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第十四話 女神像
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私とアルシアは、シュライン教会へと辿り着いた。
修道院とは違う教団の建物を初めて見た私は、その神秘的な見た目に息を呑む。
教会の見た目は決して大きくないが、正面入口のある部分が礼拝堂となっており、屋根が鋭く天へ向かって伸びている。
その後方には居住区となる構造物があって、その左右に尖塔が高く伸びていた。
正面入口の上には、ルクナ神を象徴する光の紋章が大きく掲げられている。
典型的なゴシック様式の教会だ。
ついに教会へとやってきた。
ロードリックに修道院へ預けられてから、私は一歩も外へは出たことがなかった。
なので、ここが初めて入る修道院以外のルクナ教団の施設だ。
私は緊張で少し汗ばんだ手で、入口の扉のノブを握る。
そしてゆっくりと押して、扉を奥へと開いていった――
――瞳へ飛び込んでくる光景。
それは、壁にステンドグラスが立ち並び、その脇に並ぶロウソクに火が灯り、いくつも並んだ長椅子、入口から奥へと真っ直ぐに敷かれた蒼色の絨毯、その奥に白い布が被せられた聖卓があり、その左に教壇。
そして聖卓の奥に、繊細な色彩が施されたルクナ神の彫像。
今は参拝者が居ないのか、この礼拝室に誰も居ない。
私は神聖な女神様の御姿へ祈ろうと、やや駆け足で聖卓へと歩み寄る。
そして片膝を突き、両手を前で組み、女神像へ祈りを捧げる。
世界を創造したと伝わる、創造の女神ルクナへ――。
――祈祷が終わり立ち上がると、背後にアルシアが居た。
ゆっくりと歩いてきていたのか、私は後ろまで来ているのに気づかなかった。
後ろを振り返ると、彼女は女神像をジッと見つめている。
目を僅かに見開き、ポカンと少し口を開け、ただただ沈黙している。
彼女は驚いている、女神像に。
それもそうだろう。
目の前にあるルクナ神の彫像。
その姿は、亜麻色の肩まで伸びた髪、綺麗に整った顔立ちに透き通るような白い肌、黄金の瞳、そして簡素な白い亜麻布のチュニックを着ており、両手を天へ掲げている。
その神々しい姿は、とても見たことのあるものだった。
ほんの僅か前に見た、神聖さを感じる姿。
その姿を見つめるアルシアは、被っているフードをパサッと外す。
そして一つ足を前に出すと、口から言葉がこぼれる。
「これって……」
そう、その姿はアルシアにとてもよく似ていた。
瓜二つではないが、アルシアの特徴をそのまま写したかのよう。
「似てますよね?」
私は笑みを浮かべ、そうアルシアに声をかけた。
するとアルシアは、慌てるようにガバッとフードを深く被ると、そのまま手でギュッと握り締めた。
「……違う」
ポツリとこぼれる感情。
それが具体的にどのような感情なのかは分からない。
動揺なのか、違和感なのか、拒絶なのか、その全てなのか、私には推し量れない。
ただそれは思ってもみなかった反応だった。
私は、それにどう反応したら良いのか分からない。
ただ、これでアルシアも私が容姿を危惧していた理由が分かったはず。
まるで女神様のような姿をしているアルシアが教会へ来れば、周りの者がどういった反応をするか想像に難くない。
確実に、『女神様の再来』とちょっとした騒ぎになる。
そしてそれは、恐らくアルシアが嫌っているであろう事。
以前、アルシアは『目立ちたくない』と言っていたが、それは女神様の再来とか騒ぎたてられるからなのだろう。
正直なところを言うと……私も疑っている。
魔力無しなのに魔法が使えて、女神様と同じ光魔法を扱えて、女神様のような神々しい姿をしている。
こんな人が女神様の他にいるとは思えない。
ここまで揃っていて、女神様と疑うなという方が無理がある。
きっと、アルシアは私が聞いても否定するのでしょう。
