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第2章
4.大神官室のアマーリエ
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◆◆◆
(ああ……良い匂い。お腹が鳴りそうだわ)
手早く書類をめくるアマーリエは、眉を寄せて嘆息した。
ここはミレニアム帝国の首都に鎮座する、神官府の中央本府。その上階にある大神官の部屋だ。自身の指導者である大神官フルードと出勤日時が被るように調整されているため、二日続けて彼と夜番をしていた。現在は共に書類確認を行なっている。
室内の奥に併設された厨房では、朝食の準備がされている。パンと肉が焼ける匂いに、たっぷりのバターと砂糖が混じった卵の香りが漂う。
(お願い頑張って、私のお腹。もう少しで終業なんだから。こんな静かな部屋で鳴っては駄目よ!)
自分の腹に喝を入れながら、読み終わった資料の下部にサインをし、確認済みのトレイに入れる。
同時に、涼やかな鐘の音が鳴った。日勤業務の始業の合図だ。言い換えれば、夜勤終了の調べでもある。
「もう終業時刻ですね」
恐ろしい速度と精度で書類確認をこなしていたフルードが顔を上げた。
「アマーリエ、キリの良いところで区切りにしましょう。後は日勤の聖威師に引き継ぎますので、申し送り事項を念話しておきます」
言い置き、瞳の焦点を揺らして虚空を見つめる。他の聖威師たちと連絡を取っているのだろう。ややあって頷き、指を鳴らすと、デスクに山積みになっていた資料が消えた。
「日勤担当の元に転送しました」
直後、仕事机が片付いたのを見計らったかのように、視界の端を長身が横切った。
「ユフィー、ご苦労さん」
包み込むような声が降り注ぎ、アマーリエの体が背後からふわりと抱きしめられる。
「フレイム」
振り返り、少し前に夫となった存在に呼びかけると、溶けかけた砂糖のように甘い眼差しが注がれた。だが、見慣れた山吹色の瞳ではない。今の彼は、金髪碧眼の容姿にチェック柄のエプロン姿だ。頭にはバンダナキャップまで巻き、人間と同じ外見になっていた。
この姿を見て、彼が最高神たる四大高位神の一、火神直属の焔神だと分かる者が何人いるだろうか。
「ユフィーと夜を過ごせなくて寂しかったんだぜ」
「仕事なんだから仕方ないわよ。……本当は私も寂しかったけれど」
最後は少し照れながら返すと、フレイムは嬉しそうに微笑んだ。いったん腕を解いて横に回り込み、体を屈めてアマーリエの頰に軽く口付ける。
「きゃあ! ちょ、ちょっとフレイム、何するのよ。こんなところで……」
「はは」
真っ赤になって抗議すると、小さく噴き出したフレイムは身を引き、今度はフルードの頭にポンと手を置いてくしゃりと撫で回した。
「お疲れさん。よく頑張ったな、セイン」
「もう慣れました。夜勤は定期的にありますから」
如才なく応じるフルードだが、明らかに雰囲気が緩んでいる。彼は頻繁にフレイムと会っていると聞く。兄と二人きりの場では不安を吐露したり愚痴を言ったりもしているようだ。
「ん、そうか」
柔らかく頷いて体を反転させたフレイムは、表情を鋭く一変させた。ズカズカと部屋の一点に歩み寄る。
「おーい。おい! 起きろコラ、ボンクラ従者が!」
打って変わって数段低くなった怒声が跳ねる。視線の先には上等なソファベッドがあり、金髪の美しい少年が目を閉じて身を横たえていた。ここに画家がいれば、ぜひ被写体になってくれと懇願しそうな光景だ。
この姿を見て、彼が邪神だと分かる者が何人いるだろうか。年の頃は13歳か14歳ほどにしか見えないこの少年は、フレイムに匹敵する神格と神威を持つ悪神ラミルファだ。
神秘的な寝姿を披露している少年の頭頂部に、フレイムが容赦なく鉄拳を振り下ろす。だが、ラミルファは目をつぶったまま手をかざし、その拳を受け止めた。
「何だ、うるさいなぁ」
「ちっ、受けやがったか」
「ふふ」
笑いながら、邪神は若草色の目を開いた。常の白髪と灰緑眼の容姿ではない。フレイムとラミルファは現在、帝国人になりすますために外見を変化させている。顔立ちも変えているが、美しいことに変わりはない。
なお、フレイムが変化した姿を見た時、フルードが虚ろな眼差しで『お久しぶりですね、清掃員さん』と呟いた。どうやら彼が幼い頃、この形に変装したフレイムが清掃員のフリをして神官府に侵入し、ひと騒動起こしたことがあるらしい。
「いつまで寝てる気だ、ねぼすけ野郎!」
「もう少し良いじゃないか」
「ユフィーとセインは徹夜で頑張ったんだぞ」
「知っているとも。意識の一部は常に覚醒させているからね。だが、二人とも夜勤担当なのだから徹夜して当然だろう。それが仕事だ。……ところで、朝食の準備はできたのか?」
