに試合終了のホイッスルが鳴った。試合終了寸前の逆転という展開なのも大盛り上がりだ。

「2年3組対2年8組の試合は、17対16で2年3組の勝利です」

 審判を担当している女性教師がそう言い、第5試合が終了した。
 さあ、もうすぐうちのクラスの初戦が始まる。
 第5試合を戦ったクラスがコートを離れると、すぐに優奈をはじめとしたうちのクラスのバスケットボールに出場する5人がコートに入ってきた。
 優奈達はスタッフと思われる女子生徒から水色のゼッケンを受け取り、体操着の上から身に付ける。ちなみに、優奈は5番、井上さんは6番、佐伯さんは4番だ。
 また、7番のゼッケンを付けているのは菊池きくちひなたさん。佐伯さんと同じくらいに背が高く、確かバレーボール部だったな。8番のゼッケンを付けているのは吉田凛よしだりんさん。背の高さは優奈と井上さんのちょうど真ん中くらい。彼女は確か吹奏楽部だったかな。

「みんな頑張れよ!」
「こっから応援してるぜ!」
「みんな頑張って!」
「私も応援してるよ~」

 俺達4人がそう言うと、うちのクラスのバスケットボールメンバーはこちらに振り向いて笑顔で手を振ってきた。俺達も優奈達に手を振る。
 また、試合直前なのもあり、うちのクラスの生徒達の多くが来ており、彼らも優奈達に「頑張れ!」「応援してるよ!」とエールを送っていた。
 それから程なくして、相手のクラスである3年7組の生徒達もコートに入ってきた。彼女達はピンク色のゼッケンを身に付けた。

「女子バスケットボールに出場する3年2組、3年7組のみなさん、センターラインに並んでください」

 審判担当の女性教師がそう言い、両クラスの生徒達はセンターラインを挟んで向かい合う形で並ぶ。

「これより、3年2組対3年7組の試合を始めます」
『よろしくお願いします』

 挨拶が終わり、両クラスの生徒達はコート内に散らばっていく。
 ただし、両クラスとも1人ずつ、センターサークルの中に残っている。バスケットボールはジャンプボールの形で試合が始まるからだ。
 うちのクラスは佐伯さん。バスケ部だし、出場する生徒達の中で一番背が高いので妥当な選出だろう。相手チームのゼッケン4番の生徒は……見たところ、佐伯さんと同じくらいの背の高さに思える。果たして、佐伯さんはジャンプボールを制することができるだろうか。

「いよいよバスケの初戦が始まるな」
「そうだな、西山」

 優奈達の戦いがついに始まるんだ。
 あと、去年まで西山の誘いで、優奈達が出場するバスケットボールを応援しに行ったけど、まさか、3年生になってクラスメイトとしてはおろか、俺は優奈の夫として応援することになるとは去年の球技大会のときには想像もしなかったな。
 試合に出場する優奈達のクラスメイトとして、そして優奈の夫としてうちのクラスの応援を頑張ろう。

「それでは、試合を開始します!」
 ――ピーッ!

 女性教師はホイッスルを鳴らすと、バスケットボールを真上に向かって思いっきり投げた。ついに、優奈達の初戦が始まった。
 センターサークルに立っている2人はボールに向かって飛び上がり、手を伸ばす。ジャンプボールを制したのは――。

 ――バシンッ!
「萌音!」

 佐伯さんだった。
 佐伯さんは右手でボールにしっかりと触り、井上さんに向かって弾き飛ばした。

「ナイス千尋。任せて」

 井上さんは佐伯さんが弾いたボールをキャッチ。相手のゴールに向かってドリブルをしていく。その速度はかなりのものだ。
 スリーポイントラインの内側まで来たところで、井上さんはシュートを放つ。
 井上さんから放たれたボールは綺麗な放物線を描き、ゴールのボードに当たって、ゴールネットに吸い込まれていった。
 ――ピーッ!
 2対0。
 うちのクラスがいきなり先制点を挙げた! そのことで体育館内は盛り上がる。

「おおっ、いきなり先制点だ! 井上凄いぞ!」
「凄いよな! ドリブルも速かったし、シュートも綺麗だった。こういうプレーができるのはきっと胸の力なんだろうな」
「そうだろうな」
「萌音ちゃんらしいね。萌音ちゃんナイスシュート!」
「萌音ちゃん凄いよ!」
「井上さん凄かったぞ!」

 俺達はコートにいる井上さんに向かってそんな称賛の言葉を送る。
 井上さんはチームメイト全員と笑顔でハイタッチしていた。ただ、俺達の言葉が聞こえたのか、笑顔のままこちらに向いてピースサイン。
 井上さんが先制点を挙げたし、これでうちのクラスが勢いづくといいな。
 うちのクラスが得点したので、相手のクラスからプレーが再開される。
 相手のクラスのゴール側のエンドラインの外から、ゼッケン5番の生徒がゼッケン4番の生徒に向かってスローイン。
 ゼッケン4番の生徒はうちのクラスのゴールに向かって勢い良くドリブルする。先ほどの井上さんと同じくらいに速い。結構上手そうだ。
 佐伯さんは、ドリブルしているゼッケン4番の生徒に向かって走っていく。
 佐伯さんが近づいたところで、ゼッケン4番の生徒はゴールの近くにいるゼッケン7番の生徒の方に向かってパスを出す。そこを、

