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「上手くなりてぇの?」
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新生BIRTHで使用する備品の搬入作業は、ほとんど終わった。
明日から、3日間は研修みたいな感じ。
まぁ、研修って言っても基本は変わってないから、新しい仕様に慣れる感じの内容だろう。
終わって車に乗り込み、一番に携帯をチェックする。
もちろん…慶からの着信の確認だ。
1時間前と30分前に入ってた。
『帰ってるよ~』
『侑利くんに早く会いたい』
……何なんだよ……1個目と2個目のメッセージの差が激しいぞ。
『終わった。即帰る』
と、送信したら、直ぐに既読になった。
『わぁい』
わぁいって……と、心の中で突っ込みながらエンジンをかける。
とにかく、俺の帰りを喜んで待ってる恋人が居るから、早く帰ろう。
帰宅して、ドアを開けて、リビングから飛び出して来た慶を見て、倒れそうになった。
「……何なの、お前」
すんげぇ、何か言って欲しそうな笑顔。
「どしたの」
待ってた言葉と違うから、ちょっと困り顔に変わって行ってる。
「ダメ?」
ついには心配そうに聞いて来た。
慶が髪を切って来てる。
出会ってからずっと、ただ「散髪行けてなくて伸びました」って感じで、柔らかい焦げ茶の髪が形の良い頭に沿って襟足まで伸びてて、それはそれで慶の中性的な容姿を更に強調させてて似合ってたんだけど……最近は、目にかかる前髪を少し鬱陶しそうに手で払ったりしてた。
俺もBIRTHのオープンまでに少し切りたいって思ってたから、俺が行く時に誘ってやろうと思ってたとこだった。
その髪型の慶しか知らない…。
今、そこに居る慶は……右から左へかけて少し長くなるように切られた前髪が、キレイに左の耳の位置まで流れてて、耳上の長さで薄く切られたサイドと、そこから自然に軽く梳かれた感じの後ろと、後頭部はキレイな丸みが出るように少し厚めになってて…………とにかく……何て言うか…………パーフェクト。
「やべぇな」
「…え?」
ボソッと呟いて、やっと靴を脱いで一歩中へ入った俺を、心配顔の慶が見て来る。
「可愛すぎだバカ」
「…え、…あっ、」
壁に慶を押し付けて、行き成り深いキスをお見舞いしてやった。
「もぉ~~~~っ、失敗したかと思っちゃったじゃんっ」
えいっ、とか言って慶が小さく蹴って来る。
「マジでクッソ可愛いし」
「言い方っ」
「最上級だよ?」
「……そうかなぁ…」
そうだよ。
マジで、可愛すぎてビビッてんだから、今。
手洗いとうがいを済ませてリビングに入るまで、後ろを付いて来て、ひたすら「似合ってる?」と聞いて来る。
「似合ってる。本気で可愛い」
ソファに鞄を置いて、そう言って振り返ると、もじもじしながら照れたように俯いた。
「どこで切ったの?」
そう言って冷蔵庫に向かうと、やっぱり後ろを付いて来る。
子犬か…。
「面接の帰りにね、歩いてたら声かけられてさ~」
え……
「カットモデルになってくれませんか、って」
「カットモデルって、お前…」
それ、大丈夫なの?
「あのね、了解取らないで勝手にネットに画像載せたりはしないって」
「了解してねぇだろうなぁ」
「してないしてない。でも、」
でも、って何だよ。
「店内にだけ画像貼らせてもらうって。…店内だけなら良いかな、って思って……その代わり、全部無料でやってもらえたんだよ~」
店内に画像貼るってとこだけが、ちょっと気に入らねぇけど……仕上がりはだいぶ気に入ってるわ、俺。
「イケメンって言われちゃった~~」
えへへ、と自慢気にわざとらしく俺の視界に入って来る。
そりゃ、イケメンだろうな、元が良いからどんな髪型したってそうなるだろう。
『超絶美人』だし?
「モデルやって欲しい時に連絡するかも、って」
ん?
