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続編
第8話『くっつきたい』
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千弦の御両親に交際の挨拶を済ませた俺は、千弦と一緒に2階にある千弦の部屋へと向かう。
これまでに何度も千弦の部屋に入ったことがある。ただ、恋人になってからは初めてなのでちょっと新鮮な感じだ。
「洋平君。冷たい飲み物を持ってくるよ。何がいい?」
「アイスコーヒーをお願いできるかな。ブラックで」
「ブラックのアイスコーヒーだね。分かった。適当にくつろいでて」
「ああ」
千弦は一旦、部屋を出て行った。
俺はベッドの近くに2つ並べて置いてあるクッションに腰を下ろし、ベッドを背もたれにする。
部屋はエアコンがかかっていて涼しいし、ベッドに寄りかかっているから楽だし、千弦の甘い匂いがほんのりと感じられるのが良くてとても心地いい。
「良かった……」
千弦の御両親である果穂さんと孝史さんに、千弦と付き合い始めたことについてちゃんと挨拶できて。お二人が俺達の交際を喜んでくれて。
まあ、孝史さんから『お義父さん』呼びを打診されたのは予想外だったけど。ただ、それもあって、いつかは結婚したいと思えるほどに千弦を好きだと言えたから良かった。千弦も同じ気持ちだと分かったし。
ジャケットのポケットからスマホを取り出す。アルバムアプリを開き、最近撮影した千弦の写真を見る。どの写真も千弦は可愛いな。
「お待たせ、洋平君。コーヒー作ってきたよ。抹茶味のバウムクーヘンがあったから、バウムクーヘンも持ってきたよ」
千弦の写真を見ていたのに集中していたから、気付けば千弦が部屋に戻ってきていた。千弦はマグカップやラタン製のボウルが乗ったトレーを持っている。
「ありがとう、千弦」
「いえいえ。……いい笑顔でスマホを見ていたね。何がいいことあった?」
「スマホに入ってる千弦の写真を見て可愛いなって思ってた」
「そうだったんだ。嬉しい」
ニコッとした笑顔でそう言うと、千弦はローテーブルにマグカップ2つと、個別包装されているバウムクーヘンが入ったボウルを置いた。マグカップの1つは俺の前に置いてくれた。
千弦はトレーを勉強机に置くと、俺の隣に置いてあるクッションに腰を下ろした。
「コーヒーいただきます」
「どうぞ召し上がれ」
俺は目の前に置いてあるマグカップを手に取り、アイスコーヒーを一口飲む。……すぐ近くから千弦にじっと見つめられながら。
「……美味しい」
苦味がしっかりしていてとても美味しい。冷たいのもまたいいな。
「良かった」
そう言うと、千弦は嬉しそうな笑顔になった。
「ありがとう、千弦」
お礼を言い、俺は千弦の頭を優しく撫でる。
千弦の笑顔が柔らかいものに変わり、千弦は「えへへっ」と声に出して笑う。笑顔が可愛いし、千弦の髪の触り心地がいいのもありとても癒やされる。
俺が頭を撫で終わると、千弦は自分のマグカップを手に取り、アイスコーヒーを一口飲む。
「あぁ、冷たくて美味しい」
「美味しいよな。千弦のコーヒーもブラックなのか?」
「うんっ。私もブラックを飲みたい気分だから。バウムクーヘンもあるしね。それに、洋平君と同じものを飲みたい気持ちもあって」
「そっか。何だか嬉しいな」
「ふふっ。……このバウムクーヘン美味しいんだよ。甘いけどさっぱりしてて」
「そうなんだ。いただくよ」
ボウルから抹茶味のバウムクーヘンを一つ手に取る。この大きさだと2、3口で食べられそうだ。
個別包装の袋を外すと抹茶の匂いが香ってきて。美味しそうだ。
「いただきます」
俺は抹茶味のバウムクーヘンを一口食べる。
千弦の言う通り、甘いけどさっぱりとしていて美味しいな。咀嚼する中で抹茶の香りが口いっぱいに広がっていって。ふんわりとした食感もいいな。あと、コーヒーとも合う。
「千弦の言う通り、さっぱりとした甘さで美味しいよ」
「でしょう? 私も一つ食べようっと」
千弦はボウルからバウムクーヘンを取り、一口食べる。美味しそうに食べている姿が本当に可愛い。この前、学校でお昼を食べたときにも言ったけど、この姿は千弦の好きなところの一つだ。
「うんっ、美味しい!」
千弦はニッコリとした笑顔でそう言う。
俺は手に持っている残りのバウムクーヘンを口に入れる。千弦も持っている残りのバウムクーヘンを食べる。
千弦と一緒に食べて、千弦が可愛い笑顔でモグモグと食べているからだろうか。さっきよりもバウムクーヘンが美味しく感じられた。
「バウムクーヘン美味しかった」
「良かった。あと、好きなバウムクーヘンだから、洋平君に美味しいって言ってもらえて嬉しい」
千弦は言葉通りの嬉しそうな笑顔でそう言った。自分の好きなものを美味しいって言ってもらえたら嬉しいよな。
「洋平君。お母さんとお父さんへの挨拶……お疲れ様」
「ありがとう。千弦との交際について、果穂さんと孝史さんにちゃんと挨拶できて良かったよ。孝史さんの『お義父さん』呼び打診がきっかけだけど、結婚したいって思うほどに千弦が好きだってことも伝えられたし」
「ふふっ。お父さんが洋平君を物凄く気に入っているのが分かったよ。お母さんも洋平君を気に入っているし」
千弦は嬉しそうに言った。
俺が挨拶しているとき、孝史さんも果穂さんもずっと笑顔だったな。千弦が俺と交際を始めたことを嬉しそうにしていたし。お二人が俺を気に入ってくれているのはもちろん、俺を信頼してくれているのも伝わってきて。お二人を裏切ってしまわないためにも、これからもずっと千弦のことを好きであり続けて大切にしていかないとな。
千弦は俺にそっと寄りかかってくる。そのことで千弦の甘い匂いがふんわりと香ってきて。服越しに千弦の柔らかさや温もりも伝わり始める。
「ち、千弦?」
「……お母さんとお父さんに挨拶する洋平君はかっこよかったし、結婚したいほどに私のことが好きとか私を大切にするって言ってくれたのが凄く嬉しかったから……洋平君にくっつきたくて」
千弦は嬉しそうな笑顔で俺を見上げながらそう言ってくる。そんな千弦の笑顔は頬を中心にほんのりと赤らんでいて。凄く可愛いな。
「そういうことか。凄く可愛いよ」
「えへへっ。……洋平君の温もりが気持ちいい」
「千弦も温かくて気持ちいいぞ」
「良かった」
俺達は至近距離で笑い合う。
千弦の温もりを感じながら、こんなにも近くで千弦と笑っていられることが嬉しくて幸せだ。
千弦の笑顔が可愛いなと思っていると、千弦の笑顔が段々と近づいてきて……やがて、唇に温かくて柔らかいものが当たる。何度もキスしているから、唇に当たっているのが千弦の唇だとすぐに分かった。
服越しに感じられる千弦の温もりもいいけど、唇を重ねることで直接感じられる温もりもいいなぁ。あと、コーヒーを飲んだり、バウムクーヘンを食べたりした直後だから、それらの香りもほんのりと感じられるのもいい。
少しして、千弦の方から唇を離す。すると、目の前には恍惚とした笑顔で俺を見つめる千弦がいて。
「唇もくっつけたいからキスしました」
「ははっ、そっか」
「唇から感じる洋平君の温もりが凄く良かった」
「俺も良かったよ。直接触れて温もりを感じるのっていいな」
