万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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単体では最強の敵だった

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お互いに息を完全に整え、最後の攻撃に移る。
クロウザ・バレアントが望んでいる攻撃はおそらく、俺がセルシアの最後の一撃に迎え撃ったあの一撃のことだろう。

クロウザは腰の位置を引くくして槍の真ん中辺りを持って構える。
というか、やっぱり遠距離攻撃で来るんだな。てっきり斬撃系で勝負してくるのかと思った。

ただ……やっぱり最後の最後に隠し玉を持っていやがった。
今回の試合中、槍には火の魔力しか纏っていなかった。
なのに今回の一撃には火だけではなく、迸る雷の魔力も同時に纏っていた。

てか……中々に器用な事をするな。
違う属性の攻撃魔法を同時に放つよりも、違う属性の魔力を一つの武器に纏わせる方がセンスと才が必要だと聞いたことがあるけど……こいつ、もしかしたらマジで強くなるかもな。

「獣王の進撃!!!!」

「炎雷・怒号!!!!」

獅子の進撃と全てを食らい尽くす炎雷の螺旋が激突する。
この威力……セルシアの雷王の砕牙に迫るんじゃないか?

それ程までに高威力の一撃だった。
その結果……お互いの攻撃は弾け飛び、周囲に大きな衝撃を与えた。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……はっ、やっぱり……届かなかった、か」

最後の一撃を放った後、クロウザは今にも倒れそうな程に疲弊していた。
そりゃそうだろうな。元々体力と魔力は殆ど底を尽いていたんだ。
それを無理矢理振り絞って出した最高の一撃……ははっ、本当に楽しかったよ。

「確かに届かなかった。でも、俺の獣王は確かにお前の炎雷に消し飛ばされた。それは事実だ」

「そう……か。確かにそうだな。そこは、誇らせてもらおう」

そう言い終えると、クロウザは糸が切れたように倒れた。
ただ、寸でのところで場外に落とされて既に脱落いていたパートナーの女の子がキャッチした。

そして審判がクロウザが完全に気を失ったのを確認し、俺達の勝利判定を宣言する。
その瞬間、観客達の熱が膨らみ……弾けた。

「はぁーーー、相変わらず観客達は元気だな。ちょっとぐらい声が枯れれば良いのに」

「多分、それは無い……と思うよ。だって、お祭りだから」

「あぁ・・・・・・そうかもな。それでも耳に響くのは嫌だな」

でも……今回はセルシアの時みたいに良い試合が出来たからそこまで気分は悪く無かった。

「ねぇ……今度あの人と戦う時は、私が戦っても良い?」

「あぁ、良いよ。でも……俺がもう一度クロウザ・バレアントと戦う事は無いんじゃないか?」

「それは……そうかも、しれない。どうしよう?」

セルシアとしてもマジで戦ってみたい相手なんだろうな。
それは解らなくもない。純粋に戦いだけを楽しんでるような奴だったからな。

それに力量を考えれば結構近い相手だし……もしかしたら俺と戦うよりも緊張感があってヒリヒリする戦いになるかもな。

「クロウザ・バレアントもセルシアと戦ってみたいって言ってたし、個人的にあって模擬戦をすれば良いんじゃないか?」

「……うん。そうだ、ね。でも、それだと……今日のラガスが体験したような戦いには、ならない。だから、今日クロウザ・バレアントと戦えたラガスが、羨ましい、かも」

「あぁ~~、なるほどな。確かに今回はお互いに負けられない舞台だったからな。今日と後日ではそこら辺の緊張感が変わってくるか」

セルシアが何に不満を持っているのかは解かる。
単純に言えば、模擬戦と命を賭ける実戦の差だ。

セルシアは後者を欲するタイプだからな。
なら、今日クロウザと戦えた俺はラッキーだな。

「……多分、あの人以上の人は、もうダブルスにはいない、と思う」

「それは……そうかもな」

やっぱり学校の代表として出るだけあって実力がそこまで離れることは基本的に無い。
だから一回戦ではともかく、二回戦目になると手札を惜しんでいられるペアは殆どいないだろう。

てか、単体最強の敵はクロウザ・バレアント以外にはいない。
それは断言出来る。後は……コンビネーション攻撃でどれだけ高威力な技を出せるペアがいるか……ただ、セルシアはそういうのを求めてはいないからな。

「まっ、そういう楽しみは団体戦になれば味わえる筈だよ」

「そう、かな……うん、そうかもいれない、ね」

団体戦はその学園最強のメンバーを選んでくる筈……だから満足出来る試合が多いと思う。
……断言は出来ないけどな。
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