高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ

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2学期編3

第8話『文化祭の準備』

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 翌週の火曜日にはクラスTシャツが届いた。
 事前に決めた通り、水色のTシャツで、前面にはメイド服と執事服のシルエット絵が描かれ、背面にはローマ字で自分の名前と出席番号が描かれている。ちなみに、それぞれの番号は俺が14、結衣は28、伊集院さんは21。また、担任教師だから出席番号のない福王寺先生は0だ。
 水色だから爽やかだ。前面に描かれたシルエット絵は可愛らしい。背面に描かれている名前と背番号はシンプルでいいなって思う。
 サイズが合っているかどうかチェックするために、昼休みにみんなで試着した。生徒も福王寺先生もみんなサイズが合っていた。

「似合っているよ、悠真君! 爽やかでかっこいい!」
「似合っているのです」
「低田君、似合ってるよ」

 結衣達がそう言ってくれたのが嬉しくて。俺も3人に似合っていると伝えると、結衣達も嬉しそうにしていた。
 結衣達と写真を撮ったり、委員長の女子生徒の提案でクラス全員でも写真を撮ったりした。
 また、結衣から、この日のスイーツ部の活動で、部活Tシャツの試着をしたとメッセージがきた。Tシャツ姿の結衣と伊集院さんと胡桃と福王寺先生の写真を送ってくれて。ピンク色のTシャツで、前面には出し物であるベビーカステラのイラストがプリントされていて可愛らしい。
 また、結衣は背面の写真も送ってくれて。Tシャツの背面には白くて柔らかいフォントで今年の年号と『かないこうこう すい~つぶ』と書かれていて。背面も可愛いな。結衣に可愛いとメッセージを送ると、結衣から電話が掛かってきて「ありがとう!」とお礼を言われた。
 Tシャツのおかげで、文化祭がますます楽しみになった。



 文化祭もいよいよ今週末となり、開催直前に。
 そのため、文化祭前々日の木曜日と前日の金曜日は、両日とも一日中文化祭の準備に充てられる。
 木曜日は設営係の生徒達が中心となって、クラス全員で1年2組の教室をメイド&執事喫茶の空間にしていく。
 設営係の生徒達がレイアウトや内装を考えてくれていたり、この日までに少しずつ準備してくれていたりしたので、順調に作業が進む。
 ただ、作業中に設営に必要な資材が足りないことが分かった。そのため、学校の近くにあるショッピングセンターやホームセンターへ買い出しに行くことも。ただ、平日の日中に学外に出るという非日常感が味わえて楽しい。一緒に買いに行ったクラスメイト達も楽しそうにしていた。
 買い出しの行き帰りのときを中心に校内の様子を見る。
 文化祭直前だったり、授業がなかったりするのもあってか、学校全体が明るい雰囲気だ。楽しそうにしている生徒も結構いて。普段と違った感じがしていいなって思える。
 結衣と伊集院さんはスイーツ部の出し物であるベビーカステラの屋台の設営をするために、途中でクラスから離れることもあった。顧問の福王寺先生も。スイーツ部の方も順調らしい。
 また、結衣と伊集院さん曰く、胡桃のクラスのお化け屋敷も中野先輩の焼きそばの屋台の準備も順調とのこと。
 途中、資材が足りないときもあったけど、木曜日のうちにメイド&執事喫茶の設営がだいぶ終わった。



 文化祭前日であり準備2日目の金曜日は、お店の設営の残りの作業を行なった。また、調理係の生徒を中心に、提供するドリンクやスイーツの材料を買い出しだ。
 木曜日に設営をだいぶ進めていたので、午前中の間に終わった。買い出しもお昼までに済ませられた。
 設営係が考えた当初のレイアウト通り、教室の前方から3分の2ほどのところでカーテンと袖のところに垂れ幕を貼り、喫茶スペースとバックヤードを区切った。
 喫茶スペースにはテーブル席とカウンター席が設けられている。各席のテーブルには伝票立てが置かれている。この後に接客と調理の練習をするため、テーブルクロスは後で敷くことになっている。メニュー表はあるけど、黒板にメニュー一覧が書かれていて。喫茶店って感じがする。風船やガーランドなどで装飾がなされ、いつもの教室とは全く違った雰囲気だ。
 バックヤードにはいくつも机が並んでおり、飲み物やお菓子を用意する調理台になっている。また、ここにはレンタルした冷蔵庫が置かれており、飲み物やクレープの材料などが入っている。また、このスペースの端には、シフト中の接客係や調理係の生徒が休憩できるスペースもある。
 ちなみに、廊下のうちの教室側の壁には『1-2 メイド&執事喫茶』という文字と、接客係が着るメイド服と執事服のイラストが描かれた看板が貼られている。また、後方の扉には『関係者以外立ち入り禁止です』と書かれた紙が貼られている。ちなみに、この扉を開けるとバックヤードに行ける。文化祭中、スタッフの生徒はここから出入りすることになっている。
 あと、宣伝のためのプラカードを設営係が製作。当日は設営係の生徒達がこれを持って喫茶店を宣伝するとのこと。
 個人的にはとてもいい雰囲気の喫茶店ができあがったと思う。

「じゃあ、本番を想定して、これから接客と調理の練習しようか」

 文化祭実行委員であり接客係の田中さんがそう言った。設営係と衣装係の生徒がお客さん役になってもらうことに。
 また、接客係の服装は制服のままだ。今も他のクラスや部活が準備をしているため、何かの拍子で汚れたり、破れたりする可能性もある。
 ただ、男子は当日に白い手袋を嵌めて接客するので、その状態で物を持つことに慣れるためにも手袋を嵌めることになった。

「じゃあ、最初は悠真君にやってもらおうかな。悠真君が接客係の中で一番接客の経験があるから、お手本ってことで。あと、午後には体育館でステージのリハーサルがあるから、最初にするのがいいかなって」

 笑顔の結衣がそう提案してくる。
 お昼過ぎから、2日目に体育館のステージに出る人や団体のリハーサルがある。だから、結衣の言う通り、最初にやった方がいいか。それに、喫茶店でバイトをしているからお手本になれるかもしれないし。

「分かった。じゃあ、俺が最初にやろう」

 俺は最初に接客することに。また、お客さん役は衣装係の女子生徒がしてくれることになった。
 メニュー表を持って、俺は入口の近くに立つ。
 お客さん役の女子生徒が教室に入ってきた。接客の練習スタートだ。

「おかえりなさいませ、お嬢様。何名様でのご利用でしょうか?」
「1人です」
「1名様ですね。かしこまりました。カウンター席とテーブル席がありますが、どちらの席がよろしいでしょうか?」

 家でも執事らしい口調の練習をしていたのでスラスラと言える。
 スラスラ言うのもあってか、生徒達から『おおっ』と声が漏れる。

「カ、カウンター席をお願いしますっ」

 女子生徒はほんのりと頬を赤くしながらそう言った。

「カウンター席ですね。かしこまりました。ご案内いたします」

 俺は女子生徒をカウンター席へと案内する。ちなみに、接客をしやすくするため、各席には番号が振られている。女子生徒に案内するカウンター席は1番席だ。

「こちらが当店のメニューになります」

 女子生徒が席に座ってすぐ、テーブルにメニュー表を置いた。

「ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」
「はい」

 女子生徒に軽く頭を下げて、俺は女子生徒から少し離れた場所に移動する。
 バイト先で接客するのは基本的にはカウンターだ。だから、席案内を上手にできるだろうかって思ったけど、問題なくできて良かった。

「すみません。注文いいですか?」
「かしこまりました、お嬢様」

 俺は女子生徒の近くまで向かう。

「ご注文をお伺いします」
「アイスティーとチョコバナナクレープをお願いします」
「アイスティーをお一つと、チョコバナナクレープをお一つですね。アイスティーには、ガムシロップとミルクはお付けしますか?」
「どちらもいりません」
「どちらもなしですね。かしこまりました」

 注文票に座っている席の番号と注文されたメニューを書きながら、俺はそう言った。

「確認いたします。アイスティーをお一つと、チョコバナナクレープをお一つでよろしいでしょうか」
「はい。大丈夫です」
「少々お待ちくださいませ、お嬢様」

 女子生徒に軽く頭を下げて、メニュー表を持って、俺は調理係の生徒がいるバックヤードへ向かう。
 端の方に貼られている垂れ幕をくぐり、バックヤードに入る。

「1番席から注文入りました。アイスティー1つとチョコバナナクレープ1つです」

 調理係の生徒達にそう伝え、近くにいる調理係の女子生徒にそう伝えた。
 すると、調理係の生徒達は『はい!』と返事をして、注文されたメニューを用意し始める。
 クレープはこのバックヤードでの手作りだ。先週のロングホームルームで練習したからか、落ち着いた様子でクレープを作っている。
 トレーにアイスティーが入ったプラスチックのコップと、バナナクレープを乗せた可愛らしいデザインの紙皿、ストローが置かれた。

「1番席、アイスティー1つとチョコバナナクレープ1つできあがりました!」
「ありがとうございます。運びます」

 調理係の女子生徒からトレーを受け取り、バックヤードから喫茶スペースに出る。1番席で待っている衣装係の女子生徒のところへと持っていく。

「お待たせしました、お嬢様。アイスティーとチョコバナナクレープでございます」

 そう言い、俺は女子生徒の前にアイスティーとチョコバナナクレープ、ストローを置く。
 手袋をしているので、ちょっと掴みづらさはある。ただ、気をつければ接客するのに支障はないだろう。

