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続編
第7話『ごあいさつ』
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6月8日、土曜日。
千弦と付き合い始めてから初めての週末を迎えた。
今日は千弦の家に行き、千弦と付き合い始めたことについて千弦の御両親に挨拶する予定だ。その流れでお家デートをする予定になっている。
午後1時50分過ぎ。
晴天の中歩いて、千弦の家の前に到着した。
午後2時に千弦の家にお邪魔する約束をしている。約束の時間まで10分を切っているし、もうインターホンを鳴らしても大丈夫だろう。そう思い、俺はインターホンを押した。
――ピンポーン。
『はい。あっ、洋平君!』
インターホンの音が鳴り終わってすぐに千弦が応対してくれた。約束の時間が近いから待ち構えていたのかな。弾んだ声で俺の名前を言うのが可愛らしい。
「洋平です。来たよ」
『待ってたよ。すぐに行くね』
それから程なくして、家の中から足音のようなものが聞こえ、
「お待たせ、洋平君」
玄関が開いて、千弦が出迎えてくれた。俺が来たからか、千弦はニコッと可愛らしい笑みを浮かべている。あと、膝よりも少し長めのスカートにノースリーブのブラウスという服装がよく似合っている。シンプルなデザインのシルバーのネックレスも似合っていて大人な印象だ。
「こんにちは、千弦。今日の服……よく似合ってるな。ネックレスも。大人な雰囲気も感じられて素敵だよ」
「ありがとう、洋平君。この服もネックレスもお気に入りだから嬉しい。ネックレスはたまに付けることがあるの。……洋平君も似合ってるよ。かっこいい。そのジャケット……ゴールデンウィークに遊園地へ遊びに行ったときにも着たものだよね。サマージャケットだっけ」
「ああ、そうだよ。御両親に挨拶するから、ジャケットを着た方が良さそうかなと思って」
「なるほどね。ピシッと決まっていて凄くかっこいいよ」
「ありがとう」
今着ているサマージャケットはお気に入りだから、千弦からかっこいいと言ってもらえてとても嬉しい。あと、遊園地にこのジャケットを着ているのを覚えていてくれたことも。それもあって、
「千弦。キスしてもいいか?」
気付けば、千弦にそう言っていた。
「うん、もちろんいいよ」
千弦は嬉しそうに快諾してくれ、そっと目を瞑った。キス待ちをしている姿も可愛い。
「ありがとう」
お礼を言って、俺は千弦にそっとキスをする。
今も日差しを浴びているので暑さを感じているけど、千弦の唇から伝わってくる千弦の温もりはとても心地良くて。唇の柔らかさや千弦の甘い匂いもいいから、いつまでもしていたいと思えるほどだ。
少しして、俺から唇を離す。すると、目の前には幸せそうな笑顔で俺を見つめる千弦がいて。そんな千弦を見て幸せな気持ちになる。
「ありがとう、千弦。何回もしてるけど、キスっていいな」
「そうだねっ。……さあ、中に入って」
「ああ。お邪魔します」
俺は千弦の家にお邪魔する。
千弦の御両親は1階のリビングで待っているという。なので、俺は千弦と一緒にリビングへ向かう。
リビングに入ると、千弦の母親の果穂さんと、父親の孝史さんがソファーで隣同士に座って談笑していた。孝史さんはスラックスに半袖のワイシャツ、果穂さんはロングスカートに半袖のブラウスと涼しげな装いだ。
これまでに果穂さんと孝史さんとは何度か話したことはあるけど、付き合い始めたことで挨拶すると思うとちょっと緊張する。千弦の話だと、俺と付き合い始めたと伝えたら2人とも喜んでいたそうだけど。
「お母さん、お父さん、洋平君を連れてきたよ」
千弦がそう言うと、果穂さんと孝史さんはソファーから立ち上がって、俺達の近くまでやってくる。