その否定の言葉が、真実かどうかは分からない。
だけれど、気になる。
女神様に仕える身として、もしも本当にアルシアが女神様だったとしたら、それはどれほど嬉しい事でしょうか。
――確かめたい。
「アルシアさん……貴女は――」
その時――教壇の奥から人影が覗いた。
私はそれに気づき、その人影の方へと目を向ける。
するとそこには、白い法衣をまとった男性が立っていた。
その法衣の男は、頭にルクナ神の意匠の飾りのついた縦に長い白色の帽子をかぶっており、首からは光を象る意匠の付いた白銀のネックレスを下げている。
白銀のネックレスは、司祭として認められた者に与えられる聖具・《導きの光》。
それを首から下げている彼は、この教会の司祭ということだ。
司祭は私の姿を見ると、教壇からこちらへと歩み寄ってくる。
そして司祭は私の首から下がる天玲の鎖をチラリと見ると、自身の胸に左手を添え、軽く会釈をする。
「これはこれは伝道師様、ようこそいらっしゃいました。私はこのシュライン教会で《火の司祭》の役を賜っております、ダンガル・アンダーソンです」
彼は《火の司祭》の役を名乗った。
これはルクナ教団員同士の挨拶の決まりで、自分が受けている属性の加護を役職の前に付けなければならない。
それは、教団の中での加護属性の重要さの現れでもあり、立場や権威を表すものでもある。
なので私も同じように自己紹介をする。
「突然のご訪問失礼致します。私はルクナ教団より《光の伝道師》の役を賜っております、ミア・マラコイデスと申します」
私の挨拶を聞いたダンガルは驚きの表情を見せると、突然私の前へと膝を付いた。
「光の伝道師様でしたか! お出迎えも出来ず、大変失礼致しました!」
「いえいえ、事前にお伝えしておりませんでしたので構いません」
私はそう言って微笑みかける。
――これが、教団における光の加護者の権威。
ルクナ教団において光の加護者は絶対。
法王、枢機卿、聖騎士団のトップも全員が光の加護者だ。
光の加護者というだけで教団では特別視される。
教義では、生まれや才能で差別をしてはならないとされているが、現実の教団では生まれと才能で全てが決まると言って良い。
だから伝道師である私よりも位階の高い司祭も私にひれ伏す。
女神様の教えに反してはいる。
だが、これも闇の眷属に対抗するため……らしい。
「ダンガル様、お直りになって下さい」
私がそう促すとダンガルは「は、失礼致します」と言って立ち上がり、再び胸に手を当てる。
「して、この教会へはどのような御用件で?」
「このシュラインの街で少々活動したいと考えております。そこで、この教会で少しお世話になろうかと」
「それはそれは。どうぞご自由にお使いください」
「ありがとうございます」
これでこの教会に寝泊まりが出来る。
これからオースミックの街へ行くまでお世話になろう。
そう思っていると、ダンガルが私の後ろにいるアルシアへと視線を送った。
私と共に居るアルシアの存在が気になるらしい。
「……つかぬ事をお伺い致しますが、そちらのお方は?」
「少し前に知り合った冒険者様です。こちらの教会へと来てみたいとの事でしたので、同伴させて頂きました」
「おお、冒険者でしたか! 冒険者は信仰の欠片もない可哀想な方ばかりですが、伝道師様がお導きになられるとは。敬服致します」
ダンガルはそう言うと、アルシアの元へと歩み寄る。
そして笑顔を見せると、お決まりの挨拶を口にした。
「ようこそシュライン教会へ。私は火の司祭の役を賜っているダンガル・アンダーソンだ。よろしく」
アルシアは鼻までフードを深くかぶって顔を伏せている。
ダンガルと目を合わせようともしない。
まるで顔を見てほしくないかのようで、彼女はそのまま小さく「よろしく」と、呟くように言葉を返した。
その様子を見たダンガルは、少し眉を吊り上げる。