 ――パシンッ!
「もらいました!」

 優奈が相手のパスをブロックした! 優奈は相手のゴールに向かってドリブルし始める。

「おっ! 優奈いいぞ!」
「有栖川上手いな! さすがだ!」

 俺と西山はすぐに優奈に向けて称賛の言葉を送る。
 一昨年と去年も、優奈は今のようにパスをブロックして、攻守を変えるプレーを何度もしていたっけ。そして、そんなプレーを西山が褒めることも。
 優奈は周りの様子を見ながら、相手のクラスのコートまでドリブルしていく。井上さんほどのスピードはないけど、着実に相手のクラスのゴールに近づいていく。
 ゴールのすぐ近くには井上さんや菊池さんはもちろん、相手のクラスの生徒も集まっている。そんな中、

「優奈!」

 スリーポイントラインの外側にいる佐伯さんが優奈のことを呼んで右手を挙げる。ゴールから離れているから、相手のクラスの生徒は近くにいないな。
 優奈は佐伯さんの方を見るとすぐに、

「千尋ちゃん!」

 佐伯さんに向かってパスを送る。そのパスはしっかりと通った。一昨年や去年も優奈のパスは今のようにちゃんと通ることが多かったな。
 佐伯さんは優奈からパスを受けると、

「それっ!」

 ドリブルをすることなく、その場でシュートを放った!
 佐伯さんから放たれたボールはゴールに向かって飛んでいき、
 ――スポッ。
 と、ゴールのボードに当たることなくネットを通った。お手本にできるんじゃないかと思えるくらいの綺麗なシュートだった。
 ――ピーッ!
 5対0。
 スリーポイントラインの外側からシュートしたので、3点の追加点となった!

「よし、追加点だ! さすがだ佐伯!」
「そうだな! スリーポイントラインの外からあんなに綺麗なシュートを決められるなんて。さすがはバスケ部だ! 優奈もナイスブロックでナイスアシストだったぞ!」

 シュートを決めた佐伯さんはもちろんだけど、相手のパスをブロックしたり、佐伯さんにパスをしてアシストしたりした優奈も良かった。

「有栖川も凄いぜ!」
「千尋ちゃんナイスシュート! さすがは女バスだね! 優奈ちゃんもいいプレーだったよ!」
「とってもいいシュートだったよ、千尋ちゃん! 優奈ちゃんも良かったよ!」

 井上さんのときと同じく、俺達はコートにいる優奈と佐伯さんに称賛の言葉を送る。
 優奈と佐伯さんは嬉しそうな様子でチームメイト達とハイタッチしていた。俺達の声が聞こえたようで、2人はすぐにこちらを向いて可愛い笑顔で手を振っていた。
 その後も試合は進んでいく。
 井上さんと女子バスケ部の佐伯さんが攻撃の中心となって得点を重ねていく。バスケ部の佐伯さんはさすがのプレーだけど、井上さんも凄い。小柄なのにそれを不利に感じさせないシュートの正確さがある。これがおっぱいパワーなのか。
 優奈はドリブルやパスが安定しており、優奈がボールを持つと観戦している俺も安心できる。また、相手のパスをブロックしてこちらの攻撃の起点となることも。
 背の高い菊池さんはうちのクラスのシュートが外れてリバウンドしたときにボールをキャッチしてゴールを決めたり、相手のクラスのシュートを止めたりと双方のゴール下での活躍が目立つ。
 菊池さんはとても俊敏な動きをしており、ドリブルやパスで相手のゴールへと切り込んでいく場面も多い。
 また、相手のクラスにゴールを決められたときも、佐伯さんが明るく、

「ドンマイ! 次行こう!」

 と振る舞うので、うちのクラスの雰囲気が悪くなることはなかった。
 俺達4人はバスケを戦う5人に大きな声で応援していった。
 終始リードした展開が続き、

 ――ピーッ!
「そこまで!」

 試合時間の7分が経ち、試合が終了した。
 得点板を見ると……20対6。うちのクラスの勝利だ! 優奈をはじめとしたうちのクラスのメンバーは笑顔でハイタッチを交わしたり、抱きしめ合ったりしている。井上さんは優奈を抱きしめて胸に顔を埋めている。勝利のおっぱい堪能だろうか。勝利の美酒的な感じで。

「女バスも初戦勝ったな、長瀬!」
「ああ! 圧倒的な勝利だった!」

 西山と俺はそんな感想を言い合い、ハイタッチを交わす。

「女バスも勝って良かった! 勢いが来てるよ!」
「良かったねぇ、夏実ちゃん。おめでとう」
「ありがとうございますっ」

 渡辺先生と百瀬先生はそう言葉を交わして、嬉しそうにハイタッチを交わしていた。
 また、渡辺先生が西山と俺に両手を差し出してきたので、西山と俺は渡辺先生と百瀬先生ともハイタッチを交わした。
 それから程なくして、審判の女性教師がコートにいる生徒達をセンターラインに並ばせる。