何だ、それは。
「連絡?…電話番号教えたの?」
「ハガキくれるって言ったんだけど、ここの住所が分かんなくて……そしたら、電話番号でも良いですよ、って言うから」
気軽に電話番号を誰にでも教えんな、バカ。
…って思ったけど、電話番号って案外色んな場面で書いたりする事あるよな…。
番号教えたら、男前の美容師から電話かかって来て、カットモデルやってとか言われて、ほいほい付いてって、美人とかキレイとか言われて、気分良くなっていつの間にか服とか脱がされて、写真撮られて………
…などと、先走った妄想をしてしまう自分の慶への執着ぶりにちょっと引いたわ…。
「ダメだった?」
俺が、気になる表情をしてたのか、慶が心配そうに聞いて来る。
「ダメじゃねぇけど、次にカットモデルする時は先に俺に相談する事」
だいぶ、自分勝手な発言だって事は分かってる。
「相談?」
「そ。勝手にやんないで」
「…何で?」
俺の束縛が伝わったのか、慶の口元が少し緩んでる。
「お前が髪切って可愛くなんのは良いけど……本心は、知らねぇ奴がお前の髪に触んのとか無理だし」
そこまで言ってチラッと慶の顔を見ると、もう完全にニヤけ顔になってるし……
「…侑利くん……」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターのペットボトルを、俺の手から取ってキッチンに置くと、至近距離から思いっきり飛び付いて来て、ちょっと焦った。
「かわいいっ!!!」
「ぅおっ!!!」
行き成りの事で、受け止めたもののだいぶヨロけた。
そのために、ペットボトルを退けたんだな…。
「俺が誰かに触られんのヤなの?」
え…そんなの当たり前だろ…。
「嫌だよ」
「んふふぅ」
「笑い方変だぞ」
「えへへへ」
「何だよ…」
デレデレしちゃってさ…
「侑利くん…束縛しすぎ~」
「お前だって、ちょっと喜んでんじゃん」
「え~?」
「俺が束縛したら、どうなの?」
「……嬉しい」
「何で?」
「俺の事どんだけ好きなんだよぉ~~って思うから」
ほら見ろ。
束縛する俺と、束縛されて喜ぶお前で、ちょうど良いじゃん。
その後はずっと機嫌が良くて……俺的には何か…弱み握られたような気にさえなって来るけど……
まぁ、良いか。
隠したって、余裕ぶったって、きっとダメだろうし…。
ただ、自分の執着ぶりが恐ろしいわ…。
俺、マジでこんな奴じゃ無かったと思うけど……。
「で、面接はどうだったの?」
何となく、晩飯は食べに出た。
徒歩で行ける場所にある、居酒屋。
割と流行ってて、平日でも夜はけっこう入ってる。
金曜日の今日も、明日が休みの人が多いからか店内はほぼ満席に近く、ちょうど空いてたカウンターに通された。
俺はビール、慶はノンアルコールカクテルを注文し、何となくグラスを合わせて何にでもなく乾杯する。
髪切ったって事がデカすぎて忘れてたけど、そういえば今日、面接行って来たんじゃん…って思い出して聞いてみた。
「あ、そうそう」
お前も忘れてんじゃん。
「何かね、面接担当の人が言うにはね、そもそも後何人か募集しようと思ってた時に、急に2人同じ部署で辞めちゃったから、大変な事になってんだって。その2人のとこを補うために他の部署から回して…とかなってて、ほんとに人足りてないみたいだった」
「へぇ、そりゃ大変だな」
めっちゃ働かされるんじゃねぇの?
大丈夫か?
