78 / 118
特別編
第14話『富士より君の山』
しおりを挟む
父さんへの電話が終わって、部屋に戻ると琴葉、姉さん、真奈ちゃんの姿がなくなっていた。ただ、その代わりにビデオカメラで部屋を撮影している副会長さんの姿が。
「お電話は終わった? 逢坂君」
「ええ。父さんに連絡したら、無事にホテルに着いて良かったと言われました」
「そっか。きっと、子供だけで旅に出るから心配だったんだろうね」
姉さんの運転も含めて、両親は旅に出た僕らのことを気にかけていたのかもしれない。だからこそ、父さんは無事で良かったと真っ先に言ったのだと思う。
「副会長さんは部屋の撮影ですか?」
「うん。どんな部屋に泊まるのか撮っておきたくて。女将さんも言っていたけど、浴室だけじゃなくて天然温泉の部屋風呂もあって凄かったよね、沙奈ちゃん」
「ええ。……何度か、玲人君と一緒に入りたいなって思いました」
はにかみながらそう言う沙奈会長が何とも可愛らしい。
「逢坂君と素敵な時間を過ごしてね。以上、801号室でした」
副会長さんがそう言うと、ピッと音が聞こえた。ここでの撮影を終えたのかな。
「撮らせてくれてありがとう。私達が泊まる部屋も撮影したいし、私も戻るよ」
「分かりました。では、また後で」
「うん、また後でね」
副会長さんは僕達に手を振って部屋を後にした。そのことで急に静かな空気になった気がする。
「何だか、玲人君と2人きりになるの……ひさしぶりな気がするよね」
「……そうですね」
きっと、それが答えなんだろう。
昨日も沙奈会長と一緒にいる時間はあったけど、姉さんや琴葉がずっと一緒にいて、今日になったら副会長さんや真奈ちゃんも加わって。思えば、こうして2人きりでゆっくりとした時間を過ごすのは、付き合い始めるようになった3連休が明けてからは初めてかもしれない。
「玲人君」
すると、沙奈会長は僕のことをぎゅっと抱きしめてくる。僕の顔を見るとゆっくりと目を閉じた。
そんな彼女に返すのは言葉ではないだろうと思い、僕はそっと唇を重ねた。家を出発してからの時間よりも、今、ここで彼女と2人きりでキスする時間の方が不思議と長く感じる。
唇を離すと、沙奈会長は嬉しそうに笑って、
「お茶を淹れようか」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。温かい緑茶をお願いできますか」
「分かった。玲人君はゆっくりとしてて」
僕はジャケットを脱ぎ、ベッドの横にある椅子に座る。
バルコニーに出なくても綺麗な景色を眺めることができていいな。入り口の方を向けばお茶を淹れている沙奈会長がいて。温かい気持ちが湧き上がってくるので、スマホとデジカメで写真を撮っておくことに。
「はい、温かい緑茶ですよ。あと、温泉饅頭もあったから」
「ありがとうございます」
「嬉しそうな顔をしちゃって、どうしたの?」
「何だか、沙奈会長達と一緒に旅行に来ることが本当に嬉しいなと思って」
「……私も玲人君達と一緒に旅行ができて嬉しいよ。それに、1日目にして楽しい気持ちでいっぱいだもん」
「僕もですよ。会長と同じ気持ちで良かったです。……いただきます」
沙奈会長の淹れてくれた温かい緑茶を飲む。
「……美味しいです」
「良かった。この温泉饅頭も美味しいよ」
「そうなんですか。両親が温泉饅頭が大好きで、さっき電話したときも忘れずに買ってきてって言われましたよ」
「それなら、このお饅頭はお土産にピッタリだと思うよ」
僕も温泉饅頭を一口食べてみる。
「うん、美味しいですね。上品な甘さで日本茶に合います。両親に買っていきましょう」
こうして部屋に用意されているのだから、ホテルの売店で売っているだろう。忘れずに買わなければ。
「……ねえ、玲人君」
「はい」
「貸切温泉の予約の時間まであと40分くらいあるけれど何をする? 今は2人きりで、オートロックだから先輩達は勝手に入れない。そこにはベッドもあるし、浴室だってある。ちなみに、私の荷物の中にはアレが入っているし」
えへへっ、と沙奈会長は厭らしく笑う。やっぱり、沙奈会長はイチャイチャすることを考えているのか。
「……僕もアレは持ってきましたよ。会長と今日一日過ごして、したい気持ちも大きくなっていますけど。それは夜、ゆっくりとたっぷり味わいませんか?」
「……そうだね。この後、1時間も経たないうちにみんなで温泉に入って、夕ご飯を食べるもんね。私もゆっくりとたっぷりしたい」
「じゃあ、そうしましょう。ただ……それとは関係なく一つ気になることがあるんですけど」
