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本編
第28話『Still Alive-前編-』
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――だって、彼女の体調を悪くさせたのはこのあたしなのですから。
その言葉が細い針に変わったかのように、体の奥底がチクリと痛んだ。痛みは心臓の鼓動と共にじんわりと全身に広がっているような気がした。
「アリスさんが、沙奈会長を?」
「ええ、その通りですよ。良かったです、あたしの言葉が逢坂さんに届いて」
ふふっ、とアリスさんは笑うけれど、今までとは違ってその笑みに可愛らしさは微塵も感じなくなっていた。空想っぽい彼女の話を信じてしまっている証拠か。
「まさか、最近になって沙奈会長が体調を崩しやすくなったのも……」
「察しがいいですね、逢坂さん。あたしの課したミッションを達成しなかったり、期限が迫ったりすると、如月さんの体調が崩れるようにあたしが魔法をかけたんですよ」
「魔法ですか……」
その言葉にしっくりくることには理由があった。日曜日の朝に沙奈会長の具合が悪くなったとき、猫のように甘えさせた途端に体調が良くなったから。あれはきっと、アリスさんが課したミッションを達成したからなんだろう。
日曜日の様子からして、沙奈会長はミッションのことを知っていそうだ。ただ、それを課しているのがアリスさんだということまで知っているのだろうか。
「どうしたんですか、逢坂さん。黙り込んでしまって。彼女がもう少しで死んでしまうという現実に呆然としているのですか?」
「突然、沙奈会長に魔法をかけていると言われたら、色々と考えてしまいますよ。あなたはは一体……何者なんですか」
「一言で言えば、異世界に住む魔女です」
落ち着いた笑みを浮かべながら簡潔に言われると、どう返事をすればいいのか分からなくなる。ただ、魔法をかけたと言った時点で魔女なんだろうなとは思っていた。
あと、遠いところから来たとは言っていたけれど、異世界は遠い近いの次元ではないだろう。
「その異世界に住んでいる魔女であるあなたが……どうして、沙奈会長にそんなことをするんですか?」
アリスさんと沙奈会長に繋がりがあるとは思えない。
いや、でも……初めて沙奈会長と一緒に下校し、アリスさんの名前を出したとき会長は何か考え込んでいる様子だった。沙奈会長はエリスさんという別人だと勘違いしていたと言っていたけれど、もしかしたらそれはアリスさんのことだったんじゃ? あの時点で、沙奈会長はアリスさんのことを知っていた可能性が高そうだ。
「……彼女があなたのことが好きだからですよ」
そう言うアリスさんの笑みはとても美しく見えた。
沙奈会長が俺のことが好きだから、ミッションを課した。しかも、それを果たせなければ体調を崩したり、今回の場合は死に至ったり。段々と怒りがこみ上げてきた。
「沙奈会長が俺のことを好きだという理由で、どうしてアリスさんがこんなことまでするんですか! あなたに何の権利があって、人一人の体や命について自由に決めているんだ!」
沙奈会長に恨みでもあるのか。それとも、アリスさんも俺のことが好きだからなのか。彼女の笑みの裏には何があるのかさっぱり分からない。
「逢坂さんも2年前、あたしと同じようなことをしたじゃないですか」
「そ、それは……」
その瞬間、俺は2年前のことを思い出す。血を流して倒れている琴葉の姿を。
沙奈会長の気持ちだけではなく、どうしてアリスさんはあのときのことを知っているんだ。あの現場を目撃していたのか。それとも――。
「まさか……!」
「ようやく気付きましたか、逢坂さん。そう、全ては最近できたあたしの親友のためにやったことなのです。魔法学校ではろくに友人もできず、孤独だったあたしにとって唯一、親友だと言える人のために。とても優しい彼女の想いを叶えるために……」