「3年2組対3年7組の試合は、20対6で3年2組の勝利です!」

 女性教師によって試合結果が伝えられると、女バスの試合が行なわれているコートの周りから拍手が巻き起こった。もちろん、俺や西山達も拍手をする。

「初戦突破おめでとう! 優奈、凄く良かったぞ! 井上さんも佐伯さんもシュート凄かった! 菊池さんと吉田さんもいいプレーだった!」
「みんな良かったぜ! 初戦勝利おめでとう!」
「みんなとっても良かったよ! 女バスも勝って先生はとっても嬉しいよ!」
「優奈ちゃんと萌音ちゃんとっても良かったよ! 千尋ちゃん達も良かったよ! 3年2組初戦勝利おめでとう!」

 俺達はコートにいる3年2組の女子バスケットボールのメンバー達に向かって、初戦勝利の祝福の言葉を送った。また、俺達以外にも「おめでとう!」「良かったよ!」という勝利を祝う言葉が次々と送られる。
 女子バスケットボールのメンバー5人はこちらに振り向き、笑顔で、

『ありがとうございました!』

 と、声を揃えてお礼の言葉を言い、コートを後にした。
 それからすぐに、ゼッケンを脱いだ優奈と井上さんと佐伯さんが俺達にいるギャラリーにやってきた。勝利したのもあって3人ともとても嬉しそうだ。特に女子バスケ部の佐伯さんは。そんな3人に、俺達4人は「おめでとう」とか「お疲れ様」と言ってハイタッチをする。

「みなさんありがとうございます! 初戦を勝つことができて良かったです。バスケ部員としてシュートを決められたことも」
「さすがだったわ、千尋。私もシュートを決められて良かったわ。これもチームメイトの千尋、優奈、ひなた、凛のおっぱいはもちろん、夏実先生と美咲先生のおっぱいを堪能できたおかげでしょうね。みんなのおっぱいのおかげで力がみなぎったから」

 優奈達の胸を思い出しているのか、井上さんは幸せそうな表情だ。

「そ、そうか。やっぱり、井上さんのプレーの良さは胸のおかげだったんだな」
「井上が先制点を決めたときに話したよな」

 西山の言葉に俺、渡辺先生、百瀬先生はしっかりと頷く。そのことに優奈と佐伯さんは声に出して笑っていた。

「萌音が大活躍していたから、この後も試合前にはおっぱいを堪能してもらおう」
「そうですね、千尋ちゃん」
「おっぱいは私にとっての大事な栄養分だからね。堪能させてもらうわ」
「佐伯さんと井上さんの攻撃も良かったけど、優奈のプレーも凄く良かったよ。ドリブルやパスは安定していたし、相手のプレーをブロックしてうちのクラスの攻撃に繋げていっていたから」
「すっごく良かったな!」

 うんうん、と西山はさっきよりも大きく、そして何度も頷いている。推しの優奈が今年も活躍しているから満足した様子だ。

「優奈の安定したプレーは今年も健在だったわ」
「そうだね、萌音。優奈のおかげで相手の攻撃を止められたことが何度もあったし。本当に安定してた。ありがとね、優奈」
「いえいえ。チームの勝利に貢献できて何よりです。ただ、こういうプレーができたのはチームのみんなと、みなさんの応援と、何よりも和真君が試合前におまじないをかけてくれたおかげです。……お礼のキスをしていいですか? 和真君」
「もちろん」
「ありがとうございますっ」

 とても嬉しそうにお礼を言い、優奈は俺にキスしてきた。
 試合をした直後なので、優奈の唇はいつも以上に温かくて。そして、優奈の汗混じりの甘い匂いが香ってきてとてもドキドキする。
 数秒ほどして、優奈の方から唇を離す。すると、目の前には優奈のニッコリとした可愛らしい笑顔があって。今の優奈を見ると本当に嬉しい気持ちになるよ。

「優奈も活躍していたから、この後も試合前には長瀬におまじないをかけてもらおう」
「それがいいわね、千尋」
「ふふっ。今後もおまじないをお願いしますね、和真君」
「ああ。もちろんだ」

 優奈の活躍の原動力になるならいくらでもキスするさ。
 その後、俺が優奈に、西山が井上さんと佐伯さんに荷物を返す。
 3人はすぐに水筒を取り出して水分補給をする。3人ともとても美味しそうに飲んでいて。試合で体をたくさん動かして、勝利できたからかな。3人がとても可愛く思えた。



□後書き□
読んでいただきありがとうございます。
このエピソードの公開日である11/22はいい夫婦の日とのことです。この作品を公開し始めて3年目で、初めてこの日にエピソードを公開しました。
夫婦ものである本作品をこれからもよろしくお願いします。
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