まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ

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特別編4

第11話『七夕祭り④-願いごと-』

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 ベビーカステラを食べた後も屋台を廻っていると、気付けば集合時間の午後8時近くになっていた。優奈とのお祭りデートが楽しいから、あっという間に時間が過ぎていったな。
 優奈と一緒に待ち合わせ場所である短冊コーナー前に行くと、そこには井上さんや佐伯さん達みんなの姿があった。

「みんないたな」
「いましたね。みなさん、お待たせしました!」
「お待たせ」

 優奈と俺が大きめの声でそう言うと、みんなはこちらに向かって手を振ってくれた。
 優奈と俺はみんなに手を振りながら、みんなのところへ向かった。

「優奈。長瀬君。お祭りデートは楽しめた?」

 井上さんが俺達にそう問いかけてきた。

「とても楽しかったです! 色々な屋台を廻りました。あと、射的の屋台で、私がほしい猫ちゃんのぬいぐるみを和真君が100円でゲットしてくれました!」

 優奈はニッコリとした笑顔でそう言ってくれた。そのことにとても嬉しい気持ちになる。
 猫のぬいぐるみの話題が出たので、俺が「これだよ」と紙の手提げから猫のぬいぐるみが入った箱を取り出した。

「あら、可愛いぬいぐるみね。長瀬君にゲットしてもらえて良かったわね、優奈。あと、これを100円で取ったのは凄いわ」
「凄いね。長瀬って射的得意なんだね。優奈、ゲットしてもらえて良かったね」
「可愛いぬいぐるみですね。お姉ちゃんがほしがるのも分かります。良かったね、お姉ちゃん。あと、100円で取れるなんて凄いですね、和真さん」
「カズ君は昔から射的が得意だからね! これまでに何度もゲットしてもらったよ! 優奈ちゃん良かったね!」
「俺も去年、長瀬にゲットしてもらいましたよ。有栖川もゲットしてもらえて良かったな」

 井上さんや佐伯さん達は笑顔でそう言ってくれた。射的の腕を褒められて嬉しいな。

「はいっ。和真君にゲットしてもらえて嬉しいです!」
「みんな、褒めてくれてありがとう。射的で優奈がほしいぬいぐるみをゲットできたし、かき氷やベビーカステラとか美味しい食べ物を優奈と一緒に楽しめたから、俺も楽しいお祭りデートになったよ。みんな、デートの時間を作ってくれてありがとう!」
「ありがとうございました!」 

 俺と優奈は井上さんや佐伯さん達に向けてお礼を言った。
 みんながデートするのはどうかと提案してくれたから、優奈との2人きりの時間を過ごせた。みんなには感謝の気持ちでいっぱいだ。

「いえいえ。デートを楽しめたのなら何よりよ。嬉しいわ」
「萌音の言う通りだね。楽しいデートになって良かったよ」
「良かったぜ」
「みんなで提案してみて良かったですね」
「そうだね、陽葵ちゃん。カズ君と優奈ちゃんが楽しいデートができて嬉しいよ!」

 井上さんや佐伯さん達は笑顔でそう言ってくれる。また、発案者である井上さんは特に嬉しそうにしていて。そのことに胸が温かくなった。

「あたし達5人も楽しく過ごしたよ! 色々なものを食べたり、輪投げで遊んだりしたよ」

 佐伯さんは楽しそうな笑顔でそう言った。井上さん達は笑顔で「そうだね」とか「楽しかった」と言っていて。

「みんなも楽しい時間を過ごせて良かったよ」
「そうですね」
「うんっ。じゃあ、短冊コーナーの列に並びましょうか」

 佐伯さんがそう言い、俺達は賛成した。
 俺達は短冊コーナーの列の最後尾へ向かう。短冊コーナーは人気があり毎年長い列ができるけど、今年も列が長いなぁ。
 短冊コーナーの列は2列の形で並ぶことになっている。最後尾は若い男性1人だけが並んでいた。なので、その男性の隣に西山が並ぶ。そこから、井上さん&佐伯さん、俺&優奈、真央姉さん&陽葵ちゃんの順番で並んだ。ちなみに、俺の前には佐伯さん、後ろには真央姉さんが並んでいる。

「和真君は短冊に書く願いごとって決まっていますか?」
「ああ、決まってるよ。このお祭りに来ると毎回書くから、何日か前に今年は何を書こうかなって考えて。考え始めてすぐに決まったよ」
「そうだったんですか。どんな願いごとなのか楽しみです」
「ああ。優奈も決まっているか?」
「はい。私も短冊に書く願いごとはもう決まっています。和真君と同じで、何を書こうか考え始めたらすぐに決まりました」
「そうか。どんな願いごとなのか楽しみだ」

 優奈はどういった願いごとを短冊に書くだろうか。とても楽しみだ。

「あの、みなさん。これまで、萌音や優奈や陽葵ちゃんと一緒にこのお祭りに来たときは、笹に飾った短冊を見て他の人の願いごとを見る形にしていて。今回もその形にしようかなと思っているんですけど……どうですか?」

 佐伯さんが俺達に対してそんな提案をしてくる。

「私はいいわよ、千尋」
「賛成です、千尋ちゃん」
「あたしも賛成です!」

 去年までも佐伯さんと一緒にお祭りに来たことのある優奈、井上さん、陽葵ちゃんはすぐに賛成した。
 これまで、俺が七夕祭りに来たときは、佐伯さんの言うように笹に飾って他の人に見てもらうこともあれば、短冊に書いたらすぐに見せ合うこともあった。まあ、笹に飾った短冊を見て他の人の願いごとを知る方が風情も感じられて良さそうか。