やっぱり、アリスさん自身の理由ではなくて、別の人物のために沙奈会長にミッションを課したんだ。アリスさんの親友である女の子のために。
「その親友の名前は……恩田琴葉じゃないですか?」
「……正解です」
琴葉はあの日からずっと意識不明になっているのに、アリスさんと友達になるなんて。何らかの理由で魂だけが異世界に転移して、アリスさんと出会ったということかな。漫画やアニメだけの話だと思っていたんだけれど、まさか実際にそんなことが起きるとは。
琴葉のことを知っているなら、彼女についてもっと訊きたいところだけれど、今は沙奈会長に課せられたミッションについて知るのが先だ。
「アリスさん、教えてください。今、沙奈会長に示したミッションとは何なんですか。今日中に達成しなければならないことは何ですか。教えてください!」
こういうときこそ冷静でなければならないのに、どうしても感情的になってしまう。ただ、このくらいに強い口調で問いたださないと、アリスさんも教えてくれなさそうだ。
アリスさんは微笑みながら俺のことを見る。
「いいですよ。琴葉も逢坂さんにミッションについて教えてほしいと言っていましたから。逢坂さんからキスをしてもらうことです」
それを聞いた瞬間、昨日の放課後に会長からキスを求められたことを思い出す。あのときにキスをしてほしいと言ったのは、アリスさんからのミッションを果たすためでもあったんだ。
「昨日の放課後に如月沙奈が逢坂さんにキスをしてもらえなかった。だから、今日になって彼女の体調を悪化させました。そのままキスされずに如月沙奈が静かに死を迎える予定でしたのに、琴葉がとても優しい女の子ですから……彼女の懇願により、如月沙奈に課せられたミッションを教えるために、こうしてあなたの前に現れたということですよ」
つまり、琴葉の一声がなければ、ミッションのことを知ることはなく、明日になって沙奈会長の訃報を聞くことになっていたかもしれないのか。
「でも、教えたところで意味はありませんよね?」
「どうしてそう思うのですか?」
「だって、会長さんのことをあんなに嫌がっていたじゃないですか。ロープであなたを拘束したり、勝手に家までやってきて泊まったり。日が経つに連れて、逢坂さんはそんな彼女への印象が少しずつ良くなっているようですが……今でも彼女を恐れていることはあるでしょう? そんな人が亡くなった方が逢坂さんにとって都合がいいのでは?」
俺とたまにしか会わなかったけれど、アリスさんはどこかからずっと俺や沙奈会長のことを見てきたんだ。きっと、琴葉と一緒に。アリスさんはそんな琴葉のことを大切に想っているのは事実だろう。
「アリスさんと同じくらいに俺も琴葉のことを大切に想っています。ただ、同時に沙奈会長も大切に想っている人の1人です」
「どうしてそう言えるんですか! 琴葉は長年の幼なじみで、如月沙奈は出会って10日ほどの上級生。しかも、あなたに色々なことをしてきたんですよ!」
「ええ。アリスさんが言うように、沙奈会長は俺に色々なことをしました。頭を抱えることだってありました。彼女がいなければ、どれだけ平穏な高校生活を送ることができるだろうかと考えたことさえもありました。でも、死んでほしいとは一度も思ったことはない」
「逢坂さん……」
「沙奈会長に課されているミッションを教えていただきありがとうございます。ただ、キスすることが嘘で沙奈会長が亡くなったら、俺はあなたをずっと恨みますよ。だって、それは琴葉を裏切ったことにもなるんですから」
そうは言うけれど、今はそれがミッション達成の鍵であると信じるしかない。
「待ってください、逢坂さん。あなたは昨日、如月沙奈にキスしてほしいと言われました。でも、あなたは琴葉の存在があってキスをしなかった。意識不明という今の状況が変わるまで、琴葉の側にいなければならないと! あなたに抱いている琴葉の気持ちも分かっているんでしょう……?」
アリスさんのその言葉に胸を締め付けられる。
