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第25話『ジェットコースター』
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『清王パークランド駅です。ご乗車ありがとうございました』
午前10時頃。
途中、調津駅で電車を乗り換えて、俺達は最寄り駅である清王パークランド駅に到着した。みんなで喋っていたのもあり、あっという間に感じられた。あと、遅延や運転見合わせにならなくて良かった。
「最寄り駅まであっという間だったね、お兄ちゃん」
「ああ。みんなと話していたからあっという間だったな」
俺達の会話に藤原さん達も「そうだね」と同意する。楽しそうに話していたから、みんなもここまではあっという間だったか。
「さてと。ここからパークランドには路線バスかゴンドラで行くけど、みんなはどっちがいい?」
山本先生がそう問いかけてくる。
駅からパークランドへ行く手段は、路線バスとゴンドラがある。ゴンドラは路線バスよりも数十円ほど高いけど、珍しさもあってか人気が高い。これまでも電車でパークランドに来たときには、ゴンドラに乗って行き来していた。
「あたし、ゴンドラに乗りたいですっ!」
「早希と同じ意見だぜ!」
「あたしもゴンドラがいいわ! 千弦達はどう思う?」
「私もゴンドラがいいな」
「そうそう乗る機会ないもんね。私もゴンドラ希望」
「あたしもゴンドラがいいです! これまでもゴンドラに乗って楽しかったですし」
「そうだな、結菜。俺もゴンドラがいいです」
「了解。じゃあ、全会一致ってことでゴンドラにしよう」
ゴンドラに決まったので、俺達はゴンドラ乗り場へ。
券売機で往復分の乗車券を購入し、ホームに。
今日が祝日であることやゴンドラは人気の移動手段であることから、ホームには15人ほど並んでいる。琢磨を先頭に俺達は列の最後尾に並ぶ。
10分ほどして俺達の乗る番に。8人で一緒にゴンドラに乗り、パークランドへ向かい始める。
「おーっ、早希! 向こうに富士山見えるぞ!」
「本当だ! 綺麗だねっ!」
琢磨と吉岡さんは富士山を見て興奮している。吉岡さんはスマホを取り出して富士山の写真を撮るほどで。天気がいいと富士山が見えることがあるからな。
「今日は晴れているから、景色がとても綺麗だね」
「そうだね、千弦ちゃん」
「何度もゴンドラは乗ったことがあるけど、千弦達と一緒だから今日が一番綺麗だわ!」
「みんなと一緒に見る景色っていいですよね、玲央さん」
「いい景色だよね。あと、教え子達とパークランドに行くのは初めてだから、何度も見たことのあるこの景色が新鮮に感じるよ」
「山本先生の言うこと分かります。結菜と琢磨以外は初めてですし」
だから、何度も見たことのあるゴンドラからの景色が、これまでとはちょっと違って見えて。今日は快晴だから、360度、どこを見渡しても煌めいていて。とても綺麗な景色だと思う。
スマホを取り出し、ゴンドラからの景色や結菜達のことを撮った。そういったことをしていたので、あっという間にパークランドの入口前に到着した。
『着いたー!』
「着いたわね!」
「着きましたね! パークランド!」
ゴンドラから下りた瞬間、琢磨、吉岡さん、神崎さん、結菜はとても嬉しそうな様子で大きな声で言った。琢磨と吉岡さんは声を揃えて。さすがは運動系の部活に入っているだけあって元気いっぱいだ。
パークランドの入口に向かうと……結構多くの人がいるな。チケット売り場には長い列ができている。
チケット売り場には『特別チケットをお持ちの方はこちら』と書かれたカウンターもある。招待券があるから、あそこに行けばいいのかな。ちなみに、そのカウンターには人がいない。
俺達は特別チケットのカウンターに行く。
「すみません。4名まで利用できる一日フリーパス招待券を2枚あるのですが」
と、俺が尋ねて招待券を見せると、受付にいる男性のスタッフの方が、俺達の人数を確認する。
8人おり、招待券の有効期限も大丈夫なので、スタッフさんが俺に本日使える一日フリーパス券を8枚渡してくれた。この券を見せれば、パークランドの中に入り、アトラクションを自由に楽しめるという。
俺が結菜達にフリーパス券を1枚ずつ渡して、入口ゲートに向かう。
