高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ

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夏休み編

第4話『結衣と姫奈の物販バイト』

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 夏休み最初の一週間はシフトが入っている日はバイト中心に頑張り、入っていない日はどちらかの家で結衣と一緒に課題を頑張った。胡桃や伊集院さん、中野先輩と一緒に課題をする日も。そのおかげで、一週間のうちに夏休みの課題の大半を片付けられた。
 そういった日々を過ごす中、関東地方は梅雨明け。ついに夏本番となり、連日晴れが続くようになった。



 7月27日、土曜日。
 今日は7人組女性アイドルグループ・ニジイロキラリのコンサート1日目。つまり、結衣と伊集院さんの物販バイト1日目でもある。午前中に2人からメッセージがあり、2人は物販ブースで接客を担当することになったそうだ。
 午後2時過ぎ。
 俺は今、コンサート会場である国立武道館の最寄り駅に向かう地下鉄の中にいる。バイトをしている結衣と伊集院さんの様子を見に行くためだ。あと、グッズはチケットを持っていない俺でも買えるから。2人のどちらかに接客されたいな。2人には午後に物販ブースへ行くと伝えてある。
 ちなみに昨日、カラオケに行った5人がメンバーのグループトークに、結衣と伊集院さんから『接客は初めてなので、心がけや気をつけた方がいいことを教えてほしい』とメッセージが届いた。なので、

『何かあったり、分からないことがあったりしたら、周りの人に頼るようにしよう』

『お金周りのことは特に気をつけて。合計金額、お客様から受け取った金額、渡すお釣りは間違えないようにね』

『初めてで緊張すると思うけど、笑顔を大切にね。あと、熱中症対策もしっかりとしてね。物販ブースが外なら特に』

 接客業のバイトをしている俺、胡桃、中野先輩がそれぞれアドバイスメッセージを送った。これらのアドバイスで、2人の不安が少しでも解消されたら幸いだ。

『まもなく、八段下はちだんした、八段下。お出口は左側です』

 おっ、国立武道館の最寄り駅の八段下駅はもうすぐか。このアナウンスが流れ、進行方向左側の扉の近くに動く人がちらほらと。もしかしたら、この中にはニジイロキラリのコンサートに参加したり、物販ブースに行ったりする人がいるのかもしれない。
 それから程なくして、電車は八段下駅に到着。
 地下鉄のホームだから、電車を降りても涼しいな。武蔵金井駅は地下鉄の駅じゃないので結構暑かった。涼しい場所で電車を待てる駅はいいなって思う。
 お手洗いで用を足し、国立武道館に一番近い出口から外へ出る。

「あっついな……」

 40分ほど涼しい場所にいたから、物凄く暑く感じるなぁ。
 周りを見渡すと、国立武道館の外観の一部が見えた。そこに向かって歩く人達がたくさんいて。俺もそんな人達についていく形で、国立武道館の方へ向かう。
 最高気温が35度予想なだけあって、歩き始めてすぐに汗が出始める。もし、物販ブースが外だったら、結衣と伊集院さんは暑い中でバイトしていることになる。
 2、3分ほど歩いて、国立武道館の敷地の中へ。

「おおっ、凄いなぁ」

 目の前には、今までテレビやネットで何度も見たことがある国立武道館が。猛暑だし、中には入れないけど、有名な場所を実際に見ると気分が上がってくる。俺の好きなアーティストが何組もここでコンサートを開いているし。スマホで何枚か写真を撮った。
 武道館の周りにはたくさんの人がいる。中には、メンバーの顔写真が貼られたうちわや、コンサートグッズを持っている人もいる。俺のようなグッズ販売のみに来ている人もいるだろうが、ニジイロキラリの人気の高さが窺える光景だ。
 近くには案内板が設置されているので、それを見てみる。すると、物販ブースは武道館の横に設置されているとのこと。やはり、屋外にあったか。
 案内板に従って物販ブースの方へ歩くと、多くの人で列を成していた。その先には白いテントがあり、テントにはコンサートグッズの写真が貼られた板が設置されている。一部の商品には『完売しました!』と赤いシールが貼られていた。どうやら、あのテントが物販ブースで、あそこで結衣と伊集院さんが売り子として働いているようだ。
 列には並ばず、物販ブースのテントの横まで行ってみる、さて、結衣と伊集院さんはどこにいるかな。