「こんにちは、果穂さん、孝史さん」
「こんにちは~、白石君」
「白石君、こんにちは」
果穂さんは柔らかい笑顔で、孝史さんは穏やかな笑顔で挨拶してくれた。そのおかげで、緊張感が少し和らいだ。
よし。果穂さんと孝史さんにしっかりと挨拶しよう。
「今日はお時間をいただきありがとうございます。水曜日に千弦に好きだと告白されたのがきっかけで、千弦と恋人としてお付き合いすることになりました。俺も千弦のことが大好きです。千弦のことを大切にして、これからもずっと千弦と一緒に楽しくて幸せな時間を過ごしていきたいと思っています。よろしくお願いします」
果穂さんと孝史さんのことを見ながらそう言い、俺は深めに頭を下げた。
千弦への想いを言葉にしたつもりだ。今の俺の言葉を聞いて、果穂さんと孝史さんはどのように思っているだろうか。
「顔を上げてほしい、白石君」
孝史さんがそう言うので、俺はゆっくりと顔を上げる。
目の前にいる孝史さんと果穂さんの顔には……嬉しそうな笑みが浮かんでいた。
「白石君。千弦を大好きになってくれて、大切に思ってくれて、千弦の想いを受け入れて、千弦と付き合い始めてくれてありがとう」
「本当にありがとう、白石君。付き合い始める前から、千弦は白石君のことを楽しそうに話すし、付き合い始めてからは本当に幸せそうで。白石君のおかげで、千弦は今まで以上に笑顔を見せるようになったわ。そんな白石君が千弦を大好きになって、大切に思ってくれて、千弦の恋人になってくれたことがとても嬉しいの。これからも千弦のことをよろしくお願いします」
「よろしくお願いします、白石君」
孝史さんと果穂さんはそう言って、俺に向かって深く頭を下げた。
孝史さんと果穂さんから嬉しい気持ちや感謝の言葉をこんなに言ってもらえるとは。嬉しいし、胸が温かくなる。それと同時に、千弦のことを大切にしようという気持ちが今まで以上に強くなった。
また、千弦が嬉しそうな笑顔で俺達3人のことを見ているのが印象的だった。
「顔を上げてください」
俺がそう言うと、孝史さんと果穂さんはゆっくりと顔を上げた。依然として2人は嬉しそうな笑顔で。
「……千弦。白石君はこんなにも千弦のことを好きで、大切にしようと思ってくれているんだ。千弦も白石君のことを大切にするんだよ」
「お父さんの言う通りね。白石君を大切にね」
「うん。洋平君を大切にするよ、お父さん、お母さん」
千弦は真剣な様子で孝史さんと果穂さんに向かってそう言ってくれた。そのことがとても嬉しくて、頬が緩んでいくのが分かった。付き合い始めた日、俺が千弦の前で家族に向けて「千弦を大切にする」と言ったとき、千弦は嬉しそうにしていたっけ。あのとき、千弦はこういう気持ちだったのだろうか。
孝史さんと果穂さんは優しい笑顔になり、千弦に向けて一度頷いた。
「……ところで、白石君。一つ提案があるんだが」
「何でしょう、孝史さん」
俺がそう言うと、孝史さんは右手を俺の左肩に乗せ、
「白石君さえ良ければ、僕のことを『お義父さん』と呼んでもいいんだよ?」
とてもいい笑顔でそう言ってきた。
たまに、ラブコメ作品で恋人の父親から「君にお父さんと呼ばれる筋合いはない」といった言葉が出てくることがある。ただ、まさか「お義父さんと呼んでもいい」と言われるとは。
「もうお父さんったら。『お義父さん』って。結婚じゃなくて交際の挨拶なのに」
「ふふっ、お父さんは白石君のことを相当気に入っているのね」
「ああ。白石君は千弦のことをナンパから助けてくれたし、素を受け入れてくれたし、学校で素を明かす千弦を星野さんと一緒に後押ししてくれたからね。それに、白石君の誠実なところがとてもいい。だから、白石君にはずっと千弦と一緒にいてほしいと思っているんだ」