ゲートにいる方にフリーパス券を見せ、俺達は無事に東京パークランドの中に入ることができた。無事にタダでパークランドに足を踏み入れることができて一安心だ。
「ついにパークランドに入ったわ! 去年の夏休み以来だわ!」
「俺は去年の秋に早希とデートで来たとき以来だな」
「そうだね、琢磨君」
そういえば、その時期にパークランドに遊園地デートに行ったって琢磨と吉岡さんから話を聞いたっけ。
「私は去年のゴールデンウィークに千弦ちゃん達と一緒に来たとき以来だね」
「私もだよ」
「あたしは去年の冬休みに友達と来たとき以来です」
「俺は……中学を卒業した直後に、琢磨達と一緒に来たとき以来だな」
「私は学生時代に友達と来たのが最後だね。だから、期間が空いているのは私かな」
と、山本先生は微笑みながら言った。
洲中市やその近郊だと電車で行きやすいし、結菜と琢磨と吉岡さん以外もこれまでにパークランドに来たことがあるか。
神崎さんの提案で、パークランドに来た記念に8人一緒に自撮り写真を撮った。
「まずはどこへ行きましょうか?」
俺は結菜達に問いかける。
「ジェットコースターに行きたいぜ! 王道だし、最初に行くことが多いからな」
琢磨がジェットコースターを希望してきた。
そういえば、琢磨と一緒に遊園地に来たときは、ジェットコースターを最初に乗ることが多いな。あと、家族で遊びに来たときも、みんな絶叫系は苦手ではないので、ジェットコースターなどのスリル系の絶叫アトラクションに行くことが多かった。
「前にデートで来たときは最初に乗ったね。あたしは賛成」
「あたしも賛成。絶叫系大好きだし」
吉岡さんと神崎さんも賛成している。あと、神崎さんは絶叫系が大好きなのか。イメージにピッタリだ。
その後、結菜、藤原さん、星野さん、山本先生、俺もジェットコースター案に賛成の声を上げる。
「全員賛成ってことで、まずはジェットコースターに乗りましょうか」
俺達はジェットコースターがある方へ向かう。ジェットコースターのコースがはっきり見えるので、あそこを目指せば迷うことはないだろう。
今は午前10時半近くだけど、多くの人が来園していてにぎわっている。祝日なので家族連れが多く、他にもカップルや俺達のような学生や若い世代のグループらしきお客さんも見受けられる。
俺達は迷うことなくジェットコースターの入口前まで向かう。王道で人気のアトラクションなのもあり、入口から長い列ができている。2列の形で並ぶのか。
「待機列は2列なのね。確か、ジェットコースターも2人で並んで座るわよね」
「そうでしたね、玲央さん」
「記憶通りだったわ。じゃあ、誰と隣同士に座るかここで決めちゃいますか?」
神崎さんがそう提案してくる。
もし、乗る直前に誰と隣同士に座るか迷ってしまったら、他のお客さんの迷惑になりそうだ。それなら、列に並ぶ今の時点で決めた方がいいか。
「俺は賛成だ」
と、俺が最初に賛同の意を示した。それもあってか、神崎さんは俺にニコッと笑いかけてくれる。
その後、結菜や琢磨など続々と賛同の意を示し……最終的には全員が賛成した。
「じゃあ、ここで決めましょう」
「俺は早希と隣同士で座りたいぜ!」
「ふふっ。そう言ってくれて嬉しいよ、琢磨君」
吉岡さんは嬉しそうに言う。まあ、8人の中では唯一のカップルだし、2人並んで座ると聞いた時点で、琢磨と吉岡さんは隣同士で座ることになると思っていた。
「早希と坂井は決まりね」
「あたしは玲央さんと隣同士で座りたいです! 初めて一緒に遊園地に来ましたし、金曜日の映画では玲央さんはいませんでしたから」
「あらぁ、嬉しいことを言ってくれるわね! もちろんいいわ!」
「ありがとうございますっ!」
「良かったな、結菜」
「うんっ!」
自分のお願いが通って、結菜はとても嬉しそうだ。まあ、金曜日に映画を観に行った日は神崎さんが合宿でいなかったから、一緒に座りたい結菜の気持ちも分かるかな。
あと、結菜以上に神崎さんは嬉しそうにしている。気に入っている結菜から一緒に座りたいと言われたのが本当に嬉しかったのだろう。本人も嬉しいと言っていたし。
あとは藤原さん、星野さん、山本先生、俺か。3人とも一緒に遊園地に来るのは初めてだから、誰とでも新鮮な気持ちでジェットコースターを楽しめそうだ。
