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特別編6
エピローグ『抱きしめて帰ってった。』
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由樹さんがスープを食べ終わり、みんなで陽出学院高校やあけぼの荘のことを話していたり、母親達が連絡先を交換したりしていたら、風花の三者面談の時間である午後3時が迫ってきていた。
「お母さん。そろそろ学校に行こうか」
「そうね。ただ、その前に風花の部屋を軽く見させてくれる? どんな感じか気になってるの」
「分かった」
「それでは、あたし達はこれで失礼します。ここにいたのは小一時間ほどでしたが、とても楽しい時間でした。あと、スープごちそうさまでした。では、失礼します」
風花と由樹さんは101号室を後にした。風花は三者面談を不安がっていたので、少しでも平和な面談になることを願おう。
また、由樹さんは三者面談が終わったら、風花が所属する水泳部の様子を見学して、千葉のご自宅に帰るらしい。
姫宮親子が三者面談のために101号室を後にしたので、残り6人での話題は三者面談のことがメインに。
この後、4時から美優先輩が三者面談を受ける予定。担任が去年から続いて大宮先生で、中間試験の成績も良かったので特に心配していないという。あと、3年の文理選択については、今のところ文系クラスを考えているそうだ。文理選択が自分と同じだからか、花柳先輩は嬉しそうにしていたのが可愛らしい。
そんな花柳先輩は面談期間初日に三者面談を終えている。理系科目と英語科目の一部が平均点以下だったため、大宮先生から「これらの教科はよく頑張ってね。期末試験で赤点を取ったら、夏休みに色々と大変だから」と笑顔で優しく注意を受けたらしい。その様子が容易に思い浮かぶ。
6人での話に盛り上がっていたら、美優先輩の三者面談の時刻である午後4時が迫った。
麻子さんは三者面談が終わったら、そのまま茨城の自宅へ帰る。夕方に差し掛かっているので、母さんも静岡へ帰ることに。なので、このタイミングでお開きにした。俺は母さんの荷物を持ち、伯分寺駅まで見送ることに。
6人で101号室を出ると、下校時と同じように雨がシトシトと降っている。普段なら梅雨らしい天気としか思わないが、さっきまで一緒に楽しく話していた人達が散り散りばらばらとなり、母さんもまもなく伯分寺を離れるから、今は雨音の響きに寂しさを感じた。
「美優、面談頑張ってね。麻子さんと香織さん、今回は楽しかったです」
「昨日今日と楽しい時間でした。失礼します」
あけぼの荘の入口前で、花柳先輩と亜衣さんはそう言うと、彼女達の自宅に向かって歩いていった。
俺、美優先輩、母さん、麻子さんの4人で陽出学院高校の方へ歩き出す。この4人で歩くこと自体が初めてなので、登校時に歩いている道も新鮮に感じる。
あと少しでお別れだからか、母さんと麻子さんは話が盛り上がっているな。今後も長い付き合いになる予定なので、母親同士が仲良くしているこの光景を見ると安心する。
数分ほどで陽出学院高校の校門前に到着。普段だと今の時間帯は、学校が終わり、部活や委員会のない生徒が多く帰っていくが、今日は生徒の姿が全然見られない。昇降口や渡り廊下を歩く生徒や保護者が見えるくらいだ。
「香織さん、2日間ありがとうございました。由弦君のことをたくさん話したり、みやび様のアニメを一緒に見たりして楽しかったです。ナポリタンも美味しかったです」
「香織さんとお話しして、一緒にお料理できて楽しい時間でした。あと、あの部屋に行って桐生君との家を見られたのも嬉しかった。桐生君、これからも美優のことをよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
「香織さんともまた会って、楽しくお話ししたいですね」