「以上でよろしいでしょうか?」
「はい」
「かしこまりました。伝票立てに伝票を入れておきます」
「分かりました」

 俺は伝票立てに伝票を入れる。

「お嬢様。美味しくなるおまじないをかけさせてもらってもいいでしょうか?」
「はい、お願いします」

 そう。ここはメイド&執事喫茶である。
 注文したメニューをお客様に運んだときに、美味しくなるおまじないをかけることになっている。
 接客のマニュアルを作ったとき、おまじないの言葉を言うかどうか議論になった。その際、

『言った方がよりメイド&執事喫茶らしくなると思う。メイドカフェで助っ人バイトしたとき、おまじないをかけたら喜んでくれるお客さんが多かったし』
『『美味しくな~れ、美味しくな~れ、萌え萌えきゅん!』と言ったら喜んでくれたのです。なので、おまじないを言った方がお客様の満足度は高そうな気がするのです』

 と、メイドカフェで助っ人バイトの経験がある結衣と伊集院さんが賛成。
 福王寺先生やメイドカフェでバイトをしている志田さんにアドバイスを求めると、

『言った方がいいなって先生は思う!』
『おまじないをかけた方がメイド&執事喫茶らしいなって思うな、私は』

 と、言った方がいいとのこと。それもあり、おまじないを言うことにした。
 メイドさんとして接客する女子生徒は『美味しくな~れ、美味しくな~れ、萌え萌えきゅん!』の定番フレーズを言うことに。
 しかし、執事が「萌え萌えきゅん」と言うのは合わなそうだ。マニュアル作りに参加した文化祭実行委員の佐藤も同様のことを言った。俺も佐藤の意見に賛成した。なので、執事として接客する男子生徒のおまじないのかけ方は――。

「では、美味しくなるように、私が愛情を込めさせていただきます」

 右手の人差し指を提供したメニューに向けて指さし、クルクルと回しながら、

「美味しくなーれ」

 と、女子生徒を見ながら優しい口調で言った。言い終わるときは指を回すのを止めてピッと指さして。これが執事によるおまじないのかけ方である。シンプルだけど、魔法をかけるような感じがするのでこれが採用された。
 接客はバイトでたくさんやっているけど、おまじないをかけるのは初めてなので何だか照れくさいな。クラスメイト達や福王寺先生からも注目されているし。
 俺が言った瞬間、衣装係の女子生徒は「わぁっ」と可愛らしい声を漏らす。何人かの女子達から「きゃあっ」という黄色い声と、男子達からの「おおっ」「あれが執事のおまじないか……」という声が聞こえた。

「ねえ、悠真君。会計のお手本も見せてほしいから……会計をやってもらっていいかな?」
「分かった」

 イレギュラーな流れだけど、お手本だから会計する姿も見せた方がいいよな。

「……先に会計をしてもよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ。じゃあ、会計をお願いします」
「かしこまりました」

 俺は出入口近くにある会計に行く。
 衣装係の女子生徒は「お願いします」と俺に伝票を渡してくれる。

「アイスコーヒー1つとバナナチョコクレープ1つで500円になります」
「じゃあ……1000円で」

 と言い、女子生徒は財布から1000円札を取り出し、キャッシュトレイに置く。

「1000円お預かりします。500円のおつりになります」

 と言い、キャッシュトレイにおつりの500円を置いた。
 女子生徒はキャッシュトレイから500円を取り、教室を出ようとする。その際、

「いってらっしゃいませ、お嬢様」

 そう挨拶して俺は頭を下げた。これで接客は終了だな。
 数秒ほどして頭を上げて、

「まあ、こういう感じでやればいいと思う」

 俺がそう言うと、教室にいるクラスメイト達や福王寺先生が俺に向けて拍手を送ってくれる。

「お疲れ様! さすがは悠真君だね! とてもいいお手本だったよ。あと、おまじないをかけるのも最高だったよ!」
「半年ほどムーンバックスで接客のバイトをしているだけあるのです!」
「落ち着いて接客していたね、低田君。さすがだよ」

