76 / 118
特別編
第12話『甘い果実』
しおりを挟む
午後3時。
成沢氷穴を歩き終わり、出口にあったお土産さんを見た僕らは駐車場に戻る。白くて大きなワンボックスカーで目立つ。すぐに見つけられる。
「楽しかったね、玲人君」
「そうですね。寒かったですけど、とてもワクワクしましたね」
氷穴もそうだけど、副会長さんの新たな一面を知ることができたのも楽しかったな。
僕はまた後部座席で沙奈会長と隣同士で座っている。ちなみに、さっきと座っている位置が違うのは琴葉と副会長さんで、彼女達が入れ替わった形となる。次に行くところが琴葉の希望したいちご狩りだからだろう。
「さっきまで3℃の世界にいたから、何だか暑く感じるよ。カーディガン脱ごうっと」
沙奈会長はカーディガンを脱ぎ始める。氷穴にいたので僕も暖かく感じているけど、嫌になるほどじゃないのでジャケットは脱がなくてもいいか。
「これから行くいちご狩り農園なんですけど、カーナビで設定したらここから15分くらいだそうです」
「すぐなんですね、琴葉さん。もう3時ですし、お腹が空き始めたのでちょうどいいですね」
「うん。いくつか農園を調べておいたんだけれど、ここから一番近いのがそこなんだ。数種類のいちごが食べることができるの」
「そうなんですね。それを聞いたらよりお腹が空いてきました。楽しみだなぁ」
真奈ちゃんと同じく僕もお腹が空いてきた。おやつにもいいタイミングかも。ただ、ホテルでの美味しい夕ご飯が待っているので、食べ過ぎには気を付けないと。
「それじゃ、いちご狩り農園に向けて出発!」
ゆっくりと車が動き出す。姉さんの運転する車もだいぶ慣れてきた。正直、事故が起こらないかどうか心配だったし、酔ってしまうかもしれないと危惧していた。なので、ここまで普通に過ごせるとは思っていなかった。
「スマホが鳴っているから、玲人君、カーディガン持っていてくれない?」
「はい」
沙奈会長からカーディガンを受け取る。ついさっきまで彼女が来ていたからか温かくて、ほんのりと彼女の甘い匂いも感じられて。氷穴を歩いて疲れているからか、急に眠くなってきたな。このふんわりとした感覚が心地……いいなぁ。
「……わいい」
「えっ?」
「私のカーディガンを抱きしめて寝ているから可愛いなって」
気付けば、沙奈会長がくすくすと笑いながら僕のことを見ていた。
「寝てましたか? 僕」
「うん。スマホを確認して、カーディガンを受け取ろうと思ったら、玲人君がうとうとしているから可愛くて。すぐにぐっすりと眠り始めたよ。もちろん、寝顔の写真は撮った」
「逢坂君が寝ているのを沙奈ちゃんから聞いて、ちゃんと動画にも残した」
まったく、この先輩方は。事あるごとに記録したいんだな。
「……そうだったんですか。ただ、氷穴にいたからかとても温かくて、ソファーもふかふかしていて、極めつけにこのカーディガンからいい匂いがしたので寝ちゃいましたね」
カーディガンを抱きしめながら寝ていた姿を見られてしまったのは恥ずかしいけど、眠気には勝てなかった。
「写真見てみる?」
「……もっと恥ずかしくなりそうなので遠慮しておきます」
これからしばらくの間、沙奈会長や副会長さんからこれをネタにからかわれそうだ。
「分かった。もう少しで農園に着くみたいだよ、玲人君」
「そうですか。寝ていたからかあっという間でしたね」
「そうだね。でも、起きてすぐに食べられるかなぁ?」
そう言って、沙奈会長はニヤニヤしながら僕の頭を撫でる。まるで僕のことを赤ちゃんみたいに扱ってるな。
「大丈夫ですよ、沙奈会長。食べられないときには、会長の口の中に練乳たっぷりのいちごを突っ込めばいいんですから」
「……もう、玲人君ったら。突っ込むのは玲人君の……だけでいいよ。それでミルクを……って車の中で何を言わせるのよ!」
沙奈会長、興奮しているぞ。まあ、何を考えているかは容易に想像できるけど。これ以上、何を言っても意味はなさそうだ。気持ちを切り替えていちご狩りを楽しもう。
それから程なくして、僕達は農園に到着した。
農園の方曰く、5月上旬である今の時期はいちご狩りのラストシーズンとのこと。それもあって、30分食べ放題で500円にしてくれた。ちなみに、練乳もつけ放題らしい。
ハウスの中に入ると、いちごの甘い匂いが香ってくる。よりお腹が空いてきた。
成沢氷穴にもたくさん人がいたのでここも賑わっているかと思いきや、意外にも人はまばらだった。ラストシーズンだからなのかな。
