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第十六話 ウソ発見器
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「アルシアさん――」
私は本棚の一角にあった戸棚の扉を開けると、中から天秤を取り出した。
そして、左手で下の台座を持ち、アルシアに掲げる。
「――嘘は言わないでくださいね」
アルシアは私の手に持つ天秤を見ると、眉を上へと引き上げた。
「何のつもり?」
「私の質問に答えてもらいます。言っておきますが嘘は通用しませんよ。この天秤は――」
「《誓盟の真理》……か」
この天秤の事を知っている?
ルクナ教の敬虔な信者か教団関係者しか知らないこの魔導具を何故アルシアさんが……。
「知ってるんですか」
「一応ね。言っておくけど、私にそれは効かないわよ」
「……何故ですか?」
「誓盟の真理は、対象の体内にある魔力の微細な変化を感じ取って真偽を判別する魔導具。体内の魔力は精神状態で変化するからね。だから、魔力を持っていない《魔力無し》には使えない」
「!」
アルシアは、私の知らなかった誓盟の真理の動作原理まで知っている。
だから秘密を暴こうとされているのに、とても冷静でいる。
本当に奥の知れない人だ。
だけれども、私も魔力についての知識はある。
《魔力無し》には効かない。
原理を考えれば確かにその通りだ。
けれど、私が知識として持っている《魔力》によれば、効かない事はない。
そして、誓盟の真理が効かなかった人が居るという記録も残っていない。
それを鑑みれば――
「――それは嘘ですね」
「……嘘?」
「魔力の事を誰よりもご存知の貴女ならば、わかっているはずです。魔力がある限り、嘘はつけないと」
「その魔力が、私には無いのよ」
「正確には『溜めることが出来ない』ですよね」
「…………」
沈黙した。
それは肯定を意味している。
「この世の万物には魔力が宿ります。それは、私達が吸っている空気しかり、踏みしめる大地しかり、そして魂の器たる血肉しかり――」
「――肉体に宿る魔力を読み取ると?」
「そうです。そうすれば判別出来ます」
私の言葉を聞いたアルシアは、息を吐いた。
まるで呆れたように、こちらを見つめてくる。
「理論上はね。けれど、アンタは他人の肉体に宿る魔力を感じられる? その肉、中を巡る血液の魔力を。それがどう動いて巡っているかを完璧に感じ取れる?」
「それは……」
「その誓盟の真理は、自分が感じ取った相手の魔力を誓盟の真理に読み取らせて真偽を測るもの。相手の魔力を感じ取れなければ使えないのよ」
なるほど。コレはそうやって使うのか。
使い方はただ魔力を込めれば良いと思っていたけど、そんな簡単な物ではないらしい。
けれどこれで正しい使い方が分かった。
あとは自分の技量次第。
難易度はとてつもなく高い。
恐らくアルシアが魔法を使う時のように、繊細な魔力を感知することができなければ通じない。
それでも――やってやる!
私はアルシアに掲げている誓盟の真理へ魔力を込める。
すると台座に埋め込まれた魔石がほんのり明るく光りだす。
これで魔導具が起動した。
それを見たアルシアは腰に手を当て、ジトリと眺めるように瞳を私の瞳へぶつける。
「……本気?」
「質問に答えてください」
私はアルシアを鋭く見つめ返した。
それを見たアルシアの表情は何も変わらない。
できないと思っているのだろう。
そうかもしれない。
それでも……私はやる。
まずは軽いジャブから質問しよう。
「貴女のお名前は?」
「……アルシア」
そう言うアルシアはさっきと変わらない様子。
私は何とか彼女の魔力を感じ取ろうと感覚を研ぎ澄ませる。
けれど何も感じない。
誓盟の真理も微動だにしない。
魔力を探知できない。
そんな様子を見たアルシアは、フッと息を吐いた。
「だから言ったでしょ。私には効かないって」
「もう一度――お名前を」
「アルシア」
「……フルネームで」
「テオ・コリンズ」
今度は嘘を言った。
けれど誓盟の真理は動かない。
魔力をどうしても感知できない。
もっと……もっとだ……、もっと集中するんだ!
「もう一度! ご出身は!」
「シュラインの街」
これも、嘘だろう。
まだだ……まだ……!
