まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ

文字の大きさ
3 / 144

第2話『結婚-前編-』

しおりを挟む
「長瀬和真君。私の孫娘の優奈と……結婚してくれないだろうか」

 おじいさんの渋みのある低音ボイスに乗せて、そんな言葉がリビングに響き渡る。
 有栖川さんと結婚……か。
 結婚……けっこん……ケッコン……血痕?
 おじいさんの口から思いがけない言葉が飛び出してきたので、思わず頭の中が血に染まってしまった。

「よく分からないと言いたげな表情をしているね。単刀直入すぎたかな?」
「……まさか、結婚という言葉が出るとは思っていなかったので。混乱してしまいました。脳裏が真っ赤に染まったほどです」
「ははっ、そっちの血痕か」

 おじいさんは朗らかに笑う。それにつられてか、有栖川家のみなさんやうちの両親も笑って、リビングの中は笑いに包まれる。

「カズ君が……結婚……」

 唯一人……真央姉さんだけは笑っていないけど。顔から表情が抜けて、放心状態といったところか。姉さんは見た目はクールな雰囲気だけど、中身は結構なブラコンだからなぁ。衝撃が大きいのかもしれない。今まで、俺には恋人すらいなかったし。

「和真君。君のお姉さん……大丈夫かい? 表情が抜けて、視線が遥か彼方に向いているが」
「……き、きっと、俺と一緒で『結婚』という言葉に衝撃を受けているのかと」
「なるほど。まあ、いきなり結婚と聞いたら驚いてしまうか」
「ええ。困惑もしています。……どうして、俺に有栖川さんと結婚してほしいと思ったのですか? ドーナッツ屋でバイトしているのもあって、高1の頃から何度も話したことはありますが。この4月からはクラスメイトにもなりましたが」

 一度も喧嘩をしたこともないし、嫌な表情を向けられたこともない。だから、有栖川さんからの印象は決して悪くはないと思うけど。

「昨日の夕方、君は私のスマホを見つけてくれたね。そのときの君の雰囲気や話し方。私のような見知らぬ困った老人をすぐに助けてくれる優しさ。そんな君と接して、孫の優奈と結婚するのは君のような人がいいと思ったのだよ」
「そうですか。その……凄く俺のことを買ってくれているんですね」
「父が結婚とかを考えるのは……優奈が有栖川グループの娘というのもあって、高校生になったあたりから、『うちの息子といつか結婚を……』と縁談のような話を何度も持ちかけられて。全てお断りしているんだけどね」
「そうですか。いわゆる……政略結婚ですか」

 令和の現代日本にそういうものがあるとは。アニメやドラマなどの創作物でしか登場しないと思っていた。お金持ちの世界では普通にあることなのかな。

「ああ。単なる政略結婚ならまだしも、調査をしたら、結婚を利用してうちのグループの資産を悪用したり、グループを失墜させたりするのを画策していた相手もいたよ」
「そうだったんですか」

 お金持ちの世界……怖いな。自分達の利益のために、他社を平気で傷つけようと考えているところがあるなんて。

「そういった話を持ちかけてきた相手の男達よりも、君の方が遥かにいいと思ってね」
「そう言ってもらえて嬉しいです。もしかして、スマホを見つけた後に俺の名前を聞いたり、写真を撮ったりしたのは、有栖川さんに俺との結婚はどうかと話すためですか?」
「その通り。もちろん、君への感謝の気持ちを忘れないのも理由の一つだよ」
「そうですか」

 まあ、あのときのおじいさんはいい笑顔をしていたからな。感謝の気持ちを忘れないのが本当で良かったよ。

「昨日、家族全員で夕食を食べているとき、おじいちゃんに『とてもいい青年と出会った。彼のような人が婚約者になってくれると嬉しい』と言われて。スマホの写真を見て、その青年が長瀬君だと知ったときには驚きました」
「優奈から君がクラスメイトで、2年前からあのドーナッツ屋で何度も接客をしてもらっていると知ったときには運命を感じたよ。『優奈の結婚相手は長瀬和真君しかいない!』と私は思っているよ」
「な、なるほど」