「良ければ君の名前を教えてもらえないかな。あと、フードで顔を隠しているのも良くないね。女神様も悲しんでいるよ」
ダンガルはそう言うと、アルシアのかぶっているフードに手をかけた。
そしてゆっくりと後ろへ下げていくと、フードで隠れていた顔が姿を現し――ダンガルと目があった。
「――ッ!」
ダンガルは驚いてフードにかけていた手を弾くように手放した。
その反動でフードがパラリと肩まで落ち、アルシアの神々しい尊顔が露になる。
「君……いや貴女様は……」
ダンガルは、目の前の光景が信じられないかのように目を見開き、口が半開きになっていた。
それをアルシアは真っ直ぐと見つめ返している。
「……アルシア」
アルシアは、ややもったいぶるように名前を名乗った。
だが、名前を名乗ったアルシアの言葉は、ダンガルには聞こえていないよう。
ダンガルはその場で膝を突くと、両手を前に組んだ。
「女神様――」
アルシアは女神と呼ばれるも、表情を崩さなかった。
そこに感情は感じられない。ただただ無表情でダンガルを見つめていた。
そしてアルシアは、ダンガルの組んでいる両手を右手で上から押さえ、下へと降ろした。
「お前の目の前に居るのは、冒険者アルシア。良いわね?」
アルシアは忠告するように言葉を放つ。
するとダンガルは立ち上がり、手を胸へと当てて軽く頭を下げる。
「かしこまりましたアルシア様。冒険者として世界をお導きをされているのですね」
「………………」
アルシアはダンガルの言葉に何も言わなかった。
コイツ何も分かっていないなと呆れているようにも見える。
そしてアルシアはそのまま再びフードを深くかぶると、そのままダンガルの横を素通りして私の側へとやって来た。
「ミア、この教会にある書籍を見せてもらう事って可能かしら?」
何故か私に聞いてきた。
ダンガルとは関わりたくないという事だろうか。
仕方がない。私が代わりにダンガルへ聞こう。
「ダンガル様、この教会に所蔵されている書を見させて頂いても宜しいでしょうか?」
「ええ、勿論ですとも。ご案内致します」
ダンガルは満面の笑みを浮かべていた。
修道院とは違う教団の建物を初めて見た私は、その神秘的な見た目に息を呑む。
教会の見た目は決して大きくないが、正面入口のある部分が礼拝堂となっており、屋根が鋭く天へ向かって伸びている。
その後方には居住区となる構造物があって、その左右に尖塔が高く伸びていた。
正面入口の上には、ルクナ神を象徴する光の紋章が大きく掲げられている。
典型的なゴシック様式の教会だ。
ついに教会へとやってきた。
ロードリックに修道院へ預けられてから、私は一歩も外へは出たことがなかった。
なので、ここが初めて入る修道院以外のルクナ教団の施設だ。
私は緊張で少し汗ばんだ手で、入口の扉のノブを握る。
そしてゆっくりと押して、扉を奥へと開いていった――
――瞳へ飛び込んでくる光景。
それは、壁にステンドグラスが立ち並び、その脇に並ぶロウソクに火が灯り、いくつも並んだ長椅子、入口から奥へと真っ直ぐに敷かれた蒼色の絨毯、その奥に白い布が被せられた聖卓があり、その左に教壇。
そして聖卓の奥に、繊細な色彩が施されたルクナ神の彫像。
今は参拝者が居ないのか、この礼拝室に誰も居ない。
私は神聖な女神様の御姿へ祈ろうと、やや駆け足で聖卓へと歩み寄る。
そして片膝を突き、両手を前で組み、女神像へ祈りを捧げる。
世界を創造したと伝わる、創造の女神ルクナへ――。
――祈祷が終わり立ち上がると、背後にアルシアが居た。
ゆっくりと歩いてきていたのか、私は後ろまで来ているのに気づかなかった。
後ろを振り返ると、彼女は女神像をジッと見つめている。
目を僅かに見開き、ポカンと少し口を開け、ただただ沈黙している。
彼女は驚いている、女神像に。
それもそうだろう。
目の前にあるルクナ神の彫像。
その姿は、亜麻色の肩まで伸びた髪、綺麗に整った顔立ちに透き通るような白い肌、黄金の瞳、そして簡素な白い亜麻布のチュニックを着ており、両手を天へ掲げている。