「私もです。何か甘いものを食べたり、ショッピングしたりもしたいですね。……美優ちゃん、由弦のことをこれからもよろしくお願いします」
「はい、お母様」
4人で挨拶を交わし合って、美優先輩と麻子さんは校門をくぐって校舎へと向かう。そんな2人の後ろ姿を母さんと俺は見守る。
美優先輩と麻子さんの姿が見えなくなったところで、俺達は伯分寺駅の方に向かって歩き始める。母さんの歩くペースに合わせて。
「あぁ、伯分寺での2日間が楽しかった! 由弦や美優ちゃん達も会って話せたし。たくさんの女の子と女性を抱きしめられたし」
うふふっ、と幸せそうに笑う母さん。美優先輩達を抱きしめたときのことを思い出しているのだろうか。
「昔よりも、女性への抱きしめ癖が酷くなってたな。俺と同世代の女子だけじゃなくて、大人も抱きしめるとは。みんないいって言ってくれて、母さんに抱きしめられたときに嬉しそうだったから良かったけど。嫌がる人もいるだろうから気をつけろよ」
「はーい。これからも許可を取った上で抱きしめるようにするわ」
そういえば、美優先輩達を抱きしめるときには、必ず許可を取っていたな。綺麗だとか可愛いだとか、素敵だとかという褒め言葉を添えて。それが、抱きしめても嫌だと思われない秘訣なのかもしれないな。
「あと、今の由弦が住んでいる家で一晩過ごせたこと。あの台所で、由弦達が食べる料理を作れたことも楽しかった。高校に進学してから、由弦はこういうところに過ごしているんだって少しは分かったから。いい2日間になったわ。次の三者面談も楽しみ!」
「ははっ、そうか。次は2学期だな。俺も……2ヶ月半ぶりに母さんと会えて良かったよ。安心もした」
「私も由弦に会えて安心した。ビデオ通話で話すけど、実際に会うとね。春に由弦がこの伯分寺に引っ越すまで、ずっと一緒に住んでいたからかな」
「俺も同じ理由だよ」
一緒に住んでいると、お互いがどんな状態でも容易く直接会うことができる。
でも、東京と静岡という物理的にかなり離れた場所に住んでいると、そう簡単には会えない。そんな状況はこの2ヶ月半が初めてだった。だから、こうして母さんと会えたことが凄く安心できたのだ。スマホのビデオ通話で母さんの顔は見られた。だけど、3月までずっと一緒に住んでいたから、俺にとっては実際に会うのとは違った感じがしたのだ。
母さんと話していたからか、あっという間に伯分寺駅に到着する。夕方という時間帯もあって、制服姿の人が多く見受けられる。
「ここら辺でいいわ。由弦、荷物を持ってくれてありがとう」
改札が見えたところで母さんは立ち止まり、俺にお礼を言った。
「ねえ、由弦。最後に……あなたを抱きしめてもいい?」
おおっ、最後に俺に抱擁する展開になったか。ただ、引っ越すとき、伯分寺へ向かうトラックに乗る直前、家族全員に抱きしめられたっけ。
周りに人は多いし、人まで抱きしめられるのはちょっと恥ずかしい。でも、母さんとはまたしばらく会えなくなるから……いいか。
「いいよ」
「ありがとう」
母さんは嬉しそうにお礼を言うと、俺のことをぎゅっと抱きしめてきた。
母さんの体から伝わってくる強くて優しい温もり。そして、ほんのりと香る甘い匂い。それは安心できて、懐かしく感じられるものだった。そんなことを考えながら、左手を母さんの背中の方に回し、ポンポンと軽く叩いた。
「高校生になって、美優ちゃんと一緒に暮らしているからかな。引っ越したときよりも立派に感じるわ」
「……そうか」
「あと、あのふとんで感じた由弦の匂いよりも、実際の由弦から感じる匂いの方がいいわ」
「……そいつはどうも」
ジメジメした中歩いたから、ちょっと汗掻いているんだけどな。相手が母親だけど、変な匂いに思われていないようで良かった。
少しして、母さんから抱擁を解く。母さんは満足そうな様子だ。
「よし。これで家に帰るまでの元気を補充できたわ」
「良かったな。……はい、荷物」
