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第十九話 忘れられたもの
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――《世界の監視者》について。
アルシアから明かされる謎。
特に世界の監視者は伝承にも残っていない謎の存在だ。
「それは、どういったものなのですか?」
「そうね……簡単に言えば、人類を滅ぼしかねない脅威を監視する存在、それが《世界の監視者》よ」
「人類を滅ぼしかねない脅威? それは一体……」
「例えば、魔界から魔族が侵略してくるとか、高位の悪魔が現れるとか」
確かにそれは脅威となる。
二千年前に人間界と魔界が統合し、闇の眷属である魔族による侵攻があったという伝承が各地に伝わっている。
魔界は人間界の西の果てへ存在し、現在は魔界との境界が南北一直線に引かれて陸地には高い防壁が築かれている。
そして魔族以上に脅威なのが悪魔。
魔族は一応人族とされるが、悪魔は魔族とは違って魔法生物。
魔族とは一応会話もできるし取り引き等もできるらしいが、悪魔は純粋に人族を殺す対象としか見ていない殺人人形。
会話は成立しないし、魔族であっても蹂躙されるほどに強い。
低位の悪魔でも、たった一体で国が滅んだという伝承も残っている。
高位の悪魔ともなれば世界が滅ぶ。
二千年前の神々の聖戦では、その高位の悪魔が全世界へ出現したというのだから、よく世界が滅びなかったと思う。
「アルシアさんは、二千年前に高位の悪魔とも対峙されていますよね」
「そうね……破壊神が召喚した大量の悪魔達。……トラウマだわ――」
アルシアは上を向いて、どこか遠くを見ている。
かつて見た光景が、目に焼き付いているのだろう。
「――あれは千や二千なんて数じゃない。空を埋めつくすほどの膨大な量の高位の悪魔。それが全世界へ解き放たれ、虐殺という言葉が生易しいと言えるほど凄惨な結末を迎えた。――全てが終わった頃には、まるでこの世に自分一人しか居ないと思える程の静寂。……静寂が世界を支配していた」
アルシアは、静寂を二度も強調して言葉にした。
それは――人も動物も何もかも、生きとし生けるもの全ての存在を一切感じられない――それ程の想像を絶する光景。
それが、彼女の眼前へ広がっていたという意味――
「……壮絶ですね」
「よく人類が滅びなかったと未だに思うわ。殆ど全ての国が滅び、文明と呼べるものすらも消え去った。二千年より前の記録や伝承が殆ど残っていないのもこれが原因よ」
――今ここに私が存在していることを神に感謝しなければ。
アルシアと転生者リンの奮闘によって、人類の滅亡という最悪の事態は回避された。
もしそれが無かったら、私は存在していなかったのだろう――
「――ありがとうございました」
私は自分の胸に左手を置き、アルシアに笑顔で感謝を伝えた。
それを見たアルシアはこそばゆいのか口をもぞもぞさせると、プイとそっぽを向いてしまった。
「……何よ、気持ち悪い……」
アルシアは照れくさそうに憎まれ口を叩く。
感謝されるのに慣れていないんだな。
こういう所は可愛いと思う。
そんなアルシアを私が微笑ましく見ていると、アルシアはそれに気付いたのかジトリとした視線をこちらへ向けてくる。
そしてテーブルに向かって左腕で頬杖をつくと、ハァとため息をついて、目の前にある魔力が切れた誓盟の真理の天秤を右手でツンと触れた。
「――ま、あの戦いが終わった今でも、悪魔みたいな脅威が消えたわけじゃない。魔族だって、いつまた侵攻してくるか分からないし……」
「……それで、アルシアさんが世界の監視をやってるんですね」
「そう。リンは帰っちゃったし……世界を一人廻ってね」
アルシアは、触れてゆらゆら上下に揺れる天秤をジッと見つめている。
その揺れる天秤を眺める瞳には、どこか寂しさが漂う。
とても永い、永い時の間、世界を一人孤独に見てきたんだな……。
そう思いつつアルシアを見ていると、アルシアは椅子から腰を上げた。
そして私の頭へと手を置くと優しく撫でてきた。
何も心配しなくていいと、安心させるように微笑みを浮かべて。