「うん、何かな?」
「……僕、みなさんと一緒に貸切温泉に入っても大丈夫なのでしょうか」
沙奈会長と姉さんは大丈夫だと思っている。ただ、琴葉に副会長さん、真奈ちゃんと一緒に温泉に入ってしまっていいのだろうか。
「玲人君、一緒に入りたくないの?」
「僕は入ってもかまわないのですが……誰か1人でも、男である僕と一緒に入るのが嫌であれば、僕は入らなくてもいいと思っています」
「なるほどね。じゃあ、みんなに訊いてみよっか」
すると、沙奈会長はスマートフォンを手に取る。みんなはどう考えるのかな。
――プルルッ。
僕のスマートフォンが鳴る。確認してみると、沙奈会長から1件のメッセージが。
『この後の貸切温泉、混浴OKなんですけど、みんなは玲人君と一緒に入っても大丈夫ですか? 素直な気持ちを聞かせてくれると嬉しいです』
今回の旅行のメンバー6人が参加しているグループトークに、沙奈会長のそんなメッセージが送信されていた。すると、
『あたしはかまわないよ。玲人とは先月にも一緒に入ったもんね』
『あたしもひさしぶりにレイ君と一緒に入りたい!』
姉さんと琴葉は僕と一緒に入りたいというメッセージを送ってきてくれた。姉さんは予想通りだけれど、琴葉も入りたいと言うなんて。やっぱり、小さい頃は何度も一緒にお風呂に入っていたからかな。
『あたしも玲人さん一緒に入ってみたいです。実はお姉ちゃんから色々と話を聞いていて、玲人さんの体を見てみたいと思って……』
『逢坂君は麻実さんや琴葉ちゃんで慣れているみたいだし、沙奈ちゃんっていう彼女もいるから……彼が変なことをしないって信じているよ』
ちょっと沙奈会長に訊きたいことはあるけど、真奈ちゃんも副会長さんも僕と一緒に入ってもいいようだ。
『みなさん、ありがとうございます。一緒に温泉を楽しめればと思います』
僕がそんなメッセージを送った直後、沙奈会長は優しい笑みを浮かべながら僕の頭をそっと撫でてくる。
「良かったね、玲人君」
「みなさん、あまり抵抗がないんですかね。失礼のないように気を付けないと」
「……そんな玲人君だから、一緒に入ってもいいって言ってくれたんだと思うよ。でも、可愛らしい子ばかりだから、裸になって変なことをしないようにしてね」
「もちろんですよ」
そんなことをしたら沙奈会長に殺されそうだ。細心の注意を払いながらも、温泉を楽しむことができればいいな。
「話は変わるけど、ここから見える富士山……とても綺麗ね」
「ええ。心が落ち着きますね。せっかくですから、バルコニーに出てみますか?」
「そうね」
僕は沙奈会長と一緒にバルコニーに出る。
「空気が美味しいね。夕方になって涼しくなってきたし」
「そうですね」
月野市も空気が爽やかだと思うことができるのは……周りに自然がたくさんあって、富士山が見えるからだろうか。富士山も山頂付近には雪がまだ残っていることもあってとても美しい。
「ねえ、玲人君。後ろから私のことを抱きしめてくれる?」
「ええ、いいですよ」
沙奈会長の言うように、彼女のことを後ろからそっと抱きしめる。涼しいからか彼女の温もりが心地よい。彼女の髪からほのかに甘い匂いがして、体の柔らかさも感じられるのでこのまま寝ることもできそうだ。
「あぁ、幸せだなぁ。私、こうして玲人君に抱きしめられなから富士山を見るの、あのチケットをお父さんにもらってからの夢だったんだ」
「最近抱いた夢だったんですね。でも、沙奈会長のことを抱きしめながらこの風景を見ると、幸せな気持ちになりますね。本当に会長のことが好きなんだって実感します」
「もう、不意打ちで好きだって言うなんてずるいよ。嬉しすぎてここでしたくなっちゃうじゃない」
「……富士山を見ながら深呼吸をして落ち着きましょう」
まったくこの人は……と思ったけど、今日はずっと一緒に旅行していて、2人きりで泊まる部屋で好きだと言われたら興奮してしまうのは当然かも。僕自身もこうしていて興奮していないと言ったら嘘になる。現に、美しい富士山よりも、手の届くところにある2つの柔らかい山の方が気になっているし。
「今はこの興奮を幸せな気持ちに変えるようにするね」
「そうですか」
「うん。もうちょっとこのまま抱きしめてもらっていいかな?」
「もちろんです。僕もこのままでいたいと思っていましたから」
「……ありがとう」
すると、沙奈会長はゆっくりと僕の方に振り返ってキスする。その後に見せる幸せそうな笑みがとても愛おしい。
その後、予約した貸切温泉の時間の直前まで、僕と沙奈会長はここから見える風景を楽しむのであった。
