239 / 450
家族の一員
抵抗
しおりを挟む
もうそろそろ一緒に働き出して一年くらい経つのか。あの真冬の出会いから今まで、私は彼らと過ごした。
そう、先輩であり、同僚であり、友人であり、家族みたいな存在。私にとって、二人はそんな存在なんだ。
微笑んでお礼を言った。
「ありがとうございます、私、自分はもう家族と呼べる人がいないから、そう言ってもらえて嬉し」
言いかけたところに、突然大きな音が響いた。寝室の扉が勢いよく開き、壁にぶつかる音だった。反射的にそちらの方を見てみれば、九条さんが私を見て立っている。
「あ、九条さん。今伊藤さんと話して」
私の声に反応することなく、ツカツカと彼は歩み寄る。そして私の腕を強い力で握り引っ張ったのだ。驚きと痛みで目を丸くした。九条さんは目を吊り上げて私を見下ろしている。
「しっかりしなさい!」
「……え」
「これが伊藤さんですか? ちゃんと見なさい!」
揺さぶられて頭がぐらぐらする。倒れてしまいそうになるのを必死にこらえ、私は彼に言われた言葉を理解しようとつとめる。
伊藤さん、伊藤さん?
仕事が終わってからこっちに寄ってくれた、って。あれでも、インターホンが鳴る音なんて聞こえたっけ?
それに、そうだ。あの気遣いがすごくて紳士な彼が、
私一人寝ている寝室にノックも無しで入ってくる??
私はようやくゆっくりとした速度で視線を動かした。今まで伊藤さんの顔があったそこに、やはりあの子はいた。
私を嘲笑うかのように口角をあげ、じっとこちらを見上げている。その黒い瞳は間違いなく私だけを捉えていた。動くはずのない瞳孔が、ゆらりと揺れた気がした。
自分の呼吸が速くなる。恐ろしさに埋もれてしまいそうだった。
私は今まで一体誰と話していたの? 励ましてくれたあの人は? 一体何を聞いて何を見ていたのかわからない。自分の目も耳も脳も信用ならない。
上手く呼吸ができず体が震える。面白いくらいガクガク震える手はまるで言うことを聞いてくれなかった。寒気が酷く、凍えてしまうんじゃないかと錯覚する。
すると九条さんは、チッと舌打ちしたあと、まず布団をそばにある人形に思いきり掛けてその姿を隠した。そしてそのまま、私を軽々と抱きかかえた。ふわりと自分の体が持ち上がる。
されるがまま小さくなって震えていた。九条さんはそんな私に何も言わず、すぐに寝室から飛び出した。
リビングに入り、ソファにそっと置かれる。人形の姿が見えなくなっても、私の震えは止まらなかった。自分の両手を必死に押さえるように努めるがまるで効果はない。ただパニックで、呼吸すら上手くこなすことができなかった。
自分がさっきまで人形相手にニコニコ会話していたんだと思うと恐ろしくてならない。やはり夕飯を三人分用意したのも、ほとんどあの人形に魅入られてしまっているのか。一体このまま私はどうなっていくの?
そんなことを脳内で考えている時、私の震える手を九条さんが上から包むようにして抑えた。温かい体温が伝わる。
「ゆっくり呼吸してください。吸うことより吐くことを意識して。とにかくゆっくり吐き出すんです」
慣れた彼の声が耳に届く。私はそれだけを頼りに、なんとか息を意識して操った。九条さんの低く抑揚のない声は、今はとても聞きやすくて私の心を落ち着けた。何度か落ち着きながら呼吸を繰り返す。
手に伝わるぬくもりにも次第に安堵感を抱き、少し心が落ち着いてきた。震えは徐々に収まる。どれくらいの時間を要したかわからないが、私はやっと頭の中が冷静になってくる。
「大丈夫ですか」
「は、はい……」
「心を落ち着けて。乱れるのはよくありません、心に隙間ができます」
九条さんは真っ直ぐ私を見ながら丁寧にそう言った。彼の黒い瞳に私の顔が反射する。それを眺めながら、私は何度も頷いた。最後に何度か自分で深呼吸を繰り返す。そして比較的しっかりした声で、九条さんに返事をした。
「落ち着いてきました……ありがとうございます」
私の両手を握る大きな手に感謝する。彼のおかげでなんとか落ち着いてきた。もしこれが一人だったら。相手が人形だと知らずに永遠に会話していたんだろうか。
こちらの様子を見て九条さんはようやく手を離した。無言で立ち上がり、冷蔵庫からお水を持ってきてくれる。好意に甘えて私は冷たい水を何口か飲んだ。ひんやりとした喉越しに頭まで冷えるような感覚になった。私はペットボトルをテーブルに置き、お礼を言う。
「九条さんがきてくれなかったらと思うとゾッとします……」
「一体何があったのですか」
私はポツリポツリと先ほどあった出来事を話した。うとうとしていた頃伊藤さんがやってきて、いつもの様子で話し始めたこと。内容も覚えている範囲で具体的に述べた。九条さんは考えるように腕を組んで聞いている。
一通り説明を終えると、彼は一つだけ頷いた。
「なるほど。状況が想像以上に深刻です」
「はい……」
「いいですか、光さん。今日の朝は、私は確かにソファで少し休んでいたんです。ですが、今朝のことがあったので今夜は一切眠らず人形を監視しておこうと決めていました。
