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異なるフィールドだから
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SIDE メリル、シュラ、セルシア
「んじゃ」
短く告げると、ラガスは集中モードに突入。
複数の素材を取り出し、魔靴の製作を始めた。
「こうなると、俺らは何も手伝えないからな~~~」
「…………クラーケンを、仕留めれ、ば……ラガスが、失敗、しても、問題なくなる」
「おっ!!! 確かにそれは役立てそうっすね!!! それじゃあぁ………………ははは。セルシア様、今回は止めときましょうか」
「うん。そう、だね」
バカなことを口にした二人に対し、冗談だろうが本気だろうが知ったことではなく、極寒の視線を二人に向けたメリル。
暖かい気温のはずなのに震えを感じた二人は即座に撤回。
体感温度はなんとか元に戻った。
「全く、ふざけたことを言わないでください」
「へいへい、悪かったよ。けどよ、ビーチ近くで遊泳の訓練をするにしても、もしかしたらって可能性はありそうだろ」
「基本的にないでしょう」
「……なんでないって断言できるんだよ」
シュラは、正真正銘のバカではない。
ただ、少し考えれば解ることを考えようとしなかった。
「クラーケンの推定体長を考えれば、まずビーチ付近まで来ることが出来ないでしょう」
「………………」
「確かに、そう、かも」
「仮に近づくことは出来ても、満足に戦えない。浅瀬までくれば私たち人間のフィールド寄りになる。クラーケンはBランクのモンスターなのだから、それぐらい考えられる知能はあるはずよ」
お前はクラーケン以下のバカかとツッコんでいるのだが……シュラは気づくことなく、残念そうな表情を浮かべるだけだった。
「それもそうか。そこら辺も地上と海の違いって感じだな」
「……そうね。仮にクラーケンが人間の味を覚え、それが気に入ったとしても、わざわざ自分が不利になる場所に現れることはないはずよ」
「んじゃ、仕方ないな。にしても、こう……ムズイな」
ひとまずビーチへと向かうも、シュラの表情は変わらずテンションが下がり気味だった。
「何がかしら」
「強敵と戦うのがだよ。とりあえずビーチ……陸から離れた場所に向かえば遭遇できるんだろうけど、そこまで行くのが疲れる、危険って話だろ」
「そうね。少なくとも、ラガス坊ちゃまがいない状況で実行することではないわ」
「解ってるよ。けど、地上と違ってあまりにも強敵と遭遇するのが難しすぎると思わないか?」
戦闘大好きなシュラとしては、非常にどうにかしたい問題であった。
「……そう思う気持ちは、一応解る。ただ、そこはもう地形という問題で、その問題は基本的にどうこうできる話じゃないのよ」
「…………ラガスさんがこの前話してた、マジックアイテムに分類できるであろう船が完成しても、か」
「だと思うわよ。まず、海という場所は非常に安定しない。地上に例えるなら、急に足場がぐらぐらになって、高低差が変わるの」
メリルは実際に体験したことがあるわけではないが、耳にした知識から……正直なところ、あまり海で大冒険はしたくない。
「まず、地上だとしてもそんな場所で上手く戦えるかしら」
「……クソムズいだろうな」
「解ってるようでなによりよ。それだけなら、戦い続ければ慣れるかもしれない。けど、海には下がある」
どんな水棲モンスターも海面で戦ってくれればシュラたちとしても少しは楽になるが、そんな人間の事情など、水棲モンスターたちからすれば知ったことではない。
「そして、下の深さを私たちは正確には測れない」
「……下に行くだけなら、一応限界はあるのかもしれねぇけど、俺たちじゃ追いつくのが難しいってことだよな」
「そうよ。海は、まさしく水棲モンスターたちのフィールド。私たちにとっては、ただただ不利なフィールドでしかないの。私たちを歓迎するように、丁度良い間隔で小島があるわけでもないしね」
メリルは基本的にハンターとしての欲求がない。
だからこそ、ハンターらしい欲を持つラガスやシュラ、セルシアの願いは無理のない範囲で叶えてあげたいとは思っている。