「結果は明日電話くれる事になってる」
「そっか。休みとかとれんの?」
休み……出来たら合わせたいって思ってしまう俺って…やっぱり、束縛が激しいんだろうか…。
「うん、そこ重要ポイントだよね~」
とか、可愛い顔して言ってんな。
「前もって希望出してたら大丈夫だって。だから休み合わせられるね」
嬉しそうに言うから……可愛くて、抱きしめたくなる。
こんな、甘酸っぱい気持ちになるのって……正直、初めてかも…。
ハタチの時に真面目に付き合ってた年上の彼女の時でさえも、俺は何か受け身で……そりゃ、それなりに束縛もしたかも知んねぇけど、何か違うんだ……
過去の俺がして来た恋愛の中に……今感じてるような気持ちが、どこにも見当たらない。
きっと……初めての感情だ。
だから…自分でもびっくりするぐらい素直に、束縛とか出来んのかも…。
恥ずかしい言葉も、平気で言えるしさ…。
何か…今までと違うわ、俺。
「…受かったら良いな~…そしたら、やっと侑利くんにお金払えるし」
まだ言ってる。
まぁ…自己満足のためにもやらせてやろうとは思ってるけどさ…。
「さむーっ!!」
がっつり食べて、居酒屋を出た瞬間、慶が叫んだ。
俺も同感。
夜はめっちゃ寒い。
「寒い寒い、侑利くんっ、早く帰ろっ」
そう言って、ポケットに突っ込んだ俺の腕を掴みグイグイ引っ張って歩く。
俺も引っ張られるままに、早足で歩いてる。
「帰ったら、何か温かいもん」
「カフェオレ淹れたげる~」
「あんがと」
へへ、と笑う。
「俺、侑利くんと出会ってほんと良かったなぁ~」
とか、しみじみ言うから……引っ張られっ放しだった腕を少し後ろに引いて、俺のペースに合わせるように慶を隣へ戻す。
素直に俺の横に収まった慶を「どしたの?」と覗き込めば…
「…幸せすぎるんだよ…何か……怖くなる」
とか、言うもんだから……また、何か余計な事考えてネガティブになってんのかって心配になる。
「幸せすぎる、で良いじゃん。怖くなる必要ねぇよ」
俺の腕を掴む力が少し強くなる。
「そういうの、」
「え?」
「侑利くんは、そうやって…俺が今まで言われた事無い言葉を言ってくれるから……どの言葉も全部…特別に思える」
慶が、誰にも愛されない人生を送って来ただなんて……先ず、誰も思わねぇよ。
俺の言葉が特別なんてさ……
「好きだから言ってんの。好きじゃ無かったら言わねぇし」
「それだって、特別だよ」
一瞬、腕を外して慶に肩を組むようにして頭ごと引き寄せ、短いキスをした。
慶はすごく、びっくりした顔してる。
「もーっ、外だよっ」
恥ずかしそうに両手で顔を覆って言う。
女子かっ。
「お前が悪い」
「何でっ」
「特別だよ、とか言うから」
「だって、」
それ以上は言わなかったけど……慶が、照れてんのが分かる。
外に出たついでに、コンビニで明日の朝用のパンなどを買って、また「寒い」と文句を言いながら帰った。
「ッあ、…ん」
「ちょっとキスさせて」
帰宅して、上着を脱いで寝室のハンガーにかけたとこで、今日も俺が欲情。
ベッドに押し倒して、キスをしてるとこ。
慶は抵抗する事も無く、素直に俺の要求に応じる。
とか言いながら、キスだけで止めてやる訳無いんだけど…。
「あっ、……んっ、あっ、あぁ、んん…っ、は……ぁ」
慶の色気ダダ洩れな声が寝室に響く。
俺の手の中で一度絶頂に達した慶に「もう待てない……早く、来て……」とか言われたもんだから……俺は、急いで挿入体制を作り……今、慶の中へ押し入ったとこ。
慶の中は、溶けるように熱くて…その感覚だけで、俺自身も異常に興奮して硬さを増す。
「ああっ、んっ、…侑利くんっ…あっ、…や、…んっ、んん…あぁ、ぁん…」
俺の律動に合わせて、慶がエロい声を出す。
その声に煽られて、俺はまた律動を強める。
その繰り返し……
気持ち良すぎて………バカになりそうだ……