「初めて一緒に遊園地に来たから……か。私は白石君と隣同士に座りたいな。白石君とは初めてだし。映画のときも隣同士に座っていい感じだったから」
藤原さんは俺のことを見ながらそう言ってくれる。隣に座りたいと言ってくれて嬉しいし、胸が温かくなる。
「嬉しいな。俺はかまわないぞ」
「ありがとう」
藤原さんはいつもの落ち着いた笑顔でお礼を言った。ただ、口角が普段の笑顔よりも上がっていて。俺と隣同士に座りたいという言葉もあり、藤原さんが可愛く思える。
「では、私は飛鳥先生と隣同士ですね。嬉しいです。初めて一緒に来たので、飛鳥先生の隣に座りたい気持ちがありまして」
「そうなのね。嬉しいわ。一緒に楽しみましょう」
「はいっ」
星野さんは可愛らしい笑顔でそう返事した。山本先生も柔らかい笑顔になっているし、少し歳が離れた友人同士って感じがする。
誰と座るか決まったので、俺達は待機列に並ぶ。ちなみに、並んでいる順番は琢磨&吉岡さん、結菜&神崎さん、藤原さん&俺、星野さん&山本先生だ。
近くにスタッフさんがいたので、何分くらい並べばジェットコースターに乗れるのか訊いてみる。スタッフさん曰く、今くらいの列の長さだと30分くらいらしい。
「そういえば、みんなって絶叫系の耐性はどんな感じですか? ジェットコースターに賛成していたので、ある程度は大丈夫なのかなとは思っていますが。まあ、彩葉はちょっと怖いけど、普通に乗れるって分かってるけどね」
と、藤原さんは問いかけてくる。初めて一緒に遊園地に来た人が多いから、絶叫系は大丈夫かどうか気になるのだろう。
「俺は平気だな。昔、家族で行ったときに結菜とたくさん乗ったのもあるけど」
「絶叫系が大好きだからね。お兄ちゃんの手を引いて、ジェットコースターとかフリーフォールに乗りに行きました」
「そうだったな」
結菜に色々な絶叫系のアトラクションに連れて行かされたな。連続で乗ったから気分が悪くなったときもあったっけ。結菜はケロッとしていたけど。
「あたしも絶叫系は大好きよ、結菜ちゃん!」
「あたしも絶叫系は好きだよ。去年、琢磨君と一緒に遊園地デートしたときは、絶叫系のアトラクションにたくさん乗ったし」
「そうだったな。俺も絶叫系が好きだからな」
そういえば、去年、遊園地デートの話を聞いたとき、琢磨と吉岡さんは絶叫系アトラクションに乗りまくったって言っていたな。あと、琢磨とは一緒に遊園地に行ったことがあるけど、絶叫系は特に楽しんでいた。
「先生は平気ね。むしろ、絶叫系は好きな方よ」
「そうですか。千弦ちゃんは絶叫系が好きだよね。だから、小学生の頃は特に、隣で一緒に乗ってると心強かったなぁ」
「私の手をぎゅっと握っていたね。あのときの彩葉も可愛かったな」
「もう、千弦ちゃんったら」
ポン、と星野さんは藤原さんの背中を軽く叩く。ただ、藤原さんに可愛らしい笑顔を向けていて。そんな星野さんに藤原さんも穏やかな笑顔を向けていて。数年来の親友らしい光景だと思う。
「みんな好きだったり、普通に乗れたりするんですね。それなら、みんなで一緒に楽しめそうですね」
藤原さんはいつもの落ち着いた笑顔でそう言った。
結菜と琢磨以外は初めてだし、俺もみんなと一緒にジェットコースターを楽しみたいな。
それからも絶叫系アトラクションのことを中心に、みんなとの話が盛り上がった。それもあって、俺達の番になるまではあっという間に感じられた。
待機列に並ぶときに決めた席順で、俺達はマシンの座席に座る。
座ってから少しして、男性のスタッフさんによって安全バーが下ろされる。
「バーが下ろされると、もうすぐ出発するんだってワクワクするね」
「そうだな」
30分ほど並んだのもあり、もうすぐジェットコースターを体験できるんだっていう気持ちになれるし。
ワクワクすると言ったのもあり、藤原さんはニコッとした笑顔になっている。こういうところからも、絶叫系が好きなんだってことが分かる。
「星野さん。手を繋ぐ? ちょっと怖いそうだし、以前は藤原さんと手を繋いでいたって言っていたから」
「握らせてくださいっ。飛鳥先生も平気だって言っていましたし。安心できそうです」
「ふふっ。じゃあ、手を繋ぎましょう」
後ろから星野さんと山本先生のそんな会話が聞こえてきた。なので、藤原さんと一緒にチラッと後ろの方を見ると、星野さんと先生が手を繋いでいた。2人とも楽しそうな様子だ。
「あたし達も手を繋がない? 結菜ちゃん」