「ご年齢は!」
「八歳」
「加護属性は!」
「水」
「得意魔法は!」
「火球」
「信仰する神は!」
「魔王」
「初代エルフ王の名前は!」
「知らない」
「旧エルフ王国の滅亡年は!」
「紀元前五〇八二年」
立て続けの質問に、軒並み嘘とも取れる返事。
もう少し……もう少しで掴めそう。
アルシアさんの返事の殆どは嘘だ。
それで少しずつ、彼女の周りの魔力が揺らいでいるのが分かる。
あとは体内の魔力まで掴むことが出来れば……!
「使える魔法属性の種類は!」
「一種類」
「使えない属性は!」
「風」
「一番好きな神話は!」
「魔王討伐物語」
「魔王の名前は!」
「知らない」
「神々の聖戦で女神の祝福を受けた二人の名前は!」
「知らない」
「女神様のフルネームは!」
「知らない」
「世界の監視者の名前は!」
「知らない」
誓盟の真理は微動だにしない。
もう少しなのに……!
そこでアルシアが言った。
「もう良いでしょ」
アルシアは、ほら見たことかとばかりに私へと視線を向けている。
その瞳は、全てが無駄だと告げているよう。
けれど私は、諦めきれない。
「まだ……まだです」
私は、更に集中して魔力を探る。
空間に漂う魔力、アルシアの口から入る空気、体内を巡る血、肉、魔力……。
手を使うように、水を掴むように、空気を掴むように、魔力を意識するんだ。
そこにあるもの、流れを……。
私が必死にアルシアの魔力を読もうとする一方で、アルシアは呆れたような顔をしていた。
「……何をそんなに知りたがってるの。そんなに重要?」
重要ですとも勿論!
そう言いたいけど、今は返事を出来ない……!
「ッ………………」
「もしかしてアンタ、私を《創造の女神》だとか《世界の監視者》だとでも思って――」
『カシャン』
――手元で、音がした。
手に振動が伝わった。
アルシアは沈黙し、目を見開いている。
静寂が部屋を包み込む。
その沈黙は――全てを語っている。
私はゆっくりと、誓盟の真理へと視線を送る。
皿に何も載せられていない誓盟の真理は、左へと傾いている。
《左》
それの意味するものは――《偽》だった。
私は本棚の一角にあった戸棚の扉を開けると、中から天秤を取り出した。
そして、左手で下の台座を持ち、アルシアに掲げる。
「――嘘は言わないでくださいね」
アルシアは私の手に持つ天秤を見ると、眉を上へと引き上げた。
「何のつもり?」
「私の質問に答えてもらいます。言っておきますが嘘は通用しませんよ。この天秤は――」
「《誓盟の真理》……か」
この天秤の事を知っている?
ルクナ教の敬虔な信者か教団関係者しか知らないこの魔導具を何故アルシアさんが……。
「知ってるんですか」
「一応ね。言っておくけど、私にそれは効かないわよ」
「……何故ですか?」
「誓盟の真理は、対象の体内にある魔力の微細な変化を感じ取って真偽を判別する魔導具。体内の魔力は精神状態で変化するからね。だから、魔力を持っていない《魔力無し》には使えない」
「!」
アルシアは、私の知らなかった誓盟の真理の動作原理まで知っている。
だから秘密を暴こうとされているのに、とても冷静でいる。
本当に奥の知れない人だ。
だけれども、私も魔力についての知識はある。
《魔力無し》には効かない。
原理を考えれば確かにその通りだ。
けれど、私が知識として持っている《魔力》によれば、効かない事はない。
そして、誓盟の真理が効かなかった人が居るという記録も残っていない。
それを鑑みれば――
「――それは嘘ですね」
「……嘘?」
「魔力の事を誰よりもご存知の貴女ならば、わかっているはずです。魔力がある限り、嘘はつけないと」
「その魔力が、私には無いのよ」
「正確には『溜めることが出来ない』ですよね」
「…………」
沈黙した。
それは肯定を意味している。
「この世の万物には魔力が宿ります。それは、私達が吸っている空気しかり、踏みしめる大地しかり、そして魂の器たる血肉しかり――」
「――肉体に宿る魔力を読み取ると?」
「そうです。そうすれば判別出来ます」
私の言葉を聞いたアルシアは、息を吐いた。
まるで呆れたように、こちらを見つめてくる。
「理論上はね。けれど、アンタは他人の肉体に宿る魔力を感じられる? その肉、中を巡る血液の魔力を。それがどう動いて巡っているかを完璧に感じ取れる?」
「それは……」
「その誓盟の真理は、自分が感じ取った相手の魔力を誓盟の真理に読み取らせて真偽を測るもの。相手の魔力を感じ取れなければ使えないのよ」
なるほど。コレはそうやって使うのか。
使い方はただ魔力を込めれば良いと思っていたけど、そんな簡単な物ではないらしい。
けれどこれで正しい使い方が分かった。
あとは自分の技量次第。
難易度はとてつもなく高い。
恐らくアルシアが魔法を使う時のように、繊細な魔力を感知することができなければ通じない。
それでも――やってやる!
