61 / 118
本編
第60話『恋人初夜』
しおりを挟む
お風呂から出て寝間着に着替えるとき、沙奈会長から勝負下着という名の黒い下着姿を披露された。それはとても大人っぽく、艶やかに見えた。
姉さんに一声かけて、僕は沙奈会長と一緒に自分の部屋に戻った。
「お風呂気持ち良かったね、玲人君」
「そうですね。髪を乾かしましょうか。姉さんや琴葉に何度もやったことがあるので任せてください。ここまで長い髪は初めてですけど。それに、髪を洗ったり、背中を流してくれたりしてくれたお礼もしたいですし」
「じゃあ、お願いしようかな」
沙奈会長からドライヤーとくしを受け取り、彼女の髪を乾かし始める。
会長の髪、サラサラとしているけど艶やかさもあって。長いのにこの状態を保つためには、色々と気を遣わないといけないだろう。
「ねえ、玲人君。気になっていたんだけど、玲人君の誕生日っていつ? もし、近ければプレゼントを考えたいなって思ってさ」
住所を知るために見た家庭調査票には、僕を含めて家族全員の誕生日も書いてあったはずだけれど。
「4月4日が誕生日なので、今年はもう過ぎちゃいました」
「4月4日か。年度が始まってすぐなんだね。学年の中では指折りのお兄さんだ。ちなみに、私は10月10日生まれなの」
「僕と半年違いですね」
如月という苗字なので2月生まれだと勝手に思い込んでいた。それか、沙奈という名前から3月7日生まれとか。
「ということは、今は私と同じ16歳なんだね。ねえ、一回、私のことを呼び捨てしてほしいな。どんな感じなのか体験してみたい」
「えっ? じゃあ、一度だけですよ。……沙奈」
呼び捨てで会長のことを呼んでみると、彼女は嬉しそうな笑みを浮かべる。
「キュンとなったよ。……玲人」
「呼び捨ても悪くないですね」
僕もキュンとなった。普段と違う呼び方だからなのか。それとも、沙奈会長が可愛いからなのか。
「今年の誕生日過ぎちゃったのか。ゴールデンウィークの間に何かあげたいな」
「今はそのお気持ちを受け取っておきます。それに、沙奈会長からは既にたくさんプレゼントをもらっていますよ」
高校に入学してから色々なことがあったけど、菅原達と決着を付けて平和な高校生活を送ることができそうなのは、沙奈会長が側にいてくれたからだと思っている。きっと、会長が恋人になったことで、これからも楽しい日々を送ることができるだろう。
「私だって、玲人君から色々なものをもらっているよ。だから、玲人君に私の色々な初めてをあげるからね」
「有り難く受け取りますよ。……こんな感じでいいですか?」
「うん、ありがとう。玲人君、上手だね」
「ここまで長い髪は初めてでしたけれど、できて良かったです」
最初は姉さんにやらされていたことだったけれど、その経験がこうして活かすことができて嬉しい。
「玲人君。お風呂を上がったらやっぱりマッサージだよね。体もそうだけれど、心のマッサージもしてほしいなぁ。玲人君も一緒に気持ち良くなれそうな方法があるんだけれど、それは私も初めてなんだよね……」
「沙奈会長が何をしたいのか、だいたいの予想はつきましたよ。でも、沙奈会長……忘れていません? 僕を盗撮するためのカメラ」
「わ、忘れて……ないよ」
沙奈会長の視線がちらついている。これは忘れていたな。
「さあ、盗撮カメラを回収してこのテーブルの上に置いてください」
「……はい。全部で3つなんだけど……」
沙奈会長は盗撮用に使ったカメラを回収していく。3つもあったのか。
どこに隠していたのか見て見てみると、勉強机とベッドの近く、そして本棚の隅だった。部屋の中を一通り見るのにはいい配置かな。
「これで全部ですか?」
「……はい。盗撮してごめんなさい。カメラの映像はスマートフォンを使って見ていました。玲人君の様子を見ながらニヤニヤしたり、1人で……したり」
「なるほど」
沙奈会長の娯楽として使われていたのか。今みたいにニヤニヤしながらこの部屋での僕の様子を見ていたのだろう。それにしても、10日くらい設置されていたのに全然気付かなかったな。