 今のところ、有栖川さんよりもおじいさんの方に気に入られているな、俺。

「この2年間で、長瀬君のバイト先で何度も接客してもらったり、3年生になってクラスメイトになったりする中で、長瀬君は優しくて誠実……という印象を持っています。バイトではしっかり仕事をしていますし。マスタードーナッツでバイトしていたり、素敵な見た目だったりしますから、友達との会話で話題になることもありますし。今まで告白してくれた方達や、縁談を持ちかけてきた方達よりも好感をもっています。ですから、長瀬君なら婚約者になっていいと思ったんです。それを昨日の夜に家族にも話しました」

 有栖川さんは持ち前の柔らかい笑顔でそう話す。照れくさいのか、頬がほんのりと赤くなっているのが可愛らしい。
 有栖川さんから俺の印象について話されたのは初めてだ。有栖川さんが笑顔なのもあり、素直に嬉しい気持ちになる。気付けば、頬が緩んでいた。

「昨日の夕食でも、優奈は今のような笑顔で長瀬君のことを話していたわ。だから、母として優奈の婚約者にいいと思っているわ」
「あたしも同意見! それに、イケメンで優しい雰囲気だから、こういう人が義理のお兄さんになってくれたら嬉しいなって! 実際に会ったらその思いが強くなったよ!」
「父による人の目利きは優れているし、何よりも優奈が長瀬君にいい印象を持っているからね。父親としてもいいと思っているよ」
「……そうですか」

 有栖川さんやおじいさんだけでなく、御両親や妹の陽葵ちゃんにも好印象だなんて。

「そこで、うちのグループで君のことを調べたら、既に誕生日を迎えて18歳になったことが分かってね」
「はい。今月の6日に18歳になりました」
「優奈も15日に誕生日を迎えて18歳になってね。2人とも18歳になったのなら、婚約者ではなく結婚すればいいじゃないかって思ったのだよ。2人の通う高校に結婚してはならないという校則はないからね。それに、君に恋人はいないようだから」
「ええ、いません。2人とも18歳だから、結婚してくれないかと言ったんですね」

 今の法律では、男女ともに18歳以上であれば結婚できるから。

「ああ。結婚すれば、政略結婚を目論んだ縁談も来なくなる。それに、好意を抱いたり、フラれたりする人が、優奈に絡んだり、付きまとったりしなくなるだろうと思ってね」
「有栖川さんは学校で大人気ですからね」

 今朝も男子生徒に告白されて振っていたし。
 有栖川さんほどの人気があると、好きになったり、告白してフラれたりする人の中には、しつこく絡んだり、つきまとったりする人もいるか。

「俺と結婚してより過激になる人がいるかもしれませんが、多くの人は有栖川さんのことを諦めるでしょうね。縁談の方についても。……あと、今日は普段と違って俺の方を何度も見ていたのは、結婚の話があったからだったんだな」
「ええ。決定ではありませんが、長瀬君を意識してしまって」

 有栖川さんははにかみながらそう言った。結婚するかもしれない相手が教室の中にいたら、何度も見ちゃうよな。納得したと同時に、気になっている相手は俺かもしれないと言っていた西山に申し訳ない気持ちが。

「和真君のことをさらに調べて、御両親の仕事やお姉さんが通う大学についても分かった。なので、今日の午前中に、君のお父さんが勤務する会社に行き、今と同じようなことを話したのだよ」
「和真次第という条件付きで父さんは話を受け入れたよ。それで、和真の学校が昼休みになった時間に大事な話があるってメッセージを送ったんだ」
「そういうことだったのか。……ほんと、大事な話だな」

 結婚は人生における重要な出来事の一つだからな。まあ、有栖川家の中ではトントン拍子に話が進んでいったけど。

「……どうだろうか。長瀬和真君。優奈と結婚してくれるだろうか? 私達有栖川家はそうしてくれると嬉しいと思っている」

 真剣な眼差しで俺を見つめながら、おじいさんは俺にそう言ってくる。
 有栖川さんと結婚するかどうか。ここでの俺の返事次第で、俺と有栖川さんの将来が大きく変わることになる。