孝史さんは依然としていい笑顔で、俺のことをそう言ってくれる。果穂さんの言う通り、俺のことを相当気に入っているようだ。ナンパの一件があってから、千弦絡みのことで色々とあったからな。その中で俺への好感度が上がっていったのだろう。恋人の父親からここまで言ってもらえるのは嬉しい限りだ。
「『お義父さん』呼びを打診してもらえて嬉しいです。ただ、今は恋人ですし、千弦も俺も結婚できる年齢ではありませんから……これまでと同じく、孝史さんと名前で呼ばせてください。ただ、いつか俺から見て孝史さんが『お義父さん』の関係になったときには、孝史さんへの呼び方を考えさせてください」
と、孝史さんに返答した。これで良かっただろうか。
「ああ。分かったよ、白石君」
孝史さんは納得した様子でそう言った。そのことに安心した。
「俺から見て孝史さんが『お義父さん』の関係になったとき……って、洋平君と私が結婚するってことだよね。結婚まで考えてくれているなんて……」
えへへっ、と千弦はとても嬉しそうに笑う。物凄く可愛い。
「千弦といつまでも一緒にいたいからな。いつか結婚したいって思ってるよ。そう思えるほどに千弦のことが大好きだよ」
千弦の目を見ながら、俺は自分の気持ちを千弦に伝えた。孝史さんと果穂さんの前だからちょっと照れくささもあるけど、しっかりと言葉にしたかった。
「嬉しい。私も洋平君とずっと一緒にいたいし、結婚したい。思えるくらいに好きだよ」
千弦はそう言うと、ニコッと俺に笑いかけてくれた。
千弦と気持ちが重なってとても嬉しい。千弦の頭を優しく撫でると、俺に向けている千弦の笑顔が柔らかいものに変わった。
「うふふっ、2人はラブラブね。千弦が白石君にとても愛されているって分かって嬉しいわ」
「そうだね、母さん。改めて、千弦のことをよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします」
まさか結婚の話までするとは思わなかったけど、交際を始めたことについて千弦の御両親への挨拶はこうして無事に終わった。
千弦と付き合い始めてから初めての週末を迎えた。
今日は千弦の家に行き、千弦と付き合い始めたことについて千弦の御両親に挨拶する予定だ。その流れでお家デートをする予定になっている。
午後1時50分過ぎ。
晴天の中歩いて、千弦の家の前に到着した。
午後2時に千弦の家にお邪魔する約束をしている。約束の時間まで10分を切っているし、もうインターホンを鳴らしても大丈夫だろう。そう思い、俺はインターホンを押した。
――ピンポーン。
『はい。あっ、洋平君!』
インターホンの音が鳴り終わってすぐに千弦が応対してくれた。約束の時間が近いから待ち構えていたのかな。弾んだ声で俺の名前を言うのが可愛らしい。
「洋平です。来たよ」
『待ってたよ。すぐに行くね』
それから程なくして、家の中から足音のようなものが聞こえ、
「お待たせ、洋平君」
玄関が開いて、千弦が出迎えてくれた。俺が来たからか、千弦はニコッと可愛らしい笑みを浮かべている。あと、膝よりも少し長めのスカートにノースリーブのブラウスという服装がよく似合っている。シンプルなデザインのシルバーのネックレスも似合っていて大人な印象だ。
「こんにちは、千弦。今日の服……よく似合ってるな。ネックレスも。大人な雰囲気も感じられて素敵だよ」
「ありがとう、洋平君。この服もネックレスもお気に入りだから嬉しい。ネックレスはたまに付けることがあるの。……洋平君も似合ってるよ。かっこいい。そのジャケット……ゴールデンウィークに遊園地へ遊びに行ったときにも着たものだよね。サマージャケットだっけ」
「ああ、そうだよ。御両親に挨拶するから、ジャケットを着た方が良さそうかなと思って」