「それじゃ、帰るわ」
アルシアはそう言うと、扉へ向かって歩き出した。
「もう帰るんですか? まだ他にも聞きたいことが……」
私がそう呼び止めると、アルシアは足を止めた。
そして顔を少しこちらへ向けると、瞳を私へ向け、言った。
「司祭に私の姿を見られた以上、私は教団にマークされる」
アルシアはそう言うと、私の方へくるりと振り返った。
「私のこの髪色や黄金の瞳。他で見たことないでしょう?」
「それは……そうですね」
「これは、昔シルヴァエ地方に存在した民族シルヴァエ人の特徴なのよ。それで、私が唯一の生き残り」
シルヴァエ人……全く聞いたことのない民族だ。
伝承にも全く残っていない。
シルヴァエ地方という地域名も今は存在しないし、シルヴァエという呼称は聖都シルヴァエでしか聞いたことがない。
「シルヴァエ人とは……どういった民族なのですか?」
「別にただの民族よ。今ある聖徒シルヴァエ付近へ住んでいた人たちをそう呼んでいただけ。私は純血のシルヴァエ人だけど、生まれた時にはもう混血も進んでいたから、民族としては形骸化してた」
「……それが教団と、どう繋がるのですか?」
私がそう聞くと、アルシアの目元が鋭くなった。
「いま伝わっている女神の姿は私の知っているルクナじゃない。それにさっき調べた限り、神話や伝承も一部改変されている」
「そう……みたいですね」
「それが意味する事はただ一つ。教団の中に、何らかの悪意をもって変えた存在がいる、という事よ」
「ッ……」
私には到底信じられない話だ。
けれどアルシアが嘘を言っているとも思えない。
アルシアは、それが真実だというように言葉を続ける。
「そもそも二千年前の時点で、シルヴァエ人は滅んでいたのよ。当時でさえシルヴァエ人を知っているのは、初代エルフ王ただ一人。だから現代では誰も知らないはずなのに、いつのまにか女神の姿として伝承されている」
「そんな事をして何の意味が……」
「まだそこまでは分からないけど、教団は確実に私を教団の中へ引き込もうとするでしょうね」
アルシアはそこまで話すと、扉へと振り返った。
「気をつけなさい。教団は、アンタが思っている以上に邪悪よ」
アルシアはそう告げるとドアノブへと手をかけた。
そして「それじゃ、明日朝ギルド前で」と言うと、静かに扉を開けて部屋を後にした。
――アルシアが居なくなったあと、私は書斎にある本を取り出して読み漁った。
神話、伝承、聖典などをテーブルへ山積みにして広げ、片っ端から読んだ。
アルシアが言っていたとおり、神話や伝承にも破壊神ソルスと転生者リンの名前は無く、神々の聖戦は魔王の仕業になっていた。
なるほど確かに、これは誰かの意思によって消されたと考えるのが自然。
一体誰が、何の意図があって?
こんな事をできるのは教団の人間しかいないだろう。
それも、聖典の内容や教義を定める事が出来る法王直下の組織シルヴァエ枢機卿団の人間。
私は、目の前の開いた本を眺めていた。
……この本も改ざんされた物なのだろうか。
いくら考えても答えは見つからない――
『ガチャ』
そこへ突然、扉が開いた音がした。
私はそれに気付いて扉の方を見ると、ダンガルが扉を開けて入ってきていた。
ダンガルは私が存在に気づいたのを見ると、にこやかな笑顔をこちらへ向けてきた。
「随分と長いこと勉学に励まれていますね」
気のせいかもしれないが、彼の向ける笑顔が今は仮初に見える。
人を安易に疑うなどしてはならない、と修道院では教えられたのに。
私は目の前の開いていた本を閉じる。
そして立ち上がり、テーブルの上に積み重ねていた本を片腕に抱える。
「私もまだまだ勉強不足ですので。学びは多いです」
私はそう言いながら、抱えた本を元の本棚へと戻していく。
ダンガルはそれをジッと眺めていた。
何を考えているのか分からない。
アルシアの言っていたことが本当ならば、何か良からぬ事を考えているのかもしれない。
私は一抹の不安を覚え、ダンガルへと少し聞いてみることにした。
「あの、先ほどの冒険者さんのことですが……」
「アルシア様ですか?」
「はい。あのお方のことは……」
私がそう言いかけると、ダンガルは自分の胸へ左手を置いた。
「ご心配いりません。きちんと大司教様へとご報告させていただきました」
『ドサッ』
――私は、手に持つ本を落としてしまった。
アルシアから明かされる謎。
特に世界の監視者は伝承にも残っていない謎の存在だ。
「それは、どういったものなのですか?」
「そうね……簡単に言えば、人類を滅ぼしかねない脅威を監視する存在、それが《世界の監視者》よ」
「人類を滅ぼしかねない脅威? それは一体……」
「例えば、魔界から魔族が侵略してくるとか、高位の悪魔が現れるとか」
確かにそれは脅威となる。
二千年前に人間界と魔界が統合し、闇の眷属である魔族による侵攻があったという伝承が各地に伝わっている。
魔界は人間界の西の果てへ存在し、現在は魔界との境界が南北一直線に引かれて陸地には高い防壁が築かれている。
そして魔族以上に脅威なのが悪魔。
魔族は一応人族とされるが、悪魔は魔族とは違って魔法生物。
魔族とは一応会話もできるし取り引き等もできるらしいが、悪魔は純粋に人族を殺す対象としか見ていない殺人人形。
会話は成立しないし、魔族であっても蹂躙されるほどに強い。
低位の悪魔でも、たった一体で国が滅んだという伝承も残っている。
高位の悪魔ともなれば世界が滅ぶ。
二千年前の神々の聖戦では、その高位の悪魔が全世界へ出現したというのだから、よく世界が滅びなかったと思う。
「アルシアさんは、二千年前に高位の悪魔とも対峙されていますよね」
「そうね……破壊神が召喚した大量の悪魔達。……トラウマだわ――」
アルシアは上を向いて、どこか遠くを見ている。
かつて見た光景が、目に焼き付いているのだろう。
「――あれは千や二千なんて数じゃない。空を埋めつくすほどの膨大な量の高位の悪魔。それが全世界へ解き放たれ、虐殺という言葉が生易しいと言えるほど凄惨な結末を迎えた。――全てが終わった頃には、まるでこの世に自分一人しか居ないと思える程の静寂。……静寂が世界を支配していた」
アルシアは、静寂を二度も強調して言葉にした。
それは――人も動物も何もかも、生きとし生けるもの全ての存在を一切感じられない――それ程の想像を絶する光景。
それが、彼女の眼前へ広がっていたという意味――
「……壮絶ですね」
「よく人類が滅びなかったと未だに思うわ。殆ど全ての国が滅び、文明と呼べるものすらも消え去った。二千年より前の記録や伝承が殆ど残っていないのもこれが原因よ」
――今ここに私が存在していることを神に感謝しなければ。
アルシアと転生者リンの奮闘によって、人類の滅亡という最悪の事態は回避された。
もしそれが無かったら、私は存在していなかったのだろう――
「――ありがとうございました」
私は自分の胸に左手を置き、アルシアに笑顔で感謝を伝えた。
それを見たアルシアはこそばゆいのか口をもぞもぞさせると、プイとそっぽを向いてしまった。
「……何よ、気持ち悪い……」
アルシアは照れくさそうに憎まれ口を叩く。
感謝されるのに慣れていないんだな。
こういう所は可愛いと思う。
そんなアルシアを私が微笑ましく見ていると、アルシアはそれに気付いたのかジトリとした視線をこちらへ向けてくる。
そしてテーブルに向かって左腕で頬杖をつくと、ハァとため息をついて、目の前にある魔力が切れた誓盟の真理の天秤を右手でツンと触れた。
「――ま、あの戦いが終わった今でも、悪魔みたいな脅威が消えたわけじゃない。魔族だって、いつまた侵攻してくるか分からないし……」
「……それで、アルシアさんが世界の監視をやってるんですね」
「そう。リンは帰っちゃったし……世界を一人廻ってね」
アルシアは、触れてゆらゆら上下に揺れる天秤をジッと見つめている。
その揺れる天秤を眺める瞳には、どこか寂しさが漂う。
とても永い、永い時の間、世界を一人孤独に見てきたんだな……。
そう思いつつアルシアを見ていると、アルシアは椅子から腰を上げた。
そして私の頭へと手を置くと優しく撫でてきた。
何も心配しなくていいと、安心させるように微笑みを浮かべて。
「それじゃ、帰るわ」
アルシアはそう言うと、扉へ向かって歩き出した。
「もう帰るんですか? まだ他にも聞きたいことが……」
