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特別編
第10話『彼女とコーヒー』
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午後1時前。
お昼ご飯を食べ終えた僕達は車に戻る。
これから、副会長さんが提案した鍾乳洞に行くので彼女が助手席に座ることに。後部座席の1列目に琴葉と真奈ちゃん、2列目に沙奈会長と僕が座る形となった。だからなのか、沙奈会長はとても嬉しそう。
「ほうとう美味しかったね、玲人君」
「美味しかったですよね」
半合坂サービスエリアは山梨県にあるので、せっかくだから何か郷土料理を食べたいと話している中でほうとう屋さんを見つけたのだ。ほうとうは山梨の麺料理ということもあって全員同じものを食べた。途中、沙奈会長や琴葉に一口食べさせられたけれど。
「これから鍾乳洞に行くんですよね」
「うん、樹里先輩から河乃湖周辺に成沢氷穴っていうのがあるからそこに行きたいって聞いているよ。そうですよね、樹里先輩」
「そうだよ。氷穴だから、普通の鍾乳洞よりも涼しいところなんだ。中には氷柱もあったりするから……確か3℃くらいだったかな」
「3℃って涼しいどころじゃないですって!」
琴葉が大きな声を挙げた。中に氷があるくらいだから、高くてもそのくらいの気温か。また、そんな彼女を見て面白かったのか、真奈ちゃんはクスクスと笑っている。
「あははっ、琴葉ちゃんの言うとおり涼しいどころじゃないね。所要時間は20分くらいだけれど、寒いのが苦手な人は何か羽織った方がいいよ」
「ワイシャツだとさすがにキツそうだから、私はカーディガンでも着ようかなぁ。玲人君が抱きしめて温めてくれるなら別だけど」
沙奈会長、ニヤニヤしながら僕のことを見てくる。昨日は穴で興奮もしていたので、実は彼女が一番行きたがっているんじゃないだろうか。
「それでもかまいませんけど、備えあれば憂いなしって言うじゃないですか。カーディガンを着た方がいいと思いますよ。あと、カーディガン姿の会長も見てみたいですし」
「……期待していてね、玲人君」
どうやら、カーディガンを着てくれるようだ。寒さ対策もできるし、僕がカーディガン姿を拝むことができるので一石二鳥。
「カーナビで入力したら、ここから小一時間くらいで着く予定だよ」
「じゃあ、成沢氷穴に向かって出発!」
『おー!』
ほうとうを食べてパワーが付いたのか、女性のみなさんは副会長さんの家を出発するときよりも元気だなぁ。
僕らを乗せた車は成沢氷穴へと走り始める。
さてと、氷穴に付くまでの間はサービスエリアで買ったアイスコーヒーでも楽しむか。さっそく一口飲んでみる。
「……美味しい」
「玲人君、とても幸せそうだね」
「今まで飲んだことのない美味しいコーヒーを飲めているんですよ。幸せに決まっているじゃないですか」
「玲人君は普段からよくコーヒーを飲んでいるもんね」
「ええ。個人的に、この旅行では色々なコーヒーを飲みたいと思いまして」
「なるほどね。玲人君なりの旅の楽しみ方があるんだ。もし良かったら、そのコーヒー……一口飲んでもいい?」
「もちろんいいですよ。ただ、ブラックですから結構苦いですよ」
「うん、分かった」
沙奈会長は僕からコーヒーを受け取り、一口飲む。すると、急に沙奈会長の表情が一変する。
「……れ、玲人君の言うとおり、結構苦いね。これを飲んで幸せそうな表情になれる玲人君が大人に思えるよ。より一層あなたに惚れた。あっ、飲ませてくれてありがとう」
「いえいえ」
沙奈会長からカップを受け取ったとき、彼女からキスされる。
「何か、ちょっとだけ甘くなった気がするよ」
「……僕もですよ」
味覚というのは気持ちに左右されるものなのかもしれない。