「俺は佐伯さんの提案に賛成だ」
「俺もかまわないぜ」
「私も千尋ちゃんの提案に賛成だよ」

 俺、西山、真央姉さんも佐伯さんの意見に賛成した。
 全員が賛成したのもあってか、佐伯さんは嬉しそうな笑顔になる。

「ありがとうございます! では、笹に飾ってから、他の人の願いごとを見ることにしましょう」

 佐伯さんがそう言うと、俺達はみんな頷いた。
 その後は優奈達と七夕祭りのことや最近観ているアニメのことなどを中心に話しながら、待機列での時間を過ごした。話すのが楽しいのもあり、俺達の番になるまではあっという間に感じられた。
 短冊コーナーには複数の長机が用意されている。俺と優奈は同じ長机に向かう。ちなみに、他の人達は別の長机に。書き終わったら笹の近くで待ち合わせをすることにしている。
 長机には赤、青、黄色、緑、ピンク、水色など様々な色の短冊とサインペンが用意されている。
 俺は青い短冊とサインペンを手に取った。青にしたのは好きな色なのと、先日、プールデートのために水着を新調したとき、優奈が青い水着を選んでくれたのもある。ちなみに、優奈はピンク色の短冊を手に取っていた。
 俺はサインペンで短冊に、

『大好きな妻の優奈と一緒に毎日を楽しく過ごしていけますように。 長瀬和真』

 という願いごとを書いた。
 どんな願いごとを書こうか考え始めたとき、優奈の笑顔が頭に思い浮かんだ。それがきっかけに、優奈と一緒に毎日楽しく過ごしていきたいという願いごとに決めたのだ。

「よし、書き終わった」
「私もです。笹の近くに行きましょうか」
「ああ」

 優奈と一緒に笹の近くまで向かう。そこには俺達よりも前に並んでいた西山、井上さん、佐伯さんの姿があった。
 また、俺達が来た直後に、真央姉さんと陽葵ちゃんも来た。
 佐伯さんと井上さんの提案で、みんなで近いところに短冊を笹に飾った。
 無事に短冊を飾り終わり、みんなの短冊を見ることに。さあ、どんな願いごとを書いたのかな。


『大好きな夫の和真君と一緒に毎日を楽しく過ごせますように。 長瀬優奈』

『楽しい日々を過ごし、その中で女性のおっぱいをいっぱい堪能したい! 井上萌音』

『残りの高校生活もバスケも楽しむ! 佐伯千尋』

『サッカーを楽しむ! 大会を勝ち進む! 西山颯太』

『勉強もテニスも頑張る! 有栖川陽葵』

『毎日を楽しく過ごせますように! それと、カズ君&優奈ちゃん夫婦が末永く仲良くいられますように!! 長瀬真央』


 みんな……とてもいい願いごとを書いているなと思う。
 あと、優奈の願いごとが俺と重なっていることがとても嬉しい。同じことを思ってくれているのか、優奈はニコニコとした笑顔で俺を見てくる。

「和真君と私の願いごと……同じですね。嬉しいです!」
「俺も嬉しいよ。この願いごとはすぐに思い浮かんだんだ」
「私もです。……一緒に毎日楽しく過ごしていきましょうね」
「そうだな」

 俺がそう言うと、優奈の口角がさらに上がる。満面の笑みを浮かべた優奈の顔が段々と近づいてきて、
 ――ちゅっ。
 と、キスしてきた。
 あぁ……優奈の唇いいな。柔らかくて、温かくて。とても心地いい。時にはこうしてキスをして、優奈と一緒に毎日楽しく過ごしていきたい。
 数秒ほどして優奈の方から唇を離した。キスする前と同じく、目の前には優奈の満面の笑顔があって。キスしたから、頬を中心にほんのりと赤らんでいて。本当に可愛い。

「ふふっ。お姉ちゃんと和真さん、本当にラブラブですねぇ」
「ラブラブだよねぇ、陽葵ちゃん」
「夫婦の仲がとても良くて何よりだぜ」
「優奈と長瀬君、あとは真央さんの後半部分の願いごとは叶いそうですね」
「そうだね、萌音ちゃん。お姉ちゃん嬉しいよ!」

 と、みんなは俺達のことを見ながらそう言う。照れくささはあるけど、みんな笑顔で言ってくれたので嫌な気持ちは全くない。それに、井上さんと真央姉さんが「願いごとが叶いそうだ」と言ってくれたのもあって嬉しい気持ちだ。優奈も同じような気持ちなのか、「えへへっ」と声に出して笑っていた。
 その後、

「あの。みんなの願いごとが書かれた短冊を撮りたいです」

 と、佐伯さんが申し出た。俺達6人が快諾し、佐伯さんは俺達みんなの短冊が1枚に収まるようにスマホで撮影していた。その写真は、この7人がメンバーのグループトークにアップしてくれた。
 俺は佐伯さんがアップした短冊の写真をさっそく確認する。みんな短冊の色が違うので、カラフルで華やかな印象だ。
 どうか、みんなの願いごとが叶いますように。そう願いながら、短冊の写真をスマホに保存した。
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