「さあ、いちご狩りを楽しみましょう!」
『おー!』
周りに人があまりいないからか、琴葉のそんな掛け声に女子のみなさんは元気に声を挙げた。そんな彼女達の姿を見たのか、近くにいた年配のご夫婦が微笑んでいた。
「さっ、玲人君。一緒に食べようよ」
「そうですね」
この農園では桃ほっぺ、はるひめ、紅薫、さやかルビーという4種類のいちごを堪能するとのこと。それぞれの種類のいちごが列単位で分かれて栽培されている。
「じゃあ、端から順番に食べていこうか」
「ええ」
僕は沙奈会長に手を引かれる形で桃ほっぺの実がなっているところへと向かう。ラストシーズンとは言われたけれど、大きな実がたくさんなっているじゃないか。
「いただきまーす」
「……いただきます」
1つ採って、まずは練乳を付けずに食べてみる。甘味と酸味が強いな。
「美味しいね、玲人君」
「ええ」
酸味も強いから練乳を付けても美味しいかもしれないな。
練乳を付けた桃ほっぺを口に入れようとしたら、その直前に横から沙奈会長の手が出現し、気付けば口の中に練乳の甘味が広がっていた。
「美味しい?」
「……美味しいですよ。急だったのでビックリしちゃいました。じゃあ、このいちごを沙奈会長に」
「うん。あーん」
目を閉じて口を開けている姿が可愛らしい。このままずっと見ていたいし、さっき赤ちゃん扱いされたことの仕返しをしてやろうと思ったけど、それはさすがに可哀想なのですぐにいちごを食べさせてあげた。ただし、その直前にデジカメとスマホで彼女の写真を撮ってから。
「ううん……美味しい。玲人君に食べさせてもらったからか凄く美味しい。幸せだなぁ」
「それは食べさせ甲斐がありますね」
「おおっ、玲人に沙奈ちゃん。さっそくイチャイチャしているね」
「イチャイチャって……」
いちごを食べさせ合っただけなんだけど、姉さん。
「玲人。昔みたいに食べさせてあげようか。ほら、あーん」
「あっ、麻実ちゃんずるい! あたしもレイ君に食べさせる!」
「お姉ちゃんが食べさせているのを見ていたら、あたしも試してみたくなりました」
「私だけやらないのは癪だから、私も逢坂君に食べさせてあげる」
「じゃあ、みんなの後にもう一回」
楽しげな様子でいちごを手に持っているので、ここはみなさんのご厚意に甘えさせてもらおう。
「じゃあ、いただきます」
沙奈会長を含めて5人全員にいちごを食べさせてもらう。この急にお腹が膨れていく感覚……以前、沙奈会長が家に泊まりに来たときに食べたホットケーキのことを思い出す。
「あー、桃ほっぺはもうこれで十分です」
「みんなから食べさせてもらったもんね。じゃあ、別の方に行こうか」
隣にあるあきひめという種類のいちごが栽培されているところに向かう。桃ほっぺよりも少ないけど、まだまだ立派な実がなっている。
「あきひめか。どんな感じなのか楽しみ」
「ええ。いただきまーす」
「いただきます!」
さっきと同じように最初は練乳を付けずに食べる。桃ほっぺよりも酸味が少なく、甘味が強い気がする。
「とても甘くて美味しいね」
「ええ。酸味の強い桃ほっぺをたくさん食べたからか、甘味をとても強く感じますね」
「ふふっ、そっか。ねえ、玲人君。口直しに、ここに大きな果実が2つあるけど堪能してみる? いちごよりもだいぶ柔らかいよ」
すると、沙奈会長はワイシャツの第2ボタンを外し、僕のことを上目遣いで見てくる。お気持ちは嬉しいけど、場所を考えてほしいものだ。
「はいはい、今夜いただきますから、そのために予約しておきますよ」
右手の人差し指で沙奈会長の胸をつん、と押してみる。確かに、彼女の言うようにいちごよりも柔らかいかも。
「玲人君しか堪能させるつもりはないから、予約の必要はないけどね。でも、受け付けました。玲人君次第では練乳よりも甘いミルクが飲めるかもね」
ふふっ、と沙奈会長は幸せそうに笑っている。ツッコミを入れるのも悪い気がするのでこのままにしておこう。
「今は練乳たっぷりのいちごを堪能しようね。はい、あーん」
「あーん」
はるひめの場合は練乳を付けたことでさらに甘味が深く感じられるな。これも美味しいけれど、個人的にははるひめはそのままの方が好きかな。
その後、僕らは紅薫、さやかルビーという種類のいちごも食べる。紅薫は酸味がかなり強く、さやかルビーは甘味が強くて果汁がたっぷり。いちごも種類によって味や匂い、果汁の多さなど結構違うことが学べたのであった。