「……見ているあたし達からすれば、ずっと激甘な感じだよね、真奈ちゃん」
「ええ。それに加えてお熱いです。氷穴でもずっとこのような感じであれば、あたし達も寒さが気にならないかもしれません」
琴葉と真奈ちゃんが目元だけ顔を出して、僕と沙奈会長の方をじっと見ていた。
2人にキスの瞬間を見られたからか、沙奈会長は恥ずかしそうな様子を見せ、両手で顔を隠してしまう始末。ここまでしおらしくなるのも珍しいな。みんなの前でも僕の側にいることは当たり前にしているけれど、キスまでしたことは全然ないからな。
「琴葉や真奈ちゃんも飲んでみる?」
「あたし、コーヒーは苦いから飲めないんだ」
「昨日は紅茶でしたもんね。あたしはカフェオレなら普段から飲んでいますし、挑戦してみたいです。でも、いいんですか? 間接キスになっちゃいますけど」
「昔から姉さんや琴葉と、飲み物や食べ物を一口分け合うことはやっているし、真奈ちゃんさえ良ければ僕はかまわないよ」
むしろ、僕よりも沙奈会長の方が気にしそうだけれど、その会長も未だに両手で顔を覆ったまま。相当恥ずかしかったんだな。
「玲人さんがそう言うのであれば」
「うん。じゃあ、一口どうぞ、真奈ちゃん」
「ありがとうございます。では、いただきますね」
真奈ちゃんにコーヒーの入ったカップを渡す。真奈ちゃんはコーヒーを一口飲むと、
「あうっ」
という可愛らしい声を漏らす。それが恥ずかしいのかはにかんだ。
「これはとても苦いですね。お姉ちゃんの言うように、これを美味しそうに飲める玲人さんは大人だと思います。ありがとうございました」
どうやら、如月姉妹にはブラックコーヒーはちょっと早かったようだ。ただ、今の様子からして真奈ちゃんの方が早く飲めすな気がする。
「……沙奈ちゃんと逢坂君は車の中でもラブラブしているのであった。微笑ましい。それにしても、落ち着いた笑みを絶やさずブラックコーヒーを飲む逢坂君は大人ですねぇ」
気付けば、助手席から副会長さんがこちらにビデオカメラを向けていた。副会長さんもお茶目な人だな。
ただ、ようやく恥ずかしさから立ち直ろうとした沙奈会長が、また両手で顔を覆ってしまった。そんな彼女の頭を僕は優しく撫でる。この場は僕が収めるとするか。
「これは半合坂サービスエリアで買ったブラックコーヒーです。苦味が強いですがとても美味しくて満足です。正面に大きく見える富士山を眺めながら飲むとまたいいですね。富士山が見えるってことは、目的地の成沢氷穴にも近づいているんですか?」
「どうですか、麻実さん」
「もう少しで降りる予定の河乃湖インターチェンジだから、渋滞がなければあと30分くらいで着くよ」
「そうですか、分かりました。車中の楽しげな様子もたっぷりと撮れましたし、成沢氷穴に付いたら撮影することにしましょう」
何とか、動画撮影を終わらせることができたか。
「沙奈会長、もう大丈夫ですよ」
「……うん」
両手を離した沙奈会長の顔は未だに赤みが残っていたけど、笑みも見えるようになっていた。
「……キスを見られるのって、こんなにも恥ずかしいんだね」
「まあ、キスは2人きりでする方がいいですよね。ただ、会長がここまで恥ずかしがるのは意外でした」
でも、普通に見られていただけなら、こんなにも会長が恥ずかしい想いをすることはなかったんじゃないだろうか。みんなよく知っている人なんだし。ただ、甘々とかお熱いとか言われて、キスのシーンをビデオカメラで撮影されてしまったら恥ずかしくなるのも仕方ないか。
「……何だか、ばぶばぶのことで怒った玲人君の気持ちが分かった気がする」
「そうですか。分かってもらえて何よりです」
恥ずかしい気持ちになったからこそ分かったのかも。
沙奈会長の頭を優しく撫でる。すると、嬉しいのか沙奈会長は可愛らしい笑みを僕に見せてくれる。旅には笑顔が一番いいのだ。