「ありがとう」
母さんにボストンバッグを渡すと、随分と身軽になった気がする。ただ、そのことにちょっと寂しさも感じた。
「……夏休みになったら、美優先輩達と一緒に帰省したいって思ってる」
「うん、待っているわ」
「体調には気をつけて。父さん達にもそう伝えておいてほしい」
「分かったわ。由弦も体調には気をつけるのよ」
「ああ」
「あと、美優ちゃんのことを大切にしなさい。伯分寺で巡り会ったご縁に感謝して、これからも高校生活を頑張りなさい」
「分かったよ、母さん」
「じゃあ、またね」
「ああ、またな」
母さんと手を振り合って、一人で改札を通っていく母さんのことを見守る。母さんの姿が見えなくなるまで、一歩も動かずに母さんのことを見つめ続けた。
そして、母さんが見えなくなった瞬間、結構寂しい気持ちになって。
でも、俺の今の居場所はこの伯分寺なんだ。俺の帰る場所には恋人の美優先輩がいるんだ。あけぼの荘には風花達がいるんだ。学校には何人もの友人や親しい先輩がいるんだ。そう思うと、寂しい気持ちが和らいでいく。
「さてと。途中でスーパーに寄ってから、家に帰るか」
今夜は俺が夕食を作ることになっている。冷蔵庫の中に何が残っているのかは事前にチェック済みだ。あとは、スーパーで何が安売りになっているか。どんな食材が安売りになっていても、美優先輩に美味しく食べてもらえる夕食を作りたい。そう思いながら、俺は伯分寺駅を後にした。
ちなみに、家に帰ってから、美優先輩と風花から三者面談の報告を受けた。
美優先輩は中間試験の結果がとても良かったことや、3年進級時の文理選択について事前にしっかり考えていたこともあって、終始平和だったそうだ。俺の面談のように、後半は雑談したのだとか。
ただ、風花は……霧嶋先生から「油断すると赤点の可能性もあるから、しっかりと勉強するように」と注意を受けたそうだ。ただ、水泳の都大会が近いので、部活について応援してくれたのは嬉しかったとのこと。
そして、夜は……昨日の約束通り、美優先輩と愛をたっぷりと育み、気持ちのいい時間を過ごしたのであった。
特別編6 おわり
次の話から特別編7になります。
「お母さん。そろそろ学校に行こうか」
「そうね。ただ、その前に風花の部屋を軽く見させてくれる? どんな感じか気になってるの」
「分かった」
「それでは、あたし達はこれで失礼します。ここにいたのは小一時間ほどでしたが、とても楽しい時間でした。あと、スープごちそうさまでした。では、失礼します」
風花と由樹さんは101号室を後にした。風花は三者面談を不安がっていたので、少しでも平和な面談になることを願おう。
また、由樹さんは三者面談が終わったら、風花が所属する水泳部の様子を見学して、千葉のご自宅に帰るらしい。
姫宮親子が三者面談のために101号室を後にしたので、残り6人での話題は三者面談のことがメインに。
この後、4時から美優先輩が三者面談を受ける予定。担任が去年から続いて大宮先生で、中間試験の成績も良かったので特に心配していないという。あと、3年の文理選択については、今のところ文系クラスを考えているそうだ。文理選択が自分と同じだからか、花柳先輩は嬉しそうにしていたのが可愛らしい。
そんな花柳先輩は面談期間初日に三者面談を終えている。理系科目と英語科目の一部が平均点以下だったため、大宮先生から「これらの教科はよく頑張ってね。期末試験で赤点を取ったら、夏休みに色々と大変だから」と笑顔で優しく注意を受けたらしい。その様子が容易に思い浮かぶ。
6人での話に盛り上がっていたら、美優先輩の三者面談の時刻である午後4時が迫った。
麻子さんは三者面談が終わったら、そのまま茨城の自宅へ帰る。夕方に差し掛かっているので、母さんも静岡へ帰ることに。なので、このタイミングでお開きにした。俺は母さんの荷物を持ち、伯分寺駅まで見送ることに。