意識不明になってしまうまで、琴葉は俺に対する気持ちを言葉では伝えてくることは一度もなかった。ただ、表情や態度を見ていれば、おおよその想像はつく。
「……分かっていますよ、もちろん」
「それなら……!」
「でも、沙奈会長も琴葉と同じ想いを抱いています。沙奈会長の方がよっぽど独占欲の強い人ですが、温かい気持ちをしっかりと持っていることも分かっています。琴葉のことを考えると胸が痛むのは事実です。でも、さっきも言ったじゃないですか。俺は沙奈会長に死んでほしいと思ったことはないって。それに、2年前のように、俺のせいで大切な人が目覚めなくなってしまうのは嫌ですから」
明日になっても沙奈会長が生き続けるための方法が俺からのキスなら、俺は躊躇わない。早く沙奈会長のところに行かないと。
「琴葉を大切に想ってくれていることには感謝します、アリスさん。急用ができましたので、俺はこれで失礼します」
アリスさんに軽く頭を下げて、俺は公園を後にする。
今から行く場所はもちろん沙奈会長の家だけれど、どこなのか分からないな。本人に訊くのも一つの手だろうけど、今朝よりも具合が悪くなっている可能性もあるので、返答をもらえるかどうか分からない。彼女のような会長職ではないので、家庭調査票を見せてもらうこともできないだろうし。
「……そうだ」
副会長さんに知っているかどうか訊いてみよう。
『お疲れ様です、逢坂です。どうしても、会長に直接会って伝えたいことがあって。もし、知っていれば会長の家の住所を教えていただけますか?』
メッセージを送ってみる。副会長さんが分からなかったら、沙奈会長に直接訊いてみることにしよう。
すると、割と早く既読のマークが付いて、
『今年の年賀状を書くときに教えてもらったから分かるよ。すぐに送るね』
という返答が届いた。去年から沙奈会長とは生徒会で一緒に活動しているから、年賀状のやり取りをするのか。
すぐに副会長さんから沙奈会長の家の住所が送られてきた。その住所を地図アプリに入れると……ここから徒歩15分くらいのところにあるのか。
「……行こう」
沙奈会長の家に向かって走り始める。
沙奈会長はまだ生きている。だから、何一つとして終わっていないんだ。絶対に彼女のことを死なせない。
その言葉が細い針に変わったかのように、体の奥底がチクリと痛んだ。痛みは心臓の鼓動と共にじんわりと全身に広がっているような気がした。
「アリスさんが、沙奈会長を?」
「ええ、その通りですよ。良かったです、あたしの言葉が逢坂さんに届いて」
ふふっ、とアリスさんは笑うけれど、今までとは違ってその笑みに可愛らしさは微塵も感じなくなっていた。空想っぽい彼女の話を信じてしまっている証拠か。
「まさか、最近になって沙奈会長が体調を崩しやすくなったのも……」
「察しがいいですね、逢坂さん。あたしの課したミッションを達成しなかったり、期限が迫ったりすると、如月さんの体調が崩れるようにあたしが魔法をかけたんですよ」
「魔法ですか……」
その言葉にしっくりくることには理由があった。日曜日の朝に沙奈会長の具合が悪くなったとき、猫のように甘えさせた途端に体調が良くなったから。あれはきっと、アリスさんが課したミッションを達成したからなんだろう。
日曜日の様子からして、沙奈会長はミッションのことを知っていそうだ。ただ、それを課しているのがアリスさんだということまで知っているのだろうか。
「どうしたんですか、逢坂さん。黙り込んでしまって。彼女がもう少しで死んでしまうという現実に呆然としているのですか?」
「突然、沙奈会長に魔法をかけていると言われたら、色々と考えてしまいますよ。あなたはは一体……何者なんですか」
「一言で言えば、異世界に住む魔女です」
落ち着いた笑みを浮かべながら簡潔に言われると、どう返事をすればいいのか分からなくなる。ただ、魔法をかけたと言った時点で魔女なんだろうなとは思っていた。
あと、遠いところから来たとは言っていたけれど、異世界は遠い近いの次元ではないだろう。
