クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ

文字の大きさ
80 / 143
続編

第17話『プールデートに行きたい』

しおりを挟む
 6月18日、火曜日。
 昨日から週が明けて、通常通りの日程に戻った。
 先週は三者面談があって全て午前中のみの日程だったから、昨日は少し長く感じた。ただ、隣の席に千弦がいるので、夕方まで授業があることが嫌だとは思わない。今週の学校生活を送る中で、通常通りの日程に慣れていくだろう。

「いってきます」
「いってらっしゃい」

 午前7時50分。
 洲中高校に向けて家を出発する。
 今日も梅雨の時期らしく、朝からシトシトと雨が降っている。朝食を食べる前に見た天気予報によると、今日はずっと雨が降り続くという。

「結構蒸し暑いな……」

 梅雨入りしてからジメッとした蒸し暑さを感じる日は多かったけど、今日は一段と蒸し暑い。6月も後半になったからだろうか。今後はこのくらい暑い日が増えていくかもしれない。
 千弦との待ち合わせ場所である駅前の交差点に向かって歩いていくと――。

「洋平君!」

 交差点には千弦がおり、千弦は笑顔で俺に手を振ってきた。今日も千弦は可愛いなぁ。そう思いながら、俺は千弦に手を振った。

「おはよう、千弦」
「おはよう、洋平君。そっちに入るね」
「ああ」

 千弦は自分の傘を閉じて、俺の傘の中に入ってくる。その際におはようのキスをして。この一連の流れが俺は結構好きだ。
 これまでに千弦と数え切れないほどにキスしたけど、キスをすると幸せな気持ちになれる。千弦の温もりや汗混じりの甘い匂いが感じられるのも良くて。
 2、3秒ほどキスをした後、千弦の方から唇を離した。千弦は至近距離で俺にニコッと可愛い笑顔を向けてくれる。本当に可愛いな。

「じゃあ、行こうか、洋平君」

 そう言い、千弦は傘の柄を持つ俺の左手をそっと掴んできた。

「ああ、行こう」

 俺達は洲中高校に向かって歩き始める。
 初めて相合い傘をしたときは、俺達をじっと見てくる生徒が多かったけど、今日はあまりいないな。何回も相合い傘をして登校しているから気にしなくなったのかな。

「何だか、今日は昨日まで以上に蒸し暑いよね」
「ああ。梅雨本番の気候って感じだよな」
「そうだね」
「今日ほどに蒸し暑いと、プールとか海へ遊びに行きたくなるよ。千弦とデートで行きたいな。どうだろう?」
「いいね! 冷たくて気持ちいいし。私もデートで行きたい!」

 千弦は明るい笑顔でそう言ってくれる。凄く嬉しいな。

「そう言ってくれて嬉しいよ、ありがとう。デートで海やプールに行くか」
「うんっ」
「決まりだな」
「うんっ。デートの話をしたら、さっそく今週末に行きたくなってきたよ」
「俺もだ。今週末は……日曜日なら大丈夫だ。千弦はどう?」
「私も日曜日は大丈夫だよ」
「良かった。ただ、今週はずっと雨が降り続く予報だし、今の時期だとまだ海開きをしていないだろうから、デートするなら屋内プールになるかな」
「そうだね。じゃあ、日曜日にプールデートしよう!」

 千弦はニコニコとした笑顔でそう言ってくれる。千弦がこんなにも笑顔になると、デートでプールや海に行きたいって言って良かったって思えるよ。

「屋内プールは……洲中から電車で20分くらいのところにいい屋内プールがあるよ。そこはプールが何種類もあるんだ。ウォータースライダーもあってさ」
「そうなんだね。……もしかして、その屋内プールってスイムブルー八神やがみかな?」
「そこそこ。千弦、知ってたか」
「うんっ。お母さんとお父さんとはもちろん、彩葉ちゃんとか友達とも一緒に行ったことあるから。いいところだよね」

 千弦は快活な笑顔でそう言ってくれる。自分がいいと思っている場所を千弦もいいと思ってくれていることが嬉しい。

「いいよな、あそこ。俺も家族や琢磨とか友達と一緒に何度も行ったことがあるよ」
「そうなんだね」
「じゃあ、日曜日はスイムブルー八神へプールデートに行こう」
「うんっ! 楽しみだよ!」

 千弦は楽しそうな笑顔でそう言う。
 これまで、スイムブルー八神ではとても楽しく遊ぶことができた。きっと、千弦とも楽しい時間を過ごせるだろう。

「俺も楽しみだ」
「ふふっ。……プールデートへ行くまでに水着を新調しようっと。毎年新しい水着を買っているの」
「そうなんだ。……俺も新調するか」

 サイズ的に、家にある去年買った水着を穿けると思うけど。せっかくのプールデートだから、新しい水着を買いたい。

「洋平君も? じゃあ、洋平君さえよければ……一緒に水着を買いに行かない? 洋平君がいいなって思う水着を買って、プールデートで着たいなって。どうかな?」
「もちろんいいぞ」
「ありがとう!」

 千弦は嬉しそうにお礼を言った。千弦に似合う素敵な水着を選びたい。

「俺も新しい水着を千弦に選んでほしいな。いいかな?」
「もちろんいいよ!」
「ありがとう」
「いえいえ。……いつ買いに行こうか? 今日は火曜日だから、放課後に手芸部の活動があるから行けなくて。明日か明後日なら大丈夫だけど、洋平君はどうかな」
「明日なら大丈夫だ」
「分かった。じゃあ、明日の放課後に一緒に水着を買いに行こうか」
「ああ、分かった」

 明日の放課後に千弦と一緒に水着を買いに行って、日曜日はプールデートか。どっちも楽しみだ。プールで遊ぶのはもちろん、千弦の水着姿も。
 楽しみな予定が2つもできたから、今週の学校生活やバイトをより頑張れそうだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!

みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!  杉藤千夏はツンデレ少女である。  そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。  千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。  徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い! ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編7が完結しました!(2026.1.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2026.1.21)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...