「そうだねっ」
千弦はニコッとした笑顔でそう言ってくれる。自分と同じ気持ちで嬉しいな。それもあって、もっとキスしたくなってきた。
「今度は俺からキスしていいか? もっとくっついたり、温もりを感じたりしたいから抱きしめ合って」
「うんっ」
「ありがとう」
俺達はお互いに向かい合う体勢になり、そっと抱きしめ合う。千弦に寄りかかられたときよりも、千弦の温もりを強く感じる。千弦に包まれている感じがしていいな。あと、胸を含めた体の柔らかさも分かるからドキドキする。
「抱きしめ合うのもいいな。凄く幸せだよ」
「うんっ。じゃあ……キスして?」
「ああ。……千弦。大好きだよ。ずっと一緒にいたいくらいに好きだ」
「私も洋平君のことが大好き。ずっと一緒にいようね」
千弦は持ち前の可愛らしい笑顔でそう言ってくれる。そのことに凄く嬉しい気持ちや幸せな気持ちを抱きながら、俺は千弦にキスをする。
千弦からされるキスもいいけど、自分からするキスもいいな。
唇から感じる温もりや感触はもちろんいいけど……もっと千弦と触れて、千弦を感じたい。だから、
「んあっ」
舌を千弦の口の中に入れ、千弦の舌を絡ませる。その瞬間、千弦は可愛らしい声を漏らして体をピクッと震わせて。舌を絡ませるとは思わなかったのだろうか。ただ、そんな反応も可愛らしい。千弦の反応もあって舌を絡ませるのが気持ちいい。
千弦の舌の独特の感触や温もりが良くて。コーヒーやバウムクーヘンの味も感じられ、さっき千弦からキスされたときよりもそれらの香りが濃く感じられる。
最初こそは俺から舌を絡ませていたけど、
「んっ……」
段々と千弦からも舌を絡ませてくるように。たまに激しいときもあって。それもまた気持ち良くて。
お互いに舌を絡ませるキスをしているのもあり、気付けばお互いに抱きしめる力も強くなってきた。それもあって、千弦の体から伝わる温もりもさらに強くなって。
しばらくの間、舌を絡ませるキスをした後、俺の方から唇を離した。
舌を絡ませていたのもあり、唇を離すと俺と千弦の唇の間に唾液の糸が伸びる。その糸の先には俺達の唾液で湿った千弦の唇があって。千弦の顔が赤く「はあっ、はあっ」と息を乱しているのもあり、今の千弦はとても艶やかで。そんなことを思っていると、唾液の糸が切れた。
「凄く良かったよ、洋平君……」
俺を見つめながらそう言うと、千弦はニッコリとした笑顔になる。
「俺も凄く良かったよ、千弦」
「まさか、洋平君から舌を絡ませてくるなんて。最初、体がピクってなっちゃった」
「もっと千弦と触れたり、千弦を感じたりしたくなってさ。体がピクってなったのが可愛かったぞ」
「……照れくさいけど嬉しいです」
えへへっ、と千弦は声に出して笑う。敬語で言うところを含めて凄く可愛い。
「ただ、洋平君から舌を絡ませてくれたのが嬉しかったよ。私を求めてくれているって分かったし」
「そうか。嬉しいよ」
自分の欲した気持ちとそれに伴う行為について、千弦が嬉しいと思ってくれたことが本当に嬉しい。
「千弦を抱きしめて、キスをしたからもっと幸せな気持ちになったよ。千弦のことがもっと好きになった」
「私もだよ、洋平君。もっと幸せになれて、好きになったよ」
「そうか。良かった」
右手で千弦の頭を優しく撫でると、千弦の笑顔は柔らかいものになる。
抱きしめ合っているのもあり、その後も何度かキスをした。キスをする度に幸せな気持ちになって、千弦のことがもっと好きになっていく。
これからも、今のように千弦とスキンシップをしていきたい。
そして、いつかは恋人としての段階を進めたい。もちろん、千弦の気持ちを考えて。