「なるほどね。ピシッと決まっていて凄くかっこいいよ」
「ありがとう」
今着ているサマージャケットはお気に入りだから、千弦からかっこいいと言ってもらえてとても嬉しい。あと、遊園地にこのジャケットを着ているのを覚えていてくれたことも。それもあって、
「千弦。キスしてもいいか?」
気付けば、千弦にそう言っていた。
「うん、もちろんいいよ」
千弦は嬉しそうに快諾してくれ、そっと目を瞑った。キス待ちをしている姿も可愛い。
「ありがとう」
お礼を言って、俺は千弦にそっとキスをする。
今も日差しを浴びているので暑さを感じているけど、千弦の唇から伝わってくる千弦の温もりはとても心地良くて。唇の柔らかさや千弦の甘い匂いもいいから、いつまでもしていたいと思えるほどだ。
少しして、俺から唇を離す。すると、目の前には幸せそうな笑顔で俺を見つめる千弦がいて。そんな千弦を見て幸せな気持ちになる。
「ありがとう、千弦。何回もしてるけど、キスっていいな」
「そうだねっ。……さあ、中に入って」
「ああ。お邪魔します」
俺は千弦の家にお邪魔する。
千弦の御両親は1階のリビングで待っているという。なので、俺は千弦と一緒にリビングへ向かう。
リビングに入ると、千弦の母親の果穂さんと、父親の孝史さんがソファーで隣同士に座って談笑していた。孝史さんはスラックスに半袖のワイシャツ、果穂さんはロングスカートに半袖のブラウスと涼しげな装いだ。
これまでに果穂さんと孝史さんとは何度か話したことはあるけど、付き合い始めたことで挨拶すると思うとちょっと緊張する。千弦の話だと、俺と付き合い始めたと伝えたら2人とも喜んでいたそうだけど。
「お母さん、お父さん、洋平君を連れてきたよ」
千弦がそう言うと、果穂さんと孝史さんはソファーから立ち上がって、俺達の近くまでやってくる。
「こんにちは、果穂さん、孝史さん」
「こんにちは~、白石君」
「白石君、こんにちは」
果穂さんは柔らかい笑顔で、孝史さんは穏やかな笑顔で挨拶してくれた。そのおかげで、緊張感が少し和らいだ。
よし。果穂さんと孝史さんにしっかりと挨拶しよう。
「今日はお時間をいただきありがとうございます。水曜日に千弦に好きだと告白されたのがきっかけで、千弦と恋人としてお付き合いすることになりました。俺も千弦のことが大好きです。千弦のことを大切にして、これからもずっと千弦と一緒に楽しくて幸せな時間を過ごしていきたいと思っています。よろしくお願いします」
果穂さんと孝史さんのことを見ながらそう言い、俺は深めに頭を下げた。
千弦への想いを言葉にしたつもりだ。今の俺の言葉を聞いて、果穂さんと孝史さんはどのように思っているだろうか。
「顔を上げてほしい、白石君」
孝史さんがそう言うので、俺はゆっくりと顔を上げる。
目の前にいる孝史さんと果穂さんの顔には……嬉しそうな笑みが浮かんでいた。
「白石君。千弦を大好きになってくれて、大切に思ってくれて、千弦の想いを受け入れて、千弦と付き合い始めてくれてありがとう」
「本当にありがとう、白石君。付き合い始める前から、千弦は白石君のことを楽しそうに話すし、付き合い始めてからは本当に幸せそうで。白石君のおかげで、千弦は今まで以上に笑顔を見せるようになったわ。そんな白石君が千弦を大好きになって、大切に思ってくれて、千弦の恋人になってくれたことがとても嬉しいの。これからも千弦のことをよろしくお願いします」
「よろしくお願いします、白石君」
孝史さんと果穂さんはそう言って、俺に向かって深く頭を下げた。
孝史さんと果穂さんから嬉しい気持ちや感謝の言葉をこんなに言ってもらえるとは。嬉しいし、胸が温かくなる。それと同時に、千弦のことを大切にしようという気持ちが今まで以上に強くなった。