「いいですね!」
「早希! 俺達も繋ごうぜ!」
「うんっ!」
星野さんと山本先生の会話が聞こえたようで、結菜と神崎さん、琢磨と吉岡さんもそれぞれ手を繋ぐ。
「私達も手を繋ごうか? みんなも繋いでいるし」
「俺はかまわないけど……藤原さんはいいのか? 男の俺と……」
「うん。白石君ならいいかなって」
落ち着いた笑顔でそう言うと、藤原さんは俺に左手を差し出してくる。その一連の言動がまさに王子様でかっこいいな。ちょっとキュンとなった。
ありがとう、とお礼を言って、俺は右手で藤原さんの左手をそっと握る。藤原さんの手……温かいな。ちょっと柔らかくて握り心地がいい。そういえば、藤原さんと手を繋ぐのはこれが初めてか。
「白石君の手を初めて握るけど、大きくて、ちょっとゴツッとしていて。男の子の手なんだって思う。温かくていいね」
「それは良かった。藤原さんの手も温かくていいよ。ちょっと柔らかいところも」
「ふふっ、そっか。良かった」
藤原さんはニコッと笑いかけてくれる。俺と手を握って嫌だと思われていなくて良かったよ。
――プーッ。
スピーカーからブザーが鳴る。
「それでは、スタートです! いってらっしゃい!」
安全バーを下ろしてくれた男性のスタッフさんが元気良くそう言い、俺達が乗っているマシンが動き始めた。
「いよいよ始まったね」
「ああ。一緒に楽しもう」
俺がそう言うと、藤原さんは笑いながら頷いた。
マシンはゆっくりと前進し、上り坂になっているコースに上がっていく。
1年以上ジェットコースターに乗っていないので、ちょっと緊張する。そんな中でも、繋いでいる右手から伝わる藤原さんの温もりが心地いい。もし、藤原さんと手を繋いでいなかったらもっと緊張したかもしれない。
それから程なくして、俺達の乗っているマシンは一時停止する。
「止まったね。ここから一気にスピードが上がるんだろうね」
「ああ。いよいよだな。こういう止まっている時間もドキドキするよな」
「そうだね」
と言いながらも、藤原さんは笑顔だ。
「ううっ、ドキドキします……」
「もうすぐだもんね。私がしっかりと手を繋いでいるから安心して」
「はいっ」
後ろからは星野さんと山本先生のそんな会話が聞こえてくる。落ち着いた声色で話すのもあって、先生がとてもかっこよく思えるぞ。
「いやぁ、楽しみだなぁ!」
「そうだね、琢磨君! いつでも来いって感じだね!」
「早くスリルを味わいたいわよね!」
「準備OKですよ!」
みんな絶叫系が大好きだからか、前の方に座っている4人はとても盛り上がっている。笑顔で楽しそうにしているから、彼らを見ていると気持ちが少し落ち着いた。
「いつ走り出すかな」
「いつだろう――なああっ!」
言い終わろうとした瞬間、マシンは突然動き始めた! 急加速して、角度が急な下り坂のコースを猛スピードで下っていく!
「うわああっ!」
突然動き始めた驚きもあって、俺はかなり大きな声で絶叫してしまう。
「きゃああっ!」
横からは藤原さんの黄色い絶叫が。普段は落ち着いて話すことが多いので、この声が意外にも思える。
何とかして藤原さんの方を見ると、藤原さんはとっても楽しそうな笑顔で叫んでいる。この笑顔も意外だ。どうやら、絶叫系アトラクションに乗るときは結構叫ぶタイプのようだ。
「楽しいねー! 白石くーん!」
と、俺に声を掛けてきて。そんな藤原さんを見ていると、スリルの怖さもあるけど、楽しい気持ちも膨らんでいく。
「そうだな!」
と、大きな声で返事をすると、藤原さんは俺に向かって白い歯を見せながら笑った。
「うおおおっ! すげえええっ!」
「速いねっー! 琢磨くーんっ! きゃああっ!」
「きゃああっ! 速いし風が気持ちいいわ!」
「そうですねええっ! きゃああっ!」
前方からは絶叫も聞こえるけど、結構楽しそうな様子だ。結菜と琢磨の笑顔を見ると、これまで一緒にジェットコースターに乗ったときのことを思い出すよ。
「きゃああああっ!!」
「きゃああっ! 久しぶりに乗ったけど、昔と変わらず凄いね!」
後ろからは星野さんの大絶叫と、いつもよりも高い声に乗せられた山本先生の感想が聞こえてくる。こんなに迫力があれば、かなりの大きさで叫びたくなるだろうし、大人になっても凄いと思うか。
それからも、俺は藤原さん達と一緒に絶叫しまくる。垂直に近い角度で下ったり、一回転したりするコースを走るときは特に。