慶の細い腰を掴んで、俺の根元まで咥え込ませる。
グリグリと回しながら擦り合わせるようにすると、気持ち良いところをかすめるのか、途中で何度も慶の体が跳ねて……悲鳴に近いような、切羽詰まった声を出す。
俺にはそれが堪らなく刺激的で……その声をもっと聞きたくて、深く突き刺さるように腰をがっちりとホールドする。
「やだっ、ああぁ、んっ…んん…っは、…あ、ゆ…侑利くんっ…も、…もぅ…だ、め……」
腰をホールドしてる俺の手首を、慶の手が強く掴む。
「もうダメッ…やっ…ああぁ、っ……も、イ…く……」
「…慶……っぅ、あ…俺も、」
限界だ。
とにかく、慶に気持ち良くなって欲しくて、思い切り最奥を突き上げる。
「あっ、あっ、侑利くんっ…ああああぁぁぁっ……」
「…っ、ん……ぅ…」
慶の可愛い声…。
先に慶がイッて……続いて俺も…。
慶は「はぁ……はぁ…」と大きく肩で息をしてる。
呼吸は、毎回整わず……上手に息が出来ない事もある。
必死で息を吸うから、キレイな鎖骨が呼吸に合わせて浮き出て来て……その細い首元に噛み付いて、また、攻めたい衝動に駆られる…、
「慶……大丈夫か?」
汗で貼り付いた切ったばかりの髪をキレイに流してやる。
「………だい…じょうぶじゃ…ない…」
未だ整わない呼吸。
「………カッコ良すぎて……気絶しそう……」
「はは……何だそれ」
フッと笑いながら、慶の中から自身を引き抜く。
いつも、この感覚には敏感になるみたいで、引き抜く瞬間に慶の腰がビクビクと電気が走ったように震える。
先日追加で買ったゴムの先に、吐射された俺の白い液体が大量に溜まってる。
どんだけ出るんだ、ってちょっと恥ずかしくもなるけど……そんな事どうでも良い、って思わせるくらい、やった後の慶が可愛いんだ。
「……侑利くん………俺…上手になってる?」
「はぁ?」
いきなり、変な事を言って来るから……
「上手って何が」
「…エッチすんの…」
何なんだよ、その質問は……
「何でそんな事聞くの」
色んな液体でベタついてる慶の下半身をタオルで拭いてやろうとすると、そのタオルを俺の手から奪い背中を向けて自分で拭いてる。
そんな……さっきのエロい姿とは対照的な間抜けな感じも、俺は愛しく思えて仕方ない。
「…だって……侑利くんに、気持ち良くなって欲しいし…」
ボソボソ言ってんな…
「気持ち良いからイクんでしょ」
液体が溜まったゴムを外して、慶の目の前で揺らして見せる。
「見せないでっ、生々しいっ」
ティッシュで包んでゴミ箱に捨てられる。
「生々しいってお前……さっきまでその生々しい事やってたじゃん」
「そうだけど……」
「上手くなりてぇの?」
少しして、背中を向けてた慶がこちらに向き直る。
「……下手よりは上手い方が良いでしょ…?」
そんな事、マジで考えてんのかな、コイツ…。
多分、バカだな…。
「…侑利くんは……上手だし……」
言って、恥ずかしそうに顔をシーツに埋める。
「…こっちが恥ずいわ」
「……ごめん」
謝られて、少し可笑しくなって……何となく2人でプッと笑う。
「だいたい、俺が上手いかどうかなんて、お前初めてなのに分かんねぇだろ?」
「上手いと思うっ」
すげぇ食い気味に来た。
「何でだよ」
「だって、気持ち良い…から」
……と、言った後「もぉーーー恥ずかしいっ」とか言って、何故か殴られる俺…。
「……お前…何なんだよ」
殴られたところを業とらしく摩る。
「とにかく、お前が下手でも上手でもどっちでも良い」
「…何で…?」
「どっちでも、俺が気持ち良くさせりゃ良いんだろ?」
すごく恥ずかしい事を言ったんじゃないかって思ったけどさ…。
どこにときめいたのかキラキラした目で慶が俺を見てるから、まぁ、良しとする。
「侑利くん、マジでカッコいい…」
「ふん、そーだろ」
慶の腕が俺の体に巻き付いて来た。