「……有栖川さんは俺との結婚についてはどう思ってる?」
「……昨日、家族に話したのと同じ理由で、長瀬君なら結婚していいと思っています」

 有栖川さんは俺の目をしっかりと見て、有栖川さんらしい穏やかな笑顔でそう言ってくれる。まあ、有栖川さんが結婚していいと思わなければ、こうして長瀬家に赴くことはしないか。
 あと、有栖川さんほどの美少女から結婚していいと言われたので、キュンとなる。一瞬、夢かと思ったけど、これは現実なんだよな。

「お母さんは和真の判断を尊重するわ。優奈ちゃんはとてもいい子そうだし」
「……お姉ちゃんも尊重する。優奈ちゃんなら大丈夫そうだし。まあ、寂しい気持ちもあるけど、可愛い義理の妹が2人できるしね」
「父さんも和真の決断を尊重するよ」

 両親と真央姉さんが優しい笑顔でそう言ってくれる。両親はともかく、さっきは放心状態に見えた姉さんまで俺の考えを尊重すると言うとは。それだけ、有栖川さんならいいと思っているのだろう。
 有栖川さんのことを再び見ると、有栖川さんは柔らかな笑顔を向けてくれる。

「……有栖川さんはとても可愛いし、穏やかで優しい女の子です。魅力的で、いい印象を持っています。結婚していいと思ってもらえることも嬉しいです。ただ、俺に有栖川さんを守れるだろうか。支えられるだろうか。幸せにできるだろうか……って思うんです。結婚していいのかなって」

 情けないけど、今抱いている気持ちを言葉にする。最初こそ有栖川さんに向けていた視線も段々と下を向き、今は目の前にあるローテーブルに向いている。

「有栖川さんと交際を一切しない中で、結婚の話だもんな。それに、和真も有栖川さんも高校生だ。和真がそう思う気持ちも分かる」
「そうしたい気持ちはあるんだけどな……」
「拓也さんの言う通りだと思います。ただ、長瀬君の言葉を聞いて、長瀬君は私のことをとてもよく考えてくれているのだと分かりました。ですから、長瀬君と結婚していいとより強く思えるようになりました」

 優しい口調で有栖川さんがそう言う。
 ゆっくりと顔を上げると、有栖川さんはとても優しい笑顔で俺のことを見ている。俺と目が合うと、有栖川さんの口角が上がった。

「結婚してからは色々とあると思います。ただ、長瀬君には人を思いやる優しさがあります。そんな長瀬君と一緒なら大丈夫だろうと思えるんです」
「有栖川さん……」
「もし結婚したら、私も長瀬君を守ったり、支えたり、幸せにしたりしたいです。ですから、守り合ったり、支え合ったり、一緒に幸せになったりしていきませんか。それで、いつかは好き合える夫婦になりたいなと。お父さんとお母さんはラブラブですし、おじいちゃんも亡くなったおばあちゃんととても仲が良かったですから。そんな夫婦になりたいです」

 可愛らしい笑顔で有栖川さんはそう話す。
 英樹さんと彩さんは互いの顔を見合いながら笑顔になっていて。おじいさんも亡くなった奥さんのことを思い出しているのか、どこか懐かしんでいる様子で。3人を見ていると、今、有栖川さんが言ったことが本当なのだと分かる。

「それが今の私の気持ちです。もちろん、長瀬君の決断を尊重します」

 有栖川さんは俺の目をしっかりと見ながらそう言った。
 一緒に幸せになっていこうと有栖川さんが俺に言ってくれている。いつかは好き合える夫婦になっていきたいと。有栖川さんがこうして俺を求めてくれるのなら、俺は……有栖川さんのその想いに、俺なりに応えたいと思った。
 一度、深呼吸して、

「分かりました。俺は……有栖川優奈さんと結婚します」

 有栖川家のみなさんと、俺の家族のことを見ながらそう言った。

「おおっ! 愛しの孫娘と結婚すると決めてくれたか! ありがとう、長瀬和真君!」

 とても力のこもった声でそう言うと、おじいさんは俺の左手を両手でしっかりと握ってきた。おじいさんはとても嬉しそうにしており、おじいさんの両手から伝わる温もりはかなり強い。
 おじいさんが俺の左手を離すと、今度は有栖川さんが両手で握ってくる。両手から、有栖川さんの優しい温もりと柔らかさが伝わってくる。