6人で101号室を出ると、下校時と同じように雨がシトシトと降っている。普段なら梅雨らしい天気としか思わないが、さっきまで一緒に楽しく話していた人達が散り散りばらばらとなり、母さんもまもなく伯分寺を離れるから、今は雨音の響きに寂しさを感じた。
「美優、面談頑張ってね。麻子さんと香織さん、今回は楽しかったです」
「昨日今日と楽しい時間でした。失礼します」
あけぼの荘の入口前で、花柳先輩と亜衣さんはそう言うと、彼女達の自宅に向かって歩いていった。
俺、美優先輩、母さん、麻子さんの4人で陽出学院高校の方へ歩き出す。この4人で歩くこと自体が初めてなので、登校時に歩いている道も新鮮に感じる。
あと少しでお別れだからか、母さんと麻子さんは話が盛り上がっているな。今後も長い付き合いになる予定なので、母親同士が仲良くしているこの光景を見ると安心する。
数分ほどで陽出学院高校の校門前に到着。普段だと今の時間帯は、学校が終わり、部活や委員会のない生徒が多く帰っていくが、今日は生徒の姿が全然見られない。昇降口や渡り廊下を歩く生徒や保護者が見えるくらいだ。
「香織さん、2日間ありがとうございました。由弦君のことをたくさん話したり、みやび様のアニメを一緒に見たりして楽しかったです。ナポリタンも美味しかったです」
「香織さんとお話しして、一緒にお料理できて楽しい時間でした。あと、あの部屋に行って桐生君との家を見られたのも嬉しかった。桐生君、これからも美優のことをよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
「香織さんともまた会って、楽しくお話ししたいですね」
「私もです。何か甘いものを食べたり、ショッピングしたりもしたいですね。……美優ちゃん、由弦のことをこれからもよろしくお願いします」
「はい、お母様」
4人で挨拶を交わし合って、美優先輩と麻子さんは校門をくぐって校舎へと向かう。そんな2人の後ろ姿を母さんと俺は見守る。
美優先輩と麻子さんの姿が見えなくなったところで、俺達は伯分寺駅の方に向かって歩き始める。母さんの歩くペースに合わせて。
「あぁ、伯分寺での2日間が楽しかった! 由弦や美優ちゃん達も会って話せたし。たくさんの女の子と女性を抱きしめられたし」
うふふっ、と幸せそうに笑う母さん。美優先輩達を抱きしめたときのことを思い出しているのだろうか。
「昔よりも、女性への抱きしめ癖が酷くなってたな。俺と同世代の女子だけじゃなくて、大人も抱きしめるとは。みんないいって言ってくれて、母さんに抱きしめられたときに嬉しそうだったから良かったけど。嫌がる人もいるだろうから気をつけろよ」
「はーい。これからも許可を取った上で抱きしめるようにするわ」
そういえば、美優先輩達を抱きしめるときには、必ず許可を取っていたな。綺麗だとか可愛いだとか、素敵だとかという褒め言葉を添えて。それが、抱きしめても嫌だと思われない秘訣なのかもしれないな。
「あと、今の由弦が住んでいる家で一晩過ごせたこと。あの台所で、由弦達が食べる料理を作れたことも楽しかった。高校に進学してから、由弦はこういうところに過ごしているんだって少しは分かったから。いい2日間になったわ。次の三者面談も楽しみ!」
「ははっ、そうか。次は2学期だな。俺も……2ヶ月半ぶりに母さんと会えて良かったよ。安心もした」
「私も由弦に会えて安心した。ビデオ通話で話すけど、実際に会うとね。春に由弦がこの伯分寺に引っ越すまで、ずっと一緒に住んでいたからかな」
「俺も同じ理由だよ」
一緒に住んでいると、お互いがどんな状態でも容易く直接会うことができる。
でも、東京と静岡という物理的にかなり離れた場所に住んでいると、そう簡単には会えない。そんな状況はこの2ヶ月半が初めてだった。だから、こうして母さんと会えたことが凄く安心できたのだ。スマホのビデオ通話で母さんの顔は見られた。だけど、3月までずっと一緒に住んでいたから、俺にとっては実際に会うのとは違った感じがしたのだ。