勢いが物凄いけど、俺と藤原さんはしっかりと手を握り続けた。
午前10時頃。
途中、調津駅で電車を乗り換えて、俺達は最寄り駅である清王パークランド駅に到着した。みんなで喋っていたのもあり、あっという間に感じられた。あと、遅延や運転見合わせにならなくて良かった。
「最寄り駅まであっという間だったね、お兄ちゃん」
「ああ。みんなと話していたからあっという間だったな」
俺達の会話に藤原さん達も「そうだね」と同意する。楽しそうに話していたから、みんなもここまではあっという間だったか。
「さてと。ここからパークランドには路線バスかゴンドラで行くけど、みんなはどっちがいい?」
山本先生がそう問いかけてくる。
駅からパークランドへ行く手段は、路線バスとゴンドラがある。ゴンドラは路線バスよりも数十円ほど高いけど、珍しさもあってか人気が高い。これまでも電車でパークランドに来たときには、ゴンドラに乗って行き来していた。
「あたし、ゴンドラに乗りたいですっ!」
「早希と同じ意見だぜ!」
「あたしもゴンドラがいいわ! 千弦達はどう思う?」
「私もゴンドラがいいな」
「そうそう乗る機会ないもんね。私もゴンドラ希望」
「あたしもゴンドラがいいです! これまでもゴンドラに乗って楽しかったですし」
「そうだな、結菜。俺もゴンドラがいいです」
「了解。じゃあ、全会一致ってことでゴンドラにしよう」
ゴンドラに決まったので、俺達はゴンドラ乗り場へ。
券売機で往復分の乗車券を購入し、ホームに。
今日が祝日であることやゴンドラは人気の移動手段であることから、ホームには15人ほど並んでいる。琢磨を先頭に俺達は列の最後尾に並ぶ。
10分ほどして俺達の乗る番に。8人で一緒にゴンドラに乗り、パークランドへ向かい始める。
「おーっ、早希! 向こうに富士山見えるぞ!」
「本当だ! 綺麗だねっ!」
琢磨と吉岡さんは富士山を見て興奮している。吉岡さんはスマホを取り出して富士山の写真を撮るほどで。天気がいいと富士山が見えることがあるからな。
「今日は晴れているから、景色がとても綺麗だね」
「そうだね、千弦ちゃん」
「何度もゴンドラは乗ったことがあるけど、千弦達と一緒だから今日が一番綺麗だわ!」
「みんなと一緒に見る景色っていいですよね、玲央さん」
「いい景色だよね。あと、教え子達とパークランドに行くのは初めてだから、何度も見たことのあるこの景色が新鮮に感じるよ」
「山本先生の言うこと分かります。結菜と琢磨以外は初めてですし」
だから、何度も見たことのあるゴンドラからの景色が、これまでとはちょっと違って見えて。今日は快晴だから、360度、どこを見渡しても煌めいていて。とても綺麗な景色だと思う。
スマホを取り出し、ゴンドラからの景色や結菜達のことを撮った。そういったことをしていたので、あっという間にパークランドの入口前に到着した。
『着いたー!』
「着いたわね!」
「着きましたね! パークランド!」
ゴンドラから下りた瞬間、琢磨、吉岡さん、神崎さん、結菜はとても嬉しそうな様子で大きな声で言った。琢磨と吉岡さんは声を揃えて。さすがは運動系の部活に入っているだけあって元気いっぱいだ。
パークランドの入口に向かうと……結構多くの人がいるな。チケット売り場には長い列ができている。
チケット売り場には『特別チケットをお持ちの方はこちら』と書かれたカウンターもある。招待券があるから、あそこに行けばいいのかな。ちなみに、そのカウンターには人がいない。
俺達は特別チケットのカウンターに行く。
「すみません。4名まで利用できる一日フリーパス招待券を2枚あるのですが」
と、俺が尋ねて招待券を見せると、受付にいる男性のスタッフの方が、俺達の人数を確認する。
8人おり、招待券の有効期限も大丈夫なので、スタッフさんが俺に本日使える一日フリーパス券を8枚渡してくれた。この券を見せれば、パークランドの中に入り、アトラクションを自由に楽しめるという。
俺が結菜達にフリーパス券を1枚ずつ渡して、入口ゲートに向かう。
ゲートにいる方にフリーパス券を見せ、俺達は無事に東京パークランドの中に入ることができた。無事にタダでパークランドに足を踏み入れることができて一安心だ。
「ついにパークランドに入ったわ! 去年の夏休み以来だわ!」