何度かキスした後は、先日の俺の家でのお家デートのときに観たアニメの続きを観た。千弦と寄り添ってお互いの温もりを感じながら。
これまでに何度も千弦の部屋に入ったことがある。ただ、恋人になってからは初めてなのでちょっと新鮮な感じだ。
「洋平君。冷たい飲み物を持ってくるよ。何がいい?」
「アイスコーヒーをお願いできるかな。ブラックで」
「ブラックのアイスコーヒーだね。分かった。適当にくつろいでて」
「ああ」
千弦は一旦、部屋を出て行った。
俺はベッドの近くに2つ並べて置いてあるクッションに腰を下ろし、ベッドを背もたれにする。
部屋はエアコンがかかっていて涼しいし、ベッドに寄りかかっているから楽だし、千弦の甘い匂いがほんのりと感じられるのが良くてとても心地いい。
「良かった……」
千弦の御両親である果穂さんと孝史さんに、千弦と付き合い始めたことについてちゃんと挨拶できて。お二人が俺達の交際を喜んでくれて。
まあ、孝史さんから『お義父さん』呼びを打診されたのは予想外だったけど。ただ、それもあって、いつかは結婚したいと思えるほどに千弦を好きだと言えたから良かった。千弦も同じ気持ちだと分かったし。
ジャケットのポケットからスマホを取り出す。アルバムアプリを開き、最近撮影した千弦の写真を見る。どの写真も千弦は可愛いな。
「お待たせ、洋平君。コーヒー作ってきたよ。抹茶味のバウムクーヘンがあったから、バウムクーヘンも持ってきたよ」
千弦の写真を見ていたのに集中していたから、気付けば千弦が部屋に戻ってきていた。千弦はマグカップやラタン製のボウルが乗ったトレーを持っている。
「ありがとう、千弦」
「いえいえ。……いい笑顔でスマホを見ていたね。何がいいことあった?」
「スマホに入ってる千弦の写真を見て可愛いなって思ってた」
「そうだったんだ。嬉しい」
ニコッとした笑顔でそう言うと、千弦はローテーブルにマグカップ2つと、個別包装されているバウムクーヘンが入ったボウルを置いた。マグカップの1つは俺の前に置いてくれた。
千弦はトレーを勉強机に置くと、俺の隣に置いてあるクッションに腰を下ろした。
「コーヒーいただきます」
「どうぞ召し上がれ」
俺は目の前に置いてあるマグカップを手に取り、アイスコーヒーを一口飲む。……すぐ近くから千弦にじっと見つめられながら。
「……美味しい」
苦味がしっかりしていてとても美味しい。冷たいのもまたいいな。
「良かった」
そう言うと、千弦は嬉しそうな笑顔になった。
「ありがとう、千弦」
お礼を言い、俺は千弦の頭を優しく撫でる。
千弦の笑顔が柔らかいものに変わり、千弦は「えへへっ」と声に出して笑う。笑顔が可愛いし、千弦の髪の触り心地がいいのもありとても癒やされる。
俺が頭を撫で終わると、千弦は自分のマグカップを手に取り、アイスコーヒーを一口飲む。
「あぁ、冷たくて美味しい」
「美味しいよな。千弦のコーヒーもブラックなのか?」
「うんっ。私もブラックを飲みたい気分だから。バウムクーヘンもあるしね。それに、洋平君と同じものを飲みたい気持ちもあって」
「そっか。何だか嬉しいな」
「ふふっ。……このバウムクーヘン美味しいんだよ。甘いけどさっぱりしてて」
「そうなんだ。いただくよ」
ボウルから抹茶味のバウムクーヘンを一つ手に取る。この大きさだと2、3口で食べられそうだ。
個別包装の袋を外すと抹茶の匂いが香ってきて。美味しそうだ。
「いただきます」
俺は抹茶味のバウムクーヘンを一口食べる。
千弦の言う通り、甘いけどさっぱりとしていて美味しいな。咀嚼する中で抹茶の香りが口いっぱいに広がっていって。ふんわりとした食感もいいな。あと、コーヒーとも合う。
