万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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「っと、そういえばセルシアはどう思う」

当然ながら、この場には俺以外の人間もいる。
セルシアも立場としては取り締まる側の人間だからな。

「私は…………むむ…………ストーカー、に関して、は……その人が、気付いた時……相談できる、場所とか、部隊? があれば、未然に防げる、かも」

「部隊、ですか……つまり、ストーカーと思わしき人間を監視する者たち、ですか」

「うん。それこそ、斥候の、ハンター、とか…………裏の人? を、正式に、雇ったり」

ストーカー監視組織か。
確かに対策できれば、被害が出る前にターゲットを取り押さえられるか。

未然に防ぐ方法としては、ありか。

「実際に実行していなくても、何回も特定の女性に対して後を付けているのが確認出来れば、警告して……これから常にあなたは監視され続ける? とでも言えば、大人しくなるか」

「あぁ~~~、なるほどね~~~~。監視している人間が監視される感覚、あるいは恐怖を味わえば止めるんじゃないかってことだね」

問題があるとすれば、ハンターを雇うのはタダじゃない。
雇うにしても、それ相応の隠密力と、いざという時に動ける制圧力が必要になる。

大きい街、ダンジョンを有していて人が多く集まる……もしくは、領主にそこに金を掛けるほどの育成資金があるか。

そういった部隊を育て上げるなら、後々その家の為にはなるだろうから、持ってない家は育て上げても損はない筈。

既に有してる家は…………はぁ~~~~~~~~……その家が、どれだけそういった被害を気に出来るか、次第か。

「ラガス君?」

「っ、えっとですね。今セルシアが出してくれた案は良いなと思ったんですけど、ひとまずストーカーに関する対処は、その街の領主がどれだけその問題に意識を向けてくれるか……それ次第だなと思って」

「「…………」」

今回は俺がそばを通りかかったから、なんとかすることが出来た。

あのストーカー野郎に二度と同じことが出来ない恐怖を与えられたと思う。
でも、俺がやれる事はそれぐらいだ。

ハンターを止めて衛兵に転職するつもりはないからな。

だから……結局のところは領主たちが自身の街を……自分にとっての国で起きる被害に、どれだけ意識を割いて、金を使えるかだ。

そこは、俺が介入できるところではない。

「…………ラガス君」

「はい、なんですか」

「今回の件で、君の名前とセルシアさんの名前を借りて良いだろうか」

「俺は構いません」

俺の名前を貸すだけでどうにか出来る……その切っ掛けになるなら構わない。

だが、名前となると仲間の分まで勝手に俺が了承する訳にはいかない。

「私も、構わない。それで……救われる、人が、いるなら」

「ありがとうございます」

衛兵二人は深々と頭を下げ、詰所での……相談会? は終了した。





「ありがとな、セルシア」

「?…………さっき、の?」

「あぁ、そうだよ。俺とセルシアの名前とじゃあ、重さが違うからな」

俺の方が強くとも、あくまでそれは実戦での話。

政治的な強さ、重さを持つって意味なら、間違いなく公爵家の令嬢であるセルシアの方が上だからな。

「……そうかも、しれない。でも、先に、良い話? を出したのは、ラガス。私は、同意、しただけ、だよ」

「だとしても、だよ。俺の名前だけじゃ、変えられたものも変えられなかったかもしれないからな」

セルシアと共に行動はしてるけど、あくまで俺はセルシアのパートナーってだけだ。

今更表立ってそこに文句を言ってくる奴はいなくなったけど……あれなんだよな、学生時代にもまだそこそこいたしな。

母校の奴らは割と交流できるようになったから、そういった感情をぶつけてくる奴らはいなかったけど、他校の連中だと割といたからな~~~~。

「そう……それでも、私は、ラガスは凄い、と思うよ」

「……そっか、ありがとな」

まぁ、それはそれとして、そう言ってもらえるのは嬉しいってものだ。
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