私がそう呼び止めると、アルシアは足を止めた。
そして顔を少しこちらへ向けると、瞳を私へ向け、言った。
「司祭に私の姿を見られた以上、私は教団にマークされる」
アルシアはそう言うと、私の方へくるりと振り返った。
「私のこの髪色や黄金の瞳。他で見たことないでしょう?」
「それは……そうですね」
「これは、昔シルヴァエ地方に存在した民族シルヴァエ人の特徴なのよ。それで、私が唯一の生き残り」
シルヴァエ人……全く聞いたことのない民族だ。
伝承にも全く残っていない。
シルヴァエ地方という地域名も今は存在しないし、シルヴァエという呼称は聖都シルヴァエでしか聞いたことがない。
「シルヴァエ人とは……どういった民族なのですか?」
「別にただの民族よ。今ある聖徒シルヴァエ付近へ住んでいた人たちをそう呼んでいただけ。私は純血のシルヴァエ人だけど、生まれた時にはもう混血も進んでいたから、民族としては形骸化してた」
「……それが教団と、どう繋がるのですか?」
私がそう聞くと、アルシアの目元が鋭くなった。
「いま伝わっている女神の姿は私の知っているルクナじゃない。それにさっき調べた限り、神話や伝承も一部改変されている」
「そう……みたいですね」
「それが意味する事はただ一つ。教団の中に、何らかの悪意をもって変えた存在がいる、という事よ」
「ッ……」
私には到底信じられない話だ。
けれどアルシアが嘘を言っているとも思えない。
アルシアは、それが真実だというように言葉を続ける。
「そもそも二千年前の時点で、シルヴァエ人は滅んでいたのよ。当時でさえシルヴァエ人を知っているのは、初代エルフ王ただ一人。だから現代では誰も知らないはずなのに、いつのまにか女神の姿として伝承されている」
「そんな事をして何の意味が……」
「まだそこまでは分からないけど、教団は確実に私を教団の中へ引き込もうとするでしょうね」
アルシアはそこまで話すと、扉へと振り返った。
「気をつけなさい。教団は、アンタが思っている以上に邪悪よ」
アルシアはそう告げるとドアノブへと手をかけた。
そして「それじゃ、明日朝ギルド前で」と言うと、静かに扉を開けて部屋を後にした。
――アルシアが居なくなったあと、私は書斎にある本を取り出して読み漁った。
神話、伝承、聖典などをテーブルへ山積みにして広げ、片っ端から読んだ。
アルシアが言っていたとおり、神話や伝承にも破壊神ソルスと転生者リンの名前は無く、神々の聖戦は魔王の仕業になっていた。
なるほど確かに、これは誰かの意思によって消されたと考えるのが自然。
一体誰が、何の意図があって?
こんな事をできるのは教団の人間しかいないだろう。
それも、聖典の内容や教義を定める事が出来る法王直下の組織シルヴァエ枢機卿団の人間。
私は、目の前の開いた本を眺めていた。
……この本も改ざんされた物なのだろうか。
いくら考えても答えは見つからない――
『ガチャ』
そこへ突然、扉が開いた音がした。
私はそれに気付いて扉の方を見ると、ダンガルが扉を開けて入ってきていた。
ダンガルは私が存在に気づいたのを見ると、にこやかな笑顔をこちらへ向けてきた。
「随分と長いこと勉学に励まれていますね」
気のせいかもしれないが、彼の向ける笑顔が今は仮初に見える。
人を安易に疑うなどしてはならない、と修道院では教えられたのに。
私は目の前の開いていた本を閉じる。
そして立ち上がり、テーブルの上に積み重ねていた本を片腕に抱える。
「私もまだまだ勉強不足ですので。学びは多いです」
私はそう言いながら、抱えた本を元の本棚へと戻していく。
ダンガルはそれをジッと眺めていた。
何を考えているのか分からない。
アルシアの言っていたことが本当ならば、何か良からぬ事を考えているのかもしれない。
私は一抹の不安を覚え、ダンガルへと少し聞いてみることにした。
「あの、先ほどの冒険者さんのことですが……」
「アルシア様ですか?」
「はい。あのお方のことは……」
私がそう言いかけると、ダンガルは自分の胸へ左手を置いた。
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