「その異世界に住んでいる魔女であるあなたが……どうして、沙奈会長にそんなことをするんですか?」
アリスさんと沙奈会長に繋がりがあるとは思えない。
いや、でも……初めて沙奈会長と一緒に下校し、アリスさんの名前を出したとき会長は何か考え込んでいる様子だった。沙奈会長はエリスさんという別人だと勘違いしていたと言っていたけれど、もしかしたらそれはアリスさんのことだったんじゃ? あの時点で、沙奈会長はアリスさんのことを知っていた可能性が高そうだ。
「……彼女があなたのことが好きだからですよ」
そう言うアリスさんの笑みはとても美しく見えた。
沙奈会長が俺のことが好きだから、ミッションを課した。しかも、それを果たせなければ体調を崩したり、今回の場合は死に至ったり。段々と怒りがこみ上げてきた。
「沙奈会長が俺のことを好きだという理由で、どうしてアリスさんがこんなことまでするんですか! あなたに何の権利があって、人一人の体や命について自由に決めているんだ!」
沙奈会長に恨みでもあるのか。それとも、アリスさんも俺のことが好きだからなのか。彼女の笑みの裏には何があるのかさっぱり分からない。
「逢坂さんも2年前、あたしと同じようなことをしたじゃないですか」
「そ、それは……」
その瞬間、俺は2年前のことを思い出す。血を流して倒れている琴葉の姿を。
沙奈会長の気持ちだけではなく、どうしてアリスさんはあのときのことを知っているんだ。あの現場を目撃していたのか。それとも――。
「まさか……!」
「ようやく気付きましたか、逢坂さん。そう、全ては最近できたあたしの親友のためにやったことなのです。魔法学校ではろくに友人もできず、孤独だったあたしにとって唯一、親友だと言える人のために。とても優しい彼女の想いを叶えるために……」
やっぱり、アリスさん自身の理由ではなくて、別の人物のために沙奈会長にミッションを課したんだ。アリスさんの親友である女の子のために。
「その親友の名前は……恩田琴葉じゃないですか?」
「……正解です」
琴葉はあの日からずっと意識不明になっているのに、アリスさんと友達になるなんて。何らかの理由で魂だけが異世界に転移して、アリスさんと出会ったということかな。漫画やアニメだけの話だと思っていたんだけれど、まさか実際にそんなことが起きるとは。
琴葉のことを知っているなら、彼女についてもっと訊きたいところだけれど、今は沙奈会長に課せられたミッションについて知るのが先だ。
「アリスさん、教えてください。今、沙奈会長に示したミッションとは何なんですか。今日中に達成しなければならないことは何ですか。教えてください!」
こういうときこそ冷静でなければならないのに、どうしても感情的になってしまう。ただ、このくらいに強い口調で問いたださないと、アリスさんも教えてくれなさそうだ。
アリスさんは微笑みながら俺のことを見る。
「いいですよ。琴葉も逢坂さんにミッションについて教えてほしいと言っていましたから。逢坂さんからキスをしてもらうことです」
それを聞いた瞬間、昨日の放課後に会長からキスを求められたことを思い出す。あのときにキスをしてほしいと言ったのは、アリスさんからのミッションを果たすためでもあったんだ。
「昨日の放課後に如月沙奈が逢坂さんにキスをしてもらえなかった。だから、今日になって彼女の体調を悪化させました。そのままキスされずに如月沙奈が静かに死を迎える予定でしたのに、琴葉がとても優しい女の子ですから……彼女の懇願により、如月沙奈に課せられたミッションを教えるために、こうしてあなたの前に現れたということですよ」
つまり、琴葉の一声がなければ、ミッションのことを知ることはなく、明日になって沙奈会長の訃報を聞くことになっていたかもしれないのか。
「でも、教えたところで意味はありませんよね?」
「どうしてそう思うのですか?」