「ありがとうございます。まずはお嫁さんからお願いします。……和真君」

 有栖川さんは俺を見つめながらそう言ってきた。
 まずはお嫁さんから……か。今まで交際していないから、それで合っているかもしれない。俺達らしいと思う。

「こちらこそ。まずは……旦那さんからお願いします。……優奈」
「はいっ」

 優奈を初めて名前呼びしたことにちょっと照れくささを感じた。ただ、すぐに返事をしてくれたことを嬉しく思う。そして、返事が可愛らしい。
 有栖川さん……いや、優奈の温もりを感じて、名前呼びをすると、優奈との関係性が変わったのだと実感する。

「おめでとう、お姉ちゃん、和真さん!」
「カズ君、優奈ちゃん、お幸せに!」

 陽葵ちゃんと真央姉さんが祝福の言葉を送り、拍手する。それがまるで呼び水のようにして、お互いの両親と優奈のおじいさんが拍手をし、「おめでとう」と言ってくれる。
 長瀬家のリビングが祝福ムードに包まれるのであった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

管理人さんといっしょ。

桜庭かなめ
恋愛
 桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。  しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。  風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、 「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」  高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。  ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!  ※特別編11が完結しました!(2025.6.20)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

サクラブストーリー

桜庭かなめ
恋愛
 高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。  しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。  桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。  ※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ
恋愛
 高校1年生の低田悠真のクラスには『高嶺の花』と呼ばれるほどの人気がある高嶺結衣という女子生徒がいる。容姿端麗、頭脳明晰、品行方正な高嶺さんは男女問わずに告白されているが全て振っていた。彼女には好きな人がいるらしい。  ゴールデンウィーク明け。放課後にハンカチを落としたことに気付いた悠真は教室に戻ると、自分のハンカチの匂いを嗅いで悶える高嶺さんを見つける。その場で、悠真は高嶺さんに好きだと告白されるが、付き合いたいと思うほど好きではないという理由で振る。  しかし、高嶺さんも諦めない。悠真に恋人も好きな人もいないと知り、 「絶対、私に惚れさせてみせるからね!」  と高らかに宣言したのだ。この告白をきっかけに、悠真は高嶺さんと友達になり、高校生活が変化し始めていく。  大好きなおかずを作ってきてくれたり、バイト先に来てくれたり、放課後デートをしたり、朝起きたら笑顔で見つめられていたり。高嶺の花の高嶺さんとの甘くてドキドキな青春学園ラブコメディ!  ※2学期編4が完結しました!(2025.8.4)  ※お気に入り登録や感想、いいねなどお待ちしております。

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編5が完結しました!(2025.7.6)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※特別編3がスタートしました! 既に完成しており、全7話でお送りします(2025.12.12)  ※1日1話ずつ公開していく予定です。  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

ポンコツ気味の学園のかぐや姫が僕へのラブコールにご熱心な件

鉄人じゅす
恋愛
平凡な男子高校生【山田太陽】にとっての日常は極めて容姿端麗で女性にモテる親友の恋模様を観察することだ。 ある時、太陽はその親友の妹からこんな言葉を隠れて聞くことになる。 「私ね……太陽さんのこと好きになったかもしれない」 親友の妹【神凪月夜】は千回告白されてもYESと言わない学園のかぐや姫と噂される笑顔がとても愛らしい美少女だった。 月夜を親友の妹としか見ていなかった太陽だったがその言葉から始まる月夜の熱烈なラブコールに日常は急変化する。 恋に対して空回り気味でポンコツを露呈する月夜に苦笑いしつつも、柔和で優しい笑顔に太陽はどんどん魅せられていく。 恋に不慣れな2人が互いに最も大切な人になるまでの話。 7月14日 本編完結です。 小説化になろう、カクヨム、マグネット、ノベルアップ+で掲載中。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。 結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの? もう、みんな、うるさい! 私は私。好きに生きさせてよね。 この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。 彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。 私の人生に彩りをくれる、その人。 その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。 ⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。 ⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。

処理中です...