「俺は去年の秋に早希とデートで来たとき以来だな」
「そうだね、琢磨君」
そういえば、その時期にパークランドに遊園地デートに行ったって琢磨と吉岡さんから話を聞いたっけ。
「私は去年のゴールデンウィークに千弦ちゃん達と一緒に来たとき以来だね」
「私もだよ」
「あたしは去年の冬休みに友達と来たとき以来です」
「俺は……中学を卒業した直後に、琢磨達と一緒に来たとき以来だな」
「私は学生時代に友達と来たのが最後だね。だから、期間が空いているのは私かな」
と、山本先生は微笑みながら言った。
洲中市やその近郊だと電車で行きやすいし、結菜と琢磨と吉岡さん以外もこれまでにパークランドに来たことがあるか。
神崎さんの提案で、パークランドに来た記念に8人一緒に自撮り写真を撮った。
「まずはどこへ行きましょうか?」
俺は結菜達に問いかける。
「ジェットコースターに行きたいぜ! 王道だし、最初に行くことが多いからな」
琢磨がジェットコースターを希望してきた。
そういえば、琢磨と一緒に遊園地に来たときは、ジェットコースターを最初に乗ることが多いな。あと、家族で遊びに来たときも、みんな絶叫系は苦手ではないので、ジェットコースターなどのスリル系の絶叫アトラクションに行くことが多かった。
「前にデートで来たときは最初に乗ったね。あたしは賛成」
「あたしも賛成。絶叫系大好きだし」
吉岡さんと神崎さんも賛成している。あと、神崎さんは絶叫系が大好きなのか。イメージにピッタリだ。
その後、結菜、藤原さん、星野さん、山本先生、俺もジェットコースター案に賛成の声を上げる。
「全員賛成ってことで、まずはジェットコースターに乗りましょうか」
俺達はジェットコースターがある方へ向かう。ジェットコースターのコースがはっきり見えるので、あそこを目指せば迷うことはないだろう。
今は午前10時半近くだけど、多くの人が来園していてにぎわっている。祝日なので家族連れが多く、他にもカップルや俺達のような学生や若い世代のグループらしきお客さんも見受けられる。
俺達は迷うことなくジェットコースターの入口前まで向かう。王道で人気のアトラクションなのもあり、入口から長い列ができている。2列の形で並ぶのか。
「待機列は2列なのね。確か、ジェットコースターも2人で並んで座るわよね」
「そうでしたね、玲央さん」
「記憶通りだったわ。じゃあ、誰と隣同士に座るかここで決めちゃいますか?」
神崎さんがそう提案してくる。
もし、乗る直前に誰と隣同士に座るか迷ってしまったら、他のお客さんの迷惑になりそうだ。それなら、列に並ぶ今の時点で決めた方がいいか。
「俺は賛成だ」
と、俺が最初に賛同の意を示した。それもあってか、神崎さんは俺にニコッと笑いかけてくれる。
その後、結菜や琢磨など続々と賛同の意を示し……最終的には全員が賛成した。
「じゃあ、ここで決めましょう」
「俺は早希と隣同士で座りたいぜ!」
「ふふっ。そう言ってくれて嬉しいよ、琢磨君」
吉岡さんは嬉しそうに言う。まあ、8人の中では唯一のカップルだし、2人並んで座ると聞いた時点で、琢磨と吉岡さんは隣同士で座ることになると思っていた。
「早希と坂井は決まりね」
「あたしは玲央さんと隣同士で座りたいです! 初めて一緒に遊園地に来ましたし、金曜日の映画では玲央さんはいませんでしたから」
「あらぁ、嬉しいことを言ってくれるわね! もちろんいいわ!」
「ありがとうございますっ!」
「良かったな、結菜」
「うんっ!」
自分のお願いが通って、結菜はとても嬉しそうだ。まあ、金曜日に映画を観に行った日は神崎さんが合宿でいなかったから、一緒に座りたい結菜の気持ちも分かるかな。
あと、結菜以上に神崎さんは嬉しそうにしている。気に入っている結菜から一緒に座りたいと言われたのが本当に嬉しかったのだろう。本人も嬉しいと言っていたし。
あとは藤原さん、星野さん、山本先生、俺か。3人とも一緒に遊園地に来るのは初めてだから、誰とでも新鮮な気持ちでジェットコースターを楽しめそうだ。
「初めて一緒に遊園地に来たから……か。私は白石君と隣同士に座りたいな。白石君とは初めてだし。映画のときも隣同士に座っていい感じだったから」
藤原さんは俺のことを見ながらそう言ってくれる。隣に座りたいと言ってくれて嬉しいし、胸が温かくなる。
「嬉しいな。俺はかまわないぞ」