気付けば、高速道路から降りており一般道を走っていた。自然も多くなってきて、本当に旅に来たのだなと思わせてくれる。成沢氷穴まであと少しだ。
お昼ご飯を食べ終えた僕達は車に戻る。
これから、副会長さんが提案した鍾乳洞に行くので彼女が助手席に座ることに。後部座席の1列目に琴葉と真奈ちゃん、2列目に沙奈会長と僕が座る形となった。だからなのか、沙奈会長はとても嬉しそう。
「ほうとう美味しかったね、玲人君」
「美味しかったですよね」
半合坂サービスエリアは山梨県にあるので、せっかくだから何か郷土料理を食べたいと話している中でほうとう屋さんを見つけたのだ。ほうとうは山梨の麺料理ということもあって全員同じものを食べた。途中、沙奈会長や琴葉に一口食べさせられたけれど。
「これから鍾乳洞に行くんですよね」
「うん、樹里先輩から河乃湖周辺に成沢氷穴っていうのがあるからそこに行きたいって聞いているよ。そうですよね、樹里先輩」
「そうだよ。氷穴だから、普通の鍾乳洞よりも涼しいところなんだ。中には氷柱もあったりするから……確か3℃くらいだったかな」
「3℃って涼しいどころじゃないですって!」
琴葉が大きな声を挙げた。中に氷があるくらいだから、高くてもそのくらいの気温か。また、そんな彼女を見て面白かったのか、真奈ちゃんはクスクスと笑っている。
「あははっ、琴葉ちゃんの言うとおり涼しいどころじゃないね。所要時間は20分くらいだけれど、寒いのが苦手な人は何か羽織った方がいいよ」
「ワイシャツだとさすがにキツそうだから、私はカーディガンでも着ようかなぁ。玲人君が抱きしめて温めてくれるなら別だけど」
沙奈会長、ニヤニヤしながら僕のことを見てくる。昨日は穴で興奮もしていたので、実は彼女が一番行きたがっているんじゃないだろうか。
「それでもかまいませんけど、備えあれば憂いなしって言うじゃないですか。カーディガンを着た方がいいと思いますよ。あと、カーディガン姿の会長も見てみたいですし」
「……期待していてね、玲人君」
どうやら、カーディガンを着てくれるようだ。寒さ対策もできるし、僕がカーディガン姿を拝むことができるので一石二鳥。
「カーナビで入力したら、ここから小一時間くらいで着く予定だよ」
「じゃあ、成沢氷穴に向かって出発!」
『おー!』
ほうとうを食べてパワーが付いたのか、女性のみなさんは副会長さんの家を出発するときよりも元気だなぁ。
僕らを乗せた車は成沢氷穴へと走り始める。
さてと、氷穴に付くまでの間はサービスエリアで買ったアイスコーヒーでも楽しむか。さっそく一口飲んでみる。
「……美味しい」
「玲人君、とても幸せそうだね」
「今まで飲んだことのない美味しいコーヒーを飲めているんですよ。幸せに決まっているじゃないですか」
「玲人君は普段からよくコーヒーを飲んでいるもんね」
「ええ。個人的に、この旅行では色々なコーヒーを飲みたいと思いまして」
「なるほどね。玲人君なりの旅の楽しみ方があるんだ。もし良かったら、そのコーヒー……一口飲んでもいい?」
「もちろんいいですよ。ただ、ブラックですから結構苦いですよ」
「うん、分かった」
沙奈会長は僕からコーヒーを受け取り、一口飲む。すると、急に沙奈会長の表情が一変する。
「……れ、玲人君の言うとおり、結構苦いね。これを飲んで幸せそうな表情になれる玲人君が大人に思えるよ。より一層あなたに惚れた。あっ、飲ませてくれてありがとう」
「いえいえ」
沙奈会長からカップを受け取ったとき、彼女からキスされる。
「何か、ちょっとだけ甘くなった気がするよ」
「……僕もですよ」
味覚というのは気持ちに左右されるものなのかもしれない。
「……見ているあたし達からすれば、ずっと激甘な感じだよね、真奈ちゃん」