成沢氷穴を歩き終わり、出口にあったお土産さんを見た僕らは駐車場に戻る。白くて大きなワンボックスカーで目立つ。すぐに見つけられる。
「楽しかったね、玲人君」
「そうですね。寒かったですけど、とてもワクワクしましたね」
氷穴もそうだけど、副会長さんの新たな一面を知ることができたのも楽しかったな。
僕はまた後部座席で沙奈会長と隣同士で座っている。ちなみに、さっきと座っている位置が違うのは琴葉と副会長さんで、彼女達が入れ替わった形となる。次に行くところが琴葉の希望したいちご狩りだからだろう。
「さっきまで3℃の世界にいたから、何だか暑く感じるよ。カーディガン脱ごうっと」
沙奈会長はカーディガンを脱ぎ始める。氷穴にいたので僕も暖かく感じているけど、嫌になるほどじゃないのでジャケットは脱がなくてもいいか。
「これから行くいちご狩り農園なんですけど、カーナビで設定したらここから15分くらいだそうです」
「すぐなんですね、琴葉さん。もう3時ですし、お腹が空き始めたのでちょうどいいですね」
「うん。いくつか農園を調べておいたんだけれど、ここから一番近いのがそこなんだ。数種類のいちごが食べることができるの」
「そうなんですね。それを聞いたらよりお腹が空いてきました。楽しみだなぁ」
真奈ちゃんと同じく僕もお腹が空いてきた。おやつにもいいタイミングかも。ただ、ホテルでの美味しい夕ご飯が待っているので、食べ過ぎには気を付けないと。
「それじゃ、いちご狩り農園に向けて出発!」
ゆっくりと車が動き出す。姉さんの運転する車もだいぶ慣れてきた。正直、事故が起こらないかどうか心配だったし、酔ってしまうかもしれないと危惧していた。なので、ここまで普通に過ごせるとは思っていなかった。
「スマホが鳴っているから、玲人君、カーディガン持っていてくれない?」
「はい」
沙奈会長からカーディガンを受け取る。ついさっきまで彼女が来ていたからか温かくて、ほんのりと彼女の甘い匂いも感じられて。氷穴を歩いて疲れているからか、急に眠くなってきたな。このふんわりとした感覚が心地……いいなぁ。
「……わいい」
「えっ?」
「私のカーディガンを抱きしめて寝ているから可愛いなって」
気付けば、沙奈会長がくすくすと笑いながら僕のことを見ていた。
「寝てましたか? 僕」
「うん。スマホを確認して、カーディガンを受け取ろうと思ったら、玲人君がうとうとしているから可愛くて。すぐにぐっすりと眠り始めたよ。もちろん、寝顔の写真は撮った」
「逢坂君が寝ているのを沙奈ちゃんから聞いて、ちゃんと動画にも残した」
まったく、この先輩方は。事あるごとに記録したいんだな。
「……そうだったんですか。ただ、氷穴にいたからかとても温かくて、ソファーもふかふかしていて、極めつけにこのカーディガンからいい匂いがしたので寝ちゃいましたね」
カーディガンを抱きしめながら寝ていた姿を見られてしまったのは恥ずかしいけど、眠気には勝てなかった。
「写真見てみる?」
「……もっと恥ずかしくなりそうなので遠慮しておきます」
これからしばらくの間、沙奈会長や副会長さんからこれをネタにからかわれそうだ。
「分かった。もう少しで農園に着くみたいだよ、玲人君」
「そうですか。寝ていたからかあっという間でしたね」
「そうだね。でも、起きてすぐに食べられるかなぁ?」
そう言って、沙奈会長はニヤニヤしながら僕の頭を撫でる。まるで僕のことを赤ちゃんみたいに扱ってるな。
「大丈夫ですよ、沙奈会長。食べられないときには、会長の口の中に練乳たっぷりのいちごを突っ込めばいいんですから」
「……もう、玲人君ったら。突っ込むのは玲人君の……だけでいいよ。それでミルクを……って車の中で何を言わせるのよ!」
沙奈会長、興奮しているぞ。まあ、何を考えているかは容易に想像できるけど。これ以上、何を言っても意味はなさそうだ。気持ちを切り替えていちご狩りを楽しもう。
それから程なくして、僕達は農園に到着した。
農園の方曰く、5月上旬である今の時期はいちご狩りのラストシーズンとのこと。それもあって、30分食べ放題で500円にしてくれた。ちなみに、練乳もつけ放題らしい。
ハウスの中に入ると、いちごの甘い匂いが香ってくる。よりお腹が空いてきた。
成沢氷穴にもたくさん人がいたのでここも賑わっているかと思いきや、意外にも人はまばらだった。ラストシーズンだからなのかな。
「さあ、いちご狩りを楽しみましょう!」
『おー!』