「ありがとう」
藤原さんはいつもの落ち着いた笑顔でお礼を言った。ただ、口角が普段の笑顔よりも上がっていて。俺と隣同士に座りたいという言葉もあり、藤原さんが可愛く思える。
「では、私は飛鳥先生と隣同士ですね。嬉しいです。初めて一緒に来たので、飛鳥先生の隣に座りたい気持ちがありまして」
「そうなのね。嬉しいわ。一緒に楽しみましょう」
「はいっ」
星野さんは可愛らしい笑顔でそう返事した。山本先生も柔らかい笑顔になっているし、少し歳が離れた友人同士って感じがする。
誰と座るか決まったので、俺達は待機列に並ぶ。ちなみに、並んでいる順番は琢磨&吉岡さん、結菜&神崎さん、藤原さん&俺、星野さん&山本先生だ。
近くにスタッフさんがいたので、何分くらい並べばジェットコースターに乗れるのか訊いてみる。スタッフさん曰く、今くらいの列の長さだと30分くらいらしい。
「そういえば、みんなって絶叫系の耐性はどんな感じですか? ジェットコースターに賛成していたので、ある程度は大丈夫なのかなとは思っていますが。まあ、彩葉はちょっと怖いけど、普通に乗れるって分かってるけどね」
と、藤原さんは問いかけてくる。初めて一緒に遊園地に来た人が多いから、絶叫系は大丈夫かどうか気になるのだろう。
「俺は平気だな。昔、家族で行ったときに結菜とたくさん乗ったのもあるけど」
「絶叫系が大好きだからね。お兄ちゃんの手を引いて、ジェットコースターとかフリーフォールに乗りに行きました」
「そうだったな」
結菜に色々な絶叫系のアトラクションに連れて行かされたな。連続で乗ったから気分が悪くなったときもあったっけ。結菜はケロッとしていたけど。
「あたしも絶叫系は大好きよ、結菜ちゃん!」
「あたしも絶叫系は好きだよ。去年、琢磨君と一緒に遊園地デートしたときは、絶叫系のアトラクションにたくさん乗ったし」
「そうだったな。俺も絶叫系が好きだからな」
そういえば、去年、遊園地デートの話を聞いたとき、琢磨と吉岡さんは絶叫系アトラクションに乗りまくったって言っていたな。あと、琢磨とは一緒に遊園地に行ったことがあるけど、絶叫系は特に楽しんでいた。
「先生は平気ね。むしろ、絶叫系は好きな方よ」
「そうですか。千弦ちゃんは絶叫系が好きだよね。だから、小学生の頃は特に、隣で一緒に乗ってると心強かったなぁ」
「私の手をぎゅっと握っていたね。あのときの彩葉も可愛かったな」
「もう、千弦ちゃんったら」
ポン、と星野さんは藤原さんの背中を軽く叩く。ただ、藤原さんに可愛らしい笑顔を向けていて。そんな星野さんに藤原さんも穏やかな笑顔を向けていて。数年来の親友らしい光景だと思う。
「みんな好きだったり、普通に乗れたりするんですね。それなら、みんなで一緒に楽しめそうですね」
藤原さんはいつもの落ち着いた笑顔でそう言った。
結菜と琢磨以外は初めてだし、俺もみんなと一緒にジェットコースターを楽しみたいな。
それからも絶叫系アトラクションのことを中心に、みんなとの話が盛り上がった。それもあって、俺達の番になるまではあっという間に感じられた。
待機列に並ぶときに決めた席順で、俺達はマシンの座席に座る。
座ってから少しして、男性のスタッフさんによって安全バーが下ろされる。
「バーが下ろされると、もうすぐ出発するんだってワクワクするね」
「そうだな」
30分ほど並んだのもあり、もうすぐジェットコースターを体験できるんだっていう気持ちになれるし。
ワクワクすると言ったのもあり、藤原さんはニコッとした笑顔になっている。こういうところからも、絶叫系が好きなんだってことが分かる。
「星野さん。手を繋ぐ? ちょっと怖いそうだし、以前は藤原さんと手を繋いでいたって言っていたから」
「握らせてくださいっ。飛鳥先生も平気だって言っていましたし。安心できそうです」
「ふふっ。じゃあ、手を繋ぎましょう」
後ろから星野さんと山本先生のそんな会話が聞こえてきた。なので、藤原さんと一緒にチラッと後ろの方を見ると、星野さんと先生が手を繋いでいた。2人とも楽しそうな様子だ。
「あたし達も手を繋がない? 結菜ちゃん」
「いいですね!」
「早希! 俺達も繋ごうぜ!」
「うんっ!」
星野さんと山本先生の会話が聞こえたようで、結菜と神崎さん、琢磨と吉岡さんもそれぞれ手を繋ぐ。
「私達も手を繋ごうか? みんなも繋いでいるし」