「でも、楽しむだけじゃないよ。お姉様以外の女性が玲人君の部屋に入ってきて、玲人君に迫ってきてイチャイチャしてくるかもしれないし。あのときはアリスさんのことも警戒していたから、玲人君が彼女に何かされちゃうんじゃないかって心配だったから」
なるほど、僕を守るためというのも理由の一つだったのか。
それでも、盗撮をしたことには変わりない。ここはきちんと叱らなければ。
「いたたっ」
僕は両手で沙奈会長の頬をつねる。結構柔らかいな。
「いたいよ、れいとくん……」
「盗撮したことのお仕置きですよ。それにしても、つねり心地のいい頬ですね」
「ううっ……」
僕にとって心地よくても、沙奈会長にこれ以上痛い想いはさせられないな。
「もう、玲人君ったら」
「ごめんなさい、つねってみたらあまりにもいい頬だったので」
「玲人君だからいいけれどさ。でも、ほっぺだけじゃなくて、もっと全身を感じてくれてもいいんだよ? 私は玲人君のことを体でも感じたいな」
上手に話をそっちの方向に持っていくなぁ、沙奈会長は。ただ、今の状況を考えれば沙奈会長が「マッサージ」をしたくなる気持ちも分かる。
「僕達、恋人同士ですもんね。僕も男ですから、お風呂から出たときに会長が勝負下着姿を見せてくれたときにドキドキしましたし。実際はお風呂に入っているときから、ずっとドキドキしていますけど。……僕にプレゼントしてくれるんですよね。沙奈会長の色々な初めてを」
「……うん、もちろんだよ」
そう言うと、沙奈会長は僕のことを抱きしめてキスしてくる。温もりに乗せてシャンプーの甘い匂いが香ってくる。
「玲人君と確かな繋がりがほしい。玲人君を感じたい。だから、キスよりも先のこと……しちゃう? 必要なものはちゃんと持ってきたし。今まで一度もしたことないから、上手くできるかどうか分からないけど」
「……そこは試行錯誤しながらやっていきましょうか」
「……うん。じゃあ……しよっか」
もう、沙奈会長への欲望には敵いそうにないな。ただ、沙奈会長に辛い想いをさせないことだけには気を付けよう。
僕と沙奈会長はベッドの中でたくさん愛を確かめ合った。
沙奈会長から感じる温かく、柔らかく、甘い感覚はとても愛おしいもので。数え切れないくらいに好きだと言ってくれた沙奈会長も、同じように感じてくれていると嬉しい。
「しちゃったね、玲人君。しかも、たっぷりと」
「……ええ」
「素敵な時間になったよ」
「僕もです。忘れられない時間になりました」
気付けば、お風呂から出てからかなりの時間が経っていた。
ベッドライトに照らされる沙奈会長はとても美しく、可愛らしく、艶やかで。僕のことを見つめながら笑顔になる彼女があまりにも可愛かったので、額にキスをした。
「沙奈会長、体は大丈夫ですか?」
「うん。痛いのは最初だけだったし、心地いい疲れのおかげで、こうして玲人君と寄り添っているのがとても気持ちいいよ。玲人君こそ大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「それなら良かった。玲人君と深い関係を持てて嬉しいよ。たくさん感じて、繋がりを持てたと思う。それに、玲人君のことが大好きな気持ちや、幸せな気持ちに包まれた感じもして」
「僕も同じ気持ちですよ。沙奈会長、ずっと一緒にいましょう」
「……うん。ところで……私、できるだけ大きな声を出さないようにはしたけれど、隣の部屋にいるお姉様に聞かれちゃっているの……かな?」
恥ずかしいのか、沙奈会長はふとんの中に潜った。あの姉さんのことだから、聞き耳を立てていた可能性は高そうだ。
「聞かれてしまったかもしれませんが、過ぎたことは仕方ありません。それに、姉さんはニヤニヤしながら、自分のことは気にせずに会長とイチャイチャしてって言ったんですよ。こうなったらいっそのこと、堂々としていましょう」
「それなら……いっか。玲人君、頼もしいな」
すると、首元まで姿を現して沙奈会長ははにかんだ。今の会長も含めて、このベッドの上で可愛らしい沙奈会長の姿をたくさん見たな。
「玲人君、普段は落ち着いてクールなのに、イチャイチャしているときはたまにSになるよね」
「そうでしたか?」
「うん。これが玲人君の本当の姿なのかなって思ったくらいだよ。でも、そのギャップがいいなって思ってる」
「きっと、会長が可愛いからSだと思える態度になったんだと思います」
そもそも、自分がクールだと思ったこともないし。あと、僕に比べたら、沙奈会長の方がよっぽどSだと思わせる態度や行動を見せている気がするけど。
「……責任取ってよね、玲人君」
「唐突に言ってきますね。もちろん取りますけど」
「嬉しいな。実は、玲人君と最後までしたら絶対に言いたかったんだ」
あまりにも嬉しいのか、沙奈会長は僕と腕を絡ませてきて、満面の笑みで僕の頬にキスをしてきた。きっと、僕と一緒にやりたいことをたくさん頭の中で思い浮かべているんだろうな。
「玲人君と恋人として付き合えるようになって良かった。恩田さんがあなたに告白してキスをしたとき、玲人君が遠くに行っちゃった気がして。自分の体がボロボロと崩れ落ちていく感覚になって。凄く辛かったんだ」
「会長……」
「でも、私達が恋人同士になったことを笑顔で祝福してくれた恩田さんは今、玲人君と付き合えないことで辛い想いをしているかもしれない。だから、彼女のためにも、これからもずっと一緒に幸せになろうね」
「……もちろんですよ」
「うん。じゃあ、約束のキスしよっか」
そう言って、沙奈会長は僕のことを抱きしめ、優しくキスをしてきた。これからも色々なことがあると思うけど、いつまでも優しく温かな気持ちを胸に抱いて、沙奈会長と一緒にいたいと強く思う。
「玲人君、汗を結構掻いちゃったから、シャワーを浴びても大丈夫かな?」
「大丈夫だと思います。明日も祝日でお休みですけど、ここまで遅い時間ですから両親もとっくに入浴したと思いますし。僕も浴びようかな」
「じゃあ、一緒にシャワーを浴びて寝よっか」
「ええ、そうしましょう」
予想通り、家の中は静かになっているので、僕の家族はみんな眠ったようだ。
その後、沙奈会長と一緒にシャワーを浴びて汗を洗い流した。そのおかげで、ほどよく体が温まった状態になり、気持ち良く眠りに落ちることができたのであった。
姉さんに一声かけて、僕は沙奈会長と一緒に自分の部屋に戻った。
「お風呂気持ち良かったね、玲人君」
「そうですね。髪を乾かしましょうか。姉さんや琴葉に何度もやったことがあるので任せてください。ここまで長い髪は初めてですけど。それに、髪を洗ったり、背中を流してくれたりしてくれたお礼もしたいですし」
「じゃあ、お願いしようかな」
沙奈会長からドライヤーとくしを受け取り、彼女の髪を乾かし始める。
会長の髪、サラサラとしているけど艶やかさもあって。長いのにこの状態を保つためには、色々と気を遣わないといけないだろう。
「ねえ、玲人君。気になっていたんだけど、玲人君の誕生日っていつ? もし、近ければプレゼントを考えたいなって思ってさ」
住所を知るために見た家庭調査票には、僕を含めて家族全員の誕生日も書いてあったはずだけれど。
「4月4日が誕生日なので、今年はもう過ぎちゃいました」
「4月4日か。年度が始まってすぐなんだね。学年の中では指折りのお兄さんだ。ちなみに、私は10月10日生まれなの」
「僕と半年違いですね」
如月という苗字なので2月生まれだと勝手に思い込んでいた。それか、沙奈という名前から3月7日生まれとか。
「ということは、今は私と同じ16歳なんだね。ねえ、一回、私のことを呼び捨てしてほしいな。どんな感じなのか体験してみたい」
「えっ? じゃあ、一度だけですよ。……沙奈」
呼び捨てで会長のことを呼んでみると、彼女は嬉しそうな笑みを浮かべる。
「キュンとなったよ。……玲人」
「呼び捨ても悪くないですね」
僕もキュンとなった。普段と違う呼び方だからなのか。それとも、沙奈会長が可愛いからなのか。
「今年の誕生日過ぎちゃったのか。ゴールデンウィークの間に何かあげたいな」
「今はそのお気持ちを受け取っておきます。それに、沙奈会長からは既にたくさんプレゼントをもらっていますよ」
高校に入学してから色々なことがあったけど、菅原達と決着を付けて平和な高校生活を送ることができそうなのは、沙奈会長が側にいてくれたからだと思っている。きっと、会長が恋人になったことで、これからも楽しい日々を送ることができるだろう。
「私だって、玲人君から色々なものをもらっているよ。だから、玲人君に私の色々な初めてをあげるからね」
「有り難く受け取りますよ。……こんな感じでいいですか?」
「うん、ありがとう。玲人君、上手だね」
「ここまで長い髪は初めてでしたけれど、できて良かったです」
最初は姉さんにやらされていたことだったけれど、その経験がこうして活かすことができて嬉しい。
「玲人君。お風呂を上がったらやっぱりマッサージだよね。体もそうだけれど、心のマッサージもしてほしいなぁ。玲人君も一緒に気持ち良くなれそうな方法があるんだけれど、それは私も初めてなんだよね……」
「沙奈会長が何をしたいのか、だいたいの予想はつきましたよ。でも、沙奈会長……忘れていません? 僕を盗撮するためのカメラ」
「わ、忘れて……ないよ」
沙奈会長の視線がちらついている。これは忘れていたな。
「さあ、盗撮カメラを回収してこのテーブルの上に置いてください」
「……はい。全部で3つなんだけど……」
沙奈会長は盗撮用に使ったカメラを回収していく。3つもあったのか。
どこに隠していたのか見て見てみると、勉強机とベッドの近く、そして本棚の隅だった。部屋の中を一通り見るのにはいい配置かな。
「これで全部ですか?」
「……はい。盗撮してごめんなさい。カメラの映像はスマートフォンを使って見ていました。玲人君の様子を見ながらニヤニヤしたり、1人で……したり」
「なるほど」
沙奈会長の娯楽として使われていたのか。今みたいにニヤニヤしながらこの部屋での僕の様子を見ていたのだろう。それにしても、10日くらい設置されていたのに全然気付かなかったな。
「でも、楽しむだけじゃないよ。お姉様以外の女性が玲人君の部屋に入ってきて、玲人君に迫ってきてイチャイチャしてくるかもしれないし。あのときはアリスさんのことも警戒していたから、玲人君が彼女に何かされちゃうんじゃないかって心配だったから」
なるほど、僕を守るためというのも理由の一つだったのか。
それでも、盗撮をしたことには変わりない。ここはきちんと叱らなければ。
「いたたっ」
僕は両手で沙奈会長の頬をつねる。結構柔らかいな。
「いたいよ、れいとくん……」
「盗撮したことのお仕置きですよ。それにしても、つねり心地のいい頬ですね」
「ううっ……」
僕にとって心地よくても、沙奈会長にこれ以上痛い想いはさせられないな。
「もう、玲人君ったら」
「ごめんなさい、つねってみたらあまりにもいい頬だったので」
「玲人君だからいいけれどさ。でも、ほっぺだけじゃなくて、もっと全身を感じてくれてもいいんだよ? 私は玲人君のことを体でも感じたいな」
上手に話をそっちの方向に持っていくなぁ、沙奈会長は。ただ、今の状況を考えれば沙奈会長が「マッサージ」をしたくなる気持ちも分かる。
「僕達、恋人同士ですもんね。僕も男ですから、お風呂から出たときに会長が勝負下着姿を見せてくれたときにドキドキしましたし。実際はお風呂に入っているときから、ずっとドキドキしていますけど。……僕にプレゼントしてくれるんですよね。沙奈会長の色々な初めてを」
「……うん、もちろんだよ」
そう言うと、沙奈会長は僕のことを抱きしめてキスしてくる。温もりに乗せてシャンプーの甘い匂いが香ってくる。
「玲人君と確かな繋がりがほしい。玲人君を感じたい。だから、キスよりも先のこと……しちゃう? 必要なものはちゃんと持ってきたし。今まで一度もしたことないから、上手くできるかどうか分からないけど」
「……そこは試行錯誤しながらやっていきましょうか」
「……うん。じゃあ……しよっか」
もう、沙奈会長への欲望には敵いそうにないな。ただ、沙奈会長に辛い想いをさせないことだけには気を付けよう。
僕と沙奈会長はベッドの中でたくさん愛を確かめ合った。
沙奈会長から感じる温かく、柔らかく、甘い感覚はとても愛おしいもので。数え切れないくらいに好きだと言ってくれた沙奈会長も、同じように感じてくれていると嬉しい。
「しちゃったね、玲人君。しかも、たっぷりと」
「……ええ」
「素敵な時間になったよ」
「僕もです。忘れられない時間になりました」
気付けば、お風呂から出てからかなりの時間が経っていた。
ベッドライトに照らされる沙奈会長はとても美しく、可愛らしく、艶やかで。僕のことを見つめながら笑顔になる彼女があまりにも可愛かったので、額にキスをした。
「沙奈会長、体は大丈夫ですか?」
「うん。痛いのは最初だけだったし、心地いい疲れのおかげで、こうして玲人君と寄り添っているのがとても気持ちいいよ。玲人君こそ大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「それなら良かった。玲人君と深い関係を持てて嬉しいよ。たくさん感じて、繋がりを持てたと思う。それに、玲人君のことが大好きな気持ちや、幸せな気持ちに包まれた感じもして」
「僕も同じ気持ちですよ。沙奈会長、ずっと一緒にいましょう」
「……うん。ところで……私、できるだけ大きな声を出さないようにはしたけれど、隣の部屋にいるお姉様に聞かれちゃっているの……かな?」
恥ずかしいのか、沙奈会長はふとんの中に潜った。あの姉さんのことだから、聞き耳を立てていた可能性は高そうだ。
「聞かれてしまったかもしれませんが、過ぎたことは仕方ありません。それに、姉さんはニヤニヤしながら、自分のことは気にせずに会長とイチャイチャしてって言ったんですよ。こうなったらいっそのこと、堂々としていましょう」
「それなら……いっか。玲人君、頼もしいな」
すると、首元まで姿を現して沙奈会長ははにかんだ。今の会長も含めて、このベッドの上で可愛らしい沙奈会長の姿をたくさん見たな。
「玲人君、普段は落ち着いてクールなのに、イチャイチャしているときはたまにSになるよね」
「そうでしたか?」
「うん。これが玲人君の本当の姿なのかなって思ったくらいだよ。でも、そのギャップがいいなって思ってる」
「きっと、会長が可愛いからSだと思える態度になったんだと思います」
そもそも、自分がクールだと思ったこともないし。あと、僕に比べたら、沙奈会長の方がよっぽどSだと思わせる態度や行動を見せている気がするけど。
「……責任取ってよね、玲人君」
「唐突に言ってきますね。もちろん取りますけど」
「嬉しいな。実は、玲人君と最後までしたら絶対に言いたかったんだ」
あまりにも嬉しいのか、沙奈会長は僕と腕を絡ませてきて、満面の笑みで僕の頬にキスをしてきた。きっと、僕と一緒にやりたいことをたくさん頭の中で思い浮かべているんだろうな。
「玲人君と恋人として付き合えるようになって良かった。恩田さんがあなたに告白してキスをしたとき、玲人君が遠くに行っちゃった気がして。自分の体がボロボロと崩れ落ちていく感覚になって。凄く辛かったんだ」
「会長……」
「でも、私達が恋人同士になったことを笑顔で祝福してくれた恩田さんは今、玲人君と付き合えないことで辛い想いをしているかもしれない。だから、彼女のためにも、これからもずっと一緒に幸せになろうね」
「……もちろんですよ」
「うん。じゃあ、約束のキスしよっか」
そう言って、沙奈会長は僕のことを抱きしめ、優しくキスをしてきた。これからも色々なことがあると思うけど、いつまでも優しく温かな気持ちを胸に抱いて、沙奈会長と一緒にいたいと強く思う。
「玲人君、汗を結構掻いちゃったから、シャワーを浴びても大丈夫かな?」
「大丈夫だと思います。明日も祝日でお休みですけど、ここまで遅い時間ですから両親もとっくに入浴したと思いますし。僕も浴びようかな」
「じゃあ、一緒にシャワーを浴びて寝よっか」
「ええ、そうしましょう」
予想通り、家の中は静かになっているので、僕の家族はみんな眠ったようだ。
その後、沙奈会長と一緒にシャワーを浴びて汗を洗い流した。そのおかげで、ほどよく体が温まった状態になり、気持ち良く眠りに落ちることができたのであった。
1
あなたにおすすめの小説
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる