異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり

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第八章 さけたなか 湯けむりはれる 魔界旅

第130話 雇い主なのに過保護なドラゴンに……

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 宣言通りレイは手加減してくれたのだが、お酒が入って気分が良くなったアキナとシーラがぐいぐい質問してきたので、あんまり意味がなかったな……。

 とはいえお酒も勧められつつ、といった感じだったので、俺がそこそこ酔っぱらったあたりで説明は終わりになったけど。

 そして次の日、つまり最終日は、街をぶらつきつつ街のマーフォークたちと交流することにした(アキナが話すときは俺が翻訳した)。
 それと、朝食の時に今日はお土産を買いたい、と伝えておいたので、帰る前にお酒などが売っている商店に案内してもらえた。

 さて、それじゃあお土産を選ぶとしますか。

 ベイラはドワーフだし、お酒は好きだよな? イズレは、飲みそうなような、そうでもないような……。
 なんて悩んでいると、リューナから、ベイラは酒精しゅせいが強いお酒が好き、イズレは考え事をする時に飲むので、そんなに強くなくて飲みやすい物がいい、と教えてくれた。

 ユズはそもそも飲んだことがない、モニカやディニエルは機会があれば飲む程度、ソフィアは食事に会うお酒なら飲む、ユズの祖父は昔はよく飲んだが、最近は控えている、といった感じらしい。

 なぜリューナがここまで詳しいのかと言うと、旅行先が分かったタイミングでディニエルたちに聞いておいてくれたそうだ。
 ……いつも思うけど、さすがはリューナ、ぬかりないな。

 お土産を購入した後、シーラたちに別れの挨拶をし、帰路についた。
 まあ帰路と言っても、転移の魔道具を使って一瞬で帰るんだけどな。

 まあともかく、今回の旅行も楽しかった!
 レイやシーラ、それと、マーフォークの夫婦たちに感謝だな。

 ……ただ、当分の間、お酒は飲まなくてもいいかなぁ。



 それから数日間は、ソフィアに俺の家に関して相談されたり、アキナたちに異世界の知識を提供したり、ユズの魔界双六に関して相談にのったりしていた。

 家に関しては前回決まった通り、二階建ての部屋を複数配置する形で進んでいた。
 ただ、上方向にももっと空間を拡張しませんか? なんて言われたので、すぐに拒否、……したかったのだが、広い調理場を用意したいというソフィアのお願いに、三階までは許可してしまった。

 ……この前おいしいそばを食べたのをきっかけに、いつかそば打ちをしたいなぁ、なんて思ってしまったからな。
 そのため、広い調理場と言われかなり魅力的に感じてしまった。

 俺の家なんだし、好きにしていいよな、うん。
 ……誰かにストッパー役をお願いしようかな?

 それと、アキナに異世界の知識を提供する時、こんな会話をした。

「それにしても、この前の旅行は楽しかったわね! ……それと、レイとわたしって少し似ているところがある気がしたわね。だから、これからもっと仲良くなれそうかも、なんて思えたわ」

 アキナとレイか……、言われてみればそうかも。
 ……いや、少しどころじゃなく、結構似ている気がして来たな。

「そういえば前に、娯楽用品店の店員、じゃなくて店長さんから、アキナは変な人が寄ってくるから警戒している、って聞いたよ。……レイも、人間界の酒場でちょっとあれな人たちを見てきたから、人間族に対してはちょっと警戒してしまう、って聞いたよ。魔族にはそういった人たちがいなかった、っていうのもあってさ」

「……なるほどね。それを聞いて、ますます似ている、って思えたわね。……今思うと、レイが急に転移したのはわざとだったりして。それで、わたしがどんな反応をするか見ていた、とか。……わたしも、見た目が実年齢より若いのを利用して、似たようなことをやっているし」 