また、千弦が嬉しそうな笑顔で俺達3人のことを見ているのが印象的だった。
「顔を上げてください」
俺がそう言うと、孝史さんと果穂さんはゆっくりと顔を上げた。依然として2人は嬉しそうな笑顔で。
「……千弦。白石君はこんなにも千弦のことを好きで、大切にしようと思ってくれているんだ。千弦も白石君のことを大切にするんだよ」
「お父さんの言う通りね。白石君を大切にね」
「うん。洋平君を大切にするよ、お父さん、お母さん」
千弦は真剣な様子で孝史さんと果穂さんに向かってそう言ってくれた。そのことがとても嬉しくて、頬が緩んでいくのが分かった。付き合い始めた日、俺が千弦の前で家族に向けて「千弦を大切にする」と言ったとき、千弦は嬉しそうにしていたっけ。あのとき、千弦はこういう気持ちだったのだろうか。
孝史さんと果穂さんは優しい笑顔になり、千弦に向けて一度頷いた。
「……ところで、白石君。一つ提案があるんだが」
「何でしょう、孝史さん」
俺がそう言うと、孝史さんは右手を俺の左肩に乗せ、
「白石君さえ良ければ、僕のことを『お義父さん』と呼んでもいいんだよ?」
とてもいい笑顔でそう言ってきた。
たまに、ラブコメ作品で恋人の父親から「君にお父さんと呼ばれる筋合いはない」といった言葉が出てくることがある。ただ、まさか「お義父さんと呼んでもいい」と言われるとは。
「もうお父さんったら。『お義父さん』って。結婚じゃなくて交際の挨拶なのに」
「ふふっ、お父さんは白石君のことを相当気に入っているのね」
「ああ。白石君は千弦のことをナンパから助けてくれたし、素を受け入れてくれたし、学校で素を明かす千弦を星野さんと一緒に後押ししてくれたからね。それに、白石君の誠実なところがとてもいい。だから、白石君にはずっと千弦と一緒にいてほしいと思っているんだ」
孝史さんは依然としていい笑顔で、俺のことをそう言ってくれる。果穂さんの言う通り、俺のことを相当気に入っているようだ。ナンパの一件があってから、千弦絡みのことで色々とあったからな。その中で俺への好感度が上がっていったのだろう。恋人の父親からここまで言ってもらえるのは嬉しい限りだ。
「『お義父さん』呼びを打診してもらえて嬉しいです。ただ、今は恋人ですし、千弦も俺も結婚できる年齢ではありませんから……これまでと同じく、孝史さんと名前で呼ばせてください。ただ、いつか俺から見て孝史さんが『お義父さん』の関係になったときには、孝史さんへの呼び方を考えさせてください」
と、孝史さんに返答した。これで良かっただろうか。
「ああ。分かったよ、白石君」
孝史さんは納得した様子でそう言った。そのことに安心した。
「俺から見て孝史さんが『お義父さん』の関係になったとき……って、洋平君と私が結婚するってことだよね。結婚まで考えてくれているなんて……」
えへへっ、と千弦はとても嬉しそうに笑う。物凄く可愛い。
「千弦といつまでも一緒にいたいからな。いつか結婚したいって思ってるよ。そう思えるほどに千弦のことが大好きだよ」
千弦の目を見ながら、俺は自分の気持ちを千弦に伝えた。孝史さんと果穂さんの前だからちょっと照れくささもあるけど、しっかりと言葉にしたかった。
「嬉しい。私も洋平君とずっと一緒にいたいし、結婚したい。思えるくらいに好きだよ」
千弦はそう言うと、ニコッと俺に笑いかけてくれた。
千弦と気持ちが重なってとても嬉しい。千弦の頭を優しく撫でると、俺に向けている千弦の笑顔が柔らかいものに変わった。
「うふふっ、2人はラブラブね。千弦が白石君にとても愛されているって分かって嬉しいわ」
「そうだね、母さん。改めて、千弦のことをよろしくお願いします」
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