「ありがとうございましたー」

 結衣のそんな声が聞こえてきた。ブースにいるのは確実か。
 端からテントを見ていくと……黄色のTシャツを着た結衣がいた。隣に赤色のTシャツを着た伊集院さんも。Tシャツ姿も似合っているな。2人とも笑顔で接客している。今のところは大丈夫っぽいな。2人のいるところは、テントで日陰になっているし。
 あと、2人は違う色だけど、同じデザインのTシャツを着ている。テントの中にいる他の人も。きっと、あれはスタッフ用に配布されたTシャツなのだろう。よーく見てみると、全部で7色ある。グループのメンバー7人にはそれぞれイメージカラーが設定されているから、それに合わせているのだろう。
 人の視線って察せるものだろうか。結衣と伊集院さんを再び見ていたら、すぐに結衣がこちらを向いた。俺と目が合うと、結衣は笑顔になり軽く右手を挙げていた。隣にいる伊集院さんも同じように。そんな2人に、俺は小さく手を振る。俺の姿を見て、2人が少しでも元気になったら嬉しい。
 物販ブースの全景と、結衣と伊集院さんが並んで接客しているところをスマホで撮影した。

「なあ。あの黄色いTシャツを着た黒髪の女の子、可愛くなかったか?」
「凄く可愛かったな。スタイルも抜群だったし。隣にいたピンクの縦ロールの子も可愛かったと思うぞ。メンバーと同じくらい可愛いよな。もしかして、ニジキラの事務所の子だったりして?」
「そんなことあるかぁ? 単なるバイトじゃねえか? せいぜい事務所スタッフだろ」
「ははっ、そうかもな。もし、事務所スタッフなら、将来はタレントになる可能性があるかもしれない」
「2人とも可愛いもんな。あと、彼氏いそうだなぁ」

 近くにいる男性達のそんな話し声が聞こえてきた。ご名答。黄色いシャツの子には彼氏がいて、その彼氏が俺です。
 彼氏や友人の立場もあるけど、スタッフTシャツを着ている女性達の中では、結衣と伊集院さんが群を抜いて可愛いと思う。今の男性達と同じように、2人が事務所に所属するタレントと思う人は何人もいそうだな。結衣は特にどこでも注目されるなぁ。
 結衣と伊集院さんと会えたので、俺は物販ブースの列に並ぶ。
 周りの人よりも背が高いから、列の様子が見える。……結構な人数が並んでいるな。カウンターがいくつもあるから、定期的に前に進む。それでも、それなりの時間並ぶことになりそうだ。まあ、1週間後には旅行で海水浴をする予定だし、暑さに慣れるいい機会だと思っておこう。
 ちなみに、物販ブースで買おうと思っているのは、今回のコンサートタイトルにもなっている最新アルバム。知っている曲もいくつも収録されているし、今後の曲作りのヒントになるかもしれないから。メンバーも可愛いし、MVとかが収録されたBlu-ray付きの初回盤を買うつもり。特に結衣に似ているエースの黒髪の子と、リーダーの金髪の子が可愛い。正面にあるグッズ一覧を見ると……アルバムには売り切れシールは貼られていないな。
 それにしても、列を見ていると、女性も結構いるな。女性のアイドルグループだから、ファン層は男性ばかりかと思っていたけど。……そういえば、カラオケに行ったとき、伊集院さんは中学時代からニジイロキラリの曲を聴いているって言っていたっけ。
 携帯音楽プレーヤーに入っているニジイロキラリの曲を聴いたり、スマホでネット小説を読んだりして、並ぶ時間を潰していく。熱中症にならないように、たまに水を飲んだり、レモン味の塩タブレットを食べたりもして。
 そういったことをしているうちに、次の次が俺の番になった。結衣か伊集院さんのどちらかのカウンターに行けるといいんだけど。

「次の方、どうぞー」

 そんなことを考えていると、結衣の声が聞こえてしまった。運が悪かったか。俺の一つ前に並んでいる女性が歩き始める。そのとき、

「こちらもどうぞー」

 と、別の女性スタッフが声を掛けた。そのスタッフは結衣よりも近いカウンターを担当している。だからか、歩き始めた女性はそのスタッフの方へ。

「こちらにどうぞ!」

 結衣の元気な声が聞こえてくる。結衣の方を見ると、結衣は嬉しそうな表情でこちらに手を挙げている。まさかの運気V字回復とは。神様も粋な演出をしてくれる。俺は結衣の担当するカウンターへと向かう。

「いらっしゃいませ!」
「お疲れ様、結衣。……伊集院さんも」

 伊集院さんの接客が終わったので、伊集院さんにも労いの言葉を掛ける。すると、結衣と伊集院さんは俺に爽やかな笑顔を見せてくれる。

「ありがとう、悠真君」
「ありがとうなのです、低田君。……次の方、こちらにどうぞ!」

 接客のときは、いつもの「なのです」口調ではなくなるんだな、伊集院さん。

「運良く結衣のところに来られたよ」
「私も運いいなって思ったよ」
「そっか。……どうだ、結衣。初めて接客のバイトをしてみて」
「最初は緊張したけど、段々慣れてきたよ。隣のカウンターに姫奈ちゃんもいるから心強いし。あと、これからコンサートに行く人が多いからかな。大半のお客さんは楽しそうな顔をしてる。だから、接客もしやすいかな」
「それは良かった」

 コンサートに参加する人にとっては、開演前の今の時間も楽しいのだろう。あとは、炎天下の中で長い時間並び、ようやくグッズが買えるんだ。だから、笑顔になる人もいるんじゃないだろうか。

「結衣。熱中症対策にレモン味の塩タブレットを渡すよ。休憩時間のときにでも伊集院さんと食べて」
「ありがとう、悠真君!」

 個別包装されている塩タブレットを数粒ほど結衣に渡す。結衣はそのタブレットをスラックスのポケットの中に入れた。

「ところで、悠真君。何のグッズをお求めですか?」
「最新アルバムの初回限定盤を1つ。以上で」
「アルバムの初回限定盤お1つですね。少々お待ちください」

 おおっ、売り子さんらしい。接客されるのは初めてだから新鮮だ。あと、これまでバイト中に来店してきた結衣を何度も接客しているので、ちょっと不思議な感じもある。

「こちらの商品ですね」
「はい」
「4000円になります」

 俺は財布から取り出した5000円札を結衣に渡す。

「5000円お預かりしましたので、1000円のお返しになります」
「ありがとう」

 結衣からお釣りの1000円を受け取る。普段と逆の立場だから不思議な感覚だなぁ。

「いい感じに接客できているね」
「ありがとう。あと、CDを1枚買うとランダムでブロマイド1枚プレゼントだよ。はいっ、どうぞ!」
「ありがとう」

 俺は結衣から購入したアルバムと特典ブロマイドを受け取る。そのときの結衣が満面の笑みを浮かべてくれるので、アルバムのお渡し会のような感じだ。家に帰ったら、さっそくこのアルバムを聴こう。

「あとね……」

 そう言うと、結衣は俺の左頬にキスをしてきたのだ。しかも、ちょっと舐められた。そのことにドキッとした。
 結衣のことを見ると、結衣ははにかむ。

「悠真君だけの特別な購入特典です。私と姫奈ちゃんの様子を見に来てくれたことのお礼でもあるよ」

 結衣は俺の目を見てニッコリと笑う。その笑顔はアルバムジャケットに写っているニジイロキラリのどのメンバーの笑顔よりも可愛くて。キスだけじゃなくて、この笑顔も特別な特典に思えるよ。

「そいつはどうも。でも、今は仕事中なんだから、こういうことはしないようにね」
「……どうもすみません」

 と言いながらも、結衣の顔から笑みが消えることはなかった。そんな結衣の頭をポンポンと撫でる。

「私もそのアルバムを買って聴いたけど、とてもいいアルバムだよ」
「そうなんだ。帰ったらさっそく聴くよ。……さてと。今も列で待っている人がいるし、俺はこれで帰るよ」
「うん、分かった。来てくれてありがとう。元気になったよ。あとで、姫奈ちゃんと塩タブレットいただくね」
「ああ。バイト頑張ってね、結衣、伊集院さん」

 俺は2人に小さく手を振って、物販ブースを後にする。
 ブロマイドを確認すると、アルバムジャケットと同じ服装のメンバー全員がピースサインしている写真だった。アルバムと一緒に大切に保管しておこう。
 アルバムとブロマイドをバッグにしまい、俺は武道館を後にするのであった。



 夜。
 物販ブースで買ったアルバムの特典Blu-rayを観ているときに、5人のグループトークに結衣と伊集院さんから『バイトが無事に終わって、家に帰ってきた』とメッセージが送られた。あと、俺が差し入れた塩タブレットが美味しかったとのこと。
 初めての接客バイトの初日が終わった結衣と伊集院さんに、俺と中野先輩、胡桃は『お疲れ様!』と労いのメッセージを送った。



 翌日。
 今日は俺もバイトがある。だからだろうか。朝に結衣から個別トークで、

『今日はお互いにバイトを頑張ろうね!』

 とメッセージをくれた。こういうメッセージをくれるのは初めてなので凄く嬉しかった。あまりにも嬉しかったからスクリーンショットして。

『頑張ろうな。』

 と、結衣に返信を送った。
 俺は日中の間はずっとバイト。ただ、結衣と伊集院さんも物販ブースで接客のバイトを頑張っていると思うと、凄くやる気が出てきて。あまり疲れることなく、長時間のバイトをやりきった。
 今日も夜にグループトークに結衣と伊集院さんから、家に帰ってきたことと2日分のバイト代をもらったとメッセージが送られた。2人とも、暑い中で初めての接客バイト本当にお疲れ様。
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