「千弦の言う通り、さっぱりとした甘さで美味しいよ」
「でしょう? 私も一つ食べようっと」
千弦はボウルからバウムクーヘンを取り、一口食べる。美味しそうに食べている姿が本当に可愛い。この前、学校でお昼を食べたときにも言ったけど、この姿は千弦の好きなところの一つだ。
「うんっ、美味しい!」
千弦はニッコリとした笑顔でそう言う。
俺は手に持っている残りのバウムクーヘンを口に入れる。千弦も持っている残りのバウムクーヘンを食べる。
千弦と一緒に食べて、千弦が可愛い笑顔でモグモグと食べているからだろうか。さっきよりもバウムクーヘンが美味しく感じられた。
「バウムクーヘン美味しかった」
「良かった。あと、好きなバウムクーヘンだから、洋平君に美味しいって言ってもらえて嬉しい」
千弦は言葉通りの嬉しそうな笑顔でそう言った。自分の好きなものを美味しいって言ってもらえたら嬉しいよな。
「洋平君。お母さんとお父さんへの挨拶……お疲れ様」
「ありがとう。千弦との交際について、果穂さんと孝史さんにちゃんと挨拶できて良かったよ。孝史さんの『お義父さん』呼び打診がきっかけだけど、結婚したいって思うほどに千弦が好きだってことも伝えられたし」
「ふふっ。お父さんが洋平君を物凄く気に入っているのが分かったよ。お母さんも洋平君を気に入っているし」
千弦は嬉しそうに言った。
俺が挨拶しているとき、孝史さんも果穂さんもずっと笑顔だったな。千弦が俺と交際を始めたことを嬉しそうにしていたし。お二人が俺を気に入ってくれているのはもちろん、俺を信頼してくれているのも伝わってきて。お二人を裏切ってしまわないためにも、これからもずっと千弦のことを好きであり続けて大切にしていかないとな。
千弦は俺にそっと寄りかかってくる。そのことで千弦の甘い匂いがふんわりと香ってきて。服越しに千弦の柔らかさや温もりも伝わり始める。
「ち、千弦?」
「……お母さんとお父さんに挨拶する洋平君はかっこよかったし、結婚したいほどに私のことが好きとか私を大切にするって言ってくれたのが凄く嬉しかったから……洋平君にくっつきたくて」
千弦は嬉しそうな笑顔で俺を見上げながらそう言ってくる。そんな千弦の笑顔は頬を中心にほんのりと赤らんでいて。凄く可愛いな。
「そういうことか。凄く可愛いよ」
「えへへっ。……洋平君の温もりが気持ちいい」
「千弦も温かくて気持ちいいぞ」
「良かった」
俺達は至近距離で笑い合う。
千弦の温もりを感じながら、こんなにも近くで千弦と笑っていられることが嬉しくて幸せだ。
千弦の笑顔が可愛いなと思っていると、千弦の笑顔が段々と近づいてきて……やがて、唇に温かくて柔らかいものが当たる。何度もキスしているから、唇に当たっているのが千弦の唇だとすぐに分かった。
服越しに感じられる千弦の温もりもいいけど、唇を重ねることで直接感じられる温もりもいいなぁ。あと、コーヒーを飲んだり、バウムクーヘンを食べたりした直後だから、それらの香りもほんのりと感じられるのもいい。
少しして、千弦の方から唇を離す。すると、目の前には恍惚とした笑顔で俺を見つめる千弦がいて。
「唇もくっつけたいからキスしました」
「ははっ、そっか」
「唇から感じる洋平君の温もりが凄く良かった」
「俺も良かったよ。直接触れて温もりを感じるのっていいな」
「そうだねっ」
千弦はニコッとした笑顔でそう言ってくれる。自分と同じ気持ちで嬉しいな。それもあって、もっとキスしたくなってきた。
「今度は俺からキスしていいか? もっとくっついたり、温もりを感じたりしたいから抱きしめ合って」