だからこそ、無理な場面ではハッキリ無理だと告げるのが、自分の仕事だと決めている。
「んじゃ」
短く告げると、ラガスは集中モードに突入。
複数の素材を取り出し、魔靴の製作を始めた。
「こうなると、俺らは何も手伝えないからな~~~」
「…………クラーケンを、仕留めれ、ば……ラガスが、失敗、しても、問題なくなる」
「おっ!!! 確かにそれは役立てそうっすね!!! それじゃあぁ………………ははは。セルシア様、今回は止めときましょうか」
「うん。そう、だね」
バカなことを口にした二人に対し、冗談だろうが本気だろうが知ったことではなく、極寒の視線を二人に向けたメリル。
暖かい気温のはずなのに震えを感じた二人は即座に撤回。
体感温度はなんとか元に戻った。
「全く、ふざけたことを言わないでください」
「へいへい、悪かったよ。けどよ、ビーチ近くで遊泳の訓練をするにしても、もしかしたらって可能性はありそうだろ」
「基本的にないでしょう」
「……なんでないって断言できるんだよ」
シュラは、正真正銘のバカではない。
ただ、少し考えれば解ることを考えようとしなかった。
「クラーケンの推定体長を考えれば、まずビーチ付近まで来ることが出来ないでしょう」
「………………」
「確かに、そう、かも」
「仮に近づくことは出来ても、満足に戦えない。浅瀬までくれば私たち人間のフィールド寄りになる。クラーケンはBランクのモンスターなのだから、それぐらい考えられる知能はあるはずよ」
お前はクラーケン以下のバカかとツッコんでいるのだが……シュラは気づくことなく、残念そうな表情を浮かべるだけだった。
「それもそうか。そこら辺も地上と海の違いって感じだな」
「……そうね。仮にクラーケンが人間の味を覚え、それが気に入ったとしても、わざわざ自分が不利になる場所に現れることはないはずよ」
「んじゃ、仕方ないな。にしても、こう……ムズイな」
ひとまずビーチへと向かうも、シュラの表情は変わらずテンションが下がり気味だった。
「何がかしら」
「強敵と戦うのがだよ。とりあえずビーチ……陸から離れた場所に向かえば遭遇できるんだろうけど、そこまで行くのが疲れる、危険って話だろ」
「そうね。少なくとも、ラガス坊ちゃまがいない状況で実行することではないわ」
「解ってるよ。けど、地上と違ってあまりにも強敵と遭遇するのが難しすぎると思わないか?」
戦闘大好きなシュラとしては、非常にどうにかしたい問題であった。
「……そう思う気持ちは、一応解る。ただ、そこはもう地形という問題で、その問題は基本的にどうこうできる話じゃないのよ」
「…………ラガスさんがこの前話してた、マジックアイテムに分類できるであろう船が完成しても、か」
「だと思うわよ。まず、海という場所は非常に安定しない。地上に例えるなら、急に足場がぐらぐらになって、高低差が変わるの」
メリルは実際に体験したことがあるわけではないが、耳にした知識から……正直なところ、あまり海で大冒険はしたくない。
「まず、地上だとしてもそんな場所で上手く戦えるかしら」
「……クソムズいだろうな」
「解ってるようでなによりよ。それだけなら、戦い続ければ慣れるかもしれない。けど、海には下がある」
どんな水棲モンスターも海面で戦ってくれればシュラたちとしても少しは楽になるが、そんな人間の事情など、水棲モンスターたちからすれば知ったことではない。
「そして、下の深さを私たちは正確には測れない」
「……下に行くだけなら、一応限界はあるのかもしれねぇけど、俺たちじゃ追いつくのが難しいってことだよな」
「そうよ。海は、まさしく水棲モンスターたちのフィールド。私たちにとっては、ただただ不利なフィールドでしかないの。私たちを歓迎するように、丁度良い間隔で小島があるわけでもないしね」
メリルは基本的にハンターとしての欲求がない。
だからこそ、ハンターらしい欲を持つラガスやシュラ、セルシアの願いは無理のない範囲で叶えてあげたいとは思っている。
だからこそ、無理な場面ではハッキリ無理だと告げるのが、自分の仕事だと決めている。
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