その神々しい姿は、とても見たことのあるものだった。
ほんの僅か前に見た、神聖さを感じる姿。
その姿を見つめるアルシアは、被っているフードをパサッと外す。
そして一つ足を前に出すと、口から言葉がこぼれる。
「これって……」
そう、その姿はアルシアにとてもよく似ていた。
瓜二つではないが、アルシアの特徴をそのまま写したかのよう。
「似てますよね?」
私は笑みを浮かべ、そうアルシアに声をかけた。
するとアルシアは、慌てるようにガバッとフードを深く被ると、そのまま手でギュッと握り締めた。
「……違う」
ポツリとこぼれる感情。
それが具体的にどのような感情なのかは分からない。
動揺なのか、違和感なのか、拒絶なのか、その全てなのか、私には推し量れない。
ただそれは思ってもみなかった反応だった。
私は、それにどう反応したら良いのか分からない。
ただ、これでアルシアも私が容姿を危惧していた理由が分かったはず。
まるで女神様のような姿をしているアルシアが教会へ来れば、周りの者がどういった反応をするか想像に難くない。
確実に、『女神様の再来』とちょっとした騒ぎになる。
そしてそれは、恐らくアルシアが嫌っているであろう事。
以前、アルシアは『目立ちたくない』と言っていたが、それは女神様の再来とか騒ぎたてられるからなのだろう。
正直なところを言うと……私も疑っている。
魔力無しなのに魔法が使えて、女神様と同じ光魔法を扱えて、女神様のような神々しい姿をしている。
こんな人が女神様の他にいるとは思えない。
ここまで揃っていて、女神様と疑うなという方が無理がある。
きっと、アルシアは私が聞いても否定するのでしょう。
その否定の言葉が、真実かどうかは分からない。
だけれど、気になる。
女神様に仕える身として、もしも本当にアルシアが女神様だったとしたら、それはどれほど嬉しい事でしょうか。
――確かめたい。
「アルシアさん……貴女は――」
その時――教壇の奥から人影が覗いた。
私はそれに気づき、その人影の方へと目を向ける。
するとそこには、白い法衣をまとった男性が立っていた。
その法衣の男は、頭にルクナ神の意匠の飾りのついた縦に長い白色の帽子をかぶっており、首からは光を象る意匠の付いた白銀のネックレスを下げている。
白銀のネックレスは、司祭として認められた者に与えられる聖具・《導きの光》。
それを首から下げている彼は、この教会の司祭ということだ。
司祭は私の姿を見ると、教壇からこちらへと歩み寄ってくる。
そして司祭は私の首から下がる天玲の鎖をチラリと見ると、自身の胸に左手を添え、軽く会釈をする。
「これはこれは伝道師様、ようこそいらっしゃいました。私はこのシュライン教会で《火の司祭》の役を賜っております、ダンガル・アンダーソンです」
彼は《火の司祭》の役を名乗った。
これはルクナ教団員同士の挨拶の決まりで、自分が受けている属性の加護を役職の前に付けなければならない。
それは、教団の中での加護属性の重要さの現れでもあり、立場や権威を表すものでもある。
なので私も同じように自己紹介をする。
「突然のご訪問失礼致します。私はルクナ教団より《光の伝道師》の役を賜っております、ミア・マラコイデスと申します」
私の挨拶を聞いたダンガルは驚きの表情を見せると、突然私の前へと膝を付いた。
「光の伝道師様でしたか! お出迎えも出来ず、大変失礼致しました!」
「いえいえ、事前にお伝えしておりませんでしたので構いません」
私はそう言って微笑みかける。
――これが、教団における光の加護者の権威。
ルクナ教団において光の加護者は絶対。
法王、枢機卿、聖騎士団のトップも全員が光の加護者だ。
光の加護者というだけで教団では特別視される。
教義では、生まれや才能で差別をしてはならないとされているが、現実の教団では生まれと才能で全てが決まると言って良い。