それがどうです。あなたが寝室に入ってまだ少ししか経っていないのに、私の意識は吹っ飛びました。気が付けば人形の姿はなく、あなたの寝室から話し声が聞こえた。分かりますね?」
ごくりと唾を飲む。九条さんは普段は脳みそが溶けるんじゃないかと心配になる程寝ているが、調査中はそんなことはない。あまり睡眠を取らなくても覚醒しシャキッとしているのだ。そんな彼が、誘われるように眠った。
人形の力だ。
それはなかなか強い力であることがわかる。
彼は苦い顔をして言う。
「光さん、できることはやりましょう。まず調査の一歩として普段通り家中を撮影しましょう」
「撮影、ですか」
「身内に寝姿を見られるのはさすがに嫌がるだろうと思い提案はやめていましたが、そんなことも言ってられません。これだけの力があるのならば映像なんか残さない可能性が高いと思いますが、何かわかるかもしれません」
「はい、分かりました」
「撮影は一日中行います。移動や設置にかける時間も勿体無いので、明日からはもう事務所出勤はしません。伊藤さんはパソコンを持ってうちに来てもらいましょう、情報共有はしたいので」
「つまりここでみんなで調査するってことですね」
私は拳を握りしめた。彼の提案を拒否するつもりはこれっぽっちもない。私も出来ることは少しでも行っておかねばと危機感を覚えているのだ。
「そうと決まれば早速車から機材を取ってきます。あなたは疲れているでしょうからここに」
「や! やめてください、私も行きます。一人にしないでください!」
立ち上がろうとした九条さんに慌てて言った。彼はそれもそうか、と反省したように小さく頷く。私はさらに伝えた。
「あと、もう寝室で一人で寝るのはごめんなので……床でもいいからここで寝ていいですか。もう無理です」
床をぼんやり見つめながらそう呟いた。いくらなんでも、もう一人で過ごすほどの強い心臓は持ち合わせていない。
彼はそれも頷いてくれた。私はほっと息を吐きながら、なるべく一人にならないよう決意する。あとは撮影し、そこに何が映っているか、だ。
とにかく心を落ち着かせて、恐怖に呑まれないようにしないとだ。私に出来る唯一の抵抗は、それだけなのだから。
そう、先輩であり、同僚であり、友人であり、家族みたいな存在。私にとって、二人はそんな存在なんだ。
微笑んでお礼を言った。
「ありがとうございます、私、自分はもう家族と呼べる人がいないから、そう言ってもらえて嬉し」
言いかけたところに、突然大きな音が響いた。寝室の扉が勢いよく開き、壁にぶつかる音だった。反射的にそちらの方を見てみれば、九条さんが私を見て立っている。
「あ、九条さん。今伊藤さんと話して」
私の声に反応することなく、ツカツカと彼は歩み寄る。そして私の腕を強い力で握り引っ張ったのだ。驚きと痛みで目を丸くした。九条さんは目を吊り上げて私を見下ろしている。
「しっかりしなさい!」
「……え」
「これが伊藤さんですか? ちゃんと見なさい!」
揺さぶられて頭がぐらぐらする。倒れてしまいそうになるのを必死にこらえ、私は彼に言われた言葉を理解しようとつとめる。
伊藤さん、伊藤さん?
仕事が終わってからこっちに寄ってくれた、って。あれでも、インターホンが鳴る音なんて聞こえたっけ?
それに、そうだ。あの気遣いがすごくて紳士な彼が、
私一人寝ている寝室にノックも無しで入ってくる??
私はようやくゆっくりとした速度で視線を動かした。今まで伊藤さんの顔があったそこに、やはりあの子はいた。
私を嘲笑うかのように口角をあげ、じっとこちらを見上げている。その黒い瞳は間違いなく私だけを捉えていた。動くはずのない瞳孔が、ゆらりと揺れた気がした。
自分の呼吸が速くなる。恐ろしさに埋もれてしまいそうだった。
私は今まで一体誰と話していたの? 励ましてくれたあの人は? 一体何を聞いて何を見ていたのかわからない。自分の目も耳も脳も信用ならない。
上手く呼吸ができず体が震える。面白いくらいガクガク震える手はまるで言うことを聞いてくれなかった。寒気が酷く、凍えてしまうんじゃないかと錯覚する。
すると九条さんは、チッと舌打ちしたあと、まず布団をそばにある人形に思いきり掛けてその姿を隠した。そしてそのまま、私を軽々と抱きかかえた。ふわりと自分の体が持ち上がる。
されるがまま小さくなって震えていた。九条さんはそんな私に何も言わず、すぐに寝室から飛び出した。
リビングに入り、ソファにそっと置かれる。人形の姿が見えなくなっても、私の震えは止まらなかった。自分の両手を必死に押さえるように努めるがまるで効果はない。ただパニックで、呼吸すら上手くこなすことができなかった。
自分がさっきまで人形相手にニコニコ会話していたんだと思うと恐ろしくてならない。やはり夕飯を三人分用意したのも、ほとんどあの人形に魅入られてしまっているのか。一体このまま私はどうなっていくの?