上半身を起こしたラミルファの問いを聞き、フレイムが眦をつり上げる。
「ああ、もう作ったよ。ついでに部下らしく、部屋の掃除とか備品の補充とかもしといたぜ。ったく、お前はぐーすか寝てるし、泡神様は降臨して疲れたとか言って続き部屋に引きこもって出て来ねえし」
昨晩、夜9の時。『良い子の僕はもう寝る。大人たちはせいぜい仕事を頑張るのだな』と言い捨て、ラミルファはさっさと高級毛布をかぶると仮眠用のソファベッドにダイブした。悪神とは思えない規則正しい就寝時刻である。
「そうか。ご苦労であった」
邪神が気怠げに頷き、ゆるりと手を振った。その一挙動から高貴さが滲み出る。僅かに寝乱れた衣と、はらりと頰に散らばった金髪が艶かしい。
美麗なのはフレイムも同じだ。エプロンの下に纏ったシャツは第三ボタンまで開けて着崩しており、チラリと覗く鎖骨が強烈な色香を放っている。先ほど背後から抱きつかれた時、彼の逞しい肌が密着して悲鳴を上げそうになったのは内緒だ。
なお、フルードもフルードで、書類に目を落とす際の伏せられた長い睫毛と、憂いを帯びた美しい横顔が非常に官能的だった。この大神官は、まだ性差が顕れていない子どもがそのままの姿で成長したような、不思議な中性さを持っている。
(目の保養では済まないわ……)
絶世の美形三名に囲まれたアマーリエは、頭に血が上りそうな自分を必死で抑えていた。新婚ほやほやの夫の前で、鼻血を噴いて卒倒するのは嫌だ。
「いやお前もやれよ、部下の仕事しろよ! 何でそんな偉そうなんだ! ……おーいユフィー、セイン、もうすぐ朝食だぞ~。仕上げするからもうちょっと待ってな」
「ありがとう、フレイム」
頷いたアマーリエは、フルードと共にいそいそと食事用のテーブルに移動する。ラミルファをひと睨みしたフレイムは、奥のキッチンスペースに引っ込んだ。当の邪神は、再び毛布をかぶってソファに沈む。まさか朝に弱いのだろうか。
「続けての夜番、お疲れ様でした」
大きな丸い卓に着席すると、斜め向かいに腰かけたフルードが労いの言葉を放つ。
「いいえ、色々と教えていただいてありがとうございました」
「現場業務も机上仕事も、日に日に進歩していますね。先日の藍闇皇様との任務も完璧だったと聞きました。よく頑張っていると思います」
「私などまだまだ……けれど、そう仰っていただけると嬉しいです」
穏やかに言い渡された褒め言葉に、照れながら微笑んだ時。
フルードの澄んだ瞳が動き、扉の方を見る。数拍後、ドアが勢い良く開いた。
(ああ……良い匂い。お腹が鳴りそうだわ)
手早く書類をめくるアマーリエは、眉を寄せて嘆息した。
ここはミレニアム帝国の首都に鎮座する、神官府の中央本府。その上階にある大神官の部屋だ。自身の指導者である大神官フルードと出勤日時が被るように調整されているため、二日続けて彼と夜番をしていた。現在は共に書類確認を行なっている。
室内の奥に併設された厨房では、朝食の準備がされている。パンと肉が焼ける匂いに、たっぷりのバターと砂糖が混じった卵の香りが漂う。
(お願い頑張って、私のお腹。もう少しで終業なんだから。こんな静かな部屋で鳴っては駄目よ!)
自分の腹に喝を入れながら、読み終わった資料の下部にサインをし、確認済みのトレイに入れる。
同時に、涼やかな鐘の音が鳴った。日勤業務の始業の合図だ。言い換えれば、夜勤終了の調べでもある。
「もう終業時刻ですね」
恐ろしい速度と精度で書類確認をこなしていたフルードが顔を上げた。
「アマーリエ、キリの良いところで区切りにしましょう。後は日勤の聖威師に引き継ぎますので、申し送り事項を念話しておきます」
言い置き、瞳の焦点を揺らして虚空を見つめる。他の聖威師たちと連絡を取っているのだろう。ややあって頷き、指を鳴らすと、デスクに山積みになっていた資料が消えた。
「日勤担当の元に転送しました」
直後、仕事机が片付いたのを見計らったかのように、視界の端を長身が横切った。
「ユフィー、ご苦労さん」
包み込むような声が降り注ぎ、アマーリエの体が背後からふわりと抱きしめられる。
「フレイム」
振り返り、少し前に夫となった存在に呼びかけると、溶けかけた砂糖のように甘い眼差しが注がれた。だが、見慣れた山吹色の瞳ではない。今の彼は、金髪碧眼の容姿にチェック柄のエプロン姿だ。頭にはバンダナキャップまで巻き、人間と同じ外見になっていた。
この姿を見て、彼が最高神たる四大高位神の一、火神直属の焔神だと分かる者が何人いるだろうか。
「ユフィーと夜を過ごせなくて寂しかったんだぜ」
「仕事なんだから仕方ないわよ。……本当は私も寂しかったけれど」
最後は少し照れながら返すと、フレイムは嬉しそうに微笑んだ。いったん腕を解いて横に回り込み、体を屈めてアマーリエの頰に軽く口付ける。
「きゃあ! ちょ、ちょっとフレイム、何するのよ。こんなところで……」
「はは」
真っ赤になって抗議すると、小さく噴き出したフレイムは身を引き、今度はフルードの頭にポンと手を置いてくしゃりと撫で回した。
「お疲れさん。よく頑張ったな、セイン」
「もう慣れました。夜勤は定期的にありますから」
如才なく応じるフルードだが、明らかに雰囲気が緩んでいる。彼は頻繁にフレイムと会っていると聞く。兄と二人きりの場では不安を吐露したり愚痴を言ったりもしているようだ。
「ん、そうか」
柔らかく頷いて体を反転させたフレイムは、表情を鋭く一変させた。ズカズカと部屋の一点に歩み寄る。
「おーい。おい! 起きろコラ、ボンクラ従者が!」
打って変わって数段低くなった怒声が跳ねる。視線の先には上等なソファベッドがあり、金髪の美しい少年が目を閉じて身を横たえていた。ここに画家がいれば、ぜひ被写体になってくれと懇願しそうな光景だ。
この姿を見て、彼が邪神だと分かる者が何人いるだろうか。年の頃は13歳か14歳ほどにしか見えないこの少年は、フレイムに匹敵する神格と神威を持つ悪神ラミルファだ。
神秘的な寝姿を披露している少年の頭頂部に、フレイムが容赦なく鉄拳を振り下ろす。だが、ラミルファは目をつぶったまま手をかざし、その拳を受け止めた。
「何だ、うるさいなぁ」
「ちっ、受けやがったか」
「ふふ」
笑いながら、邪神は若草色の目を開いた。常の白髪と灰緑眼の容姿ではない。フレイムとラミルファは現在、帝国人になりすますために外見を変化させている。顔立ちも変えているが、美しいことに変わりはない。
なお、フレイムが変化した姿を見た時、フルードが虚ろな眼差しで『お久しぶりですね、清掃員さん』と呟いた。どうやら彼が幼い頃、この形に変装したフレイムが清掃員のフリをして神官府に侵入し、ひと騒動起こしたことがあるらしい。
「いつまで寝てる気だ、ねぼすけ野郎!」
「もう少し良いじゃないか」
「ユフィーとセインは徹夜で頑張ったんだぞ」
「知っているとも。意識の一部は常に覚醒させているからね。だが、二人とも夜勤担当なのだから徹夜して当然だろう。それが仕事だ。……ところで、朝食の準備はできたのか?」
上半身を起こしたラミルファの問いを聞き、フレイムが眦をつり上げる。
「ああ、もう作ったよ。ついでに部下らしく、部屋の掃除とか備品の補充とかもしといたぜ。ったく、お前はぐーすか寝てるし、泡神様は降臨して疲れたとか言って続き部屋に引きこもって出て来ねえし」
昨晩、夜9の時。『良い子の僕はもう寝る。大人たちはせいぜい仕事を頑張るのだな』と言い捨て、ラミルファはさっさと高級毛布をかぶると仮眠用のソファベッドにダイブした。悪神とは思えない規則正しい就寝時刻である。
「そうか。ご苦労であった」
邪神が気怠げに頷き、ゆるりと手を振った。その一挙動から高貴さが滲み出る。僅かに寝乱れた衣と、はらりと頰に散らばった金髪が艶かしい。
美麗なのはフレイムも同じだ。エプロンの下に纏ったシャツは第三ボタンまで開けて着崩しており、チラリと覗く鎖骨が強烈な色香を放っている。先ほど背後から抱きつかれた時、彼の逞しい肌が密着して悲鳴を上げそうになったのは内緒だ。
なお、フルードもフルードで、書類に目を落とす際の伏せられた長い睫毛と、憂いを帯びた美しい横顔が非常に官能的だった。この大神官は、まだ性差が顕れていない子どもがそのままの姿で成長したような、不思議な中性さを持っている。
(目の保養では済まないわ……)
絶世の美形三名に囲まれたアマーリエは、頭に血が上りそうな自分を必死で抑えていた。新婚ほやほやの夫の前で、鼻血を噴いて卒倒するのは嫌だ。
「いやお前もやれよ、部下の仕事しろよ! 何でそんな偉そうなんだ! ……おーいユフィー、セイン、もうすぐ朝食だぞ~。仕上げするからもうちょっと待ってな」
「ありがとう、フレイム」
頷いたアマーリエは、フルードと共にいそいそと食事用のテーブルに移動する。ラミルファをひと睨みしたフレイムは、奥のキッチンスペースに引っ込んだ。当の邪神は、再び毛布をかぶってソファに沈む。まさか朝に弱いのだろうか。
「続けての夜番、お疲れ様でした」
大きな丸い卓に着席すると、斜め向かいに腰かけたフルードが労いの言葉を放つ。
「いいえ、色々と教えていただいてありがとうございました」
「現場業務も机上仕事も、日に日に進歩していますね。先日の藍闇皇様との任務も完璧だったと聞きました。よく頑張っていると思います」
「私などまだまだ……けれど、そう仰っていただけると嬉しいです」
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