「うんっ」
「ありがとう」
俺達はお互いに向かい合う体勢になり、そっと抱きしめ合う。千弦に寄りかかられたときよりも、千弦の温もりを強く感じる。千弦に包まれている感じがしていいな。あと、胸を含めた体の柔らかさも分かるからドキドキする。
「抱きしめ合うのもいいな。凄く幸せだよ」
「うんっ。じゃあ……キスして?」
「ああ。……千弦。大好きだよ。ずっと一緒にいたいくらいに好きだ」
「私も洋平君のことが大好き。ずっと一緒にいようね」
千弦は持ち前の可愛らしい笑顔でそう言ってくれる。そのことに凄く嬉しい気持ちや幸せな気持ちを抱きながら、俺は千弦にキスをする。
千弦からされるキスもいいけど、自分からするキスもいいな。
唇から感じる温もりや感触はもちろんいいけど……もっと千弦と触れて、千弦を感じたい。だから、
「んあっ」
舌を千弦の口の中に入れ、千弦の舌を絡ませる。その瞬間、千弦は可愛らしい声を漏らして体をピクッと震わせて。舌を絡ませるとは思わなかったのだろうか。ただ、そんな反応も可愛らしい。千弦の反応もあって舌を絡ませるのが気持ちいい。
千弦の舌の独特の感触や温もりが良くて。コーヒーやバウムクーヘンの味も感じられ、さっき千弦からキスされたときよりもそれらの香りが濃く感じられる。
最初こそは俺から舌を絡ませていたけど、
「んっ……」
段々と千弦からも舌を絡ませてくるように。たまに激しいときもあって。それもまた気持ち良くて。
お互いに舌を絡ませるキスをしているのもあり、気付けばお互いに抱きしめる力も強くなってきた。それもあって、千弦の体から伝わる温もりもさらに強くなって。
しばらくの間、舌を絡ませるキスをした後、俺の方から唇を離した。
舌を絡ませていたのもあり、唇を離すと俺と千弦の唇の間に唾液の糸が伸びる。その糸の先には俺達の唾液で湿った千弦の唇があって。千弦の顔が赤く「はあっ、はあっ」と息を乱しているのもあり、今の千弦はとても艶やかで。そんなことを思っていると、唾液の糸が切れた。
「凄く良かったよ、洋平君……」
俺を見つめながらそう言うと、千弦はニッコリとした笑顔になる。
「俺も凄く良かったよ、千弦」
「まさか、洋平君から舌を絡ませてくるなんて。最初、体がピクってなっちゃった」
「もっと千弦と触れたり、千弦を感じたりしたくなってさ。体がピクってなったのが可愛かったぞ」
「……照れくさいけど嬉しいです」
えへへっ、と千弦は声に出して笑う。敬語で言うところを含めて凄く可愛い。
「ただ、洋平君から舌を絡ませてくれたのが嬉しかったよ。私を求めてくれているって分かったし」
「そうか。嬉しいよ」
自分の欲した気持ちとそれに伴う行為について、千弦が嬉しいと思ってくれたことが本当に嬉しい。
「千弦を抱きしめて、キスをしたからもっと幸せな気持ちになったよ。千弦のことがもっと好きになった」
「私もだよ、洋平君。もっと幸せになれて、好きになったよ」
「そうか。良かった」
右手で千弦の頭を優しく撫でると、千弦の笑顔は柔らかいものになる。
抱きしめ合っているのもあり、その後も何度かキスをした。キスをする度に幸せな気持ちになって、千弦のことがもっと好きになっていく。
これからも、今のように千弦とスキンシップをしていきたい。
そして、いつかは恋人としての段階を進めたい。もちろん、千弦の気持ちを考えて。
何度かキスした後は、先日の俺の家でのお家デートのときに観たアニメの続きを観た。千弦と寄り添ってお互いの温もりを感じながら。
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