「もっかい…しとく?」
誘われたぞ…。
「……しとく」
すぐ、誘いに乗る俺。
色気も何も無いけど……スイッチが入ると別だ。
慶も俺も……その行為に没頭するから…。
上手くなりたいなら…回数こなすしかねぇよ。
明日から、3日間は研修みたいな感じ。
まぁ、研修って言っても基本は変わってないから、新しい仕様に慣れる感じの内容だろう。
終わって車に乗り込み、一番に携帯をチェックする。
もちろん…慶からの着信の確認だ。
1時間前と30分前に入ってた。
『帰ってるよ~』
『侑利くんに早く会いたい』
……何なんだよ……1個目と2個目のメッセージの差が激しいぞ。
『終わった。即帰る』
と、送信したら、直ぐに既読になった。
『わぁい』
わぁいって……と、心の中で突っ込みながらエンジンをかける。
とにかく、俺の帰りを喜んで待ってる恋人が居るから、早く帰ろう。
帰宅して、ドアを開けて、リビングから飛び出して来た慶を見て、倒れそうになった。
「……何なの、お前」
すんげぇ、何か言って欲しそうな笑顔。
「どしたの」
待ってた言葉と違うから、ちょっと困り顔に変わって行ってる。
「ダメ?」
ついには心配そうに聞いて来た。
慶が髪を切って来てる。
出会ってからずっと、ただ「散髪行けてなくて伸びました」って感じで、柔らかい焦げ茶の髪が形の良い頭に沿って襟足まで伸びてて、それはそれで慶の中性的な容姿を更に強調させてて似合ってたんだけど……最近は、目にかかる前髪を少し鬱陶しそうに手で払ったりしてた。
俺もBIRTHのオープンまでに少し切りたいって思ってたから、俺が行く時に誘ってやろうと思ってたとこだった。
その髪型の慶しか知らない…。
今、そこに居る慶は……右から左へかけて少し長くなるように切られた前髪が、キレイに左の耳の位置まで流れてて、耳上の長さで薄く切られたサイドと、そこから自然に軽く梳かれた感じの後ろと、後頭部はキレイな丸みが出るように少し厚めになってて…………とにかく……何て言うか…………パーフェクト。
「やべぇな」
「…え?」
ボソッと呟いて、やっと靴を脱いで一歩中へ入った俺を、心配顔の慶が見て来る。
「可愛すぎだバカ」
「…え、…あっ、」
壁に慶を押し付けて、行き成り深いキスをお見舞いしてやった。
「もぉ~~~~っ、失敗したかと思っちゃったじゃんっ」
えいっ、とか言って慶が小さく蹴って来る。
「マジでクッソ可愛いし」
「言い方っ」
「最上級だよ?」
「……そうかなぁ…」
そうだよ。
マジで、可愛すぎてビビッてんだから、今。
手洗いとうがいを済ませてリビングに入るまで、後ろを付いて来て、ひたすら「似合ってる?」と聞いて来る。
「似合ってる。本気で可愛い」
ソファに鞄を置いて、そう言って振り返ると、もじもじしながら照れたように俯いた。
「どこで切ったの?」
そう言って冷蔵庫に向かうと、やっぱり後ろを付いて来る。
子犬か…。
「面接の帰りにね、歩いてたら声かけられてさ~」
え……
「カットモデルになってくれませんか、って」
「カットモデルって、お前…」
それ、大丈夫なの?
「あのね、了解取らないで勝手にネットに画像載せたりはしないって」
「了解してねぇだろうなぁ」
「してないしてない。でも、」
でも、って何だよ。
「店内にだけ画像貼らせてもらうって。…店内だけなら良いかな、って思って……その代わり、全部無料でやってもらえたんだよ~」
店内に画像貼るってとこだけが、ちょっと気に入らねぇけど……仕上がりはだいぶ気に入ってるわ、俺。
「イケメンって言われちゃった~~」
えへへ、と自慢気にわざとらしく俺の視界に入って来る。
そりゃ、イケメンだろうな、元が良いからどんな髪型したってそうなるだろう。
『超絶美人』だし?
「モデルやって欲しい時に連絡するかも、って」
ん?