母さんと話していたからか、あっという間に伯分寺駅に到着する。夕方という時間帯もあって、制服姿の人が多く見受けられる。
「ここら辺でいいわ。由弦、荷物を持ってくれてありがとう」
改札が見えたところで母さんは立ち止まり、俺にお礼を言った。
「ねえ、由弦。最後に……あなたを抱きしめてもいい?」
おおっ、最後に俺に抱擁する展開になったか。ただ、引っ越すとき、伯分寺へ向かうトラックに乗る直前、家族全員に抱きしめられたっけ。
周りに人は多いし、人まで抱きしめられるのはちょっと恥ずかしい。でも、母さんとはまたしばらく会えなくなるから……いいか。
「いいよ」
「ありがとう」
母さんは嬉しそうにお礼を言うと、俺のことをぎゅっと抱きしめてきた。
母さんの体から伝わってくる強くて優しい温もり。そして、ほんのりと香る甘い匂い。それは安心できて、懐かしく感じられるものだった。そんなことを考えながら、左手を母さんの背中の方に回し、ポンポンと軽く叩いた。
「高校生になって、美優ちゃんと一緒に暮らしているからかな。引っ越したときよりも立派に感じるわ」
「……そうか」
「あと、あのふとんで感じた由弦の匂いよりも、実際の由弦から感じる匂いの方がいいわ」
「……そいつはどうも」
ジメジメした中歩いたから、ちょっと汗掻いているんだけどな。相手が母親だけど、変な匂いに思われていないようで良かった。
少しして、母さんから抱擁を解く。母さんは満足そうな様子だ。
「よし。これで家に帰るまでの元気を補充できたわ」
「良かったな。……はい、荷物」
「ありがとう」
母さんにボストンバッグを渡すと、随分と身軽になった気がする。ただ、そのことにちょっと寂しさも感じた。
「……夏休みになったら、美優先輩達と一緒に帰省したいって思ってる」
「うん、待っているわ」
「体調には気をつけて。父さん達にもそう伝えておいてほしい」
「分かったわ。由弦も体調には気をつけるのよ」
「ああ」
「あと、美優ちゃんのことを大切にしなさい。伯分寺で巡り会ったご縁に感謝して、これからも高校生活を頑張りなさい」
「分かったよ、母さん」
「じゃあ、またね」
「ああ、またな」
母さんと手を振り合って、一人で改札を通っていく母さんのことを見守る。母さんの姿が見えなくなるまで、一歩も動かずに母さんのことを見つめ続けた。
そして、母さんが見えなくなった瞬間、結構寂しい気持ちになって。
でも、俺の今の居場所はこの伯分寺なんだ。俺の帰る場所には恋人の美優先輩がいるんだ。あけぼの荘には風花達がいるんだ。学校には何人もの友人や親しい先輩がいるんだ。そう思うと、寂しい気持ちが和らいでいく。
「さてと。途中でスーパーに寄ってから、家に帰るか」
今夜は俺が夕食を作ることになっている。冷蔵庫の中に何が残っているのかは事前にチェック済みだ。あとは、スーパーで何が安売りになっているか。どんな食材が安売りになっていても、美優先輩に美味しく食べてもらえる夕食を作りたい。そう思いながら、俺は伯分寺駅を後にした。
ちなみに、家に帰ってから、美優先輩と風花から三者面談の報告を受けた。
美優先輩は中間試験の結果がとても良かったことや、3年進級時の文理選択について事前にしっかり考えていたこともあって、終始平和だったそうだ。俺の面談のように、後半は雑談したのだとか。
ただ、風花は……霧嶋先生から「油断すると赤点の可能性もあるから、しっかりと勉強するように」と注意を受けたそうだ。ただ、水泳の都大会が近いので、部活について応援してくれたのは嬉しかったとのこと。
そして、夜は……昨日の約束通り、美優先輩と愛をたっぷりと育み、気持ちのいい時間を過ごしたのであった。
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