「……確かに、普段のレイを考えると珍しいミスかもしれないな」

「ふふっ。今度会ったら、」聞いてみちゃおうかしら? ……さて、それじゃあ本題よ! 旅行の時には途中で終っちゃった、カクテルについての話をもっと聞きたいわ! 」

 流石にシーラにはかなわないけど、レイもアキナも、お酒に対してはかなり積極的になるよな。
 ……うーん、そこは似て欲しくなかったなぁ。



 さて、そんな感じで過ごしていると、あっという間に旅行前日になった。
 次はホムラとの旅行だったな。

 ……そして今回は、リューナが同行しない旅行だ。
 
 前回から引き続きリューナに旅行の準備を手伝ってもらったのだが……、

「ハクト様。もし、少しでも危険だと思いましたら、転移の魔道具を使用してください。それと、念のためにこちらの収納用魔道具を用意しておきました。中には水や食料、予備の転移用魔道具が入っています」

「いや、前回もその前も何もなかったし、そこまでしなくても……。ホムラも一緒にいるんだしさ」

「しかし、万が一ということがあります。今回、私が同行しなかったことによって、何かあってはいけませんので」

 と、かなり過保護な感じになってしまった。
 ……あ、これ、魔皇たちがリューナにしている感じのやつだ。



 そして旅行当日。
 もしかしたら、と思ってはいたが、朝はリューナが起こしに来た。

 そして、朝食を作ったり、体調に問題がない、忘れ物はないかを確認された。
 ……何だか、母親みたいな感じになってるな。

 リューナをなだめつつ出発し、いつもの教会前で待っていると、本日の同行者らしき人がやってきた。

「ふむ。今回の旅行、よろしくたのむ」

 ということで、今回はイズレだった。
 娘のディニエルは同行しないんだな、と思い、それを聞いてみると

「ふむ。他に行きたい場所があるようだ。……その行先にも興味があったので、私もそちらに変更しようと思ったのだが、娘に来ないで、と言われてしまってな。……結果として、私一人が今回の同行者ということだ」

 とのことだった。
 ……いつもの感じで喋っているけど、なんとなくショックを受けている様子だ。

 イズレにしては珍しい感じだな。
 ……まあ、気持ちはなんとなくわかるけど。

 イズレを励ますため、何か言おうかな、なんて考えていると、ホムラがこちらにやって来た。

「おう、揃っているな! それじゃ早速魔界に行くか!」

 と言うや否や、ホムラによって転移させられた。

 ……もしかして、前回のレイみたいにイズレを試してる?
 いや、そんなわけないか。



 そして、転移した先で目の前に広がった光景は、

「煙? いや、この匂い、もしかして温泉?」

「おう、正解だ! ここは温泉街だぜ!」

 ということで、魔界にある温泉街が今回の旅行先のようだ。
 
 ……魔界の温泉街か。
 何となくだけど、温泉の効能がすごそうだ。

 ホムラが街を案内してくれるのかな、と思い、ホムラの方を見ると、

「あー、ちと待ってな」

 と言うと、リンフォンを取り出しどこかに連絡をした。
 それが終わると、

「……リューナが、到着した時と寝る前に連絡をしてほしい、って言ってな。最初はもっと頻繁に連絡をしてほしい、って言われたんが、色々と説得して今の形になったぜ」

 リューナ……。
 ……後で、ヒカリに相談させてもらおうかな?

「あー。それと、ハクトは前回、レイの水上都市に行ったんだったよな? ……偶然とはいえ、連続で同じような場所になっちまって悪かったな」

「ん? いや、温泉と湖じゃ全然違うと思うけど……。それに、見た感じ、街の人もマーフォークって感じじゃなさそうだしな。種族が違えば、仮に同じような街でもまた違った感じになるだろうし、これから観光するのが楽しみだよ!」

「そうか? そう言ってもらえるなら、よかったぜ。んじゃ、さっそく街を案内していくか。それと、遅くなっちまったがイズレも今日はよろしくな」

「ふむ、こちらこそだな。魔界の温泉街を観光するという、貴重な機会をもらえてありがたい」

「おう! 存分に楽しんでくれな!」

 ということで、温泉街の観光が始まった。
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