何だ、それは。
「連絡?…電話番号教えたの?」
「ハガキくれるって言ったんだけど、ここの住所が分かんなくて……そしたら、電話番号でも良いですよ、って言うから」
気軽に電話番号を誰にでも教えんな、バカ。
…って思ったけど、電話番号って案外色んな場面で書いたりする事あるよな…。
番号教えたら、男前の美容師から電話かかって来て、カットモデルやってとか言われて、ほいほい付いてって、美人とかキレイとか言われて、気分良くなっていつの間にか服とか脱がされて、写真撮られて………
…などと、先走った妄想をしてしまう自分の慶への執着ぶりにちょっと引いたわ…。
「ダメだった?」
俺が、気になる表情をしてたのか、慶が心配そうに聞いて来る。
「ダメじゃねぇけど、次にカットモデルする時は先に俺に相談する事」
だいぶ、自分勝手な発言だって事は分かってる。
「相談?」
「そ。勝手にやんないで」
「…何で?」
俺の束縛が伝わったのか、慶の口元が少し緩んでる。
「お前が髪切って可愛くなんのは良いけど……本心は、知らねぇ奴がお前の髪に触んのとか無理だし」
そこまで言ってチラッと慶の顔を見ると、もう完全にニヤけ顔になってるし……
「…侑利くん……」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターのペットボトルを、俺の手から取ってキッチンに置くと、至近距離から思いっきり飛び付いて来て、ちょっと焦った。
「かわいいっ!!!」
「ぅおっ!!!」
行き成りの事で、受け止めたもののだいぶヨロけた。
そのために、ペットボトルを退けたんだな…。
「俺が誰かに触られんのヤなの?」
え…そんなの当たり前だろ…。
「嫌だよ」
「んふふぅ」
「笑い方変だぞ」
「えへへへ」
「何だよ…」
デレデレしちゃってさ…
「侑利くん…束縛しすぎ~」
「お前だって、ちょっと喜んでんじゃん」
「え~?」
「俺が束縛したら、どうなの?」
「……嬉しい」
「何で?」
「俺の事どんだけ好きなんだよぉ~~って思うから」
ほら見ろ。
束縛する俺と、束縛されて喜ぶお前で、ちょうど良いじゃん。
その後はずっと機嫌が良くて……俺的には何か…弱み握られたような気にさえなって来るけど……
まぁ、良いか。
隠したって、余裕ぶったって、きっとダメだろうし…。
ただ、自分の執着ぶりが恐ろしいわ…。
俺、マジでこんな奴じゃ無かったと思うけど……。
「で、面接はどうだったの?」
何となく、晩飯は食べに出た。
徒歩で行ける場所にある、居酒屋。
割と流行ってて、平日でも夜はけっこう入ってる。
金曜日の今日も、明日が休みの人が多いからか店内はほぼ満席に近く、ちょうど空いてたカウンターに通された。
俺はビール、慶はノンアルコールカクテルを注文し、何となくグラスを合わせて何にでもなく乾杯する。
髪切ったって事がデカすぎて忘れてたけど、そういえば今日、面接行って来たんじゃん…って思い出して聞いてみた。
「あ、そうそう」
お前も忘れてんじゃん。
「何かね、面接担当の人が言うにはね、そもそも後何人か募集しようと思ってた時に、急に2人同じ部署で辞めちゃったから、大変な事になってんだって。その2人のとこを補うために他の部署から回して…とかなってて、ほんとに人足りてないみたいだった」
「へぇ、そりゃ大変だな」
めっちゃ働かされるんじゃねぇの?
大丈夫か?