周りに人があまりいないからか、琴葉のそんな掛け声に女子のみなさんは元気に声を挙げた。そんな彼女達の姿を見たのか、近くにいた年配のご夫婦が微笑んでいた。
「さっ、玲人君。一緒に食べようよ」
「そうですね」
この農園では桃ほっぺ、はるひめ、紅薫、さやかルビーという4種類のいちごを堪能するとのこと。それぞれの種類のいちごが列単位で分かれて栽培されている。
「じゃあ、端から順番に食べていこうか」
「ええ」
僕は沙奈会長に手を引かれる形で桃ほっぺの実がなっているところへと向かう。ラストシーズンとは言われたけれど、大きな実がたくさんなっているじゃないか。
「いただきまーす」
「……いただきます」
1つ採って、まずは練乳を付けずに食べてみる。甘味と酸味が強いな。
「美味しいね、玲人君」
「ええ」
酸味も強いから練乳を付けても美味しいかもしれないな。
練乳を付けた桃ほっぺを口に入れようとしたら、その直前に横から沙奈会長の手が出現し、気付けば口の中に練乳の甘味が広がっていた。
「美味しい?」
「……美味しいですよ。急だったのでビックリしちゃいました。じゃあ、このいちごを沙奈会長に」
「うん。あーん」
目を閉じて口を開けている姿が可愛らしい。このままずっと見ていたいし、さっき赤ちゃん扱いされたことの仕返しをしてやろうと思ったけど、それはさすがに可哀想なのですぐにいちごを食べさせてあげた。ただし、その直前にデジカメとスマホで彼女の写真を撮ってから。
「ううん……美味しい。玲人君に食べさせてもらったからか凄く美味しい。幸せだなぁ」
「それは食べさせ甲斐がありますね」
「おおっ、玲人に沙奈ちゃん。さっそくイチャイチャしているね」
「イチャイチャって……」
いちごを食べさせ合っただけなんだけど、姉さん。
「玲人。昔みたいに食べさせてあげようか。ほら、あーん」
「あっ、麻実ちゃんずるい! あたしもレイ君に食べさせる!」
「お姉ちゃんが食べさせているのを見ていたら、あたしも試してみたくなりました」
「私だけやらないのは癪だから、私も逢坂君に食べさせてあげる」
「じゃあ、みんなの後にもう一回」
楽しげな様子でいちごを手に持っているので、ここはみなさんのご厚意に甘えさせてもらおう。
「じゃあ、いただきます」
沙奈会長を含めて5人全員にいちごを食べさせてもらう。この急にお腹が膨れていく感覚……以前、沙奈会長が家に泊まりに来たときに食べたホットケーキのことを思い出す。
「あー、桃ほっぺはもうこれで十分です」
「みんなから食べさせてもらったもんね。じゃあ、別の方に行こうか」
隣にあるあきひめという種類のいちごが栽培されているところに向かう。桃ほっぺよりも少ないけど、まだまだ立派な実がなっている。
「あきひめか。どんな感じなのか楽しみ」
「ええ。いただきまーす」
「いただきます!」
さっきと同じように最初は練乳を付けずに食べる。桃ほっぺよりも酸味が少なく、甘味が強い気がする。
「とても甘くて美味しいね」
「ええ。酸味の強い桃ほっぺをたくさん食べたからか、甘味をとても強く感じますね」
「ふふっ、そっか。ねえ、玲人君。口直しに、ここに大きな果実が2つあるけど堪能してみる? いちごよりもだいぶ柔らかいよ」
すると、沙奈会長はワイシャツの第2ボタンを外し、僕のことを上目遣いで見てくる。お気持ちは嬉しいけど、場所を考えてほしいものだ。
「はいはい、今夜いただきますから、そのために予約しておきますよ」
右手の人差し指で沙奈会長の胸をつん、と押してみる。確かに、彼女の言うようにいちごよりも柔らかいかも。
「玲人君しか堪能させるつもりはないから、予約の必要はないけどね。でも、受け付けました。玲人君次第では練乳よりも甘いミルクが飲めるかもね」
ふふっ、と沙奈会長は幸せそうに笑っている。ツッコミを入れるのも悪い気がするのでこのままにしておこう。
「今は練乳たっぷりのいちごを堪能しようね。はい、あーん」
「あーん」
はるひめの場合は練乳を付けたことでさらに甘味が深く感じられるな。これも美味しいけれど、個人的にははるひめはそのままの方が好きかな。
その後、僕らは紅薫、さやかルビーという種類のいちごも食べる。紅薫は酸味がかなり強く、さやかルビーは甘味が強くて果汁がたっぷり。いちごも種類によって味や匂い、果汁の多さなど結構違うことが学べたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる