高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ

文字の大きさ
180 / 279
夏休み編5

第3話『お泊まり女子会-④-』

しおりを挟む
 悠真君と芹花お姉様とのテレビ電話を切った頃には午後11時近くになっていた。
 明日は柚月が午前中からテニス部の練習があったり、胡桃ちゃんのバイトがお昼前からあったりするので、そろそろ寝ようということになった。
 みんなで、ローテーブルを動かしてふとんを敷いたり、歯を磨いたりと寝るための準備をする。柚月や千佳先輩といった学年の違う人もいるけど、こういうことをしていると修学旅行とか校外学習みたいで楽しいな。

「さてと。泊まりに来たのが3人なので、ふとんを3組敷きましたが……みなさんはどこで寝ますか? 私は自分のベッドがありますからベッドで寝ますが。ちなみに、柚月はお姉ちゃんの部屋で寝る? それとも、自分の部屋に戻る?」
「せっかくみんなが来ているんだから、お姉ちゃんの部屋で寝たいよ!」
「だよね」

 柚月とも仲良くしてくれる友達が泊まりに来たときには、柚月も私の部屋で寝ることがほとんどだ。

「柚月ちゃんもこの部屋で寝るなら、誰か一人が高嶺ちゃんと一緒にベッドで寝るのが一番いいかな。もう一枚敷くのはちょっとキツそうだし」
「それが良さそうですね、千佳先輩」
「何人かでここでお泊まりしたときは、誰かが結衣と一緒にベッドで寝るのが恒例なのです。柚月ちゃんが一番多いのですが、あたしも一緒に寝たことがあるのですよ」
『へぇ~』

 初めて泊まりに来た胡桃ちゃんと千佳先輩の声が見事にシンクロ。それが面白かったようで、2人は互いの顔を見ながら楽しそうに笑っている。

「4人なら、誰と一緒に寝てもいいですよ。スペース的にも大丈夫ですし」

 私より体の大きな悠真君とでも、ベッドから落ちちゃうことはないし。それに、経験のある柚月と姫奈ちゃんはもちろんのこと、未経験の胡桃ちゃんや千佳先輩とでも、体をくっつけてもよく眠れそうだから。

「あたし、ふとんがいいですっ!」

 右手をピシッと挙げて、柚月が元気良く希望を言ってきた。

「普段はベッドですから、ふとんで寝ると特別な感じがして。それに、お姉ちゃんとはお泊まりじゃないときにもたまに一緒に寝てますし」
「そうだね。柚月がこう言ってますけど、3人はそれでもいいですか?」
「うん、あたしはいいよ。寝たい場所があるなら、それを叶えさせてあげたいし」
「あたしもかまわないのですよ」
「あたしもかまわないよ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございますっ!」

 柚月は胡桃ちゃん、姫奈ちゃん、千佳先輩に元気良くお礼を言った。大変よろしい。3人も柚月に優しく微笑みかけてくれている。姉として安心した。
 4人なら誰でもいいと言ったけど、正直、柚月とベッドで一緒に寝る可能性が一番高いと思っていた。だから、この展開はちょっと予想外。それと同時に、泊まりに来た3人のうち、誰が私と一緒に寝ることになるのかワクワクする。

「……あたし、結衣ちゃんと一緒にベッドで寝たいな」

 胡桃ちゃんが右手を顔の高さまで挙げ、そう言ってくる。

「結衣ちゃんと同じ部屋で寝るのはこれが初めてだし。せっかくなら、結衣ちゃんのすぐ側で寝てみたいなって。いいかな?」

 ベッドで寝たい理由を話すと、胡桃ちゃんは私中心にみんなのことを見ていく。

「もちろんいいよ! 胡桃ちゃん!」
「結衣がいいのであれば、あたしはかまいませんよ」
「伊集院ちゃんと同じだよ、華頂ちゃん」
「あたしもいいと思いますよ、胡桃さん!」
「ありがとう!」

 胡桃ちゃんはニコッと嬉しそうな表情を見せる。そんな胡桃ちゃんがとても可愛いことと、私のベッドで一緒に寝たいと言ってくれた嬉しさで、気づけば胡桃ちゃんのことを抱きしめていた。

「今夜は私のベッドで寝ようね、胡桃ちゃん!」
「うんっ、よろしくね!」

 胡桃ちゃんは笑顔のまま至近距離で私のことを見つめてくれる。そんな胡桃ちゃんが本当に可愛らしかった。
 私のベッドには胡桃ちゃんと私、ふとんには柚月と姫奈ちゃんと千佳先輩が寝ることになった。4人はそれぞれ自分の寝る場所に入っていく。
 私は部屋の電気を消して、自分のベッドに入る。胡桃ちゃんがいるおかげでベッドから甘い匂いが香ってきて。
 ベッドライトを点けると、すぐ近くには横になりながらこちらを見る胡桃ちゃんがいて。凄く可愛いんですけど。

「このベッドはセミダブルだから、胡桃ちゃんと体がどこかしら触れるね。大丈夫?」
「大丈夫だよ。むしろ、触れているからいいくらい。一緒にお風呂に入って、湯船の中では抱きしめ合ったからかな」

 甘さも感じられる優しい声色でそう言うと、胡桃ちゃんは持ち前の柔らかな笑みを向けてくる。ベッドライトの暖色系の光に照らされているのもあり、艶やかさも感じられて。胡桃ちゃんから温もりと甘い匂いを感じるからちょっとドキッとする。

「胡桃ちゃんがそう言ってくれて良かった」
「……ベッドも気持ちいいし、結衣ちゃんのいい匂いもするから今夜はよく眠れそうだよ」
「私もよく眠れそう。胡桃ちゃんが寝たいって言ってくれて良かった」
「そう言ってくれて嬉しいよ」

 ふふっ、と胡桃ちゃんは小さな声で笑う。本当に可愛いなぁ。可愛いが擬人化した存在に思えてくるよ。
 ふとんの方を見ると、3人はうつぶせの体勢になっており、こちらを見ている。

「もう寝ますか? それとも、少しお話ししますか?」
「お話ししようよ! せっかくのお泊まりなんだし!」
「柚月ちゃんの言う通りだね。秋の修学旅行の予行演習にもなるし」

 修学旅行の夜のお話に予行演習って必要なんですか……と心の中でツッコむ。

「確かに、修学旅行の夜には色々とお話ししたのです。ね、結衣」
「消灯時間の後に話したね。先生の見回りのときはふとん被ってごまかして」
「あたしも中学の修学旅行のときに同じことをしたよ」
「去年の小学校の修学旅行で、夜にお話ししました!」

 どの学校でも、修学旅行の夜は遅くまで同じ部屋の子と話すのは定番だよね。

「それでは、何を話しましょうか。修学旅行の夜の定番は恋バナですが」
「恋バナいいね、高嶺ちゃん。……みんな、好きな人とか気になっている人っている? まあ、高嶺ちゃんには悠真っていう恋人がいるけど」
「私は悠真君一筋ですよ! 付き合い始めてから悠真君のことがより好きになっていますね」

 悠真君に恋してから、毎日がより楽しくなっている。今年の夏休みは今までの中で一番楽しいし。……あぁ、悠真君のことを考えたら悠真君と会いたくなってきた。

「ははっ、高嶺ちゃんらしい」
「普段の結衣と低田君を見ていると、結衣の言葉には頷けるのです」
「そうだね、姫奈ちゃん」
「悠真さんと付き合い始めてから、お姉ちゃんは幸せな笑顔を見せることが多くなったよね」
「悠真君から幸せをたくさんもらっているからね」

 私も悠真君に幸せをもたらせていたら嬉しい。私と一緒にいるときは楽しそうにしていることが多いし、そうだったらいいな。

「華頂ちゃんはどうかな?」
「あたしは……今でもゆう君への好きな気持ちがありますね。ゆう君はとても素敵な人ですし。ゆう君よりも好きな人と出会うことはそうそうないんじゃないかなって思います」