「だって、会長さんのことをあんなに嫌がっていたじゃないですか。ロープであなたを拘束したり、勝手に家までやってきて泊まったり。日が経つに連れて、逢坂さんはそんな彼女への印象が少しずつ良くなっているようですが……今でも彼女を恐れていることはあるでしょう? そんな人が亡くなった方が逢坂さんにとって都合がいいのでは?」
俺とたまにしか会わなかったけれど、アリスさんはどこかからずっと俺や沙奈会長のことを見てきたんだ。きっと、琴葉と一緒に。アリスさんはそんな琴葉のことを大切に想っているのは事実だろう。
「アリスさんと同じくらいに俺も琴葉のことを大切に想っています。ただ、同時に沙奈会長も大切に想っている人の1人です」
「どうしてそう言えるんですか! 琴葉は長年の幼なじみで、如月沙奈は出会って10日ほどの上級生。しかも、あなたに色々なことをしてきたんですよ!」
「ええ。アリスさんが言うように、沙奈会長は俺に色々なことをしました。頭を抱えることだってありました。彼女がいなければ、どれだけ平穏な高校生活を送ることができるだろうかと考えたことさえもありました。でも、死んでほしいとは一度も思ったことはない」
「逢坂さん……」
「沙奈会長に課されているミッションを教えていただきありがとうございます。ただ、キスすることが嘘で沙奈会長が亡くなったら、俺はあなたをずっと恨みますよ。だって、それは琴葉を裏切ったことにもなるんですから」
そうは言うけれど、今はそれがミッション達成の鍵であると信じるしかない。
「待ってください、逢坂さん。あなたは昨日、如月沙奈にキスしてほしいと言われました。でも、あなたは琴葉の存在があってキスをしなかった。意識不明という今の状況が変わるまで、琴葉の側にいなければならないと! あなたに抱いている琴葉の気持ちも分かっているんでしょう……?」
アリスさんのその言葉に胸を締め付けられる。
意識不明になってしまうまで、琴葉は俺に対する気持ちを言葉では伝えてくることは一度もなかった。ただ、表情や態度を見ていれば、おおよその想像はつく。
「……分かっていますよ、もちろん」
「それなら……!」
「でも、沙奈会長も琴葉と同じ想いを抱いています。沙奈会長の方がよっぽど独占欲の強い人ですが、温かい気持ちをしっかりと持っていることも分かっています。琴葉のことを考えると胸が痛むのは事実です。でも、さっきも言ったじゃないですか。俺は沙奈会長に死んでほしいと思ったことはないって。それに、2年前のように、俺のせいで大切な人が目覚めなくなってしまうのは嫌ですから」
明日になっても沙奈会長が生き続けるための方法が俺からのキスなら、俺は躊躇わない。早く沙奈会長のところに行かないと。
「琴葉を大切に想ってくれていることには感謝します、アリスさん。急用ができましたので、俺はこれで失礼します」
アリスさんに軽く頭を下げて、俺は公園を後にする。
今から行く場所はもちろん沙奈会長の家だけれど、どこなのか分からないな。本人に訊くのも一つの手だろうけど、今朝よりも具合が悪くなっている可能性もあるので、返答をもらえるかどうか分からない。彼女のような会長職ではないので、家庭調査票を見せてもらうこともできないだろうし。
「……そうだ」
副会長さんに知っているかどうか訊いてみよう。
『お疲れ様です、逢坂です。どうしても、会長に直接会って伝えたいことがあって。もし、知っていれば会長の家の住所を教えていただけますか?』
メッセージを送ってみる。副会長さんが分からなかったら、沙奈会長に直接訊いてみることにしよう。
すると、割と早く既読のマークが付いて、
『今年の年賀状を書くときに教えてもらったから分かるよ。すぐに送るね』
という返答が届いた。去年から沙奈会長とは生徒会で一緒に活動しているから、年賀状のやり取りをするのか。
すぐに副会長さんから沙奈会長の家の住所が送られてきた。その住所を地図アプリに入れると……ここから徒歩15分くらいのところにあるのか。
「……行こう」
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