「結果は明日電話くれる事になってる」
「そっか。休みとかとれんの?」
休み……出来たら合わせたいって思ってしまう俺って…やっぱり、束縛が激しいんだろうか…。
「うん、そこ重要ポイントだよね~」
とか、可愛い顔して言ってんな。
「前もって希望出してたら大丈夫だって。だから休み合わせられるね」
嬉しそうに言うから……可愛くて、抱きしめたくなる。
こんな、甘酸っぱい気持ちになるのって……正直、初めてかも…。
ハタチの時に真面目に付き合ってた年上の彼女の時でさえも、俺は何か受け身で……そりゃ、それなりに束縛もしたかも知んねぇけど、何か違うんだ……
過去の俺がして来た恋愛の中に……今感じてるような気持ちが、どこにも見当たらない。
きっと……初めての感情だ。
だから…自分でもびっくりするぐらい素直に、束縛とか出来んのかも…。
恥ずかしい言葉も、平気で言えるしさ…。
何か…今までと違うわ、俺。
「…受かったら良いな~…そしたら、やっと侑利くんにお金払えるし」
まだ言ってる。
まぁ…自己満足のためにもやらせてやろうとは思ってるけどさ…。
「さむーっ!!」
がっつり食べて、居酒屋を出た瞬間、慶が叫んだ。
俺も同感。
夜はめっちゃ寒い。
「寒い寒い、侑利くんっ、早く帰ろっ」
そう言って、ポケットに突っ込んだ俺の腕を掴みグイグイ引っ張って歩く。
俺も引っ張られるままに、早足で歩いてる。
「帰ったら、何か温かいもん」
「カフェオレ淹れたげる~」
「あんがと」
へへ、と笑う。
「俺、侑利くんと出会ってほんと良かったなぁ~」
とか、しみじみ言うから……引っ張られっ放しだった腕を少し後ろに引いて、俺のペースに合わせるように慶を隣へ戻す。
素直に俺の横に収まった慶を「どしたの?」と覗き込めば…
「…幸せすぎるんだよ…何か……怖くなる」
とか、言うもんだから……また、何か余計な事考えてネガティブになってんのかって心配になる。
「幸せすぎる、で良いじゃん。怖くなる必要ねぇよ」
俺の腕を掴む力が少し強くなる。
「そういうの、」
「え?」
「侑利くんは、そうやって…俺が今まで言われた事無い言葉を言ってくれるから……どの言葉も全部…特別に思える」
慶が、誰にも愛されない人生を送って来ただなんて……先ず、誰も思わねぇよ。
俺の言葉が特別なんてさ……
「好きだから言ってんの。好きじゃ無かったら言わねぇし」
「それだって、特別だよ」
一瞬、腕を外して慶に肩を組むようにして頭ごと引き寄せ、短いキスをした。
慶はすごく、びっくりした顔してる。
「もーっ、外だよっ」
恥ずかしそうに両手で顔を覆って言う。
女子かっ。
「お前が悪い」
「何でっ」
「特別だよ、とか言うから」
「だって、」
それ以上は言わなかったけど……慶が、照れてんのが分かる。
外に出たついでに、コンビニで明日の朝用のパンなどを買って、また「寒い」と文句を言いながら帰った。
「ッあ、…ん」
「ちょっとキスさせて」
帰宅して、上着を脱いで寝室のハンガーにかけたとこで、今日も俺が欲情。
ベッドに押し倒して、キスをしてるとこ。
慶は抵抗する事も無く、素直に俺の要求に応じる。
とか言いながら、キスだけで止めてやる訳無いんだけど…。
「あっ、……んっ、あっ、あぁ、んん…っ、は……ぁ」
慶の色気ダダ洩れな声が寝室に響く。
俺の手の中で一度絶頂に達した慶に「もう待てない……早く、来て……」とか言われたもんだから……俺は、急いで挿入体制を作り……今、慶の中へ押し入ったとこ。
慶の中は、溶けるように熱くて…その感覚だけで、俺自身も異常に興奮して硬さを増す。
「ああっ、んっ、…侑利くんっ…あっ、…や、…んっ、んん…あぁ、ぁん…」
俺の律動に合わせて、慶がエロい声を出す。
その声に煽られて、俺はまた律動を強める。
その繰り返し……
気持ち良すぎて………バカになりそうだ……
慶の細い腰を掴んで、俺の根元まで咥え込ませる。
グリグリと回しながら擦り合わせるようにすると、気持ち良いところをかすめるのか、途中で何度も慶の体が跳ねて……悲鳴に近いような、切羽詰まった声を出す。