 結衣、伊集院さん、福王寺先生はそう褒めてくれた。執事のように接客する姿が良かったのか、3人ともいい笑顔になっていて。嬉しいなぁ。

「低田君、凄く良かったよ! 落ち着いててかっこよかった。何回もキュンってなったよ。あと、おまじないをかけるときは魔法使いっぽい感じがして良かったよ」

 お客さん役になってくれた衣装係の女子生徒が笑顔でそう言ってくれた。練習とはいえ、接客した彼女が笑顔になってくれて嬉しい気持ちになる。

「低田凄えな。さすがは接客のバイトをしてるだけあるぜ……」
「制服姿なのに執事っぽく見えたもんな。低田を参考にして俺も頑張るぜ!」

「低田君かっこよかったぁ。バイトしているからか余裕がありそうだったし」
「大人なかっこよさがあるよね。さすがだよね」

 などと、クラスメイト達が俺の接客を褒めてくれて。接客でこんなにも褒められたのは初めてだ。あと、俺が褒められてか、結衣が嬉しそうにしているのが可愛らしい。

「みんなありがとう。あと、接客係のみんなのお手本になれていたら嬉しいよ」
「とても良かったよ、悠真君」
「結衣ちゃんの言う通りだね。調理係の方はどう? クレープも作っていたけど」
「問題なく作れました、杏樹先生」

 調理係のリーダーの女子生徒がそう言う。調理班の生徒達はテキパキと用意していたもんな。

「良かったわ」

 と、福王寺先生は笑顔で言った。
 その後も本番を想定した接客と調理の練習をしていく。福王寺先生も「当日はメイド服を着るし、接客することがあるかもしれないから」と練習に参加。俺は接客係の生徒達の様子を見たり、アドバイスしたりする形で参加する。
 夏休み中にメイドカフェで助っ人バイトをした結衣と伊集院さん、学生時代に接客のバイトをしていた福王寺先生はかなり上手だ。他にも、接客のバイトをしている生徒達も上手だ。
 佐藤や田中さん、橋本などをはじめとしたバイト経験のない生徒達は、接客中におまじないなどの言葉を噛んだり、注文を聞き間違えたりする場面はあるけど、飲み物や食べ物をこぼすといった大きなミスはない。練習を重ねればすぐに上手になると思う。
 途中、俺は体育館でのステージのリハーサルがあるので、教室を離れて一人で体育館に向かった。
 リハーサルでは音や照明などのチェックをする。
 マイクの位置、ギターとボーカルのサウンドチェック、照明をチェックして、オーディションで披露した曲を弾き語りする。
 客席側にいるスタッフの生徒達から「ギターとボーカルの音のバランスが良かった」と確認できたため、無事にリハーサルが終わった。文化祭2日目の本番では、みんなに楽しんでもらえるライブにしたいと改めて思った。
 教室に戻り、再び接客係の練習に参加する。慣れてきたのか、みんなさっきよりも上手くなっていた。
 気付けば、平常の日程では終礼が終わり、放課後に入る時間に。うちのクラスは順調に準備が進んだため、終礼をして本日は解散となった。
 また、解散となった直後に隣のクラスの胡桃がやってきた。お化け屋敷をする胡桃のクラスも無事に準備が終わったそうだ。

「うちのクラスもスイーツ部も準備も無事に終わったし、あとは本番を迎えるだけだね! 凄く楽しみだよ! クラスの喫茶店、スイーツ部の屋台、悠真君のデートと弾き語りライブ……楽しみなことがいっぱいだから!」

 結衣はとっても楽しげな笑顔でそう言った。文化祭が楽しみなことがひしひしと伝わってくるよ。

「そうか。俺も凄く楽しみだよ」
「そっか!」

 結衣は笑顔を嬉しそうなものに変えて、俺の腕をぎゅっと抱きしめてきた。

「あたしも文化祭楽しみなのです!」
「あたしも文化祭楽しみだよ! クラスのお化け屋敷もいい感じになったし。結衣ちゃんと姫奈ちゃんとはスイーツ部の屋台に参加するし。2組の喫茶店やゆう君の弾き語りライブも楽しみ」

 伊集院さんと胡桃も可愛らしい笑顔でそう言った。2人も楽しみか。
 明日と明後日の文化祭、本当に楽しみだ。
 学校のイベントがこんなに楽しみだと思えるとは。結衣と関わるようになるまでは学校では一人でいることが普通で、周りから馬鹿にされることもあったから、こんな気持ちになれるとは思わなかった。きっと、そう思えるようになったのは恋人の結衣、友人の伊集院さんと胡桃と中野先輩や福王寺先生、クラスにも佐藤や橋本や田中さんといった気軽に話せる人が何人もいたりするからだろう。それに、芹花姉さんや月読さんなど、文化祭を楽しみにしている人達がいるし。

「みんなで一緒に、明日と明後日の文化祭を楽しもう」

 俺は結衣達のことを見ながらそう言った。
 すると、結衣達は明るい笑顔で「うんっ!」と返事をしてくれた。彼女達の反応を見て、文化祭を楽しめると確信した。
 高校最初の文化祭はもうすぐだ。
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