「俺はかまわないけど……藤原さんはいいのか? 男の俺と……」
「うん。白石君ならいいかなって」
落ち着いた笑顔でそう言うと、藤原さんは俺に左手を差し出してくる。その一連の言動がまさに王子様でかっこいいな。ちょっとキュンとなった。
ありがとう、とお礼を言って、俺は右手で藤原さんの左手をそっと握る。藤原さんの手……温かいな。ちょっと柔らかくて握り心地がいい。そういえば、藤原さんと手を繋ぐのはこれが初めてか。
「白石君の手を初めて握るけど、大きくて、ちょっとゴツッとしていて。男の子の手なんだって思う。温かくていいね」
「それは良かった。藤原さんの手も温かくていいよ。ちょっと柔らかいところも」
「ふふっ、そっか。良かった」
藤原さんはニコッと笑いかけてくれる。俺と手を握って嫌だと思われていなくて良かったよ。
――プーッ。
スピーカーからブザーが鳴る。
「それでは、スタートです! いってらっしゃい!」
安全バーを下ろしてくれた男性のスタッフさんが元気良くそう言い、俺達が乗っているマシンが動き始めた。
「いよいよ始まったね」
「ああ。一緒に楽しもう」
俺がそう言うと、藤原さんは笑いながら頷いた。
マシンはゆっくりと前進し、上り坂になっているコースに上がっていく。
1年以上ジェットコースターに乗っていないので、ちょっと緊張する。そんな中でも、繋いでいる右手から伝わる藤原さんの温もりが心地いい。もし、藤原さんと手を繋いでいなかったらもっと緊張したかもしれない。
それから程なくして、俺達の乗っているマシンは一時停止する。
「止まったね。ここから一気にスピードが上がるんだろうね」
「ああ。いよいよだな。こういう止まっている時間もドキドキするよな」
「そうだね」
と言いながらも、藤原さんは笑顔だ。
「ううっ、ドキドキします……」
「もうすぐだもんね。私がしっかりと手を繋いでいるから安心して」
「はいっ」
後ろからは星野さんと山本先生のそんな会話が聞こえてくる。落ち着いた声色で話すのもあって、先生がとてもかっこよく思えるぞ。
「いやぁ、楽しみだなぁ!」
「そうだね、琢磨君! いつでも来いって感じだね!」
「早くスリルを味わいたいわよね!」
「準備OKですよ!」
みんな絶叫系が大好きだからか、前の方に座っている4人はとても盛り上がっている。笑顔で楽しそうにしているから、彼らを見ていると気持ちが少し落ち着いた。
「いつ走り出すかな」
「いつだろう――なああっ!」
言い終わろうとした瞬間、マシンは突然動き始めた! 急加速して、角度が急な下り坂のコースを猛スピードで下っていく!
「うわああっ!」
突然動き始めた驚きもあって、俺はかなり大きな声で絶叫してしまう。
「きゃああっ!」
横からは藤原さんの黄色い絶叫が。普段は落ち着いて話すことが多いので、この声が意外にも思える。
何とかして藤原さんの方を見ると、藤原さんはとっても楽しそうな笑顔で叫んでいる。この笑顔も意外だ。どうやら、絶叫系アトラクションに乗るときは結構叫ぶタイプのようだ。
「楽しいねー! 白石くーん!」
と、俺に声を掛けてきて。そんな藤原さんを見ていると、スリルの怖さもあるけど、楽しい気持ちも膨らんでいく。
「そうだな!」
と、大きな声で返事をすると、藤原さんは俺に向かって白い歯を見せながら笑った。
「うおおおっ! すげえええっ!」
「速いねっー! 琢磨くーんっ! きゃああっ!」
「きゃああっ! 速いし風が気持ちいいわ!」
「そうですねええっ! きゃああっ!」
前方からは絶叫も聞こえるけど、結構楽しそうな様子だ。結菜と琢磨の笑顔を見ると、これまで一緒にジェットコースターに乗ったときのことを思い出すよ。
「きゃああああっ!!」
「きゃああっ! 久しぶりに乗ったけど、昔と変わらず凄いね!」
後ろからは星野さんの大絶叫と、いつもよりも高い声に乗せられた山本先生の感想が聞こえてくる。こんなに迫力があれば、かなりの大きさで叫びたくなるだろうし、大人になっても凄いと思うか。
それからも、俺は藤原さん達と一緒に絶叫しまくる。垂直に近い角度で下ったり、一回転したりするコースを走るときは特に。
勢いが物凄いけど、俺と藤原さんはしっかりと手を握り続けた。
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