「お電話は終わった? 逢坂君」
「ええ。父さんに連絡したら、無事にホテルに着いて良かったと言われました」
「そっか。きっと、子供だけで旅に出るから心配だったんだろうね」
姉さんの運転も含めて、両親は旅に出た僕らのことを気にかけていたのかもしれない。だからこそ、父さんは無事で良かったと真っ先に言ったのだと思う。
「副会長さんは部屋の撮影ですか?」
「うん。どんな部屋に泊まるのか撮っておきたくて。女将さんも言っていたけど、浴室だけじゃなくて天然温泉の部屋風呂もあって凄かったよね、沙奈ちゃん」
「ええ。……何度か、玲人君と一緒に入りたいなって思いました」
はにかみながらそう言う沙奈会長が何とも可愛らしい。
「逢坂君と素敵な時間を過ごしてね。以上、801号室でした」
副会長さんがそう言うと、ピッと音が聞こえた。ここでの撮影を終えたのかな。
「撮らせてくれてありがとう。私達が泊まる部屋も撮影したいし、私も戻るよ」
「分かりました。では、また後で」
「うん、また後でね」
副会長さんは僕達に手を振って部屋を後にした。そのことで急に静かな空気になった気がする。
「何だか、玲人君と2人きりになるの……ひさしぶりな気がするよね」
「……そうですね」
きっと、それが答えなんだろう。
昨日も沙奈会長と一緒にいる時間はあったけど、姉さんや琴葉がずっと一緒にいて、今日になったら副会長さんや真奈ちゃんも加わって。思えば、こうして2人きりでゆっくりとした時間を過ごすのは、付き合い始めるようになった3連休が明けてからは初めてかもしれない。
「玲人君」
すると、沙奈会長は僕のことをぎゅっと抱きしめてくる。僕の顔を見るとゆっくりと目を閉じた。
そんな彼女に返すのは言葉ではないだろうと思い、僕はそっと唇を重ねた。家を出発してからの時間よりも、今、ここで彼女と2人きりでキスする時間の方が不思議と長く感じる。
唇を離すと、沙奈会長は嬉しそうに笑って、
「お茶を淹れようか」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。温かい緑茶をお願いできますか」
「分かった。玲人君はゆっくりとしてて」
僕はジャケットを脱ぎ、ベッドの横にある椅子に座る。
バルコニーに出なくても綺麗な景色を眺めることができていいな。入り口の方を向けばお茶を淹れている沙奈会長がいて。温かい気持ちが湧き上がってくるので、スマホとデジカメで写真を撮っておくことに。
「はい、温かい緑茶ですよ。あと、温泉饅頭もあったから」
「ありがとうございます」
「嬉しそうな顔をしちゃって、どうしたの?」
「何だか、沙奈会長達と一緒に旅行に来ることが本当に嬉しいなと思って」
「……私も玲人君達と一緒に旅行ができて嬉しいよ。それに、1日目にして楽しい気持ちでいっぱいだもん」
「僕もですよ。会長と同じ気持ちで良かったです。……いただきます」
沙奈会長の淹れてくれた温かい緑茶を飲む。
「……美味しいです」
「良かった。この温泉饅頭も美味しいよ」
「そうなんですか。両親が温泉饅頭が大好きで、さっき電話したときも忘れずに買ってきてって言われましたよ」
「それなら、このお饅頭はお土産にピッタリだと思うよ」
僕も温泉饅頭を一口食べてみる。
「うん、美味しいですね。上品な甘さで日本茶に合います。両親に買っていきましょう」
こうして部屋に用意されているのだから、ホテルの売店で売っているだろう。忘れずに買わなければ。
「……ねえ、玲人君」
「はい」
「貸切温泉の予約の時間まであと40分くらいあるけれど何をする? 今は2人きりで、オートロックだから先輩達は勝手に入れない。そこにはベッドもあるし、浴室だってある。ちなみに、私の荷物の中にはアレが入っているし」
えへへっ、と沙奈会長は厭らしく笑う。やっぱり、沙奈会長はイチャイチャすることを考えているのか。
「……僕もアレは持ってきましたよ。会長と今日一日過ごして、したい気持ちも大きくなっていますけど。それは夜、ゆっくりとたっぷり味わいませんか?」
「……そうだね。この後、1時間も経たないうちにみんなで温泉に入って、夕ご飯を食べるもんね。私もゆっくりとたっぷりしたい」
「じゃあ、そうしましょう。ただ……それとは関係なく一つ気になることがあるんですけど」
「うん、何かな?」
「……僕、みなさんと一緒に貸切温泉に入っても大丈夫なのでしょうか」
沙奈会長と姉さんは大丈夫だと思っている。ただ、琴葉に副会長さん、真奈ちゃんと一緒に温泉に入ってしまっていいのだろうか。