 いつもの優しい笑顔で胡桃ちゃんはそう言った。すぐ近くにいる私の顔を見るとニコッと笑いかけてきて。今の言葉からして、ゆう君への好意は今も強く抱いているのだと分かる。
 姫奈ちゃん達は3ヶ月ほど前に胡桃ちゃんがゆう君に告白して、失恋したことは知っている。ただ、気まずそうな表情を見せる人は一人もおらず、優しげな笑顔を胡桃ちゃんに向けている。きっと、失恋後も胡桃ちゃんと悠真君が楽しく話す姿を見ているからだろう。

「……って、良かったのかな。恋人の結衣ちゃんがいる前でこんなことを言っちゃって」
「気にしないでいいよ、胡桃ちゃん。胡桃ちゃんの気持ちは知っているし。それに、恋人が素敵だって言われるのは嬉しいから」

 胡桃ちゃんの目を見つめながら私は正直な想いを伝える。
 私の想いがちゃんと伝わったのか、胡桃ちゃんは口角を上げてしっかり頷いた。

「ありがとう、結衣ちゃん」
「いえいえ」
「……まあ、悠真はいい男だよね。バイトの仕事を一から教えたのもあるけど、しっかり働く今の悠真を見ると頼もしくていいなって思うよ。そういう風に思える人は他にいない……かも」

 そう言うと、千佳先輩はちょっと恥ずかしそうな様子になり、視線をちらつかせる。こういう先輩は見たことがないので可愛いし、新鮮だな。指導係だから、千佳先輩はバイトしている間は悠真君の側にずっといる。その中で成長していく姿を見たら、悠真君をいいなって思うのも自然なことだと思う。
 姫奈ちゃんと柚月も私と同じことを思ったようで「可愛いですっ」と言う。胡桃ちゃんも「ふふっ」と楽しそうに笑っている。その人の気持ちが分かると盛り上がるよね。

「つ、次は伊集院ちゃんの番だよ。好きな人とか気になっている人はおらんかね?」
「ふふっ、口調がおかしくなっているのですよ」
「私も中学からの親友として気になるな」

 悠真君と付き合い始めてからは姫奈ちゃんと一緒にいる時間が減っているし。私の気づかない間に好きな人や気になる人ができているかもしれない。

「好きな人はいないのです。ただ、気になる人というか、憧れの人はいるのです」
「憧れの人かぁ。誰なの、姫奈ちゃん」
「あたしも気になる」
「気になります!」
「誰なのかな、伊集院ちゃん」

 ふとんで寝ている柚月と千佳先輩が、姫奈ちゃんのふとんの中まで移動する。私と胡桃ちゃんも注目しているからか、姫奈ちゃんははにかんだ笑顔を見せるように。

「……あ、杏さんなのです」
『おっー!』
「お、お姉ちゃん?」

 私と柚月、千佳先輩は高い声を漏らし、これまでで一番盛り上がる。しかし、姉の名前が出たからか、胡桃ちゃんだけは驚いている様子だった。

「お姉ちゃんの名前が出てくるとは思わなかったな……」
「れ、恋愛的な意味はないのですよ。ただ、杏さんって背が高くてスタイルが良くて、美人で凛とした雰囲気がありますし、しかも聡明な方ですから彼女のような女性になりたいという憧れがあるのです」

 とても早口に杏さんの憧れポイントを言う姫奈ちゃん。だからか、姫奈ちゃんの目が普段よりも輝いて見える。

「……そういえば、春頃に今みたいな理由で杏さんを素敵だって言っていたっけ」
「あたしの家のアルバムを見たとき、お姉ちゃんの写真をしっかり見ていたね」
「そうだったね」

 思い返せば、杏さんを憧れているような言動をしていたな。そのときの姫奈ちゃんは……可愛い笑顔をしていたっけ。

「杏さんは素敵な女性だもんね」
「伊集院ちゃんが憧れる気持ち分かる。大人っぽい人だよね」
「お姉ちゃんに写真を見せてもらいましたけど、杏さんは素敵な女性ですもんね」
「妹の目から見ても、お姉ちゃんは尊敬するところの多い女性だと思うよ」
「……はいっ」