そんなことを脳内で考えている時、私の震える手を九条さんが上から包むようにして抑えた。温かい体温が伝わる。
「ゆっくり呼吸してください。吸うことより吐くことを意識して。とにかくゆっくり吐き出すんです」
慣れた彼の声が耳に届く。私はそれだけを頼りに、なんとか息を意識して操った。九条さんの低く抑揚のない声は、今はとても聞きやすくて私の心を落ち着けた。何度か落ち着きながら呼吸を繰り返す。
手に伝わるぬくもりにも次第に安堵感を抱き、少し心が落ち着いてきた。震えは徐々に収まる。どれくらいの時間を要したかわからないが、私はやっと頭の中が冷静になってくる。
「大丈夫ですか」
「は、はい……」
「心を落ち着けて。乱れるのはよくありません、心に隙間ができます」
九条さんは真っ直ぐ私を見ながら丁寧にそう言った。彼の黒い瞳に私の顔が反射する。それを眺めながら、私は何度も頷いた。最後に何度か自分で深呼吸を繰り返す。そして比較的しっかりした声で、九条さんに返事をした。
「落ち着いてきました……ありがとうございます」
私の両手を握る大きな手に感謝する。彼のおかげでなんとか落ち着いてきた。もしこれが一人だったら。相手が人形だと知らずに永遠に会話していたんだろうか。
こちらの様子を見て九条さんはようやく手を離した。無言で立ち上がり、冷蔵庫からお水を持ってきてくれる。好意に甘えて私は冷たい水を何口か飲んだ。ひんやりとした喉越しに頭まで冷えるような感覚になった。私はペットボトルをテーブルに置き、お礼を言う。
「九条さんがきてくれなかったらと思うとゾッとします……」
「一体何があったのですか」
私はポツリポツリと先ほどあった出来事を話した。うとうとしていた頃伊藤さんがやってきて、いつもの様子で話し始めたこと。内容も覚えている範囲で具体的に述べた。九条さんは考えるように腕を組んで聞いている。
一通り説明を終えると、彼は一つだけ頷いた。
「なるほど。状況が想像以上に深刻です」
「はい……」
「いいですか、光さん。今日の朝は、私は確かにソファで少し休んでいたんです。ですが、今朝のことがあったので今夜は一切眠らず人形を監視しておこうと決めていました。
それがどうです。あなたが寝室に入ってまだ少ししか経っていないのに、私の意識は吹っ飛びました。気が付けば人形の姿はなく、あなたの寝室から話し声が聞こえた。分かりますね?」
ごくりと唾を飲む。九条さんは普段は脳みそが溶けるんじゃないかと心配になる程寝ているが、調査中はそんなことはない。あまり睡眠を取らなくても覚醒しシャキッとしているのだ。そんな彼が、誘われるように眠った。
人形の力だ。
それはなかなか強い力であることがわかる。
彼は苦い顔をして言う。
「光さん、できることはやりましょう。まず調査の一歩として普段通り家中を撮影しましょう」
「撮影、ですか」
「身内に寝姿を見られるのはさすがに嫌がるだろうと思い提案はやめていましたが、そんなことも言ってられません。これだけの力があるのならば映像なんか残さない可能性が高いと思いますが、何かわかるかもしれません」
「はい、分かりました」
「撮影は一日中行います。移動や設置にかける時間も勿体無いので、明日からはもう事務所出勤はしません。伊藤さんはパソコンを持ってうちに来てもらいましょう、情報共有はしたいので」
「つまりここでみんなで調査するってことですね」
私は拳を握りしめた。彼の提案を拒否するつもりはこれっぽっちもない。私も出来ることは少しでも行っておかねばと危機感を覚えているのだ。
「そうと決まれば早速車から機材を取ってきます。あなたは疲れているでしょうからここに」
「や! やめてください、私も行きます。一人にしないでください!」
立ち上がろうとした九条さんに慌てて言った。彼はそれもそうか、と反省したように小さく頷く。私はさらに伝えた。
「あと、もう寝室で一人で寝るのはごめんなので……床でもいいからここで寝ていいですか。もう無理です」
床をぼんやり見つめながらそう呟いた。いくらなんでも、もう一人で過ごすほどの強い心臓は持ち合わせていない。
彼はそれも頷いてくれた。私はほっと息を吐きながら、なるべく一人にならないよう決意する。あとは撮影し、そこに何が映っているか、だ。
とにかく心を落ち着かせて、恐怖に呑まれないようにしないとだ。私に出来る唯一の抵抗は、それだけなのだから。
46
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。