「ええ。それに加えてお熱いです。氷穴でもずっとこのような感じであれば、あたし達も寒さが気にならないかもしれません」
琴葉と真奈ちゃんが目元だけ顔を出して、僕と沙奈会長の方をじっと見ていた。
2人にキスの瞬間を見られたからか、沙奈会長は恥ずかしそうな様子を見せ、両手で顔を隠してしまう始末。ここまでしおらしくなるのも珍しいな。みんなの前でも僕の側にいることは当たり前にしているけれど、キスまでしたことは全然ないからな。
「琴葉や真奈ちゃんも飲んでみる?」
「あたし、コーヒーは苦いから飲めないんだ」
「昨日は紅茶でしたもんね。あたしはカフェオレなら普段から飲んでいますし、挑戦してみたいです。でも、いいんですか? 間接キスになっちゃいますけど」
「昔から姉さんや琴葉と、飲み物や食べ物を一口分け合うことはやっているし、真奈ちゃんさえ良ければ僕はかまわないよ」
むしろ、僕よりも沙奈会長の方が気にしそうだけれど、その会長も未だに両手で顔を覆ったまま。相当恥ずかしかったんだな。
「玲人さんがそう言うのであれば」
「うん。じゃあ、一口どうぞ、真奈ちゃん」
「ありがとうございます。では、いただきますね」
真奈ちゃんにコーヒーの入ったカップを渡す。真奈ちゃんはコーヒーを一口飲むと、
「あうっ」
という可愛らしい声を漏らす。それが恥ずかしいのかはにかんだ。
「これはとても苦いですね。お姉ちゃんの言うように、これを美味しそうに飲める玲人さんは大人だと思います。ありがとうございました」
どうやら、如月姉妹にはブラックコーヒーはちょっと早かったようだ。ただ、今の様子からして真奈ちゃんの方が早く飲めすな気がする。
「……沙奈ちゃんと逢坂君は車の中でもラブラブしているのであった。微笑ましい。それにしても、落ち着いた笑みを絶やさずブラックコーヒーを飲む逢坂君は大人ですねぇ」
気付けば、助手席から副会長さんがこちらにビデオカメラを向けていた。副会長さんもお茶目な人だな。
ただ、ようやく恥ずかしさから立ち直ろうとした沙奈会長が、また両手で顔を覆ってしまった。そんな彼女の頭を僕は優しく撫でる。この場は僕が収めるとするか。
「これは半合坂サービスエリアで買ったブラックコーヒーです。苦味が強いですがとても美味しくて満足です。正面に大きく見える富士山を眺めながら飲むとまたいいですね。富士山が見えるってことは、目的地の成沢氷穴にも近づいているんですか?」
「どうですか、麻実さん」
「もう少しで降りる予定の河乃湖インターチェンジだから、渋滞がなければあと30分くらいで着くよ」
「そうですか、分かりました。車中の楽しげな様子もたっぷりと撮れましたし、成沢氷穴に付いたら撮影することにしましょう」
何とか、動画撮影を終わらせることができたか。
「沙奈会長、もう大丈夫ですよ」
「……うん」
両手を離した沙奈会長の顔は未だに赤みが残っていたけど、笑みも見えるようになっていた。
「……キスを見られるのって、こんなにも恥ずかしいんだね」
「まあ、キスは2人きりでする方がいいですよね。ただ、会長がここまで恥ずかしがるのは意外でした」
でも、普通に見られていただけなら、こんなにも会長が恥ずかしい想いをすることはなかったんじゃないだろうか。みんなよく知っている人なんだし。ただ、甘々とかお熱いとか言われて、キスのシーンをビデオカメラで撮影されてしまったら恥ずかしくなるのも仕方ないか。
「……何だか、ばぶばぶのことで怒った玲人君の気持ちが分かった気がする」
「そうですか。分かってもらえて何よりです」
恥ずかしい気持ちになったからこそ分かったのかも。
沙奈会長の頭を優しく撫でる。すると、嬉しいのか沙奈会長は可愛らしい笑みを僕に見せてくれる。旅には笑顔が一番いいのだ。
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