だから伝道師である私よりも位階の高い司祭も私にひれ伏す。
女神様の教えに反してはいる。
だが、これも闇の眷属に対抗するため……らしい。
「ダンガル様、お直りになって下さい」
私がそう促すとダンガルは「は、失礼致します」と言って立ち上がり、再び胸に手を当てる。
「して、この教会へはどのような御用件で?」
「このシュラインの街で少々活動したいと考えております。そこで、この教会で少しお世話になろうかと」
「それはそれは。どうぞご自由にお使いください」
「ありがとうございます」
これでこの教会に寝泊まりが出来る。
これからオースミックの街へ行くまでお世話になろう。
そう思っていると、ダンガルが私の後ろにいるアルシアへと視線を送った。
私と共に居るアルシアの存在が気になるらしい。
「……つかぬ事をお伺い致しますが、そちらのお方は?」
「少し前に知り合った冒険者様です。こちらの教会へと来てみたいとの事でしたので、同伴させて頂きました」
「おお、冒険者でしたか! 冒険者は信仰の欠片もない可哀想な方ばかりですが、伝道師様がお導きになられるとは。敬服致します」
ダンガルはそう言うと、アルシアの元へと歩み寄る。
そして笑顔を見せると、お決まりの挨拶を口にした。
「ようこそシュライン教会へ。私は火の司祭の役を賜っているダンガル・アンダーソンだ。よろしく」
アルシアは鼻までフードを深くかぶって顔を伏せている。
ダンガルと目を合わせようともしない。
まるで顔を見てほしくないかのようで、彼女はそのまま小さく「よろしく」と、呟くように言葉を返した。
その様子を見たダンガルは、少し眉を吊り上げる。
「良ければ君の名前を教えてもらえないかな。あと、フードで顔を隠しているのも良くないね。女神様も悲しんでいるよ」
ダンガルはそう言うと、アルシアのかぶっているフードに手をかけた。
そしてゆっくりと後ろへ下げていくと、フードで隠れていた顔が姿を現し――ダンガルと目があった。
「――ッ!」
ダンガルは驚いてフードにかけていた手を弾くように手放した。
その反動でフードがパラリと肩まで落ち、アルシアの神々しい尊顔が露になる。
「君……いや貴女様は……」
ダンガルは、目の前の光景が信じられないかのように目を見開き、口が半開きになっていた。
それをアルシアは真っ直ぐと見つめ返している。
「……アルシア」
アルシアは、ややもったいぶるように名前を名乗った。
だが、名前を名乗ったアルシアの言葉は、ダンガルには聞こえていないよう。
ダンガルはその場で膝を突くと、両手を前に組んだ。
「女神様――」
アルシアは女神と呼ばれるも、表情を崩さなかった。
そこに感情は感じられない。ただただ無表情でダンガルを見つめていた。
そしてアルシアは、ダンガルの組んでいる両手を右手で上から押さえ、下へと降ろした。
「お前の目の前に居るのは、冒険者アルシア。良いわね?」
アルシアは忠告するように言葉を放つ。
するとダンガルは立ち上がり、手を胸へと当てて軽く頭を下げる。
「かしこまりましたアルシア様。冒険者として世界をお導きをされているのですね」
「………………」
アルシアはダンガルの言葉に何も言わなかった。
コイツ何も分かっていないなと呆れているようにも見える。
そしてアルシアはそのまま再びフードを深くかぶると、そのままダンガルの横を素通りして私の側へとやって来た。
「ミア、この教会にある書籍を見せてもらう事って可能かしら?」
何故か私に聞いてきた。
ダンガルとは関わりたくないという事だろうか。
仕方がない。私が代わりにダンガルへ聞こう。
「ダンガル様、この教会に所蔵されている書を見させて頂いても宜しいでしょうか?」
「ええ、勿論ですとも。ご案内致します」
ダンガルは満面の笑みを浮かべていた。
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