 姫奈ちゃんはニッコリと笑顔を見せてそう返事した。その笑顔はこれまで杏さん絡みの話題になったときに見せる可愛らしいもので。姫奈ちゃんなら、杏ちゃんのような素敵な女性になっていけるんじゃないかと思う。

「ゆ、柚月ちゃんは好きな人や憧れの人はいないのですか?」
「お姉ちゃんとして気になる」
「いませんねー。ただ、お姉ちゃんが悠真さんと本当に仲が良くて幸せそうなので、悠真さんのような人と付き合えたらいいなって思いますね」
「いいこと言うね! さすがは私の妹!」

 食い気味にそう言うと、柚月達はみんな楽しそうに笑う。
 悠真君の恋人として嬉しいよ。あと、妹から悠真君と幸せそうなカップルだと思われていることも嬉しい。

「柚月なら、きっと悠真君のような素敵な人と付き合えるよ」
「ゆう君の部分を強調したね。あたしもそう思うよ」
「柚月ちゃんは結衣のように可愛くていい子なのですからね」
「伊集院ちゃんの言う通りだね」

 柚月は明るくて快活な子だからね。きっと、柚月がいいなって思える人といつか付き合えると思う。
 それからも恋バナやアニメの話とかで話が盛り上がって、寝ることになったのは日が変わってからだった。スマホで目覚ましを掛けておいたので、みんなが寝坊しちゃうことはないだろう。

「胡桃ちゃん。お泊まり会したいって言ってくれてありがとう。今日は凄く楽しかったよ」
「ありがとうなのです、胡桃」
「ありがとう、華頂ちゃん」
「ありがとうございます、胡桃さん!」

 私達4人はこのお泊まり会のきっかけを作ってくれた胡桃ちゃんにお礼を言う。
 胡桃ちゃんは目を細め、とても嬉しそうな笑顔になり、

「いえいえ。でも、やってみたいことをちゃんと言うのは大切だなって思いました。あたしも5人でお泊まり女子会ができて楽しかったです。ありがとうございます」

 穏やかな口調で私達にお礼を言ってくれた。私が頭を優しく撫でると、「えへへっ」と可愛く笑って身を寄せてきた。もう、本当に胡桃ちゃん可愛いよ。たまらない。

「じゃあ、寝ようか。おやすみなさい」
『おやすみなさ~い』

 私はベッドライトを消して、胡桃ちゃんと一緒にベッドで眠り始める。
 一緒に寝る胡桃ちゃんはとても温かくて、柔らかくて、甘くていい匂いがして。目を閉じてから程なくして眠りに落ちていった。


 私と一緒にお泊まりしてみたいって胡桃ちゃんが言ってくれたおかげで、今年の夏休みの素敵な思い出がたくさんできた。
 またいつか、お泊まり女子会をしたいな。今度は芹花お姉様や杏樹先生も一緒にね。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2026.1.21)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

疎遠だった叔父の遺産が500億円分のビットコインだった件。使い道がないので、隣の部屋の塩対応な美少女に赤スパ投げまくってる件

月下花音
恋愛
貧乏大学生の成瀬翔は、疎遠だった叔父から500億円相当のビットコインが入ったUSBメモリを相続する。使い道に困った彼が目をつけたのは、ボロアパートの薄い壁の向こうから聞こえる「声」だった。隣人は、大学で「氷の令嬢」と呼ばれる塩対応な美少女・如月玲奈。しかしその正体は、同接15人の極貧底辺VTuber「ルナ・ナイトメア」だったのだ! 『今月ももやし生活だよぉ……ひもじい……』 壁越しに聞こえる悲痛な叫び。翔は決意する。この500億で、彼女を最強の配信者に育て上げようと。謎の大富豪アカウント『Apollo(アポロ)』として、5万円の赤スパを投げ、高級機材を即配し、彼女の生活を神の視点で「最適化」していく。しかし彼はまだ知らなかった。「金で買えるのは生活水準だけで、孤独は埋められない」ということに。500億を持った「見えない神様」が、神の座を捨てて、地上の女の子の手を握るまでの救済ラブコメディ。

陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!

みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!  杉藤千夏はツンデレ少女である。  そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。  千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。  徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い! ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

処理中です...