私はアルシアに掲げている誓盟の真理へ魔力を込める。
すると台座に埋め込まれた魔石がほんのり明るく光りだす。
これで魔導具が起動した。
それを見たアルシアは腰に手を当て、ジトリと眺めるように瞳を私の瞳へぶつける。
「……本気?」
「質問に答えてください」
私はアルシアを鋭く見つめ返した。
それを見たアルシアの表情は何も変わらない。
できないと思っているのだろう。
そうかもしれない。
それでも……私はやる。
まずは軽いジャブから質問しよう。
「貴女のお名前は?」
「……アルシア」
そう言うアルシアはさっきと変わらない様子。
私は何とか彼女の魔力を感じ取ろうと感覚を研ぎ澄ませる。
けれど何も感じない。
誓盟の真理も微動だにしない。
魔力を探知できない。
そんな様子を見たアルシアは、フッと息を吐いた。
「だから言ったでしょ。私には効かないって」
「もう一度――お名前を」
「アルシア」
「……フルネームで」
「テオ・コリンズ」
今度は嘘を言った。
けれど誓盟の真理は動かない。
魔力をどうしても感知できない。
もっと……もっとだ……、もっと集中するんだ!
「もう一度! ご出身は!」
「シュラインの街」
これも、嘘だろう。
まだだ……まだ……!
「ご年齢は!」
「八歳」
「加護属性は!」
「水」
「得意魔法は!」
「火球」
「信仰する神は!」
「魔王」
「初代エルフ王の名前は!」
「知らない」
「旧エルフ王国の滅亡年は!」
「紀元前五〇八二年」
立て続けの質問に、軒並み嘘とも取れる返事。
もう少し……もう少しで掴めそう。
アルシアさんの返事の殆どは嘘だ。
それで少しずつ、彼女の周りの魔力が揺らいでいるのが分かる。
あとは体内の魔力まで掴むことが出来れば……!
「使える魔法属性の種類は!」
「一種類」
「使えない属性は!」
「風」
「一番好きな神話は!」
「魔王討伐物語」
「魔王の名前は!」
「知らない」
「神々の聖戦で女神の祝福を受けた二人の名前は!」
「知らない」
「女神様のフルネームは!」
「知らない」
「世界の監視者の名前は!」
「知らない」
誓盟の真理は微動だにしない。
もう少しなのに……!
そこでアルシアが言った。
「もう良いでしょ」
アルシアは、ほら見たことかとばかりに私へと視線を向けている。
その瞳は、全てが無駄だと告げているよう。
けれど私は、諦めきれない。
「まだ……まだです」
私は、更に集中して魔力を探る。
空間に漂う魔力、アルシアの口から入る空気、体内を巡る血、肉、魔力……。
手を使うように、水を掴むように、空気を掴むように、魔力を意識するんだ。
そこにあるもの、流れを……。
私が必死にアルシアの魔力を読もうとする一方で、アルシアは呆れたような顔をしていた。
「……何をそんなに知りたがってるの。そんなに重要?」
重要ですとも勿論!
そう言いたいけど、今は返事を出来ない……!
「ッ………………」
「もしかしてアンタ、私を《創造の女神》だとか《世界の監視者》だとでも思って――」
『カシャン』
――手元で、音がした。
手に振動が伝わった。
アルシアは沈黙し、目を見開いている。
静寂が部屋を包み込む。
その沈黙は――全てを語っている。
私はゆっくりと、誓盟の真理へと視線を送る。
皿に何も載せられていない誓盟の真理は、左へと傾いている。
《左》
それの意味するものは――《偽》だった。
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