俺にはそれが堪らなく刺激的で……その声をもっと聞きたくて、深く突き刺さるように腰をがっちりとホールドする。
「やだっ、ああぁ、んっ…んん…っは、…あ、ゆ…侑利くんっ…も、…もぅ…だ、め……」
腰をホールドしてる俺の手首を、慶の手が強く掴む。
「もうダメッ…やっ…ああぁ、っ……も、イ…く……」
「…慶……っぅ、あ…俺も、」
限界だ。
とにかく、慶に気持ち良くなって欲しくて、思い切り最奥を突き上げる。
「あっ、あっ、侑利くんっ…ああああぁぁぁっ……」
「…っ、ん……ぅ…」
慶の可愛い声…。
先に慶がイッて……続いて俺も…。
慶は「はぁ……はぁ…」と大きく肩で息をしてる。
呼吸は、毎回整わず……上手に息が出来ない事もある。
必死で息を吸うから、キレイな鎖骨が呼吸に合わせて浮き出て来て……その細い首元に噛み付いて、また、攻めたい衝動に駆られる…、
「慶……大丈夫か?」
汗で貼り付いた切ったばかりの髪をキレイに流してやる。
「………だい…じょうぶじゃ…ない…」
未だ整わない呼吸。
「………カッコ良すぎて……気絶しそう……」
「はは……何だそれ」
フッと笑いながら、慶の中から自身を引き抜く。
いつも、この感覚には敏感になるみたいで、引き抜く瞬間に慶の腰がビクビクと電気が走ったように震える。
先日追加で買ったゴムの先に、吐射された俺の白い液体が大量に溜まってる。
どんだけ出るんだ、ってちょっと恥ずかしくもなるけど……そんな事どうでも良い、って思わせるくらい、やった後の慶が可愛いんだ。
「……侑利くん………俺…上手になってる?」
「はぁ?」
いきなり、変な事を言って来るから……
「上手って何が」
「…エッチすんの…」
何なんだよ、その質問は……
「何でそんな事聞くの」
色んな液体でベタついてる慶の下半身をタオルで拭いてやろうとすると、そのタオルを俺の手から奪い背中を向けて自分で拭いてる。
そんな……さっきのエロい姿とは対照的な間抜けな感じも、俺は愛しく思えて仕方ない。
「…だって……侑利くんに、気持ち良くなって欲しいし…」
ボソボソ言ってんな…
「気持ち良いからイクんでしょ」
液体が溜まったゴムを外して、慶の目の前で揺らして見せる。
「見せないでっ、生々しいっ」
ティッシュで包んでゴミ箱に捨てられる。
「生々しいってお前……さっきまでその生々しい事やってたじゃん」
「そうだけど……」
「上手くなりてぇの?」
少しして、背中を向けてた慶がこちらに向き直る。
「……下手よりは上手い方が良いでしょ…?」
そんな事、マジで考えてんのかな、コイツ…。
多分、バカだな…。
「…侑利くんは……上手だし……」
言って、恥ずかしそうに顔をシーツに埋める。
「…こっちが恥ずいわ」
「……ごめん」
謝られて、少し可笑しくなって……何となく2人でプッと笑う。
「だいたい、俺が上手いかどうかなんて、お前初めてなのに分かんねぇだろ?」
「上手いと思うっ」
すげぇ食い気味に来た。
「何でだよ」
「だって、気持ち良い…から」
……と、言った後「もぉーーー恥ずかしいっ」とか言って、何故か殴られる俺…。
「……お前…何なんだよ」
殴られたところを業とらしく摩る。
「とにかく、お前が下手でも上手でもどっちでも良い」
「…何で…?」
「どっちでも、俺が気持ち良くさせりゃ良いんだろ?」
すごく恥ずかしい事を言ったんじゃないかって思ったけどさ…。
どこにときめいたのかキラキラした目で慶が俺を見てるから、まぁ、良しとする。
「侑利くん、マジでカッコいい…」
「ふん、そーだろ」
慶の腕が俺の体に巻き付いて来た。
「もっかい…しとく?」
誘われたぞ…。
「……しとく」
すぐ、誘いに乗る俺。
色気も何も無いけど……スイッチが入ると別だ。
慶も俺も……その行為に没頭するから…。
上手くなりたいなら…回数こなすしかねぇよ。
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