「玲人君、一緒に入りたくないの?」
「僕は入ってもかまわないのですが……誰か1人でも、男である僕と一緒に入るのが嫌であれば、僕は入らなくてもいいと思っています」
「なるほどね。じゃあ、みんなに訊いてみよっか」
すると、沙奈会長はスマートフォンを手に取る。みんなはどう考えるのかな。
――プルルッ。
僕のスマートフォンが鳴る。確認してみると、沙奈会長から1件のメッセージが。
『この後の貸切温泉、混浴OKなんですけど、みんなは玲人君と一緒に入っても大丈夫ですか? 素直な気持ちを聞かせてくれると嬉しいです』
今回の旅行のメンバー6人が参加しているグループトークに、沙奈会長のそんなメッセージが送信されていた。すると、
『あたしはかまわないよ。玲人とは先月にも一緒に入ったもんね』
『あたしもひさしぶりにレイ君と一緒に入りたい!』
姉さんと琴葉は僕と一緒に入りたいというメッセージを送ってきてくれた。姉さんは予想通りだけれど、琴葉も入りたいと言うなんて。やっぱり、小さい頃は何度も一緒にお風呂に入っていたからかな。
『あたしも玲人さん一緒に入ってみたいです。実はお姉ちゃんから色々と話を聞いていて、玲人さんの体を見てみたいと思って……』
『逢坂君は麻実さんや琴葉ちゃんで慣れているみたいだし、沙奈ちゃんっていう彼女もいるから……彼が変なことをしないって信じているよ』
ちょっと沙奈会長に訊きたいことはあるけど、真奈ちゃんも副会長さんも僕と一緒に入ってもいいようだ。
『みなさん、ありがとうございます。一緒に温泉を楽しめればと思います』
僕がそんなメッセージを送った直後、沙奈会長は優しい笑みを浮かべながら僕の頭をそっと撫でてくる。
「良かったね、玲人君」
「みなさん、あまり抵抗がないんですかね。失礼のないように気を付けないと」
「……そんな玲人君だから、一緒に入ってもいいって言ってくれたんだと思うよ。でも、可愛らしい子ばかりだから、裸になって変なことをしないようにしてね」
「もちろんですよ」
そんなことをしたら沙奈会長に殺されそうだ。細心の注意を払いながらも、温泉を楽しむことができればいいな。
「話は変わるけど、ここから見える富士山……とても綺麗ね」
「ええ。心が落ち着きますね。せっかくですから、バルコニーに出てみますか?」
「そうね」
僕は沙奈会長と一緒にバルコニーに出る。
「空気が美味しいね。夕方になって涼しくなってきたし」
「そうですね」
月野市も空気が爽やかだと思うことができるのは……周りに自然がたくさんあって、富士山が見えるからだろうか。富士山も山頂付近には雪がまだ残っていることもあってとても美しい。
「ねえ、玲人君。後ろから私のことを抱きしめてくれる?」
「ええ、いいですよ」
沙奈会長の言うように、彼女のことを後ろからそっと抱きしめる。涼しいからか彼女の温もりが心地よい。彼女の髪からほのかに甘い匂いがして、体の柔らかさも感じられるのでこのまま寝ることもできそうだ。
「あぁ、幸せだなぁ。私、こうして玲人君に抱きしめられなから富士山を見るの、あのチケットをお父さんにもらってからの夢だったんだ」
「最近抱いた夢だったんですね。でも、沙奈会長のことを抱きしめながらこの風景を見ると、幸せな気持ちになりますね。本当に会長のことが好きなんだって実感します」
「もう、不意打ちで好きだって言うなんてずるいよ。嬉しすぎてここでしたくなっちゃうじゃない」
「……富士山を見ながら深呼吸をして落ち着きましょう」
まったくこの人は……と思ったけど、今日はずっと一緒に旅行していて、2人きりで泊まる部屋で好きだと言われたら興奮してしまうのは当然かも。僕自身もこうしていて興奮していないと言ったら嘘になる。現に、美しい富士山よりも、手の届くところにある2つの柔らかい山の方が気になっているし。
「今はこの興奮を幸せな気持ちに変えるようにするね」
「そうですか」
「うん。もうちょっとこのまま抱きしめてもらっていいかな?」
「もちろんです。僕もこのままでいたいと思っていましたから」
「……ありがとう」
すると、沙奈会長はゆっくりと僕の方に振り返ってキスする。その後に見せる幸せそうな笑みがとても愛おしい。
その後、予約した貸切温泉の時間の直前まで、僕と沙奈会長はここから見える風景を楽しむのであった。
1
あなたにおすすめの小説
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる